こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!今回も、魅力的なウイスキーの解説&レビューを行っていきます!!
クライヌリッシュ14年は、スコットランド北ハイランド地方に位置するクライヌリッシュ蒸溜所で生産されるシングルモルトウイスキー。その独特のフレーバーと豊かな味わいは、数々のウイスキーファンを魅了させるだけでなく、世界一の販売量を誇るジョニーウォーカーの需要な原酒を供給しています。
この記事では、クライヌリッシュの蒸溜所の歴史、製造方法、そしてスタンダードボトルとなる「クライヌリッシュ14年」について詳しく解説します。
この記事を通じて、クライヌリッシュの奥深い魅力を是非!知って下さい。
クライヌリッシュ14年を簡単にまとめると
ウイスキー属性 | シングルモルト |
産地(エリア) | スコットランド(ハイランド) |
蒸留所 | クライヌリッシュ蒸留所 |
味わい | 甘やかでほのかにピーティー |
飲みやすさ | ★★★★☆☆ |
おすすめの飲み方 | 何でもOK! |
個人的感想 | 14年熟成のまろやかさは秀逸 |
スコットランドの隠れた名品クライヌリッシュ
クライヌリッシュの歴史と背景
クライヌリッシュ蒸溜所は、北ハイランドの東沿岸部に位置するリゾート地、ブローラの郊外にあります。1819年に初代サザーランド公ジョージ・ルーソン=ゴアが設立したこの蒸溜所は、クラインミルトン川の水を使用し、その水がウイスキーに独特のミネラル感と味わいを与えています。
この地域は豊かな自然環境を誇り、蒸溜所の名前はゲール語で「黄金の湿地」を意味し、かつてこの地で砂金が採れたことに由来します。サザーランド公爵は、農業改革の一環として余剰大麦の利用と密造酒の取り締まりを目的にこの蒸溜所を建設しました。
蒸溜所のラベルにはサザーランド公爵の副紋章である山猫が描かれており、そのシンボルは現在も受け継がれています。
豊かな土壌は大麦の栽培に優れ、余った大麦でウイスキー造りをしたのがクライヌリッシュの起源とされています。
野性味あふれる「山猫」がモチーフのロゴも魅力的ですね!
北ハイランドの名門クライヌリッシュ蒸溜所
ジョニーウォーカーを支える蒸留所の設備
クライヌリッシュ蒸溜所は、ジョニー・ウォーカーのブレンデッドウイスキーにおいて重要な役割を果たしており、特にジョニー・ウォーカーゴールドラベルやブラック&ホワイトのキーモルトとして使用されています。そのシルキーな口当たりと独特のフレーバーがブレンド全体の品質を高めています。
クライヌリッシュは、伝統的な方法と近代的な設備を組み合わせた製造プロセスを持っています。北ハイランドで収穫された大麦とクラインミルトン川の水を使用し、直径約3.9m、深さ約1mの巨大な糖化槽が2基、木製の発酵槽が8槽、ステンレス製の発酵槽が2槽設置されています。
1967年に新設された施設には、初溜釜と再溜釜がそれぞれ3基ずつ、合計6基のポットスチルがあり、胴部がボール型(バルジ型)に膨らんだ形状をしているため、蒸留の効率とウイスキーの風味を高めます。
クライヌリッシュのウイスキーは主にバーボン樽で熟成されますが、シェリー樽での熟成も行われ、複雑でリッチなフレーバーが加わります。特に、ダーク・オロロソ・セコシェリー樽を使用することで、ドライな木の実の豊かさがウイスキーに加わります。
蒸溜所の年間生産能力は480万リットルで、スコットランドでは中堅規模の蒸留所になります。
クラインミルトン川の仕込み水を使用して造られるクライヌリッシュのウイスキー!
伝統と現代の生産効率の融合によって銘酒が生産されています。
クライヌリッシュの姉妹蒸留所「ブローラ」
クライヌリッシュ蒸溜所と隣接するブローラ蒸溜所は、同じ設備と仕込み水を使用していたため、ウイスキーの特徴も似通っています。しかし、ブローラのウイスキーはより強いピート香とスパイシーな風味が特徴であり、クライヌリッシュとは異なる個性を持っています。1983年に閉鎖されたブローラ蒸溜所は、2017年にディアジオ社によって再稼働が決定され、38年ぶりにウイスキーの生産が再開されました。
ブローラ蒸溜所は、1969年から1983年までのわずか14年間のみ稼働していましたが、この期間に造られたウイスキーは特にピート香の強い麦芽を使用しており、その強烈な個性からカルト的な人気を誇っています。現在でも、独立瓶詰め業者や酒屋のチェーンからブローラ名義のモルトウイスキーが出荷されることがあります。
閉鎖蒸留所の中でも非常に人気の高いブローラ蒸留所。以前生産された原酒は現在、非常に高額な値段で取引されています。
同じ敷地や設備であっても、それぞれ異なる個性を持つウイスキー造りには、不思議な魅力がありますね。
ウイスキーファンを魅了するクライヌリッシュ14年
クライヌリッシュ蒸溜所の代表的なシングルモルトは「クライヌリッシュ14年」です。このボトルは14年以上の原酒をヴァッティングして造られており、豊かで甘くフローラルな香りとシルクのような滑らかなコクが特徴です。複雑でバランスの取れたフレーバーが楽しめるため、ウイスキーファンから高い評価を受けています。
さらに、クライヌリッシュはスコットランド本土にありながらピート香を内包し、ややドライでアイランズ・モルトの特徴を持ち合わせています。海や潮、海藻などの風味が感じられ、アイランズ・モルトの愛好家にも親しまれています。
その他にも、多数のボトラーズからリリースされるクライヌリッシュのボトルも市場で高い人気を誇っています。
クライヌリッシュの魅力が詰まった「クライヌリッシュ14年」は、オフィシャルのスタンダードボトル!
