【レビュー】宮城県限定「ニッカ伊達」を3種類の飲み方で味と香りを解説!

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このウイスキーを簡単にまとめると

ニッカ伊達とは
  • ウイスキー属性:ブレンデッドウイスキー
  • 産地・メーカー:日本・宮城県(ニッカウヰスキー)
  • 飲みやすさ:★★★★★☆(ハイボールは★6)
  • 味わい:香ばしくフローラル
  • おすすめの飲み方:ハイボール
  • 総合評価:★★★★★☆
  • どんな人に向いている?:カフェスチル原酒の味わいを知りたい人、仙台でのお土産に!!

宮城県限定「伊達」とは

ニッカウヰスキー「伊達」は宮城県限定で販売されるブレンデッドウイスキーで、地域共生型の営業活動の一環として「仙台・宮城【伊達な旅】キャンペーン」を盛り上げていくため2008年と2009年に500mlのボトルで数量限定で発売されました。その後、通年商品として宮城県限定販売となり、2012年よりラベルデザインのリニューアル、仕様もピュアモルトからブレンデッドへ変更され現在も仙台市内をはじめとする宮城県限定での販売が継続されています。

伊達の製法について

「伊達」にはニッカウヰスキーが所有する「宮城峡蒸溜所」の「モルト原酒」、同じく「カフェスチル」で蒸留された「カフェモルト」と「カフェグレーン」を使用。

華やかな宮城峡モルト原酒、香ばしくクリーミーな味わいのカフェスチル原酒をブレンドし宮城県に蒸溜所を置く宮城峡ならではの味わいに仕上がっているブレンデッドウイスキーです。

ニッカウヰスキーが宮城県の人々や風土に敬意を表したウイスキーということですね!!

宮城県に育てられた原酒を使って個性豊かなウイスキーに仕上げられています。

原酒の一部にベンネヴィス原酒を使用

ニッカ「伊達」には、宮城峡蒸溜所で蒸留した「宮城峡モルト」、「カフェモルト」、「カフェグレーン」が使用されていますが、一部に同社がスコットランドに所有する「ベンネヴィス蒸溜所」のグレーン原酒も使用されているようです。

メーカー記載では「ベンネヴィスの原酒をカフェスチルで蒸留したものを使用」とあり、原酒を蒸留!?と疑問が湧いてくる内容ですが、どうやらベンネヴィス蒸留所の醪を宮城峡蒸留所で蒸留したモノのようです。(親切な読者様がコメントでお教えいただきました!)

ニッカウヰスキーが販売するブレンデッドモルトに「セッション」がありますが、あの味わいはかなりベンネヴィスの味わいが強い印象ですので、ニッカとベンネヴィスの関係性は思っているよりも親密なのかもしれません。

ベンネヴィス蒸溜所は、良質なシングルモルトを製造するスコットランドの蒸溜所。

ニッカの買収や技術介入によって安定的に原酒を供給出来るようになった蒸溜所でもあります。

宮城峡蒸溜所について

1969年の設立された「宮城峡蒸溜所」は、宮城県仙台市の作並という県境付近にあります。この場所に蒸溜所を建設した目的は、ニッカウヰスキー最初の蒸溜所である「余市蒸溜所」とは違った性質の原酒を造り出す為でした。海辺の「余市蒸溜所」とは異なり「宮城峡蒸溜所」は四方を山々に囲まれ、蒸溜方法もスチームによる間接式蒸溜を行っています。また、蒸留器の形状も余市とは異なり、丸みを帯びたバルジ型のものが使用されているのも特徴です。

蒸溜方法や蒸留器の形状、立地条件の違いによって「宮城峡蒸溜所」では華やかでライトな味わいのモルト原酒が生まれます。

また、偶然ですが宮城峡蒸溜所の近くを流れる川の名前が「新川(にっかわ)」であり、それが仕込み水として利用されているという運命的な関係があるのも興味深いところです。

良いブレンデッドウイスキーを造るには異なった個性のモルト原酒は不可欠!!

更に、宮城峡蒸溜所ではモルトだけでなくニッカならではのグレーン原酒の製造も行っています!!

