ダルウィニー15年

このウイスキーの特徴

このウイスキーについて

今回は、北ハイランドにあるダルウィニー蒸留所からリリースしているシングルモルト「ダルウィニー15年」をご紹介します。

蒸留所の名前となっている「ダルウィニー」とは、ゲール語で「中継地」または「待ち合わせ場所」という意味があります。古くは北のハイランドから南のローランドへ家畜などを連れてい際の中継地として利用されていた事が由来とされています。

そんな、ダルウィニー蒸留所で作られるモルトウイスキーは主にブレンデッドウイスキーの「ブラック&ホワイト」や王室御用達のスコッチウイスキー「ロイヤルハウスホールド」のキーモルトとして使用されています。

品格のある名柄にもブレンドされる「ダルウィニー」とはいったいどんな所で造られているのでしょう!?次は、「ダルウィニー蒸留所」について簡単に説明致します。

ダルウィニー蒸留所のある場所

出典:Whisky.com

ダルウィニー蒸留所は、標高326mの高所にあり雪解け水が湧き出る自然豊かな土地にあります。「年間平均気温6度」と非常に冷涼な気候でウイスキー造りにはとても適している場所です。スコットランドで一番標高の高いところにある蒸留所として有名になった過去もあります。(現在はトミントール蒸留所が最も高所にある)

自然豊かな高原でひっそりと佇む「ダルウィニー蒸留所」では、冷涼な気候の為に熟成がゆっくりと進むだけでなく、スコットランドの伝統的な製法でウイスキーが作られています。

蒸留所の特徴1(オニオン型蒸留器)

1つ目の特徴として、もろみを蒸留する際に蒸気が滞留などせず真っ直ぐに昇る「オニオン型蒸留器を使用している点です。

「オニオン型蒸留器」で蒸留されたニューメイクの特徴は「どっしりとした重めの酒質になる」という特徴があります。

出典:Whisky.com

蒸留所の特徴2(蒸気の冷却方法)

そして2つ目は、蒸留した蒸気を冷やして再び液体に戻す装置を「コンデンサー」と呼びますが、多くの蒸留所が使用しているコンデンサーは「多管式」といってポットスチルのそばに設置してあり、コンパクトで効率的も良いのが特徴です。

出典:Whisky.com(秩父蒸留所)

しかし「ダルウィニー蒸留所」では、昔ながらの「木製桶のワームタブ」という方式にこだわっており、非常に大型で建物の外にあります。

出典:Whisky.com

このスコットランド伝統「ワームタブ方式」は、桶の中に水を溜め、らせん状に設置してある銅管の中を蒸気が冷やされ液体に戻る仕組みになっています。大掛かりで効率もあまり良いとは言えませんが、造り出す原酒にこだわりがあるからこそ、未だにこの方式を採用しています。

冷却する構造において「多管式」も「ワームタブ」も基本は似ていますが、効率の面では圧倒的に「多管式」が有利で、場所も取らないために多くの蒸留所が採用しています。一時「ダルウィニー蒸留所」も多管式に移行しましたが、酒質が変わってしまい従来の「ワームタブ」に戻した経緯があります。

基本原理は一緒ですが、銅管で冷やされる蒸気の熱効率や接地比率など様々な要素によってその後の味わいに大きく影響が及んでしまいます。効率化だけが善というわけではないのがウイスキー造りで重要なんですね!!

昔ながらの製法を守り冷涼な地で作り出される「ダルウィニー15年」。いったいどんな味わいなのか!?今回も3種類の飲み方でレビューしてみたいと思います。

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テイスティング(実際に飲んでみた)

フレーバーチャート
味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り
  • 洋梨、リンゴ、ハチミツ、紅茶、ログハウス、ピート、キャラメル、焦げたラスク
味わい
  • フルーティーで落ち着きがある、白州NAの様なビター
感想

最初はストレートから飲んでみます。香り立ちはスコッチらしくも少し懐かしさを覚える感じがあります。洋梨やりんごの様な香りがあり、ハチミツや紅茶の発酵感、木っぽい感じとしてログハウスの部屋のようなオークの香り、微かにピートのアクセントが感じられます。

