
このウイスキーを簡単に説明

ティーチャーズについて

今回ご紹介するウイスキーは『ティーチャーズ ハイランドクリーム』です。


ティーチャーズを販売するウィリアム・ティーチャー&サンズ社は、その名の通り創業者であるウィリアム・ティーチャーによって1834年に創業します。当時、巧みなブレンド技術によって造り上げたウイスキーを、格式の高い雰囲気で提供する今でいう『ショットバー』を経営。人気を博した店舗は徐々に経営を拡大していきます。

ウィリアムの店舗は最終的に20店舗にまでなり、順調な経営と並行し『テイクアウト』に注目。ウイスキーの持ち帰りが出来るようにボトルの販売を開始します。

一報、スコットランドでは徐々にブレンデッドウイスキーの合法可へ向けた動きがあり、1860年に制定された蒸溜酒法によって正式に製造が許可されました。ウィリアムは以前から密かに数々のブレンドレシピを考案しており、合法化となった際には完璧ともいうべきブレンドレシピを用いてウイスキーを販売します。

先見の明を持っていたウィリアムが『完璧』と思える味わいに完成させたレシピ、それはハイランド地方では珍しいスモーキーなフレーバーのモルトに焦点を当てた自信作。それが『ハイランドクリーム』です。

完成した『ハイランドクリーム』は息子たちの手によって世界中に浸透し、ブレンデッドウイスキーの製造会社として成功します。潤沢な資金を得た彼らは、ハイランドクリームの安定供給の為に蒸留所の建設を計画。息子の『アダム』は、ハイランド地方に『アードモア蒸留所』を開設しました。

その後のウィリアム・ティーチャー&サンズ社は世界150カ国以上に輸出、とりわけイギリス領であったインドで大成功を収め、今日に至ります。

ちなみに・・・、
通常のブレンデッドウイスキーのモルト原酒の比率は通常30%程度なのに対して、ティーチャーズは45%以上のモルト比率!!
にもかかわらず、価格は1,000円少々!!ハイランドモルトの魅力がたっぷり詰まっていながら低価格なコスパ最強スコッチウイスキー♪♪
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート

味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り
- リンゴ、洋梨、キャラメル、カスタード、煙
味わい
- 樽香と果実感のあるスモーキーな味わい
感想
最初はストレートから飲んでみます。香りはリンゴや洋梨の果実香と、キャラメルやカスタードの様な甘い香り、そして全体には燻された様なスモーキーさがあります。
口に含むと、モルティな果実感こそ感じるものの乾いた印象の舌触りとスモーク感が漂います。スモーキーなモルトというとアイラモルトが浮かぶかもしれませんが、アイラのような磯臭いヨードを含むスモーキーな感じとは違い、ハイランドスモーキーは単純に煙臭いニュアンスと力強くも乾いた印象があります。このハイランドクリームもBBQの煙臭さみたいなものが漂い、キーモルトである『アードモア』に非常によく似た味わいを堪能出来ます。
ロックで飲んでみる

香り
- キャラメル、メイプル、カスタード、レーズン、リンゴ、煙
味わい
- ウッディな香りと甘さが引き立つ、ピーティーでドライな余韻
感想
次は氷を入れたオンザロックで飲んでみます。氷を入れると、グレーンの持つ穀物の甘さがグッと増してキャラメルやメイプルなどの軽くも甘やかな香りが引き立ちます。奥まってレーズンやフルーティーさもありますが、スモーキーな香り立ちと綺麗にまとまってる印象があります。
口に含むと、ややドライでストレートの時と同じくパサついた(乾いた)印象の舌触りがあり、グレーンの優しい甘さが独特のピーティーさと共にキレのある余韻へ続きます。キリッとした感じの味わいはペッパーの効いた肉料理やビーフジャーキーに合わせると相乗効果でよし一層楽しめるのではないでしょうか。
ハイボールで飲んでみる

香り
- ピーティー、スモーキー
味わい
- ピートの効いたスモーキーな味わい、微かに甘味を感じるアフター
感想
最後はCMでもおなじみの『スモーキーハイボール』を飲んでみます。香りは穀物っぽい香りが漂っていますが、ピートの効いた非常にスモーキーな香りが全面に溢れています。
口に含むと、口当たりは柔らかくも乾いたニュアンスと炭酸の刺激があり、モルト感のある余韻へと続きます。ハイボールであってもふくよかなモルト感があるのはモルト比率の高いティーチャーズならではの味わいです。この価格でこの味わいは、好みであれば非常にコストパフォーマンスが高く日本のブレンデッドでは、まだまだ太刀打ちは出来ない老舗の底力を感じました。
まとめ
ハイランドスモーキーなブレンデッドウイスキー「ティーチャーズ ハイランドクリーム」をレビューしてみました。キーモルトである「アードモア」が使用されているだけあって、非常に滑らかでピートの効いた「これぞスコッチ」と思える味わいです。繰り返しになってしまいますが、アイラモルトの様なヨード感は無く、乾いた煙たさで「アイラは飲めない」といった方でも、飲み方次第ではスモーキーな感じが好きになってしまうかもしれません。
ブレンデッドながら強い個性を放つ『ティーチャーズ』、騙されたと思って是非、一度お試しいただきたい銘柄です。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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