このウイスキーの特徴
ポルトガルスムースについて
今回は、ブレンデッドウイスキーの「デュワーズ」から限定発売された「デュワーズ8年 ポルトガルスムース」をレビューします。
このウイスキーは、デュワーズが8年以上熟成したウイスキーをブレンドし、さらに6ヶ月間”後熟”(フィニッシュ)を行ったシリーズで、ネーミングはその時に使われた樽の種類に由来します。
第1弾はラム樽で”後熟”をした「ディワーズ8年 カリビアンスムース」
第2弾は、テキーラが属するメキシコのスピリッツ「メスカル」の樽で”後熟”を行った「ディワーズ8年 イリーガルスムース」
そして、第3弾となるのが今回のボトルでポルトガルの「ポートワイン樽」で後熟を行った「デュワーズ8年 ポルトガルスムース」です。
この「テュワーズ8年」は他にも、日本が誇る「ミズナラ樽」で後熟を行った「ジャパニーズスムース」や「カルヴァドス樽」で後熟をした「フレンチスムース」も展開予定となっています。
(現在は発売日未定)
では、今回の「ポルトガルスムース」に使われている樽の「ポートワイン」とはどんなワインなのか!?簡単に見ていきましょう!!
ポートワインとは
ポートワインとは、ポルトガルのドウロ地方で造られるワインの一種で、ブランデーを添加してアルコール度数を上げた「酒精強化ワイン」の一つです。「世界3大酒精強化ワイン」の一つとして有名で「ポルトガルの宝石」と称される事もあります。
製造方法は、ブドウの発酵中にブランデーを添加し糖分がアルコールへと変換されるのを中断させます。そうすると、ブドウ果汁の甘みが残された甘口のワインが出来上がります。
世界的に有名な甘口ワインとしてブルーチーズとの相性がよく、ワインの酸味が苦手という方でも飲みやすいワイン、それがポートワインです!!
筆者もワインは好んで飲まない傾向にありますが、ポートワインにいたってはアルコール度数も高めではあるものの、スイスイ飲めてしまいました。
このポートワインの樽に、8年以上の熟成をしたモルトウイスキーとグレーンウイスキーを再び貯蔵して半年間の後熟を行ったのが、今回の「ポルトガルスムース」です。
ポートワインの特性がウイスキーにどのように反映されているのか!?今回も3種類の飲み方でレビュー致しますので、最後までご覧ください!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- チェリー、イチジク、ジャム、バニラ、ハチミツ、シナモン、樽香、トースト
味わい
- スパイシー、ベリー系の酸味、ややビターなアフター
感想
まずはストレートから飲んでみます。香りは、ポートワイン由来のチェリーやイチジクといった赤みがかった果実を連想する香りと、ジャムのような煮詰めた甘くフルーティーな香りが漂っています。また、バニラやハチミツといった砂糖を感じる甘みに、シナモンやトーストの香ばしさ、樽のウッディさなど、良質なブレンデッドウイスキーのバランスの良い香りが印象的です。
口に含むと、香りほどの甘さはなくスパイシーな印象が先行します。後からベリーっぽい甘酸っぱさが追いかけてきて、アフターにかけてはビターですが余韻にポートワインの”ぽてっとした”甘さやタンニン、そして酸味が残ります。
香りは豊かで、味はややスパイシーな傾向。アフターには豊かな樽感とポートワインの面影など、バランスも良く面白みのある味わいで、ストレートで飲んでも非常に楽しく美味しいです。8年熟成の若干の若さは感じますが、これだけきれいにまとまっているのは流石「デュワーズ」といったところでしょう。
第一弾の「カリビアンスムース」よりも熟成感を感じ、ベリーっぽい甘酸っぱさにポートワインの上品な甘さが追いかけてくるので、飲んでいて非常に楽しく美味しいです!!
ロックで飲んでみる
香り
- イチジク、チェリー、ジャム、ハチミツ、カスタード、トースト
味わい
- 果実の酸味、キリッとした味わい
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。香りはイチジクやチェリー、そしてジャムなどストレートの時と印象は変わりませんが、ハチミツの影にクリーミーなカスタード、香ばしいトーストを感じます。
口に含むと、スパイシーではありますがやや落ち着いた印象で、ビターが少し前に出て来ました。全体的に香りや味わいは弱まりましたが、ストレートの時よりも飲みやすく普段から、ロックスタイルで飲まれる方でしたら、ビターの中にポートワインの風味を感じ、モルトの香ばしい余韻が心地よく感じられると思います。
ストレートでも十分にスムースな飲み口ですが、氷を入れると一層軽やかでさっぱりと飲めちゃいます。少しビターが強まりますが、甘さが続くのが苦手という方はオンザロックがオススメ!!
ハイボールで飲んでみる
香り
- バニラ、ハチミツ、トースト、イチジク
味わい
- モルティな優しい甘みと香ばしさ
感想
最後はデュワーズといったら!?でお馴染みのハイボールで飲んでみます。香りはバニラやハチミツの甘い香りが主体で、ほんのりトーストの香ばしさをまとっています。奥まってイチジクの様な果実感もありますが、メインは甘くウッディな樽香。
口に含むと、モルトの優しい甘みと香ばしさが口の中で広がります。砂糖菓子のような甘みが最初に来て、その後にイチジクの酸味が広がり、余韻にかけてベリー系の酸味とジャムの様な煮詰まった甘さが残り、静かに消えていきます。
全体が非常にまとまってバランスも良く、ほんのりビターもあるので食事はもちろん、デザート感覚でゆっくりと飲むのも良いと思います。
デュワーズの真骨頂!!ハイボールではモルティな香りと甘みが口の中で広がります。後味に甘酸っぱい味わいが残りポートワイン樽ならではの味わいが楽しめます!!
まとめ
「デュワーズ8年ポルトガルスムース」のレビューでした。
さすがはデュワーズ!!モルトの比率が多い事で有名なだけに、どんな飲み方をしても崩れず樽のうま味をしっかりと感じとることが出来ます。フィニッシュした樽に由来するこのシリーズですが、今回のポルトガルスムースが今までのシリーズの中で一番好みかもしれません。
ワイン樽を用いたウイスキーというと、変にタンニン感やエグみなども反映されてしまいがちですが、甘くブランデーのコクがある「ポートワイン」の樽にいたっては、飲んでいて楽しくベリー系の酸味がウッディな香りにとてもマッチしていました。
「ポートカスク」と書かれたウイスキーは、主に少しお値段の張る「シングルモルト」で飲めましたが、安価なブレンデッドウイスキーで手軽に味わえるなんてデュワーズ様様です。
”限定”と言わずに通年商品になってほしい・・・、そんなコスパ大の美味しいウイスキーでした。
最後までお読み頂きありがとうございました。
コチラが今回ご紹介した、ポートワイン樽でフィニッシュを施した「ポルトガルスムース」です。
こちらがメスカル樽でフィニッシュを行った「イリーガルスムース」
そして第一弾のラム樽でフィニッシュを行った「デュワーズ8年 カリビアンスムース」です。
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