口に含むと、ややオイリーな舌触りでスッと口に馴染みます。いわゆるハイランドモルトのパワフルな感じではなく、フラットで華やかな印象。しかし、ローランドモルトの華やかで軽やかな感じとはまた違い奥まった感じで主張してくるピート感は、表面だけでは計り知れない力強さにも思えてきます。飲みながら時間が経つことで、キャラメルやラスクの様なシリアル感も顔を出してきましたが、全体の主張はあくまでソフト。表立った派手さはないものの、裏地に凝る江戸っ子の様な粋さえ感じる上品なモルトです。

ロックで飲んでみる

香り
  • バタースコッチ、バタークリーム、フィナンシェ、洋梨、リンゴ、カラメル、ミント
味わい
  • 果実感とスパイス、ふくよかでミントのようなビター
感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。香りはストレートの時よりも甘い香りが際立ち、バタースコッチやバタークリームの様なオイリーでクリーミーな香りと、フィナンシェの様な焼き菓子に洋梨のフルーティーな香り、そして焦げた感のあるカラメルと清涼感のあるミントっぽさを覗かせます。

口に含むと、香りとは裏腹にスパイシーな味わいで果実香が鼻を抜けていきます。アフターにかけては、しっかりとしたビター感が膨らんできますが嫌な感じはなく、カドが取れて丸さを感じます。甘さと表現した香味ですが、少しワインの様なタンニン感も含んでいるように感じ余韻にかけてのモルティな感じはいっそうにクラシカルモルトといった印象を与えてくれます。

ハイボールで飲んでみる

香り
  • 灰、焦げた木片、洋梨、すりおろしたリンゴ、キャラメル、メイプルシロップ
味わい
  • 滑らかな舌触り、余韻で感じる柑橘のビターと砂糖のような甘さ
感想

最後はみんな大好きハイボールで飲んでみます。香りは一瞬戸惑うくらいにスモーキーな感じがしました。焼却炉のそばに積まれた灰や焦げた木片などの煙たい感じのインパクトがあり、続いてすりおろしたりんごの様な果実香とキャラメルやメイプルなどの甘くウッディな香り、全体のフレーバーは弱いですがハイランド感が増しています。(後で気づいたのですが、ハイボールを薄めで作ってしまい、奥まったスモーキーな香りがとりあえず一面に広がったみたいです。3:1の比率ではフルーティな香りと甘くウッディな香りに煙たさがほのかに香るまとまり感のあるアロマで、アフターにかけてはハチミツ感が優しく香ります)

口に含むと、ハイボールでありながらも口当たりは優しく滑らかに口の中に馴染んでいきます。樽香の甘さが広がり、余韻にかけて柑橘のビターがおだやかに残り、砂糖菓子の甘さが静かに伸びていきます。人によっては平凡な味わいと感じるくらいにそつない味わいのハイボールですが、一つの要因が突出することのないバランスの良さは、丁寧に作られている証と言えるかもしれません。

まとめ

蒸留所オーナーのMHD社がクラシックモルトとして北ハイランド代表に選出している「ダルウィニー」の15年のレビューをしてみました。個性的なものを求める昨今の風潮ですが、普遍的な味わいで人によっては「あじけない」や「退屈」とも思えてしまうくらい尖った部分がないモルトですが、不思議と優しさを感じる味わいがあります。

ローランドモルトの様な「華やかで軽やか」というと優しさに変換もできますが、一種の個性であることに違いなく、どんな形であれ主張してくることに違いはありません。しかし、今回のダルウィニーの味わいは本当に優しく上品にまとまっています。「色々と引き出しはあるけど、疲れているだろうからしまっておくね?」と言われている様な、実力はあるけど出しゃばらない粋っぽさを感じるモルトです。

ジャズを聞きながら飲むというよりは、クラシック音楽が似合う感じでベートーヴェンの交響曲第6番「田園」あたりをかけながら、何も考えずにしっぽり飲む。優しく、余計なことは何もしない。そんな贅沢な時間を過ごすのにぴったりな通好みのシングルモルトだと思います。派手さはないが、実力はある。いぶし銀モルト「ダルウィニー15年」。寝る前のナイトキャップとしてしばらくお世話になりそうです。

最後までお読み頂きありがとうございました。


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