こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!
今回は、「ジェムソンスタンダード」の解説&レビューを行っていきます!!
「ジェムソン スタンダード」は、アイリッシュウイスキーの中でも最も親しまれている銘柄の一つです。その滑らかな口当たりとフルーティーな香りが大きな魅力で、初心者からベテランまで幅広いウイスキー愛飲者に愛されています。
この記事では、「ジェムソン スタンダード」の魅力や風味、製造プロセス、歴史的な背景に加え、アイリッシュコーヒーの作り方や楽しみ方も詳しく解説します。
ウイスキー選びに迷っている方や、「ジェムソン スタンダード」の特徴を知りたい方、さらには自宅で本格的なアイリッシュコーヒーを楽しみたい方も、ぜひ参考にしてください。
ジェムソンはこんなウイスキー
カテゴリー | アイリッシュウイスキー |
産地 | アイルランド |
蒸留所 | ミドルトン蒸留所 |
アルコール分 | 40% |
内容量 | 700ml |
価格帯 | 2,000〜2,500円 |
飲みやすさ | ★★★★★★☆ |
味わいの特徴 | 軽やかでスムース、バニラとナッツの香り |
おすすめの飲み方 | ロックやカクテルで |
ジェムソンの歴史はアイリッシュウイスキーの歩み
ジェムソンの歴史は、1780年にジョン・ジェムソンがアイルランドの首都ダブリンにボウ・ストリート蒸留所を設立したことから始まります。当時のダブリンは100を超える蒸留所や醸造所が軒を連ねる酒造の街として栄えていました。
スコットランド出身の弁護士であったジョン・ジェムソンはウイスキー製造に情熱を注ぎ、事業を拡大。19世紀にはジェムソンはアイルランド国内だけでなく、世界でも有数の規模を誇るウイスキー蒸留所へと成長しました。
しかし、20世紀初頭に発生したアイルランド独立戦争や、アメリカでの禁酒法の影響により、アイルランドのウイスキー業界全体が大打撃を受けました。その中でもジェムソンはブランドの信頼性を維持し続け、現在ではアイリッシュウイスキーの代表的な銘柄の一つと認識されています。
1988年のペルノ・リカール傘下入りが転機に
1988年、ジェムソンはフランスの大手酒類メーカーであるペルノ・リカールのグループに加わりました。この買収をきっかけに、国際市場に向けた積極的なマーケティング戦略が実行され、世界中の消費者にジェムソンの名が知られるようになりました。今日では、アメリカやヨーロッパをはじめとする世界各国で人気のアイリッシュウイスキーとなっています。
さらに、かつてのボウ・ストリート蒸留所は観光名所として生まれ変わり、世界中のウイスキー愛好家が訪れる「ウイスキーの聖地」として親しまれています。訪問者は、ジェムソンの歴史や製造工程を学びながら、テイスティングを楽しむことができます。
ミドルトン蒸留所:ジェムソンの現在の生産拠点
ジェムソンの生産拠点は、1975年にアイルランド南部のコーク州に設立された「ミドルトン蒸留所」へと移されました。ここでは、伝統的な技法と最新の製造設備を融合させた生産体制が敷かれています。ジェムソンに加え、ミドルトン、パワーズ、レッドブレスト、グリーンスポット、イエロースポット、パディーといった著名なアイリッシュウイスキーブランドも同蒸留所で製造されています。
この蒸留所は、地元の素材を積極的に活用することで、地域との深いつながりを保っています。具体的には、アイルランド国内で栽培された大麦を原料とし、ダンガーニー川の清らかな水を使用。これにより、アイルランドの自然が感じられるウイスキーが生まれています。
