【レビュー】シングルモルト山崎NA(ノンエイジ)の味と香り、おすすめの飲み方を解説!

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sister-ley
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こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です。今回は国内外で不動の人気を誇る「山崎(ノンエイジ)」の解説&レビューを行います!

日本のウイスキーは世界的に高い評価を受けており、その中でもシングルモルト山崎は特に注目されています。このウイスキーは、日本初のモルトウイスキー蒸留所である山崎蒸留所で生産され、その品質と独特の風味で知られています。この記事では、シングルモルト山崎の魅力や歴史、そしてその製造方法について詳しく解説していきます!

記事でわかること
  • 山崎の歴史
  • 世界でも有数の設備を誇る山崎蒸溜所について
  • 山崎の製法やスペック
  • 山崎の味わい(3種類の飲み方での違い)
知っておくと、美味しさが数倍に!

シングルモルト山崎NA(ノンエイジ)はこんなウイスキー

ウイスキー属性 シングルモルト
産地(メーカー) 日本(サントリー)
蒸溜所 山崎蒸溜所
味わい エレガントでオリエンタルな香り
飲みやすさ ★★★★☆☆
おすすめの飲み方 ストレート
個人的な意見 美味しいが高すぎる

世界的に人気のシングルモルト山崎

出典:サントリーHP(山崎)

シングルモルト山崎は、サントリーが製造・販売するウイスキーの一つで、原料となるモルト原酒は全て山崎蒸溜所で造られています。モルト原酒は、大麦の麦芽を発酵させ、蒸留することで作られ、原酒の種類、樽の選択、熟成年数によって、多彩な風味が生まれます。山崎蒸溜所は、日本で最初に設立されたウイスキー蒸溜所であり、2023年には100周年を迎える歴史ある施設です。シングルモルト山崎は、その卓越した品質で世界的に評価されており、日本の四季の変化や自然の豊かさを反映した、繊細かつ複雑な味わいが特長です。

山崎は日本最古のモルトウイスキー蒸溜所で生まれた、世界的に高い評価を受けているウイスキーです。

山崎の香りや味わい、ラインナップなどを知れば、より一層楽しめることでしょう。それでは、早速見ていきましょう。

山崎蒸溜所の歴史は日本のウイスキーの歴史

山崎蒸溜所の歴史は、日本のウイスキー産業における重要な節目を数多く刻んできました。その始まりは、寿屋(後のサントリー)創業者、鳥井信治郎によって設立されたことにあります。鳥井は、日本人の味覚に合った本格的なウイスキーを作ることを目指し、スコットランドでウイスキー製造を学んだ竹鶴政孝を迎え入れました。

竹鶴は、摂津酒造での経験を経て、1923年に寿屋に入社し、山崎蒸溜所の建設に着手しました。この地は、名水として知られ、ウイスキーの製造・熟成に最適な環境でした。1924年には日本初のモルトウイスキー蒸留所として竣工し、伝統的なスコッチ・ウイスキー製造法に則ったウイスキーづくりが始まりました。

しかし、山崎蒸溜所の歩みは困難を伴いました。ウイスキーの熟成には時間がかかり、初期の製品は商業的に成功しませんでした。それでも、鳥井は新商品の開発に力を入れ、資金を確保し続けました。そして、1937年には「角瓶」が発売され、大ヒットを記録しました。

戦時中も、山崎蒸溜所は日本軍にウイスキーを供給し続け、戦後はGHQ向けにもウイスキーを提供しました。1960年代にはウイスキーブームが到来し、山崎蒸溜所は生産設備の拡張を進めました。1984年には「ピュアモルト山崎」がリリースされ、1987年から1989年にかけては生産設備の大規模な改修が行われました。

そして、山崎蒸溜所は100周年を迎える2023年に向けて、敷地内の改修を進め、新たな設備の導入と見学施設のリニューアルを行いました。これらの歴史的な努力は、山崎蒸溜所が日本のウイスキー文化を牽引し続ける理由となっています。

