【レビュー】サントリー 響 ブロッサムハーモニー2021の味と香りを解説!!

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サントリー響ブロッサムハーモニー2021とは
  • ウイスキー属性:ブレンデッドウイスキー
  • 産地・メーカー:日本(サントリー)
  • 特徴:桜樽フィニッシュ原酒を使用した限定品
  • 飲みやすさ:★★★★☆☆
  • 味わい:桜餅のような和を感じさせる余韻
  • おすすめの飲み方:ストレート、ハイボール
  • 総合評価:★★★☆☆☆
  • 感想:響JHに比べると和を無理やり強調した感触が否めない

今回、ご紹介するのはサントリーから2021年に数量限定で発売されたブレンデッドウイスキー「響 ブロッサムハーモニー」です。

「響」とは、サントリーが創業90周年を記念して1989年にリリースしたサントリーの最高峰ブレンデッドウイスキーの銘柄です。

日本人の繊細な味覚に合うウイスキーづくりを追求し続けた、創業者であり初代マスターブレンダーの鳥井信治郎の思いを継承し誕生した背景があります。そして登場から現在に至るまでの間、響ブランドは大躍進し、名実ともに世界に誇るブレンデッドウイスキーとして認知されるようになりました。(当時のチーフブレンダー:輿水精一氏)

そんな「響」の2021年数量限定ボトル「ブロッサムハーモニー」最大の特徴は桜の木で出来た「桜樽」を使って後熟を行った「桜樽フィニッシュ原酒」をブレンドしていることにあります。

日本人に非常に馴染みのある桜の木を用いた樽で追加の熟成を行った原酒をブレンドするという非常にめずらしく、興味が湧く内容のボトル。贈答品としてリリースされた為、化粧箱も非常に艶やかで「和」のテイストが随所に散りばめられています。

出典:サントリーHP

ただ、「桜樽フィニッシュ原酒」とホームページには掲載されていますが、それがモルト原酒なのか、グレーン原酒なのかは非公表となっております。

非常に奇をてらった感があるボトルだけに、味わいなど興味がある人も多く、発売から転売ヤーの餌食になったしまっているのも事実です。(筆者は運良く定価にて購入できました)

そんな「響BH(ブロッサムハーモニー)」とは一体どんな味わいなのか!?早速レビューしていきます。

テイスティング(実際に飲んでみた)

テイスティング ウイスキー ストレート ロック ハイボール グレンケアン

フレーバーチャート

味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り

  • オガクズ、杉板、桜餅の餡、バニラ、さくらんぼ、イチゴ、プーアル茶

味わい

  • 軽い口当たり、渋みをある果実感、引き締まったビター

感想

最初はストレートで飲んでみます。まず香りは、オガクズや杉板、ヒノキなどの生木を加工した時に漂うまさに「木」の香りが印象的です。そして、サクランボやイチゴなどの少し渋みを感じる甘酸っぱい香りがして、バニラなどの甘くウッディな香りもありますが、どこか粉っぽさを覚えます。例えるなら、発酵が進みきったプーアル茶などの香りに似た感触が鼻に残りました。

口に含むと、軽い口当たりで程よい熟成感を感じます。モルト感というよりはグレーンの軽さを連想させる口当たりで、「コクはあるけど軽快」まさにブレンデッドウイスキーならではの味わいといったところです。しばらくすると、タンニンを含む甘さがほんのりと漂い、優しい苦味ながらも存在感のあるビターな余韻が残ります。

しばらくして、ほんのりと懐かしさを覚えるような味わいがあることに気づき、ボトルを見てハッとしました。ブロッサム!そう、桜餅の餡や大福の甘い香りと粉っぽさが微弱ながら漂っています。桜樽のエッセンスがこういう形で静かに効いてくるところはブレンダーの力量だと思います。いくつかの主張が調和しながら、「和」を感じられる風変わりな味わいに仕上がっています。

