このウイスキーの特徴
このウイスキーについて
今回は、クーパーズチョイスの「オスロスク12年マデイラカスクフィニッシュ」をレビューします!!
クーパーズチョイスとは
独特の後熟工程により、ウイスキーファンを楽しませているクーパーズチョイス。
クーパーズチョイスとは、「ザ・ヴィンテージ・モルト・ウイスキー社」のウイスキーブランドの1つで、同社は1992年に創業したボトラーズの会社です。
ボトラーズとは、独立瓶詰業者のことで自らは蒸留所を持たず、蒸留所から樽ごと原酒を買い取り独自の熟成などを行い瓶詰めして販売する企業を指します。
そのようなボトラーズは沢山ありますが、このクーパーズチョイスに関しては、他ではなかなか無いような独特のフィニッシュ(後熟)に定評があります。
ブランド名にある「クーパー」とは、「樽職人」のことを指しラベルにも描かれています。
創業者は「ボウモア蒸留所」で20年以上のキャリアを持つプロフェッショナル。樽熟成に関しては特に自信があるブランドと言えるかもしれません。
今回のレビューボトルもそうですが、「クーパーズチョイス」では創業者「ブライアン・ルック」により選びぬかれた樽を、カスクストレングスなど加水を抑えた状態でボトリングされています。
オスロスク蒸留所とは
オスロスク蒸留所は1974年に創設された比較的新しい蒸留所で、スコットランドのスペイサイドにあります。
オーナーはディアジオ社で、ブレンデッドウイスキー「J&B」のキーモルトとして原酒供給を主に行なっています。
オスロスクのモルトはウイスキーファンの間でも好評で、以前は「シングルトン」としてシングルモルトがリリースがされていましたが、現在はディアジオの「花と動物シリーズ」で味わうことができます!!
オスロスク蒸留所の特徴
オスロスク蒸留所は、仕込み水を近くにあるドリーの泉から湧き出た良質な軟水を使用します。
原料となる大麦はノンピート使用でディアジオが所有するモルティング施設より供給されたものを使用。
ステンレス製の発酵槽は全部で8基あり、発酵にかける時間は80時間ほどです。
ポットスチル(蒸留器)はランタンヘッド型のものが初留と再留共に4基あり、合計8基で蒸留を行っています。
ブレンデッドウイスキーへの原酒供給が主な役目なので、年間生産量は590万リットルにもなる蒸留所なんです!!
ちなみに、オスロスク蒸留所はジンで有名なゴードンのバックアップ蒸留所としての役目も果たしています。実際にメインのミャメロンブリッジ蒸留所に問題が合った場合はすぐに稼働出来る準備がされているそうです!!
オスロスクが造り出すモルト原酒は、熟成期間が長くなくてもフルーティーで非常に飲みやすい味わいなのが特徴と言われています!!
それなのにシングルモルトでのリリースは「花と動物シリーズ」のみ。いかにブレンデッドが偉大かが伺えますね!!
このボトルの仕様について
では、このボトルに入っているウイスキーはどんなウイスキーなのか!?
ラベルを見ていきましょう!!
大きく書かれた数字の「2010」は、蒸留された年を表しています。ということで、このウイスキーは2010年に蒸溜されたウイスキーになります。
その下には英語で文章が書かれています。内容を要約すると「スペイサイドのモルトで2010年7月に蒸留。2022年に瓶詰めされるまでアメリカンオークの樽とマデイラ樽で12年以上も熟成」と言った感じの内容です。
そして、下には蒸溜所名「オスロスク」とあり、緑のラベルには「マデイラカスクフィニッシュ」と書かれています。
アルコール度数は56.5%のカスクストレングス!!オスロスクのモルトの旨味がギュッと詰まっています!!
1つの樽から瓶詰めされるボトラーズのモルトウイスキーは、まさに一期一会。二度と出会えないかもしれない儚さと味わいが魅力です!!
通常の仕様とは違ったアプローチも魅力のボトラーズウイスキー、今回はストレートで香りや味わいをレビューしてみたいと思います!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- バニラ、キャラメル、紅茶、緑茶、ハチミツ、リンゴ、黒蜜
味わい
- 豊かな樽香、スパイシー、余韻に黒蜜の甘さ
感想
では、ストレートで飲んでみます。
香りは、バニラ、キャラメル、ハチミツの甘い香りがして、発酵感のある紅茶と青々とした若葉の緑茶、そして切った時のリンゴと黒蜜っぽい香ばしさがあります。
口に含むと、とてもウッディで樽の香りが口の中いっぱいに広がり、リンゴや洋ナシの果実が徐々に膨らみ、スパイシーな刺激が追いかけてきます。余韻にかけてはビターも混じり、スパイシーで少しハーブっぽさが香りながら、黒蜜の甘さが静かに残ります。
個人的に、マデイラフィニッシュ系のモルトは好みで色々な蒸溜所のものを試したりしましたが、オスロスクのフルーティーで甘い香りのモルトとの相性は抜群に良いと思います。人によっては重たく感じるかもしれませんが、このくらいの重厚さがある方が満足感があって好きですね!
アルコール度数56%があるとは思えないくらいに滑らかで美味しいモルトです。しっとりとした甘さと果物、ハーブや紅茶のグラッシーな感じは普通にウイスキーを嗜む程度では味わえないボトラーズならではの醍醐味!!当たり外れのリスクもありますが、気になる蒸留所の好きな樽との組み合わせを見つけたら、是非飲んでみて下さい!!
まとめ
クーパーズチョイスはフィニッシュに定評があります。今回のボトルは、スペイン産の酒精強化ワインである「マデイラ・ワイン」の樽を使用して後熟させた、オスロスクのシングルカスクモルトです。
私はマデイラフィニッシュが好みですが、今回のレビューを通して、オスロスクの飲みやすさを再確認しました。ブレンデッドの「J&B」は、麦のジュースと呼ばれるほど甘くて飲みやすいウイスキーですが、そのキーモルトであるオスロスクの味わいは当然のことかもしれません。
生産量はかなりありますが、オフィシャルリリースがメジャーではないため、あまり知られていないオスロスク。ディアジオの「花と動物シリーズ」や、ボトラーズのボトルでも、どちらでもよいので、気になる方は是非一度試してみてください!もちろん、オスロスクのフルーティーで甘い香りのモルトと相性の良いマデイラフィニッシュもおすすめです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
こちらは、MHDからリリースされているオスロスクの唯一のオフィシャルボトル「花と動物シリーズ」のオスロスク10年です。オスロスクの甘く優しい味わいを是非、お試しください。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
コメント