山崎蒸溜所は、1923年に創設されたサントリーのウイスキー蒸溜所。

日本で最初のウイスキー蒸溜所でもある山崎蒸溜所は、2023年で100周年!!数々の銘ウイスキーを生み出す世界的にも有名な蒸溜所の1つです。

山崎蒸溜所は大阪府にあり天王山の麓にあります。元来、ここは名水の地として知られ「千利休」も茶室を建てたという言い伝えがある土地。

山崎は、桂川、宇治川、木津川が合流する独特の地形にあり、ウイスキーの熟成に最適な湿潤な環境にある為、まさにウイスキーづくりの理想郷ともいえる場所です。

1923年の創設当時、山崎蒸溜所の初代工場長に就任したのはニッカウヰスキーの創業者『竹鶴政孝氏』でした。

本場スコットランドでウイスキー造りを学んできた竹鶴政孝氏を、日本で最初の蒸溜所に招き入れサントリーのウイスキー造りの歴史は始まりました。

その後、理想とするウイスキーの違いから竹鶴氏は退所。彼はさらなる理想郷を求め北海道の余市に「ニッカウヰスキー」を設立します。

現在はライバル関係でもあるサントリーとニッカが、元は同じ所からスタートしていたというのは非常に感慨深いものがあります。

山崎蒸溜所の特徴は多彩な原酒のつくり分け

山崎は、その多様なウイスキー造りで世界的にも注目されています。ここでは、100種類以上の原酒を生み出すために、8対16基の異なるポットスチルを駆使しています。これは、日本独特の原酒交換の文化がないため、複雑なブレンドを実現するために必要な手法なのです。

麦芽はフェノール値0から40ppmで、特に40ppmの麦芽は年末に仕込まれるのが特徴です。1924年の創業時から、国産大麦とイギリス産ピートを使用し、フロアモルティングを行っていましたが、1969年に機械式に移行し、その後はイギリスの専門業者から麦芽を調達しています。しかし、2023年には小規模ながらもフロアモルティングを再開し、その伝統を今に伝えています。

仕込みには天王山の水を使用し、硬度90mg/Lの硬水を用いることで、グレンモーレンジィ蒸留所と同程度の水質を実現しています。マッシュタンはステンレス製で、容量は100,000リットルと25,000リットルの2基があります。ウォッシュバックは木製とステンレス製があり、発酵にはサントリー自社製の酵母を使用し、発酵時間は65から75時間です。

蒸留では、初留器と再留器の合計16基のポットスチルを使用し、蒸留時間は7から8時間です。熟成はダンネージ式とラック式の熟成庫で行われ、シェリー樽やミズナラ樽など様々な樽を使用しています。

また、実験的な製造を行うパイロットディスティラリーも設置されており、ここでは小規模ながらも様々な新しい試みが行われています。これらの施設と技術により、山崎蒸溜所は世界的にも類を見ない多様なウイスキーを生み出しています。

山崎蒸溜所の最大の特徴は「質の高いモルト造り」が出来る環境と設備、そして世界的に見ても稀な「原酒の造り分け」にあります。

本場スコットランドの様に、蒸溜所も多くなく原酒の交換という文化の無い日本では、様々な味わいの原酒を造ることが出来ませんでした。

そのような状況下で山崎蒸溜所は、仕込みの段階から造り分けを行っています。

大小合わせて2基の巨大な糖化槽(マッシュタン)があり、それぞれに違ったアプローチをすることで異なった性質の麦汁を生み出しています。

発酵槽(ウォッシュバック)についても同様で、木製の発酵槽が8基、ステンレス製はなんと12基もあり、スピリッツの味の要である醪(もろみ)が製造されてます。

山崎蒸溜所で最も特徴的な蒸留棟には形状の異なるポットスチルが全部で12基あります。

初溜6基、再溜6基それぞれ形の違うものにすることで、生まれてくるスピリッツは多種多様。1つの蒸溜所でこれだけの種類のポットスチルがるのは山崎蒸留所だけです。

2013年には、別棟に新たな蒸留施設を建設。設置されているポットスチルは創業当時の形状をしていて原点回帰を謳っています。

山崎蒸溜所では、100年ほど前から眠っている樽がまだあるといいます。しかし、現在は滋賀県近江にある貯蔵庫にて一括で熟成を行っているようです。(サントリーは100億円の投資を行い設備強化を行うと発表しました。)

蒸溜所内は、見学が可能となっています。中には製造工程はもちろん貴重なサンプルも展示されていて、さながらウイスキーの博物館のようです。

ワイン樽熟成原酒が決めてのシングルモルト山崎NA

2012年にサントリーから発売された「シングルモルト山崎 ノンエイジ(NA)」は、ハイボールブームを背景に、ウイスキー初心者でも「飲みやすく、美味しい」と感じられるようにという思いから生まれました。

このウイスキーは、熟成年数を表記せず、どんなシーンでも楽しめる飲みやすさと美味しさを追求しています。サントリーのチーフブレンダーである福與伸二氏によると、ワイン樽での後熟がもたらす甘みを活かしたブレンドが、このウイスキーのまろやかで甘い香りの秘密とのこと。

四季の移り変わりと共に熟成される原酒は、微妙な味わいの違いを生み出し、甘さと深みのバランスが取れた、洗練されたウイスキーを実現。「シングルモルト山崎 ノンエイジ」は、新旧のウイスキーファンを魅了するウイスキーとして今では入手困難な銘柄となっています。

山崎蒸溜所のモルト原酒だけで造られたウイスキー、それが「シングルモルト山崎」です!!

