【レビュー】ラフロイグ 10年の味と香りを3種類の飲み方で確かめてみた!!

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ラフロイグ10年の特徴を簡単にまとめると

ラフロイグ10年とは
  • ウイスキーの属性:シングルモルト
  • 産地:スコットランド(アイラ島)
  • 蒸溜所:ラフロイグ蒸溜所(サントリー所有)
  • 飲みやすさ:★☆☆☆☆☆(強烈な個性)
  • 味わい:オイリー、薬品やヨードの独特な香味が溢れる
  • おすすめの飲み方:ストレート、ハイボール
  • 総合評価:★★★★★☆(好きになると沼)
  • どんな人に向いている?:アイラモルトの修行の第一歩

このウイスキーについて

今回は、「アイラの王」と称される銘柄「ラフロイグ10年」をご紹介します。

「ラフロイグ10年」は「好きになるか、嫌いになるか」というキャッチコピーの通り強烈なピート香やヨード、そして薬品の様な香りがする「飲みづらい」ウイスキーとして有名な銘柄です。

しかし、その「強烈な個性」故に「虜」になってしまう人が多いのも事実!

独特の正露丸の様な匂いや、圧倒的なピートとスモーキーな香りに魅了され「他のウイスキーは飲まない」と言うくらい好きになってしまう人もいます。

そんな「ラフロイグ10年」ついて、まずは産地と造られている蒸留所から見ていきましょう。

ラフロイグ蒸溜所

出典:Whisky.com

ラフロイグ蒸溜所はスコットランドの南西に位置する「アイラ島」にあります。ここは聖地と言われるほど、スコッチウイスキーにとっては神聖な場所でもあります。

「ラフロイグ」とはゲール語で「広い入り江の美しい窪地」という意味らしいのですが、実際のところは本当にそういった意味なのか!?と未だに議論が絶えないようです。

出典:Whisky.com

ラフロイグ蒸溜所誕生について

ではここで、「ラフロイグ蒸溜所の誕生した経緯」について簡単にご紹介いたします。

ラフロイグ蒸溜所の発祥は1815年、地元の畜産業を営む「ドナルド」と「アレクサンダージョンストン」という2人の兄弟が牛の飼料(大麦)を作るために広大な土地を借りた事がきっかけとなります。

飼料用の大麦を借地で作ってはみたものの、余ってしまう大麦の使い道について悩んでいました。

そこで、兄弟は「ウイスキー造り」をして行ったみることにしたのです。

ウイスキー造りをして兄弟は気づいてしまったのです。「牛を飼育するよりも、ウイスキーを売ったほうが儲かる・・・」と。

こうして、ウイスキー造りを事業へと転換して出来た蒸留所が「ラフロイグ蒸溜所」です。

出典:Whisky.com

ラフロイグ蒸溜所の特徴

では次に、ラフロイグ蒸溜所の製法や特徴について簡単にご紹介いたします。

ラフロイグ蒸溜所では、仕込み水に近くにある「キルブライト湖」の水を使用しています。また、現在ではほとんどの蒸溜所が行っていないフロアモルティングを行っている蒸留所でもあります。

大麦の発芽と、それを止める為の大切な工程である「フロアモルティング」。ラフロイグでは使用する麦芽の15%を自社製残りの85%をポートエレン(精麦工場)に委託しているそうです。

出典:Whisky.com

この麦芽を乾燥させる工程で、17時間という時間をかけじっくりと低温で焚いたピート(泥炭)の煙が麦芽の乾燥と風味をつけて、ラフロイグの象徴的な味わいが生まれるわけですね。

特にアイラ島のピートは中に海藻などの成分がたくさん含まれており、磯の様な香りや独特のヨードチンキの様な個性的なフレーバーが生まれるわけですね。

出来上がった麦芽は発酵槽に移り、酵母を加え55時間もの発酵を行います。たっぷりと時間をかけて発酵することでフルーティーな香味の「醪」が完成するわけです。

発酵に使われるタンクは容量42,000リットル、ステンレス製のタンクが全部で6基あり、この6基の発酵槽で出来上がった「醪」はいよいよウイスキーとしての象徴的な工程「蒸留」へと移ります。

出典:Whisky.com

ラフロイグ蒸溜所には7基のポットスチルがあり、初留3基、再留4基の構成になっています。

初留によって醪はアルコール8.5%から22%の「ローワイン」という透明な液体になり、再留によって63.5%のニューメイクが誕生します。

このニューメイクが生まれる工程で、初めと終わりの部分は使わずに真ん中の部分だけがラフロイグとして次の樽詰めの工程に移ります。

出典:Whisky.com

ラフロイグ蒸留所の熟成に使用される樽は90%以上がバーボン樽で、樽の供給を行っているのはアメリカケンタッキー州のメーカーズマーク蒸溜所です。

ホワイトオークのバーボン樽に詰められたニューメイクは、海に面した貯蔵庫の中で「波しぶき」や「海風」の影響を受けながら10年以上の熟成期間に入ります。

しっかりと風土の特性によって熟成した原酒が、ラフロイグ10年のレシピにブレンドされ、私達の手にするボトルになり出荷されるんです!