「木」を感じるといったところで通じるウイスキーがあります。響を作ったチーフブレンダー輿水精一氏の最大の失敗作と言われる「サントリー座」。

「サントリー座」は杉樽を用いたフィニッシュを行ったウイスキーで、サントリーの中でも黒歴史と言われるほど売れませんでした。

香りはまさに「杉」。日本酒の樽酒、あの香りがプンプンする非常に面白いウイスキーで、「木」を感じるという意味では、この響も同じ類のウイスキーだと思います。

ロックで飲んでみる

香り

  • 木の根、湿った木片、桜の塩漬け、バニラ

味わい

  • 蜂蜜の甘さ、ミント感のあるビター、白玉の様な粉っぽい甘味

感想

次に氷を入れたオンザロックで飲んでみます。香りはストレートの時よりも更にライトな印象を受けますが、変わらず「木」を全面に感じます。それでも湿度を帯びたようなニュアンスが漂い、木の地肌というよりは森林などの湿り気を帯びた感じのウッディさへと変化しました。粉っぽさは相変わらずあって、ミントのような爽やかな香りも微かに感じます。口に含むと、蜂蜜の様な上品な甘さ、白玉や大福の様な砂糖の甘さ、そして粉っぽさを感じます。また、氷によって温度が下がり、加水が進んでいくとミントの清々しいビターが心地よいアクセントになり、白州NAの様な森林感が心地よく抜けていきます。色々な表情があって非常に面白いです。

ハイボールで飲んでみる

香り

  • バニラ、蜂蜜、桜の葉、大福

味わい

  • 柔らかな口当たり、粉っぽい甘さ、余韻に桜感

感想

最後はハイボールで飲んでみます。香りはバニラや蜂蜜のウッディさと、桜のフローラル感があります。ハイボールでも粉っぽさは残り、大福を割った時の様な優しく甘い香りが漂います。口に含むと香り立ちと口当たりは共に柔らかく、粉っぽい感覚がありながら「ふわっと」桜を感じるフローラルが鼻を抜けていきますが、余韻は長くは続きません。やはりハイボールでも、モルト感というよりはグレーンの軽快さを感じる味わいで、ちょっとオイリーな感じも少々あります。

これは好き嫌いが分かれそうな味わいです。個人的には好きですが、スコッチを好まれる様な方はあまり美味しいとは思わないと思います。かなり個性的で、変わった味わいのハイボールだと思いました。

まとめ

今回もいつものように、3種類の飲み方で飲んでみました。どの飲み方でも「響」の繊細な香り立ちや、複雑で芳醇な味わいに変わりはありませんが、桜を感じるところは好き嫌いが分かれるかもしれません。花のような香りは人によっては「芳香剤」を連想したりと、毛嫌いする方もいらっしゃいます。

このブロッサムハーモニーについては、「桜は感じない」、「いや、しっかりと桜餅みたいな臭いがする」など動画やレビューなどでも様々です。私個人は「桜の生木」みたいなニュアンスが一番しっくりときましたが、万人受けする様な味わいではなく、かなり異色な感じです。

実際に山崎をこよなく愛する父はこれを飲んで、「響っぽいけど好きじゃない」と言っていましたし、熟成感だけに的を絞ると山崎の完熟した果実感は薄く、中盤から白州NAに通じるビターを帯びて余韻となって消えます。山崎と白州、2つの蒸留所の個性を知多のグレーンと「桜樽フィニッシュ」の原酒が覆っている様なイメージなので、昔からサントリーのローヤルやオールド、角瓶を好んでいるような方には馴染まない味わいだと思いました。しかし、こういった類も日本人ならではの感性が作り出すものですし、クセのある桜樽の原酒をきれいに表現しながら「響」の中に落とし込んだところは、さすがサントリーといった感じですが、もしもブラインドで飲まされた場合に想像する個人的な販売価格は「\5,000~\7,000程度」かなと思うでしょう。希少性から値段が定価の何倍にもなっていますが・・、プレ値で買うほどの熟成感や味わいではありません。面白みのあるちょっと変わった味わいの「響」といった所がしっくりくるウイスキーです。ごちそうさまでした♪

最後までお読み頂きありがとうございました。

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