トリプルディスティレーション(3回蒸溜)の技法
ジェムソンのウイスキーの最大の特徴は「トリプルディスティレーション」と呼ばれる3回の蒸溜工程です。これにより、ウイスキーの口当たりはより滑らかになり、不純物が取り除かれるため、雑味の少ないピュアな味わいが実現されます。
一般的なスコッチウイスキーでは2回の蒸溜が主流ですが、アイリッシュウイスキーでは3回の蒸溜が行われることが多く、これが両者の大きな違いの一つです。ジェムソンのまろやかで軽快な味わいは、まさにこの手法によるものです。
アイリッシュならではポットスチルウイスキー
ジェムソンのウイスキーは、原材料の厳選にも力を入れています。主な原料は、アイルランド産の大麦と清らかな軟水。特徴的なのは「ポットスチルウイスキー」と呼ばれる製法で、モルト化した大麦とモルト化していない大麦の両方を使用する点です。この技法により、クリーミーな口当たりとほのかな甘みのバランスが絶妙なウイスキーが誕生します。
また、トウモロコシはフランスの南部から輸入されており、これらの厳選された原材料が組み合わさることで、ジェムソン独自の芳醇な風味が形作られています。
熟成と樽の選定
ジェムソンのウイスキーの熟成には、アメリカ産のホワイトオークから作られたバーボン樽と、スペイン産のシェリー樽が使われています。これらの樽は、熟成中にウイスキーへ独特の香りと風味をもたらします。
バーボン樽は、バニラのような甘い香りと軽やかな風味を、シェリー樽はフルーティーな香りやリッチな甘みをウイスキーに付加します。この2種類の樽が織りなす豊かな香りと味わいのハーモニーが、ジェムソンならではの特徴的なフレーバーを作り出しています。
樽の中で熟成される過程で、ウイスキーは時間をかけて風味が深まり、まろやかでバランスの取れた味わいへと進化します。これが、世界中のウイスキー愛好家に愛される理由の一つです。
ジェムソンスタンダードの特徴
ジェムソンは、1780年に創業したアイリッシュウイスキーの老舗ブランドで、世界中で愛される代表的なウイスキーの一つです。その中でも「ジェムソンスタンダード」はブランドの中核をなす商品であり、スムースな飲み口とほのかな甘みが大きな魅力です。
ジェムソンは伝統的な”ポットスチル製法”を採用し、大麦麦芽と未発芽大麦を使用する独自の製造スタイルが特徴です。さらに、3回の蒸留を行うことで雑味を取り除き、なめらかでスムースな味わいを実現しています。熟成にはバーボン樽とシェリー樽が使用され、やわらかな甘みやバニラのような香りがウイスキーに加わります。
ジェムソンスタンダードの味わいは、口に含んだ瞬間に広がる柔らかな甘みと、バニラやナッツの風味が印象的です。クセがなくスモーキーさは控えめで、全体的に軽やかで飲みやすい仕上がり。これにより、ストレートやロックでの楽しみ方はもちろん、カクテルのベースとしても最適な万能ウイスキーと言えます。
その品質の高さは多くの賞に輝いており、ウイスキー愛好家から初心者まで幅広い人々に選ばれ続けています。特に冬場の定番カクテル「アイリッシュコーヒー」では、ジェムソンを使うことをこだわりとするバーテンダーも多く、まさにシーズンを象徴する一杯と言えるでしょう。バランスの取れた味わいと柔軟な使い勝手から、どんなシーンでも楽しめるウイスキーとしての評価が確立されています。
アイリッシュコーヒーとは?
