このウイスキーを簡単にまとめると
このウイスキーについて
バランタインについて
ジョニーウォーカーと共に世界シェアを誇るスコッチウイスキーブランド「バランタイン」
今ではスコッチの代表格ですが、元は食品を扱う小さな小売店でした。
ジョージ・バランタインという名の農家の息子が1827年、エディバラに店を構えました。
最初は小さな店でしたが、次第に品揃えを広げ、ワインやスピリッツも扱うようになり、そして1865年、彼らはウィスキーのブレンディングビジネスを始めました。
1891年、ジョージ・バランタインが他界した後、彼の息子が家業を引き継ぎました。そしてその5年後、ビクトリア女王自らがグラスゴーを訪れ、王室御用達の証書を授与しました。
今では、ジョージ・バランタイン&サン社はペルノ・リカール社の傘下にあり、彼らが製造しています。このブランドは現在、160カ国以上に輸出され、特にヨーロッパとアジアで高い人気を誇っています。それは、ヨーロッパで最も売れているスコッチウイスキーの中でも、世界最大のスコッチ・ブランドの一つとして名を馳せています。
バランタインが有名になった理由、それはやはりブレンド技術による確かな品質にあります。
すべてのスコッチのベンチマーク的な存在「バランタイン17年」は”ザ・スコッチ”と称される銘柄です。機会がありましたら是非、お試しください!!
バランタイン バレルスムースについて
「バランタイン バレルスムース」は2000円代で買える本格スコッチウイスキー!!
”バレル”とは熟成樽の大きさや種類を表す言葉で、通常アメリカンオークで造られたバーボン樽を意味します。
バランタイン社のマスターブレンダー、サンディ・ヒスロップ氏によって手がけられた「バランタイン バレルスムース」は、その名前からも分かるように、樽熟成に特化したウイスキーです。通常のバランタインに使用される原酒を熟成が終わった後に、もう一度用意した専用の樽で後熟(フィニッシュ)をかけたものになります。
具体的には、内側を焦がしたアメリカ産のオーク樽が使用され、一定期間の熟成を行います。これにより、バニラやスパイス、オークなどの風味がバランス良くブレンドされ、まろやかで豊かな味わいに仕上げられています。
この工程は、簡単に言ってしまえばバランタインのファイネスト~12年に使われるであろう原酒をブレンドし、バーボンウイスキーと似た(ほぼ同じ)熟成方法でフィニッシュするというもの。ですから、スムースで滑らかなバランタインにバニラやスパイスのなど飲みごたえのあるバーボンっぽい雰囲気をまとわせたと言っても良いのではないでしょうか。
尚、このバランタイン バレルスムースは、ノンチルフィルター(濾過しない)で瓶詰めされているため、ウイスキーの本来の風味や風土がしっかりと味わえると高く評価されているようです。
冷却ろ過をしていないということは、ウイスキーの旨味を存分に味わえる仕様ということですね!
バランタインのブレンドの技術と後熟(フィニッシュ)による仕上げがバレルスムースの味の特徴といえます!!