ボトラーズリリースや限定品も数多くありますが、まずはこの「クライヌリッシュ14年」から試してください!
それでは、いつものようにストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方で味と香りをみていきましょう!
テイスティング(実際にクライヌリッシュ14年を飲んでみた)
クライヌリッシュ14年のフレーバー
クライヌリッシュ14年の味わい
クライヌリッシュ14年をストレートで飲んでみる
香り
- ハチミツ、リンゴ、洋梨、カリン、ビスケット、潮、ピート
味わい
- クリーミー、果実とスパイシー
感想
まずはストレートで飲んでみます。
香りは、ハチミツを思わせる甘い香りに、熟成リンゴや洋梨のフルーティーさが混じり、少しハーブを思わせるカリンのような果実感があります。また、ビスケットの香ばしさに、ほのかに潮の香りとピートの刺激を感じます。
口に含むと、粘性を感じるオイリーな舌触りがあり、麦の香ばしさも相まってクリーミーな印象を受けます。少し酸味を感じた後、リンゴや洋梨のフルーティーな香りが鼻を抜けていきます。その後、ビターな味わいが追いかけてきて、潮っぽさを感じる余韻が長く続きます。
ピートや潮気と聞くと、ウイスキーを飲み始めた方は躊躇してしまうかもしれませんが、果実やハチミツのニュアンスの方が強いので、決して飲みにくい印象はありません。14年熟成のモルトの旨味や味わいのバランスが非常に良く、上品で飲みごたえのある味わいを楽しむことができます。
ジョニーウォーカーのまったりとした熟成感の源のような上品で甘やかな味わいです。ピートや潮気もアクセント程度なので、気になりません!
クライヌリッシュ14年をロックで飲んでみる
香り
- リンゴ、ハチミツ、洋梨、花、焦げ感、ピート、スモーク
味わい
- フルーティーでスパイシーな余韻
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、リンゴの爽やかな酸味や洋梨の香りにハチミツの甘さが絡んでいます。また、花を思わせるフローラルな香りがあり、香ばしさの中に焦げた感じのニュアンス、そしてピートやスモーキーさもほのかに感じることができます。
口に含むと、爽やかなフルーティーさと花を思わせる華やかな香りが口いっぱいに広がり、味わいはビターが先行します。その後、スパイシーさが追いかけてきて、樽の渋みを感じながらビターとともにゆっくりと消えていきます。
ストレートの甘やかな感じから一変し、華やかでビターな味わいはスッキリとしていて、樽由来の渋みが軽やかさの中にモルトの持つ重厚感を感じさせてくれます。
甘めが苦手な方でも氷を入れるとスッキリ飲みやすくなります。加水によって出てくる樽感が14年という熟成感を感じさせてくれます!
クライヌリッシュ14年をハイボールで飲んでみる
香り
- リンゴ、ハチミツ、花、パンケーキ、潮、スモーク
味わい
- フローラル、ハチミツのほのかな甘さ
感想
最後は炭酸を入れてハイボールで飲んでみます。
香りは、リンゴの爽やかさにハチミツの香りが混じり、花を思わせるフローラルさで溢れています。また、ふっくらとしたパンケーキの少し湿り気のある香ばしさを感じ、かすかに潮気やピートスモークのニュアンスも感じることができます。
口に含むと、華やかなフローラルな香りと果実のフルーティーさが広がり、ハチミツのほんのりとした優しい甘さを感じます。その後、ビターな味わいが追いかけてきて、リンゴやハチミツの香りと共に少しスモーキーなニュアンスが漂いながら静かに消えていきます。
ロックよりもさらに優しくなったビターと、フルーティーでハチミツの優しい甘さがバランスよくまとまっており、炭酸の爽快感にとてもよく馴染んでいます。ハイボールで飲むには少し躊躇してしまう価格ですが、贅沢な気分を味わいたい時にオススメしたい正統派スコッチの味わいを楽しむことができます。
ジョニーウォーカーゴールドにも通じる甘く優しく、ほんのりとビターな味わいのハイボールです。ゆっくりと時間を楽しみたい時にオススメです!
クライヌリッシュ14年のまとめ
ジョニーウォーカーの重要なキーモルト「クライヌリッシュ」の14年のレビューでした。
クライヌリッシュ蒸留所はディアジオが所有する蒸留所の中でも人気が高いです。かつてはブローラの第2蒸留所として稼働していましたが、現在ではブレンデッドウイスキーの重要なキーモルトとして、またシングルモルトとしても高い評価を得ています。
その人気の理由は、クリーミーで滑らかな口当たりとバランスの取れた味わいにあります。今回も3種類の飲み方で楽しみましたが、どの飲み方でもスッと体に馴染み、受け入れてくれる懐の深さを感じることができました。
14年の熟成期間があるため、価格は少々高めですが、ジャパニーズウイスキーの高騰と比べれば、まだ手の届く上質なシングルモルトの味わいを楽しむことができます。
バーなどではクライヌリッシュをオーダーする人は多くないため、通が好むモルトという位置づけがありますが、その柔らかく繊細ながら独特の個性を放つクライヌリッシュ14年を、ぜひ一度お試しください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!
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