**「アイリッシュコーヒー」**は、温かいコーヒーにアイリッシュウイスキーを加え、砂糖と生クリームをトッピングしたカクテルです。アイルランド発祥のこのドリンクは、寒い冬の夜やリラックスしたいときにぴったりの一杯。
「ジェムソン スタンダード」のようなアイリッシュウイスキーを使うと、フルーティーで軽やかな甘みが加わり、クリーミーなコーヒーとの相性は抜群。世界中のバーやカフェでも定番のメニューで、自宅でも簡単に作れるのが魅力です。
アイリッシュコーヒーの歴史
アイリッシュコーヒーの起源は、1940年代のアイルランド・シャノン空港と言われています。ある寒い冬の夜、飛行機の遅延で疲れ果てた乗客たちを温めるために、空港のバーのバーテンダーがホットコーヒーにウイスキーを加えて振る舞ったのが始まりです。
この一杯は瞬く間に評判を呼び、アメリカから訪れた旅行者がそのレシピをサンフランシスコのバーに持ち帰ったことで、アイリッシュコーヒーは世界中に広まりました。今では、カフェやレストランのカクテルメニューの定番となり、ウイスキーとコーヒーの温かなハーモニーが多くの人に愛されています。
ジェムソン スタンダードで作るアイリッシュコーヒーの魅力
「ジェムソン スタンダード」を使ったアイリッシュコーヒーは、他のウイスキーを使ったものと一味違います。その理由は、ジェムソンの滑らかさと甘み、フルーティーな風味が、コーヒーのビターさやクリームの甘みと絶妙に調和するからです。
- フルーティーな青リンゴや洋ナシの香りがコーヒーの香ばしさと絶妙にマッチ
- 滑らかな口当たりは、クリームのテクスチャーと一体化し、シルクのような飲み心地を実現
- ライトなスパイス感が、コーヒーの苦味を引き立てる隠し味に
アイリッシュウイスキーの中でも、飲みやすさと価格のバランスが抜群のジェムソンは、自宅でアイリッシュコーヒーを作るのに最適な一本です。
🍸 アイリッシュコーヒーのレシピ
では、さっそく本格的なアイリッシュコーヒーを作る方法を紹介します。必要な材料と作り方は、どれも手軽に揃えられるものばかり。自宅でおしゃれなカフェ気分を楽しめます!
📋 必要な材料(1杯分)
- ジェムソン スタンダード:30ml(お好みで調節可能)
- ホットコーヒー(淹れたて):120ml
- ブラウンシュガー(砂糖でも可):大さじ1
- 生クリーム:30ml(軽くホイップしたもの)
- トッピング:お好みでシナモンパウダーやチョコレートパウダーをふりかけてもOK
🍳 作り方
1. グラスを温める
耐熱のグラス(ワイングラスや耐熱マグカップでもOK)を、お湯を注いで温めておくのがポイント。これにより、アイリッシュコーヒーが冷めにくくなります。
2. ブラウンシュガーを溶かす
グラスのお湯を捨てたら、ブラウンシュガー大さじ1をグラスに入れ、ホットコーヒー120mlを注いでよくかき混ぜます。砂糖が完全に溶けるまでしっかり混ぜてください。
3. ジェムソンを加える
ここに、ジェムソン スタンダード30mlを加え、軽くかき混ぜます。ウイスキーが加わることで、香りが一気に華やかになります。
4. 生クリームをのせる
軽くホイップした生クリームを、スプーンの背を使ってそっと浮かべます。クリームが沈まないように、スプーンの背を使うのがポイント。クリームの層がしっかり分かれるように注意しましょう。
5. トッピングを追加
仕上げにシナモンパウダーやチョコレートパウダーを軽く振りかければ、本格的なカフェスタイルのアイリッシュコーヒーの完成です!
使う生クリームは”植物性生クリーム”を使うと混ざりにくいのでオススメ!
カクテルベースとして重宝されるジェムソンはアイリッシュウイスキーの代名詞的存在といえますね!
それでは、ジェムソンスタンダードをストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方で味と香りをみていきましょう!
