このウイスキーを簡単にまとめると
プレミアムハイボール山崎について
サントリーが山崎の地でウイスキーを造り初めて100周年!!
記念すべき年(2023年)に、シングルモルト山崎の原酒を使ったハイボール缶「プレミアムハイボール山崎」が数量限定で発売されました。
前回の「プレミアムハイボール白州」と同じく1缶¥600というプレミアムなハイボール缶ですが、実際にその価値はあるのでしょうか!?
今回も「そのまま」と「グラスに注いで」、さらに「山崎12年ハイボールとの違い」を実際に飲んでレビューしました!
そもそもシングルモルト山崎とは
「シングルモルト山崎」は、大阪府天王山の麓に位置する山崎蒸溜所で造られています。
この地はかつて千利休が茶室を建てたほど、清らかな水の産地として知られており、湿潤な環境でもあり、ウイスキー造りにとって理想的な場所です。
山崎蒸溜所は、日本で最初のモルトウイスキーの蒸留所として1923年に設立され、長い歴史の中で数々の試行錯誤を繰り返しながら、世界でもトップクラスのモルトを製造する蒸溜所となっています。特に、原酒交換という文化のない日本においては、個性の異なる原酒を造り分ける必要があるため、仕込みから蒸留、熟成に至るまでの工程に様々な工夫が施されています。
そのような努力や技術の向上によって、山崎ブランドは世界的なコンクールで数々の賞を受賞し、今では世界中のウイスキーファンを魅了する存在となりました。
特に山崎ブランドの象徴ともいえるのが、「ミズナラ樽」で熟成を行った原酒による味と香りです。ミズナラは「ジャパニーズオーク」とも言われる樽材で、戦後の日本において物資が枯渇する中、海外のオーク材が手に入らないために代替として利用された歴史があります。
しかしながら、この物資の枯渇によって偶然の産物を手にすることになりました。自然の物である木材は生息する環境によってさまざまな種類があり、ミズナラも日本独自の木材としてウイスキーに特別な熟成効果をもたらしたのです。
海外のオーク材にはない「お香のような」エキゾチックな香りがウイスキーに与えられ、サントリーだからこそ成し遂げられた唯一無二の味わいを獲得したのです。
今では、本場スコットランドの蒸溜所でも「ミズナラ樽」による熟成が一般的になりましたが、「ミズナラ樽」の原点とも呼べるサントリー山崎蒸溜所の原酒を使った「シングルモルト山崎」こそが、ミズナラのパイオニアと言えるかもしれません
ジャパニーズウイスキーの象徴的な存在ともいえる「シングルモルト山崎」!!
まさに日本の風土が育てたシングルモルトウイスキーですね!!
日本ならではの味わいを持つ「シングルモルト山崎」、飲んでみたいですが入手も難しいのが現実です!!
そのような時は、同じサントリーから販売されている「オールド」がオススメですよ!!
ミズナラ樽のニュアンスも感じられる国民的ウイスキー「オールド」は、どこでも手に入る素晴らしい国産ウイスキーです!!
プレミアムハイボール山崎の内容
サントリーが”ウイスキー造り100周年”を記念して販売した贅沢なハイボール缶、それが『プレミアムハイボール山崎』です。
サントリーは今回の『プレミアムハイボール山崎』の製造にあたり、ハイボール専用に特化したモルト原酒の選定とブレンドを行っています。通常の「シングルモルト山崎」は「ミズナラ樽」原酒の他に、味の決め手となる「赤ワイン樽」の原酒を用いていますが、今回のプレミアムハイボールにおいては「ミズナラ樽」の香りを強調しており、さらにハイボールで飲んだときに感じられるよう特化したブレンドとなっているようです。
つまり、自分で山崎NAをハイボールにしても同じ味わいにはならない、100周年のこの時しか味わいえないハイボールということになるでしょう。
山崎をハイボールで楽しむ!!なんて贅沢な缶ハイボールなんでしょう!!
山崎を飲んだことがない方でも、ちょっと踏み出せば手軽に「山崎」の味わいを楽しめる商品なんですね!!