宮城峡で造られるグレーン原酒

ブレンデッドウイスキーを造るのに欠かせないグレーン原酒。その役割はモルトの個性を調和させるためにあります。ニッカウヰスキーが販売するブレンデッドウイスキーには、宮城峡蒸溜所で製造されるカフェグレーンと呼ばれる原酒が使われています。

このカフェグレーンは、19世紀イーニアス・コフィによって開発された連続式蒸留機(カフェスチル)を使用して造られています。カフェスチルを稼働させているのは世界的にも珍しく、他の連続式蒸留機に比べ生産能力は劣っていますが、原料の特性を生かした風味豊かなグレーン原酒が生まれます。

出典:ニッカウヰスキー

昔ながらの製法にこだわり真のウイスキー造りを目指し続けるニッカウヰスキー。生産性や効率にとらわれず、グレーンウイスキーも非常に手間をかけて造られています。

素材の風味を活かし、良質なグレーンを造るために手間暇を惜しまない創業者「竹鶴政孝」のスピリッツが現在も受け継がれています。

カフェ式連続蒸留器(宮城峡蒸溜所)

出典:ニッカウヰスキー

「宮城峡蒸溜所」には世界でも現存数の少ない「カフェ式連続蒸留器」が設置されています。この蒸留器はもともと兵庫県の西宮工場にあったものを宮城峡に移設したものです。先に述べたように、カフェ式連続蒸留器は素材の風味を引き出すために使用され、グレーン原酒の製造に適しています。竹鶴氏の信念を曲げず、ウイスキー職人たちのこだわりでもあるため、効率を求めずこの蒸留器を使用しているのでしょう。

補足ですが、「カフェ式」の綴りは「coffey」と表記します。本来であれば「コフィー」と読むはずが、当時のニッカはこれを「カフェ」と読んでいました。そして、読み間違いのまま現在でもニッカでは「カフェ」と呼んでいます。非常に愛着があって微笑ましさがあるのもニッカらしいところです。

読み間違いを変えないのも「こだわり」の証なんでしょうか!?

読み間違いをそのまま使っているケースは他にもあります!アニメで有名な「ジブリ」はイタリア語の「GHIBLI(ギブリ)」の読み間違いがそのまま社名になりました!!

ベンネヴィス蒸溜所についても

ベンネヴィス蒸留所は、1825年にジョン・ロング・ジョン・マクドナルドによって創設され、フォートウィリアムで唯一稼働している蒸留所です。現在まで、さまざまな所有者を経てきましたが、最終的にニッカウヰスキーが買収しました。竹鶴政孝と養子の竹鶴威によって、蒸留所は改修され、現在は高品質なシングルモルトの製造が行われています。

ニッカの技術と情熱は海を超えて本場スコットランドにまで行っていたんですね!!

伊達に使われているベンネヴィスの原酒も良質な味わいの物が使われているのでしょう!!

sister-ley
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それでは、今回もストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方でレビューをしてみたいと思います!!

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テイスティング(実際に飲んでみた)

テイスティング ウイスキー ストレート ロック ハイボール グレンケアン

フレーバーチャート

味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り

  • オガクズ、ウエハース、食パン、花、バニラ、ハチミツ、ビターチョコレート、ピート

味わい

  • 香ばしくフローラル、ほろ苦い余韻

感想

まずは、ストレートで飲んでみます。

香りは、ウッディでオガクズを思わせる木の香りにウエハースの香ばしさ、食パン、バニラ、ハチミツがあってフローラルな花の香りに、ほろ苦いビターチョコとうっすらピートのツンとした感じもあります。

口に含むと、軽やかで香ばしく樽のニュアンスが口の中に広がります。ハチミツやバニラの甘さがほんのりと広がり、続いてスパイシーとフローラルな香りが追いかけてきます。余韻にかけてビターが膨らみ、ピートのニュアンスと混じりながらゆっくりと消えていきます。

華やかな香りの中に古典的な樽の香りがあるウイスキーで、ニッカらしく蜜っぽい甘さにほろ苦さがあってブレンデッドですが、飲みごたえのある味わいです。

カフェスチル原酒の香ばしさと宮城峡モルトの華やかな香りが素直に楽しめる良質なブレンデッドウイスキーの味わいです!!