年数表記のない「ノンヴィンテージ」タイプですが、山崎でしか出せない味わいがあり、苺を彷彿とさせるベリー系の香りが魅力的なウイスキー!!

その味わいの決め手になっているのが「赤ワイン樽熟成モルト」と「ミズナラ樽熟成モルト」です!

赤ワイン樽で熟成したモルトを加えることで、ノンエイジでもエレガントでまろやかな味わいに仕上げられています。

また、サントリーによって一躍世界的に有名になった「ミズナラ樽熟成モルト」も大切な存在!!

ミズナラはジャパニーズオークと呼ばれるブナ科の木で、戦後の資材がない時にサントリーが国内で賄うために使い始めた樽材です。

ミズナラ樽は扱いが難しく、良い味わいを造るためにとってもコストが掛かる為、日本以外の蒸溜所では使われてきませんでした。しかし、お香を思わせるオリエンタルな芳香は唯一無二!!

まさに、サントリーの顔ともいうべき「ミズナラ樽原酒」すべての山崎に使用されています!!

オリエンタルな香りとエレガントさを持ち合わせた「シングルモルト山崎」は、現在も品薄な状態が続く貴重なシングルモルトで巷では見かけることも稀です。

しかし、運が良ければ巡り合うことも出来ますので見つけた際は是非チェックしてみてください!!

sister-ley
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それでは、「シングルモルト山崎NA」をストレート、ロック、ハイボールの3種類でレビューしてみたいと思います。是非、参考にしてください!!

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山崎NA(ノンエイジ)をテイスティング(実際に飲んでみた)

山崎NAのフレーバー

山崎NAの味わい

山崎NA(ノンエイジ)をストレートで飲んでみる

香り

  • イチゴジャム、クランベリー、マンゴー、デーツ、ドライフルーツ、お香

味わい

  • ハチミツの甘さとスパイシーな余韻

感想

まずは、ストレートで飲んでみます。

香りは、イチゴジャムやクランベリーなどの熟した果実や赤い果実のフルーティーさに、マンゴーやドライフルーツ、デーツなどの甘みとお香のようなエキゾチックさが加わります。

口に含むと、ハチミツとベリー系の果実の酸味が絡み合い、次第にスパイシーさが増してきます。そして、タンニンが後から追ってきて、スパイシーさと共にベリー系の香りを引き連れてゆっくりと消えていきます。

「山崎12年」とはまったく違う味わいで、フルーティーな香りと味わいが飲みやすさを与えてくれますが、好みは分かれるでしょう。しかし、日本を代表するシングルモルトなので、一度は試してみる価値はあると思いました。

熟した赤い果実やジャムっぽさは他にはない独特の香味で、エレガントかつフルーティーです。ノンエイジという不利な条件を逆手にとった複雑さが非常に面白い味わいでした。

山崎NA(ノンエイジ)をロックで飲んでみる

香り

  • イチゴジャム、風邪シロップ、ハチミツ、クランベリー、お香

味わい

  • ブドウのタンニン、ベリーが漂う余韻

感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。

香りは、イチゴジャムや風邪シロップ、クランベリーなどの赤い果実、そしてハチミツにうっすらとお香のエキゾチックさが感じ取れます。

口に含むと、赤い果実の香りとともにタンニンの渋みとビターなテイストが広がります。そして、スパイシーさが膨らんでくると後を追うようにハチミツが香ってきて、余韻はビター感の強さが際立ちながらスッと消えていきました。

ストレートに比べると、ビターさがとても目立ちワイン樽由来のタンニンが異常に目立つ傾向にあります。加水が進むにつれて渋みやビターも強まってくるので、飲みにくい印象を持ちました。

