フォアローゼスを簡単にまとめると
フォアローゼス蒸留所について
フォアローゼス蒸留所の歴史
19世紀も終わり頃の1884年、ポール・ジョーンズjr.がケンタッキー州ルイビルに事務所を開設し、4年後の1888年に「フォアローゼス」という名前を商標登録し、フォアローゼスの歴史が始まりました。20世紀のはじめ、1920年~33年の13年間、アメリカでは禁酒法が施行されており、ほとんどの蒸溜所は生産を停止せざるを得なくなりましたが、フォアローゼス蒸溜所は「薬用酒」という扱いを受けて、生産を許された数少ない蒸溜所の一つでした。禁酒法については、今もアメリカ史上最悪の法律と言われる事もあり、当時はカナダからの流通で粗悪なお酒が横行もしていました。その状況は映画アンタッチャブルの冒頭でも店主とマフィアの会話から垣間見ることができます。
ボトルに描かれている4輪のバラ、フォアローゼスのアイコンとも言うべきこの柄の経緯は?
創業者が舞踏会にてある女性に一目惚れをしてしまいます。彼はすぐさまプロポーズをし、女性はこの様に伝えます。「プロポーズをお受けするなら、次の舞踏会で薔薇のコサージュをつけてまいります」
約束の舞踏会の日、なんと彼女は4輪の薔薇の花を胸につけ現れたのです。それは彼の愛が実った瞬間でした。こんなロマンスエピソードから「FourRoses(4輪の薔薇)」という名前がついたそうです。なんとも素敵なエピソードです!!
蒸留所の特徴
バーボンを作るにおいて最も大切な要素と言われているのが仕込み水です。そして、その水は蒸留所があるケンタッキー州に分布している石灰岩層によって鉄分が除去され、代わりにカルシウムが溶け込んだ硬水となって湧き出ます。この水のことをライムストーンウォーターと呼びますが、硬水であると何が良いのか!?
カルシウムを多く含んだ硬水は酵母の働きを活発にする効果があるため、このライムストーンウォーターはウイスキーづくりに最適な水なのです。
ストレートで飲んでみる
香り
- 生花、蜂蜜、バニラ、セメダイン
味わい
- 華やかな香りと共に、ライトな舌触り
感想
ストレートで飲んでみると、香りは、花の様なフローラルと蜂蜜っぽい甘さが同時に感じ取れます。最初に花の様なフローラルがあって、少し控えめに甘い香りがありながらもどこからか、アルコールの刺激を纏った工業的な香りが存在しています。これはバーボンウイスキー特有のセメダイン臭というもので、バーボンウイスキーを敬遠される方はこの臭いが駄目なパターンが多いです。
実際に飲んでみると、香りのイメージと比例するように軽快な舌触りが感じ取れます。ウイスキーを全く飲めなかった筆者が、このフォアローゼスの水割りを飲んだときに『とても飲みやすく、軽やかで美味しい』と思ったのを思い出します。バラの様なフローラルがアクセントとなって飲みごたえを与えたと思うのですが、ライトボディなので水割りにすることで更に軽快さが増したのだと思います。やはり、ストレートでも美味しいです♪
ハイボールで飲んでみる
香り
- 薔薇、蜂蜜、セメダイン
感想
次はハイボールで飲んでみます。ストレートの時よりもバラの様なフローラルな香りが更に感じ取れるようになりました。しかし、同時にセメダインのケミカルさも増して感じ取れるので、取っ付きづらい印象を持つ人もいるかも知れません。スコッチにはないバーボンらしさが全面に出ています。口に含むと、口腔内にふわっと花の香りが広がり、樽由来のバニラや蜂蜜も感じ取れます。アフターにかけてケミカルなセメダイン臭も漂うのですが、穀物の甘さやフレーバーをキュッと引き締めてくれるので、後味がスッキリとしています。ハイボールにしてライトな飲み口を一気に爽快さへと変えてくれました。脂っこい食事などには非常にマッチすると思います。
まとめ
現行のボトルデザインになり久しぶりに飲んでみましたが、自分をウイスキーの世界へと誘ってくれた銘柄は今も美味しいままでした!ラベルデザインが変わっても、アイコンの4輪のバラが印象的で、女性の方などは目を引かれるかもしれません。バーボンというと、男臭い飲み物のイメージが先行しますが、バーなどでは女性のファンも多くいらっしゃいます。トウモロコシなどを主原料としているので飲み口は軽快で後味もスッキリ、ちょっとクセが気になる時は飲み方を変えるなど工夫をすると、案外イケるかもしれませんよ?
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用したグラスはコチラ
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