ロックで飲んでみる

香り

  • ハチミツ、ウエハース、シロップ、花、バニラ、ミルクチョコ、ピート

味わい

  • モルティ、フローラルで香ばしいビター

感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。

香りは、モルトの樽香にハチミツやバニラ、ウエハースと続きシロップのような砂糖っぽい甘さが出てきました。また、クリーミーなニュアンスのミルクチョコに花のフローラルな香りとピートがわずかに絡んできます。

口に含むと、香ばしい穀物やロースト香にフローラルが絡んできます。香りは甘く香ばしいですが、味わいはモルトの旨味とややビターな傾向にあり、途中からピーティーなニュアンスも感じます。余韻にかけてピーティーさは続き、華やかな香りとともにゆっくりと消えていきました。

スッキリとしたビターな味わいにモルト感とフローラルな香り、ブレンデッドならではの飲みやすさも手伝って何のストレスもなく飲めてしまいます。

氷が溶けて加水が進むとピーティーさが増してきます。宮城峡の華やかさとビターな味わいはスッキリとしていて、飲み飽きることはありません!

ハイボールで飲んでみる

香り

  • 香ばしい焦げ感、ハチミツ、ウエハース、シロップ、ピート、花

味わい

  • フローラルで香ばしくほろ苦い余韻

感想

最後にハイボールで試してみます。

香りは、焦がしたような深いロースト香にハチミツやシロップの甘さ、香ばしいウエハースがあって、ピーティーさにフローラルな香りが絡んでいます。

口に含むと、カフェモルトやカフェグレーンのライトで香ばしい香りに、甘くほろ苦い味わいが広がります。そして、フローラルな香りにビターが追いかけてきて、ウエハースの香ばしさとピーティーさが混じった余韻が静かに消えていきます。

どんな飲み方をしても美味しい「ニッカ 伊達」ですが、やっぱりカフェスチルの原酒はハイボールが一番合うように思います。独特の香ばしくほろ苦い感じは炭酸との相性がよく飲みやすさに特化しているのが特徴です。

伊達の特徴は香ばしいだけでなく”華やか”なところです。ブレンデッドならではの守備範囲の広さはストレート〜ハイボールまで美味しく楽しめますね!!

まとめ

宮城県限定ウイスキー「ニッカ 伊達」のレビューでした。

「宮城峡蒸溜所」の「カフェスチル」による香ばしい原酒に「宮城峡モルト」の華やかさが合わさった豊かな味わいのブレンデッドウイスキーでした。以前のスペックであるブレンデッドモルトにも引けを取らない個性的と飲み手をくすぐる香ばしい香りに満ち溢れています。

今では入手が難しい同社の「カフェモルト」や「カフェグレーン」の味わいを手軽に楽しむことができ、宮城峡のモルト原酒のフローラルな華やかさ感じることが出来る非常にコストパフォーマンスに優れたボトルです。

宮城県限定といわず全国展開してほしいところですが、原酒の供給を考えれば仕方ないのかもしれません。仙台や宮城県に出向いた際には是非、チェックしてみてください!

「伊達」は宮城峡蒸溜所でも販売していますが、日によって在庫がない時があります。どちらかというと仙台駅の土産物コーナーか、地元の酒屋の方があったりします!!

sister-ley
sister-ley

最後までお読み頂きありがとうございました。

テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。

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コメント

  1. なな より:

    こんにちは。
    こちらの伊達のベンヴィネスの原酒の話ですが、私も疑問に思って宮城峡に見学へ行った際に質問をしてみたのですが、その時の回答が、ベンヴィネスで糖化・発酵までを行ったもろみを宮城峡に持ってきて蒸溜をした。ということみたいです。
    一応その時に、なんかややこしくて分かりにくいから、ページにもそういう詳細を書いてほしいという要望はしたのですが、中々難しいのですかね。

    • sister-ley sisterley より:

      コメントありがとうございます!!
      大変貴重な情報をお教え頂きとても参考になります。
      醪を宮城峡で蒸留とは考えもしなかったです(驚)
      今回のコメントを元に後日、編集させていただきます。
      わざわざお教えいただきありがとうございました。
      今後とも、よろしくお願い致します。

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