このように、沢山の製造過程と長い熟成期間を経て初めて店頭に並ぶわけですから、ウイスキーとは本当に「時間を飲む、飲み物」と言えるでしょう。

アイラ唯一の女性オーナーがいた

次に、スコッチウイスキー界で今も語り継がれる「ラフロイグ蒸留所」のオーナーの話をご紹介します。

ラフロイグ蒸溜所では、スコットランドの長いウイスキーに歴史の中で唯一「女性オーナー」がいた蒸溜所でもあります。

なぜ、女性のオーナーが誕生したか!?それには、創業一族の血を受け継ぐ人物でラフロイグの成長に重要な貢献をもたらした「イアン・ハンター」という人物が関わってきます。

彼のウイスキーに対する情熱は凄まじく、1923年までに収容能力を2倍にまで拡大し世界へラフロイグの素晴らしさを広めた人物ですが、残念ながら彼には相続人がおらず、ラフロイグの将来を不安視していたのです。

そうした中、ラフロイグの素晴らしい伝統を繋げるために、彼が選んだ相続人は彼の秘書であった「ベッシーウィリアムソン」です。

出典:Whisky.com

ベッシーはウイスキーに対する情熱と誠実さ、そして意欲を持ち合わせた人物。しかもイアンの秘書であった事から、彼の右腕として1954年にイアンが亡くなるまでにラフロイグの全てを受け継がれます。

こうして素晴らしい功績と情熱をイアンから受け継いだベッシーは、スコットランドのウイスキーの歴史の中で唯一の「女性オーナー」として様々な苦境を乗り越え、ラフロイグ蒸留所の発展に貢献したのです。

その後、「ラフロイグ蒸留所」はベッシーによって有力な資本の元へ売却され「素晴らしいウイスキー」を作り続け、現在のオーナーは日本が誇る「サントリー」によって経営がされています。(^^)

王室御用達の蒸溜所でもある

実は、ラフロイグ蒸溜所は王室御用達の蒸溜所でもあります。

ラフロイグのボトルを見てみると、ラベル上部には王室御用達の証である「紋章」が印刷されていて、白地のラベルに緑色の紋章は控えめながらも気品に満ちています。

この紋章は、蒸溜所の壁に飾られている「平和の盾」という紋章で、1994年にチャールズ皇太子が初めて蒸留所を訪れた際に与えられた物です。

また、チャールズ皇太子はラフロイグの大ファンとしても有名なんですよ!

出典:Whisky.com、サントリーHP

チャールズ皇太子の樽も熟成庫に眠っているようで、蒸溜所では新作が出来ると王室の皇太子の元へ新作ボトルが送られているようです。本当にラフロイグが大好きなんですね!!

さて、アイラモルトの中でも重要な銘柄である「ラフロイグ10年」をいつものように3種類の飲み方でレビューしていきます。

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テイスティング(実際に飲んでみた)

フレーバーチャート

味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り

  • ピート、ヨード、オイル、バニラ、ワックス、リコリス、洗剤

味わい

  • スモーキーな香味とフローラル、とてもオイリーな舌触り

感想

まずはストレートで飲んでみます。香りは、強烈なピートと磯臭く薬品のようなヨード香が鼻腔いっぱいに広がります。初心者の方はここで離脱するか、イケる!?と思えるかが運命の分かれ道の様な気がします。

アイラの洗礼を受けつつもよく嗅いでみるとバーボン樽のバニラの甘い香りが有ることに気づきます。樽感たっぷりのウッディさに気づくとワックスや洗剤の様なパフィーム感とリコリスのハーブっぽさなど、コチラもやはり初心者の方はビックリしてしまいますね・・。

口に含むと、ねっとりとしたオイリーな舌触りが広がりBBQの煙とピート、ヨードの磯臭さに花のようなフローラルが鼻を抜けていきます。数あるアイラモルトの中でも無骨な味わいがするラフロイグですが、正規品を飲むのは久しぶりな気がします。いつもは少し安い並行輸入品を飲んでいるのですが、正規品の方がクセが強い気がしました。

ま、どちらも美味いですけどね(笑)最初のスモーキーなヨード香と中盤にかけてウッディな甘さ、そしてアフターに軽いビターと潮気の効いたオイリーさが残るあたりはある意味で異色な味わいかもしれません。こんな味が美味しいと思えるなんて、理解に苦しむ方もいると思いますが「好きになったら」沼。そんなウイスキーがラフロイグなのです。

