このウイスキーを簡単に説明
ハイニッカについて
今回は竹鶴政孝氏が常飲していた銘柄『ハイハイニッカ』の後継ボトル『ハイニッカ』をレビューします。
『良いウイスキーを手軽に楽しんでもらいたい』という竹鶴政孝の想いから『ハイハイニッカ』は二級ウイスキーながら当時500円で飲める本格ウイスキーとして人気を博しました。
『ハイニッカ』の『ハイ』は当時流行りであったオーディオシステムの『Hi-Fi(ハイファイ)』音源がもてはやされた時期と重なり、それにかけて『HiHi NIKKA(ハイハイニッカ)』と名付けられました。
リズミカルなボトルネーミングを気に入った竹鶴政孝は『ハイハイニッカ』を常飲し、一晩でボトル一本を毎日空けていましたが、晩年はハーフボトルに抑え従業員の健康を気遣いながら、飲み方は『毎日飲むなら氷なしの水割り』という持論を呈していました。
ウイスキー会社の社長であるならもっと高価なボトルを愛飲してそうですが、竹鶴氏は『一番売れているボトル(皆が飲んでいるボトル)を飲む』事に徹し、『庶民に美味しいウイスキーを』という竹鶴氏の信念は晩年にかけても変わりませんでした。
ちなみに、水割りとともに合わせたおつまみは『煎餅』が竹鶴氏のお気に入りでした。そんな、毎日飲んでも飽きないウイスキー『ハイニッカ』をレビューします。
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- バニラ、キャラメル、リンゴ、レーズン
味わい
- 柔らかなビター、ほのかな甘味(グレーン感)
感想
はじめはストレートから飲んでみます。香りはバニラ、キャラメルなどの甘い香りが主体で少し加水をすると、リンゴやレーズンといったフルーティーな香りがします。口に含むと、口当たりは非常に軽やかで、グレーンウイスキーの様な軽快さがあります。味わいはビターが主で、その上に甘く軽やかなグレーン感があります。個人的にニッカのウイスキーに感じるキャラメルの様な甘さがほのかにありますが、アルコール感もそれなりにあるのでストレートでは物足りなさ、アルコールの刺激にややひっかかりを覚えました。
ロックスタイルで飲んでみる
香り
- リンゴ、キャラメル、蜂蜜
味わい
- ビターとウッディな甘さ、微かなピート感
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。ストレートの時よりも大分アルコールのカドがとれ、香りは余市NAの様なリンゴを感じるフルーティーさがあります。幾分弱まったもののキャラメルや香ばしさのある蜂蜜の香りが漂い、モルト感と言うよりはグレーン感が強い様に思います。口に含むと、思いのほかビターが強くアルコール感も若干の刺々しさを感じました。上品な香り立ちではありますが、舌触りに若い原酒の荒々しさを感じます。慣れてくると、奥の方にピーティーな香りを感じ、最初の印象にあったキャラメルの様な甘さが引き立ってまとまりある感じにはなりました。ただ、値段の割にはロックでも物足りなさを感じてしまいます。
補足:うすはりグラスで飲むと、アルコールのカドも和らぎフルーティーな香り立ちで飲みやすくなりました。
ハイボールで飲んでみる
香り
- リンゴ、マスカット、青々とした香り、キャラメル
味わい
- フルーティーな甘さとビター感、
感想
最後はハイボールで飲んでみます。香りはフルーティーな香り立ちで切ったばかりのリンゴ、マスカットなどの果実香、それに少し青っぽい感じの香りもあります。口に含むと、フルーティーな甘さと心地良いビターが鼻に抜けていき、キャラメルのような甘みと、ピート感を僅かに感じます。全体的にはドライな印象で、どんな食事に合わせても邪魔することなく飲み飽きないサッパリとしたハイボールです。
華やかな香りと甘さがありますが、スッキリとしていて食事の時には重宝する飲みやすさがあります。3種類の飲み方をしましたが一番しっくりきたのは『ハイボール』です。
まとめ
昭和レトロなラベルが可愛い「ハイニッカ」のレビューでした。ニッカらしい甘さと華やかさがあって、たまに顔を出すピーティーな部分に、王道のスコッチ感があり個人的にはとても好みです。ただ、アルコール感が少し気になるので、初心者の方などは「ハイボール」などから飲まれる方が、このウイスキーのニッカっぽさを抵抗なく味わえるのではないでしょうか。
「ブラックニッカクリアブレンド」より高い価格設定ですが、味わいに「余市NA」っぽさを感じる部分があるので、使われている原酒に対しての価値と考えれば仕方ないかもしれません。ですが、もう少しで「ブラックニッカスペシャル」も買えてしまうので、味の個性や熟成感があと少し欲しいのが正直なところです。
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