【レビュー】ラガヴーリン12年 ディアジオSR2020の魅力に迫る!

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年に一度、世界のウイスキーファンが心待ちにする祭典、ディアジオ社の「スペシャルリリース」。その中でも、アイラの巨人ラガヴーリンが放つ12年カスクストレングスは、常に憧れの的です。

今回、幸運にもその歴史の中でも特に個性的と語られる2020年リリースを、バーでテイスティングする機会に恵まれました。

このボトルは、ラガヴーリンらしい力強いスモーキーさの中に、これまでにないほどの「甘さ」を秘めた、まさに矛盾の塊のような一本。そのユニークな魅力の正体を、実際のテイスティング体験をもとに徹底レポートします。

ラガヴーリン SR2020の正体〜スペックから紐解く「スピリッツ主導」の哲学

このウイスキーの個性を理解する鍵は、その製造哲学にあります。作り手が目指したのは、樽の化粧で飾り立てるのではなく、ラガヴーリンの蒸留液(スピリッツ)が持つポテンシャルを、ありのままに引き出すことでした。

  • 蒸留年:2007年
    • 単なる12年熟成ではなく、2007年という特定の年に蒸留された原酒のみで構成された「シングルヴィンテージ」。その年ならではのラガヴーリンの魂が瓶詰めされています。
  • 熟成樽:リフィル・アメリカンオーク樽
    • あえて新樽ではなく、何度か使用された「リフィル樽」をメインに選択。これは、樽からの風味抽出を穏やかにし、スモーキーでオイリーなラガヴーリン本来のキャラクターを前面に押し出すための意図的な選択です。
  • ボトリング:無加水・無濾過・無着色
    • アルコール度数56.4%という「カスクストレングス(樽出し原酒)」で、加水による希釈を一切行っていません。さらに、香味成分を損なわない「ノンチルフィルタード」、着色をしない「ナチュラルカラー」によって、ウイスキーが持つ本来の豊かな口当たりと複雑な味わいを余すことなく閉じ込めています。
Key(筆者)
Key(筆者)

この「スピリッツ主導」という哲学こそが、2020年リリースの力強くも繊細な味わいの基盤となっているのです。

なぜ特別なのか?「Rare by Nature」コレクションにおける役割

2020年のスペシャルリリースは、「Rare by Nature(レア・バイ・ネイチャー)」というテーマを掲げていました。これは、蒸留所周辺の動植物を美しいイラストで描いた、伝統への回帰を意識したシリーズです。

この年のラインナップには、ラム樽で仕上げたタリスカーやシェリー樽熟成のモートラックなど、個性豊かなボトルが並びました。その中でラガヴーリン12年は、樽の個性に頼らず、蒸留所の個性をストレートに表現する「力強く、純粋なアイラ代表」という重要な役割を担っていました。ファンタジックなアートワークが採用された翌2021年とは対照的に、2020年はウイスキーそのものの本質に迫る、クラシックな魅力に溢れた年だったと言えるでしょう。

実際にストレートでテイスティング

香り

ヨード、石炭、納屋の埃っぽさ(タバコ)

味わい

力強くスモーキー

感想

今回はバーでのテイスティングです。作り手に敬意を表して、まずはストレートでいただきます。

グラスに注ぐと、ヨードや石炭を思わせる力強いスモーキーな香りが立ち上り、納屋の埃っぽさやタバコのような独特のニュアンスが重なります。時間が経つにつれ、乾いた埃っぽさもじわりと顔を出します。

口に含むと、アルコールのピリッとした刺激の中に塩味と焦げたシリアルの風味が広がります。わずかな酸味も感じられますが、余韻は短めでオイリーさはなく、全体としてビターでドライな印象です。

一つひとつの要素が骨太で、非常に力強い味わいです。通常の16年と比べると、カスクストレングスならではのパワフルさと刺激が際立ち、熟成年数からイメージするよりもずっと激しい印象を受けます。一度飲んだだけでは測りきれない底知れない力強さがあります。

定価約20,000円という価格は決して安くありませんが、この個性を体験する価値は十分にあります。さすがラガヴーリンといえる一本です。

Key(筆者)
Key(筆者)

後日改めてオーダーして飲んでみると、アルコールの角がやや取れ、シトラスや甘いバニラの香りが開いてきました。時間をかけてゆっくりと向き合うことで、また違った表情を見せてくれる奥深い一本です。

まとめ

ラガヴーリン12年 ディアジオスペシャルリリース2020の総合評価
イマイチ
良い

ラガヴーリン蒸留所を擁するディアジオ社からのリリースですが、オフィシャルとは異なる表情を持ちながらも、ラガヴーリンの個性がしっかりと感じられる一本です。洗練されたラベルデザインも印象的で、手元に置きたくなる佇まいがあります。

定価約2万円という価格は決して安くはありませんが、その個性と完成度を考えれば納得できる価値があります。ウイスキー愛好家であれば、一度は体験してみる価値のある一本といえるでしょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。

テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!

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