ロックで飲んでみる

香り

  • ピート、ヨード、ワックス、花、バニラ、コールタール、トロピカルフルーツ

味わい

  • スモーキーな香味、ビターとフローラル

感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。いつもはストレートか、ハイボールなのでロックは初めてかもしれません。

香りはピート、ヨードの「バッチバチなラフロイグ感」があります。そして、花のようなフローラルな香りが強調されバニラ感も幾分開いてきた印象があります。しばらくすると、スモーク感から来ていると思いますが、オイリーさも手伝ってコールタールのような香り(道路工事の時の臭い)と、マンゴー!?みたいなトロピカルフルーツがわずかに感じられます。

口に含むと、トロッとしたオイリーな舌触りにスモーキーな煙感、磯のヨード感に麦の甘みがふんわりと広がります。味の傾向はビターに変化しましたが、カドがなくトロッとしたオイリーさが全体を丸くしている感じがします。美味しいですが、なんとなくビターが目立ちラフロイグの濃縮した香りが冷たい感触に負け中途半端に感じてしまいました。

ストレートに比べれば飲みやすくはなっていますが、ラフロイグのアノ個性が固く硬直してしまっている様な印象を持ちました。

ハイボールで飲んでみる

香り

  • ピート、ヨード、ワックス、バニラ、薬草、ゴムチューブ

味わい

  • オイリーで塩気の効いたスモーキーハイボール

感想

次はハイボールで飲んでみます。香りは炭酸によって爽快な感じがするものの、ピートとヨードのアイラ感が鼻をくすぐります。また、バニラの甘い香りがかすかにして、薬草感を感じワクシーな香りにゴムチューブっぽい「ツンっ」とした刺激があります。

口に含むと、爽快感の中にもオイリーなトロみを感じ、独特のスモーキーな香味が口の中に広がります。磯っぽい海藻の藻の様な香りが広がりながら、穀物やバニラっぽい甘さとアフターかけて潮気のあるスモーキーな余韻が続きます。

ハイボールにしてもアイラ感は満載で、煙たさや磯臭さは薄まりますが「ドライなアイラ感」があるので、オイルサーディンや塩焼きなどの魚料理と愛称が良さそうです。初心者の方には、レモンピールをすると爽快感と爽やかさが増して飲みやすくなるかもしれません。

筆者はアイラモルトのスノースタイルハイボールが大好き。ソルティードッグやマルガリータなどの様に、グラスのフチをレモンで濡らし岩塩などをつけた飲み方ですが、塩を付けて飲むことで甘みが増し独特の磯っぽさのあるアイラモルトとの愛称バツグンのハイボールが出来上がります。

まとめ

他を圧倒する個性、特に正露丸とも例えられるフレーバーやスモーキーな香りは一筋縄ではいかないオーラがあります。

数あるウイスキーの中でもアイラモルトは異色の存在かもしれません。しかし、ブレンデッドウイスキーにとっては必要不可欠な要素でもあり、スコットランドにおいては料理にも密接な関係性があります。ハギスと呼ばれる「羊の腸」の煮込み料理には「臭み消し」としてアイラモルトが使われます。

日本においても、「くさや」や「鮒寿司」、「納豆」など欧米人には理解できない物もあります。つまり、文化に由来する要素が非常に大きく「当事者」である地元の人の中にも苦手な方もいます。

ウイスキーを知っていく過程で「いつかは迎える洗礼、アイラモルト」。筆者自身も最初は「美味いっ」とは思えませんでした。しかし「面白い」という第一印象が強く、他のウイスキーを飲みながらも「あの臭いウイスキーが気になる」といった具合で、バーでオーダーをしながら何度目かで「美味いかも!?」と思える瞬間があったことを思い出します。

今では常備するほどになりましたが、ウイスキーブームによって苦手な為に飲めない劣等感や、義務感を持つのはいかがなものか!?と思います。確かにスコッチにおいては重要なファクターですが、嗜好品ですので無理なものは無理で良いと思います。

茨城出身ながら筆者は「納豆」が臭くて食べれません。アラフォー男子ですが何も困ってません(笑)

しかしながら、一度好きになってしまえばそこには更に深い魅力の「沼」が待っています。「他はどんなものだろう!?」と臭い系のアイラモルトの中でも「更に個性的なモノはないか!?」と探し続ける「沼」が待っているんです。

初心者の方や、すでにある程度ウイスキーを嗜んだ方も、試していなければ是非っ!!この機会に一度「アイラモルトの洗礼」を体験してみてはいかがでしょうか!?そこで「ウイスキー道」をどのように進んでいくかが決まるかもしれませんよ!?(笑)

最後までお読み頂きありがとうございました。ラフロイグの洗礼をお受けになりたい方は是非、下のボタンからどうぞ!!コチラは個性が強く感じたサントリーの正規品になります。


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