しかし、これはワイン樽熟成の特徴であり、独特の風味を楽しむことができます。ワイン樽熟成のウイスキーが好きな方ならば、この味わいに魅了されるかもしれません。

一言で言うなら、ロックはオススメできません。タンニン感やビターがとても強く感じられ飲みにくい印象があります。また、食事にも合わせ辛い味わいだと思いました。

山崎NA(ノンエイジ)をハイボールで飲んでみる

香り

  • イチゴジャム、クランベリー、オーク、ハチミツ、オレンジジュース

味わい

  • 柑橘とタンニン感のあるビター、ミズナラの余韻

感想

最後はハイボールで飲んでみます。

香りは、イチゴジャムやクランベリーなどの赤い果実の甘さに、オークの香りとハチミツの甘みが加わり、ほんのりとオレンジジュースの爽やかさが感じられます。

口に含むと、赤い果実の香りと爽やかな酸味が広がります。そして、ビターさが後から追ってきて、シトラスの香りと一緒にスッと消えていきます。

味わいはエレガントでフルーティーで、飲みやすいです。しかし、バーボン樽をメインとしたモルトと比べると、爽快感がやや劣ります。スッキリとした印象はあまりありません。そもそも、ワインを割って飲むことはないので、キーモルトのワイン樽熟成モルトはハイボールには向いていないかもしれません。

華やかでエレガントな香りは好印象でしたが、どこかスッキリとしたハイボールならではの爽快感がないのが残念です。

まとめ

山崎NAの総合評価
イマイチ
素晴らしい

100周年を迎えた山崎蒸溜所。シングルモルト山崎は、日本のウイスキーの集大成の様な銘柄です。甘やかで香り高く、スムースな飲み口で長い余韻。日本人に合った味わいを求め続け、気がつけば世界中の人を魅了し独特の個性を解き放つ存在になりました。店頭に出ることがほとんど無いのが難点ですが、それだけの価値を築いた結果なので仕方ないのかもしれません。

市場価格は定価の2倍以上と高騰していますが、世界的に類をみない唯一無二の味わいはフルボトルでなくともバーなどで見かけた際は、是非、チェックしてみて下さい!

Key(筆者)
Key(筆者)

ワイン樽由来のエレガントでスムースな味わいはウイスキー初心者でも抵抗なく楽しめます。

Caoli(助手)
Caoli(助手)

母の日や父の日、またお誕生日などの贈り物にも最適ですね!!

その他の「シングルモルト山崎」のラインナップ

シングルモルト山崎には、さまざまなラインナップがあります。それぞれに異なる香りや味わいがあり、ウイスキーの楽しみ方も変わります。ここでは、代表的なラインナップを紹介します。シングルモルト山崎の最高峰とも言えるラインナップです。

山崎12年

山崎12年は、シングルモルト山崎の定番とも言えるラインナップで、12年間の熟成によって、やわらかく華やかな香りと、甘くなめらかな味わいが生まれます。ミズナラ樽の影響で、フルーティーやスパイシーな香りが感じられます。オーク樽の影響で、バニラやシナモンなどの甘い味わいが感じられます。シングルモルト山崎の魅力を存分に味わえるラインナップです。

山崎の基本中の基本、もっとも歴史の古い日本のシングルモルトの代表格。12年以上熟成されたモルト原酒のみで造られる味わいは非常にまろやかで奥深く、注いでる先から素晴らしい香りが広がります。

山崎18年

山崎18年は、シングルモルト山崎の中でも、特に高い評価を受けているラインナップで、18年間の熟成によって、深く豊かな香りと、コクのある濃厚な味わいが生まれます。ミズナラ樽の影響で、花や果物の香りが感じられます。シェリー樽原酒による、チョコレートやドライフルーツなどの甘く重い味わいが感じられます。シングルモルト山崎の奥深さを堪能できる一品です。

18年以上の長期熟成モルトのみで構成されるハイスペックな山崎18年。店頭に並ぶことは稀で、市場に出回る最高峰と言っても良いかもしれません。(年末年始のや◯やは狙い目)

山崎25年

山崎25年は、シングルモルト山崎の中でも、最も希少なラインナップで、25年以上の熟成によって、複雑で繊細な香りと、まろやかで芳醇な味わいが生まれます。ミズナラ樽の影響で、杉や檜の香りが感じられます。シェリー樽やミズナラ樽の影響で、キャラメルやプラムなどの甘く濃い味わいが感じられます。

限定品を除く、レギュラーラインナップの中では頂点に君臨する最高峰の山崎。25年以上もの長期熟成モルトのみを使用し、年間生産本数も少なく、極みと呼べる最高のシングルモルトです!

いかがでしたでしょうか。シングルモルト山崎は、山崎蒸留所の歴史や特徴が反映された、日本の誇るウイスキーです。シングルモルト山崎の香りや味わい、ラインナップを知ることで、ウイスキーの楽しみ方が広がることでしょう。ぜひ、シングルモルト山崎を味わってみてください。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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