では、今回もストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方で味と香りをみていきましょう!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- 青りんご、洋梨、バニラ、キャラメル、紅茶、シロップ、ピート
味わい
- フルーティーで滑らか
感想
まずは、ストレートで飲んでみます。
香りは、青リンゴや洋梨の爽やかな香りが際立ち、予想以上にフルーティーな印象を与えます。奥にはバニラやキャラメルの甘いニュアンスに、紅茶のような微かな発酵感が漂い、ほんのりとピートの風味も感じられます。
口に含むと、滑らかで心地よい口当たりが口の中に広がります。洋梨や青リンゴのフルーティーな味わいが広がり、少しスパイシーなニュアンスが後を追います。そして、バニラの優しい香りとシトラスの爽やかな風味が感じられ、スパイシーな要素が引き立ち、余韻がゆっくりと消えていきます。
アメリカンオークでの後熟なので、もう少し甘く香ばしいのかな? と思っていましたが、予想外にフルーティーで驚きました。一般的なブレンデッドウイスキーである『グランツ』やシングルモルトの代表格である『グレンフィディック12年』にも通じる、洋梨や青リンゴのような香りは、初心者にも親しみやすく、女性の方にもおすすめです。(時間が経つと、オーク樽を焦がしたような香ばしさも現れてきます)
びっくりするくらいフルーティーです!!青リンゴ、洋梨の爽やかな香りがあり、良い意味でバランタインらしくない軽やかな印象がありました。
ロックで飲んでみる
香り
- バニラ、キャラメル、ミルクチョコ、ウエハース、梨
味わい
- 香ばしくほろ苦い
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、一気に香ばしく甘いアロマが主導権を握りました。バニラやキャラメルに、ミルクチョコレートとバーボン樽特有のニュアンスが際立ち、ウエハースのような香ばしい穀物の香りに梨の爽やかさが微かに漂います。(洋梨ほどの酸味はなく、少し粉っぽい感じがする和梨の香りです)
口に含むと、香ばしいウエハースやオークの風味が広がり、味わいはビターな傾向に変わりました。ライムをギュッと絞ったようなビターな酸味が際立ち、そのまま余韻では渋みを帯びたシトラスが効いて、爽やかにゆっくりと消えていきます。
なお、氷が溶けて加水が進むと香り、味わいはさらに変化します。香ばしくほろ苦い穀物やオークの焦げたような香りが漂い、バニラやキャラメルの甘みが滲み出てきます。柑橘、ビターといった印象からバーボン樽の要素(甘く香ばしい)が多くなり、一つのボトルで沢山の味わいを楽しむことが出来ます。
氷を入れてすぐはビターな傾向ですが、加水が進んでくると甘く香ばしい香りや味わいに変化してきます。是非、少し待ってから試してみて下さい!!
ハイボールで飲んでみる
香り
- お焦がした木片、ウエハース、バニラ、キャラメル、ダークチョコ
味わい
- 甘く香ばしい、シトラス香る余韻
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りはだいぶ控えめになりましたが、炭酸の爽快な気泡と共に、焦がした木片のような香りにウエハース、バニラ、キャラメル、そしてほろ苦いダークチョコレートが漂います。
口に含むと、青リンゴや洋梨のフルーティな味わいと共に、ハチミツの甘さが口中に広がります。そして、シトラスの爽やかな酸味がはちみつの甘さと絡み合い、余韻ではわずかにシトラスが残りながらスーッと消えていきます。
そして、ハイボールでもしばらく置いてみると、味わいが変化していきます。香りはますますフルーティーになり、ウイスキーの風味は軽やかになりますが、果実の優しい甘さが広がります。そのため、ウイスキーに慣れていない人でも抵抗なく楽しめる、飲みやすい味わいが広がります。
香ばしくフルーティーな味わいのハイボールです。初心者の方は薄めで作ると果実感が際立ちますので非常に飲みやすいと思います!!
まとめ
「バランタイン バレルスムース」のレビューでした。
アメリカンオーク樽での後熟と聞いていたので、もっとバーボンらしい甘さが前面に出る味わいを期待していました。しかし、意外にも青い果実を思わせるフルーティーな特徴が主役であり、加水によってさまざまな味と香りが変わるのです。
バランタインらしいコクのある味わいと滑らかさはそのままに、フルーティーな香りとアメリカンオークの香ばしさが調和し、非常に飲みやすいブレンデッドウイスキーに仕上がっています。
同じ価格帯の「バランタイン7年」とどちらを選ぶか迷ってしまいますが、じっくりと熟成感を楽しむなら「7年」、ロックやハイボールなど気軽に楽しむなら「バレルスムース」が良い選択だと思います。
どちらにせよ、名門バランタインの豊富な原酒を使用したブレンデッドウイスキーは確かな王道の味わいを手軽に楽しめますので、まずは飲みやすさを重視して試してみるのも良いのではないでしょうか!
週末のほっと一息つくひと時に、「バランタイン バレルスムース」をお好みのスタイルで楽しんでみてはいかがでしょうか?
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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