【レビュー】ボウモア12年の味と香りを徹底解説!!

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このウイスキーを簡単に説明

ボウモア蒸留所について

出典:whisky.com

ボウモア蒸留所は1779年から稼働しているアイラ島の中でも最も古い蒸留所です。

BOWMOREとはゲール語で「大きな岩礁」という意味。

ボウモア蒸留所で特徴的なのは、今では珍しくなってしまったフロアモルティング」を行っている点で、麦芽を作る工程も業者に委託する蒸留所が多い中、床の上で大麦を発芽させる伝統技法を行い、使用量の約30%を生産していると言われています。

出典:whisky.com

フロアモルティングは、敷き詰めた大麦をスコップなどで撹拌するので、非常に手間がかかる重労働

過酷なフロアモルティングの作業から肩への負担が大きく、強張った方を「モンキーショルダーと言い、人気のボトル名にもなっています。

また、ボウモアではニューメイクの全てを貯蔵するわけではなく、上質な香味を持った箇所のみを選び、樽に詰めて熟成。熟成に使われる倉庫(ウェアハウス)は対岸に面しているので、自然と潮風に吹きさらし状態となることから、ボウモアのモルトは磯の香りを含んだ独特の風味を持っています。

酒質もピーティかつスモーキーな香り。そして蜜のような甘みを伴うので、アイラモルトの中では女性的な味わいと言われることから「アイラモルトの女王」とも呼ばれています。

また、アイラ島で唯一エリザベス女王が訪問した由緒正しき蒸溜所でもあり、その際歓迎用の特別なウイスキー樽を作り、今も倉庫の奥に飾っているそうです。

出典:サントリーHP

ちなみに、現在のボウモア蒸留所はサントリーが所有しています。ここで、豆知識としてサントリーが所有する前後では味わいや香りが大きく違いました。以前のものは「香水」のような香りがしたそうで、現在の甘やかな香りとは違がっていたのです。その原因が・・・

サントリーに引き継がれた時に製造過程をチェックしていると、『蒸留器の洗浄の際に洗剤を流していない事が判明』!!

香水のような香りの正体は『洗剤』だったなんて驚愕(・・;)。もともと、欧州では食器洗いですすぎをしないのが当たり前の国もあるので、現地のスタッフとしては何も問題なく思えたのでしょう。

歴史の長い蒸留所だけに様々な逸話も多くありますが、そんなボウモア蒸留所からリリースされている「ボウモア12年」は最もスタンダードなボトルで、筆者がとりあえず飲んでみてほしい銘柄です。それでは、実際に飲んでみたいと思います。

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テイスティング(実際に飲んでみた)

フレーバーチャート
味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り
  • ピート、ヨード香、柑橘、カカオ
味わい
  • ややオイリー、バランスの良いピート香とヨード感、ダークチョコの様な苦み
感想

初心者が手を出してはいけないアイラモルトの世界。そんな、アイラ島の中で最も歴史の古いボウモア蒸留所のスタンダードボトル「ボウモア12年」をストレートで飲んでみました。率直な感想は「以前のボウモアよりも遙かに飲みやすい」印象でした。記憶では、もうちょっと甘みが抑えられたややドライな印象が残っているのですが、現在のボトルは甘さが強く、香りはフルーティーでバランス良くピートとヨードの香りが漂います。スタンダードな12年というよりは、免税店のみで展開されていた「ボウモア エニグマ」に近い味わいに変わった様に思います。これは初心者が初めてボウモアを飲む際の敷居が低くなった様な印象で、ドラッグストアなどでも見かける様になった昨今、アイラモルトと知らずに手を出してしまった場合にギリギリ飲めるであろう味わい?と思いました。ジャパニーズウイスキーで言えば余市あたりのピート感に熟成を加えた様な印象で、とても飲み応えのあるウイスキーに仕上がっています。

ハイボールで飲んでみる

香り
  • ピート、少し乾いた様なヨード、ハーブ、ハチミツ
味わい
  • ほろ苦さ、柑橘の爽やかさ、ハーブ、心地良くピーティー
感想

次はハイボールにして飲んでみます。ストレートの時に感じた湿ったヨード感が、少し乾いた印象に変化しました。また、ダークチョコの様な苦みが柑橘を連想させる瑞々しいビターに変化して全体がシャープにまとまっています。とはいっても、アイラらしいピートや磯の匂いもしっかりと感じ取れるので、世間一般的に知られているハイボールとはまるで違う味わいが楽しめます。

牡蠣にかけて食べてみる

味わい
  • クリーミーな牡蠣と一体となり一層濃厚な味わい
感想

ウイスキーを牡蠣にかける・・・。なんという暴挙と思うかもしれませんが、これはボウモア蒸留所がある街の名産物が牡蠣で、地元の人にとってもポピュラーな食べ方です。ほかにも、スコットランドでは調理酒として使ったり、ハギスという羊の腸の煮込みみたいな伝統料理の臭み消しに使われたりします。正露丸の様な香りと言われるアイラモルトに癖のあるものを合わせる事で互いを打ち消し合いまろやかな味わいが生まれます。

牡蠣にかける食べ方は作家の村上春樹氏の著書『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』の中でも描かれていて、牡蠣とボウモアは元々一つだったのでは?と、思えるくらいに違和感なくスッと頂けてしまいます。牡蠣が好きで、ウイスキーも飲み慣れてきた頃にこの食べ方でアイラモルトを頂くと敬遠していたのが馬鹿らしくなるくらいに好きになれるかもしれません。そのくらい美味しいです。

ただ、アイラモルトの全ての銘柄が相性良いわけではなく、個人的に牡蠣にかけるなら「ボウモア」、「ラフロイグ」の2つがオススメです。

まとめ

よくアイラモルトの入門にはボウモアと言われることがあります。それは、アイラモルトの個性はしっかりと感じられる酒質があり、女性のようなモルトと例えられるくらい華やかな香りを併せ持っているからです。しかし、ピーティーな香りやヨード感は十分にありますので、好みの濃さに調整したハイボールや水割りで始めるのが良いと思います。ただ、しつこいようですが「牡蠣」にかけて、つまみにしながらストレートで飲むのがボウモアの醍醐味を一番強く感じれると思いますが、無理はなさらずに(笑)

ともあれ、日本でも人気の高いボウモアを一度お試しください!ウイスキーの経験値がかなり上がりますよ!?

最後までお読み頂きありがとうございました。

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