ジェムソンをテイスティング(実際に飲んでみた)
ジェムソンの香り
ジェムソンの味わい
ストレートで飲んでみる
香り
- 熟した洋梨、ハチミツ、バニラ、フローラル、ハーブ
味わい
- 軽やかでスムース、スパイシーな後味
感想
まずは、ストレートで飲んでみます。
香りは、オイリーさを感じさせる“ヌルっとした”印象があり、熟した洋梨や白桃のフルーティーな香りが豊かに広がります。さらに、華やかなハチミツやバニラの甘い香りが漂い、花のようなフローラルなニュアンスやハーブを思わせる草っぽさも感じられます。
口に含むと、わずかにアルコール感はあるものの、非常に滑らかで引っかかりがなく、スッと口に馴染んでいきます。バニラの甘さと洋梨や白桃のフルーティーな風味が口内に広がり、徐々にスパイシーな風味が現れてきます。余韻ではビターな味わいが膨らみますが、嫌味は一切なく、スパイシーさへと移り変わるようにスッと消えていきます。
ノンエイジでありながら、滑らかで繊細な味わいは、まさにアイリッシュウイスキーならではの魅力です。ウイスキーを飲み慣れていない方でも気負うことなく楽しめ、ウイスキー愛好家にとっても気軽に味わえる一杯となっています。(あまりにスムースなため、やや物足りなさを感じる方もいるかもしれません)
スッと馴染むジェムソンならではのスムースな味わいは非常に魅力的ですが、ストレートでは少々物足りなさも感じました。
ロックで飲んでみる
香り
- 熟した洋梨、マンゴー、バニラ、ハチミツ、カスタード、パウンドケーキ
味わい
- スパイシー、ビターな余韻
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りはやや穏やかになったものの、みずみずしい洋梨のフルーティーさに加え、マンゴーのような滑らかな南国フルーツの果実味が感じられます。そこに、バニラやハチミツの甘い香り、クリーミーなカスタードクリーム、そしてふっくらと焼き上がったパウンドケーキの香ばしさが心地よく漂います。
口に含むと、まずクリーミーなカスタードと南国フルーツのトロピカルな香りが広がります。やがてスパイシーな風味が顔を出し、ビターなシトラスの風味が重なります。余韻にかけては、渋みを伴ったビターな味わいへと変化し、最後にかすかにカスタードのニュアンスを残しつつ、スッと消えていきます。
氷で冷やしても、滑らかな味わいはそのまま保たれ、そこにシトラスの風味が加わることで、ストレートよりもさっぱりとした印象を受けました。さらに、氷が溶けて加水が進んでも、ビターさが過度に強まることはなく、時間が経っても大きな味の変化がないため、安心してゆっくりと楽しめます。
滑らかで風味豊かな味わいは氷が溶けていっても大きく変化しないので、食後にゆっくりと味わうのにピッタリです!
ハイボールで飲んでみる
香り
- 南国フルーツ、バニラ、ハチミツ、カスタード、シロップ
味わい
- クリーミーでビターな後味
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
「ジェムソンソーダ」として親しまれているハイボールですが、香りは南国フルーツのトロピカルな甘さとバニラが前面に広がり、そこにハチミツの華やかさが重なります。さらに、クリーミーなカスタードやシロップをかけたホットケーキのような香りも感じられ、全体的に甘く豊かな印象を受けます。
口に含むと、まずシロップのような甘い香りが広がりますが、すぐにスパイシーさとビターさが顔を出します。続いて、オイリーさを帯びたハーブのニュアンスとカスタードの風味が口いっぱいに広がり、クリーミーなテクスチャーが心地よさを与えます。余韻では、ビターさとカスタードの風味が調和しながら、スッと心地よく消えていきます。
このハイボールは、甘く親しみやすい味わいが特徴で、ウイスキー初心者はもちろん、華やかで飲みやすいテイストを好む方にもぴったりの一杯です。
ただし、食中酒として楽しむにはやや甘さが際立つ印象があり、いわゆる「角ハイボール」のような食事との相性を求めるスタイルとは異なります。どちらかといえば、食後のデザート感覚で楽しむハイボールといった印象を受けました。
甘く滑らかで飲みやすさは抜群のハイボールですが、食事に合わせるとなるとやや甘さが強すぎる印象があります。デザート感覚で楽しむ方が、その魅力をより活かせるかもしれません。
まとめ
「ジェムソン スタンダード」は、アイリッシュウイスキーの代表的な存在として、世界中のウイスキー愛好家から支持され続ける銘柄です。1780年創業の伝統と革新が融合し、ポットスチル製法やトリプルディスティレーションといった独自の技法が、軽やかでスムースな味わいを生み出しています。
特に「ロック」での楽しみ方はおすすめです。氷が溶けることで生まれるまろやかな口当たりと、バニラや南国フルーツの香りが絶妙に調和し、時間が経つほどに変化する味わいが魅力です。ストレートやハイボールも良いですが、リラックスしたい夜のお供にはロックがぴったりです。
気軽に楽しめる親しみやすさと、本格的な味わいを両立した「ジェムソン スタンダード」は、普段飲みにピッタリの素晴らしい銘柄です。
是非、そのスムースな味わいを体験してみてください!
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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