それでは、「プレミアムハイボール山崎」を実際に飲んで検証してみたいと思います。
今回は、”そのまま缶で”と”グラスにあけて”はもちろん!!”山崎12年ハイボール”と飲み比べも行ってみましたので御覧ください!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
缶のまま飲んでみた
香り
- ミズナラ由来の香木、バニラ、淡くシトラス、僅かにスモーク
味わい
- ピールの爽やかさ、芳醇な樽香
感想
まずは、缶のまま飲んでみます。
開け口から香ってくるのは、サントリーならではのミズナラ由来の香木のようなエキゾチックな香り、バニラ、そして僅かに柑橘(シトラス)とスモーキーさがあります。
口に含むと、ウッディで樽感たっぷりの香りが口いっぱいに広がります。そして、柔らかで上品なビターと柑橘っぽい爽やかさが広がり、クリーミーでミズナラのエキゾチックな香りが余韻となって続きます。
缶のままでも十分に美味しいですが、ピールの酸味とミズナラのニュアンスが分離しており、まとまりに欠ける印象を受けました。別の言い方をすると、ミズナラ感に”わざとらしさ”を感じます。
サントリーならではのミズナラ香は唯一無二。ただ、そのまま飲むと硬い印象もあり「角ハイボール」の高級版といった印象で終わりました。
グラスで飲んでみた
香り
- 香木(ミズナラ)、バニラ、蒸しパン、カスタード、シトラス
味わい
- モルティで柔らかくミズナラの長い余韻が楽しめる
感想
次は推奨しているグラスに注いで飲んでみます。
香りは、ミズナラの香木っぽい香りにバニラや蒸しパン、カスタードの滑らかさ、そして僅かにシトラスを感じます。
口に含むと、繊細で奥深いモルティさと爽やかなシトラス、香木の香りが広がります。そして、バニラのクリーミーなニュアンスと共にピールの爽やかさが追いかけてきて、柔らかいビター、ミズナラのエキゾチックな香木の香りが余韻となってゆっくりと消えていきます。
グラスに開けたほうが全体の味わいがまとまり、柔らかくクリーミーな印象になりました。また、缶のまま飲んだ時も思いましたが、山崎NAとは明らかに違うミズナラ樽とバーボン樽原酒を用いた感じの味わいは、どちらかというと「山崎12年」のハイボールに近い感じがします。これは美味い!!
ミズナラ樽のお香を思わせる香りにバニラやカスタードのクリーミー、アクセントに柑橘感とジャパニーズを代表する複雑な味わいが楽しめます!!
山崎12年ハイボールと比較
香り
- 香木、樽香、バニラ、キャラメル、スモーク
味わい
- エレガントで香ばしい、重厚でウッディ
感想
最後に自分で山崎12年のハイボールを作って飲み比べしてみました。
香りは、サントリーのお家芸であるミズナラに樽香がたっぷりとあって、バニラやキャラメルの甘い香り、そして僅かにスモーキーでピートのニュアンスも感じます。
口に含むと、複雑で重厚なモルトの香ばしさが口の中いっぱいに広がり、ハチミツっぽい甘さを感じます。そして、ミズナラのオリエンタルな香りが追いかけてきて、ハチミツにビターが絡みながらミズナラの香りが余韻となって長く続きます。
重厚さでは圧倒的ですが、「プレミアムハイボール山崎」の延長線にある味わいだと思います。山崎NAは「赤ワイン樽」の原酒を用いているので、華やかですがどこか渋みやタンニンがあり、ハイボールには不向きな印象ですが、「山崎12年」はミズナラ樽原酒をスマートに引き立てるブレンドがされている為か、バランスが崩れず繊細な熟成感が楽しめます。
今では贅沢な山崎12年ハイボール!!「プレミアムハイボール山崎」と近いニュアンスで、アテが必要ない濃厚で繊細な味わいが楽しめました。
まとめ
今回は、サントリーの「プレミアムハイボール 山崎」をレビューしました。
価格が¥600という点で、少々躊躇してしまうかもしれませんが、その値段に見合った良質な缶ハイボールだと感じました。
「山崎NA」はもちろん、希少な「山崎12年」は入手が難しく、市場では高値で取引されることが当たり前となっています。そのため、手に入れてもなかなか飲むことに踏み切れない人も多いでしょう。
しかし、「プレミアムハイボール山崎」は、山崎とくに「山崎12年」のハイボールに近しい味わいがするので、フルボトルでの購入を検討している方、山崎シリーズを飲んだことがない、ミズナラ樽原酒の味と香りを知りたい、という方には手軽に楽しめるコストパフォーマンスに優れた缶ハイボールだと思います。
今回の「プレミアムハイボール山崎」はサントリー100周年を記念して限定販売されています。そのため、お目にかかれるのは今だけですので見かけた際には、ぜひチェックしてみてください!
最後までお読み頂きありがとうございました。
ハイボールのテイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、香りが弱くなるハイボールでもしっかりと香りを感じることが出来ます。しかもクリスタル製!!
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