【レビュー】オルトモア12年を3種類の飲み方で味と香りを解説!!

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今回は世界的に有名なブレンデッドウイスキー「デュワーズ」のキーモルト「オルトモア」をご紹介いたします!!

このウイスキーを簡単にまとめると

オルトモア12年とは
  • ウイスキーの属性:シングルモルト
  • 産地:スコットランド(スペイサイド)
  • 蒸溜所:オルトモア蒸留所
  • 飲みやすさ:★★★★☆☆
  • 味わい:ハチミツ香るビターテイスト
  • おすすめの飲み方:ストレート、ハイボール
  • 総合評価:★★★★☆☆
  • どんな人に向いている?:ドライな味わいを好む人、グレンフィディックの次に!!

このウイスキーについて

オルトモア

1897年、アレクサンダー・エドワードによって設立されたオルトモア蒸留所は、スコットランドのスペイサイド地区に位置し、その内部にあるキース地区にあります。この地は「フォギー・モス(霧が深い湿地)」として知られ、豊富なピートと良質な水を得ることができる理想的な場所です。

昔から人口がまばらで、かつては密造の中心地として栄えました。この蒸留所の名前「オルトモア」は、ゲール語で大きな川を意味し、蒸留所の近くを流れるオーヒンデラン川を指すと言われています。

オルトモア蒸留所で作られるシングルモルトウイスキーは、VAT69、デュワーズ、ジョニーウォーカー黒ラベルなどのブレンデッド・スコッチ・ウイスキーの原酒としても使用されています。特にデュワーズのキーモルトとしては味わいに深みを与える特に重要なモルト

ウイスキー「トップドレッシング」として有名で、スコットランドのウイスキー産業内でトップクラスと評価される12のモルトの内の一つでもあります。

世界なブレンデッドウイスキー「デュワーズ」の味わいを支えている「オルトモア」、次は蒸留所についてご紹介いたします。

オルトモア蒸留所

オルトモア蒸留所の歴史と経営者

1897年に誕生したオルトモア蒸留所、「Aultmore(大きな小川)」という名前は、その周囲に流れるオーヒンデラン川に由来すると言われています。長らくジョン・デュワー&サンズ社によって運営されてきましたが、1998年にはバカルディ社の傘下に入り、現在に至っています。

製造工程の内訳

以前は、1967年まで自社でフロアモルティングを行っていましたが、現在はシンプソンズ社に製麦を委託しています。ここでは、ノンピートタイプの麦芽が用いられ、これらは1960年代初頭から使用されているポルテウス社製のモルトミルで粉砕され、グリストとなります。

水源とマッシュ

フォギーモスの泉の水が仕込み水として使用されています。ステインネッカー社製の最新鋭のステンレス製フルロイタータンがマッシュタンとして用いられ、グリスト容量は1バッチあたり10トンです。加熱した仕込み水が複数回に分けて注がれ、糖化が進み、多量の糖分を含むウォートが得られます。1バッチあたり約48000リットルのウォートが得られるとのことです。

発酵

酵母にはケリー社製のリキッドイーストが用いられ、冷却されたウォートと共にウォッシュバックに投入され、発酵が進められます。この工程には56〜70時間かかり、約8%のアルコール度数を持つもろみが完成します。

蒸留

ウォッシュスチル(容量16500リットル)が2基、スピリットスチル(容量15000リットル)が2基設置されています。全てがストレートヘッド型であり、他のデュワーズ構成原酒と似通った形状・サイズを持っています。蒸気による間接加熱方式が採用されており、冷却にはシェル&チューブ方式が用いられています。初留ではアルコール度数が23〜26%程度であり、再留を経てミドルカットを終えたニューポットのアルコール度数は約69%になります。

熟成と利用

オルトモア蒸留所は独自のウェアハウスを所有しておらず、製造された原酒はタンカーでジョン・デュワー&サンズ社の熟成庫へと運ばれます。ほとんどの原酒は、ブレンデッドウイスキーのデュワーズのキーモルトとして利用され、シングルモルトとしてのリリースはほんのわずかです。

蒸留棟はガラス張りの非常にキレイな見た目をしていますね!!

生産される原酒のほとんどがブレンデッドへ供給されることから、シングルモルト「オルトモア」は非常に少ない出荷本数となっているようです。

オルトモア12年

「オルトモア12年」はオルトモア蒸留所で造られた原酒100%を使ってボトリングされたシングルモルトウイスキー、生産される原酒のほとんどがブレンデッド用に用いられるため、こうしたオフィシャルボトルがリリースされるようになったのは、世界的なウイスキーブームの賜物といえるかもしれません。

使われている原酒については詳しい情報がありませんが、テイスティングノートなどを参考にするとバーボン樽原酒を基本としながらも、シェリー樽原酒も多少使われているように思えます。

数々のブレンデッドウイスキーにおいてキーモルトとしての役割を担っているオルトモア、その中でも12年以上の熟成したものだけでボトリングされたウイスキー、それが「オルトモア12年」です。

実は80年代、オフィシャルリリースも行っていた「オルトモア」ですが、その後リリースはなくなりボトラーズのみ入手ができるレアモルトでした。

ところが近年のウイスキーブームによってオフィシャルリリースの復活となりました!!

sister-ley
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デュワーズに重要なキーモルト「オルトモア」、今回もストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方でレビューしてみたいと思います!!

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テイスティング(実際に飲んでみた)

テイスティング ウイスキー ストレート ロック ハイボール グレンケアン

フレーバーチャート

味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り

  • リンゴ、ハチミツ、ハーブ、カンロ飴、バナナ、アーモンド、べっこう飴

味わい

  • ドライでスパイシー、ハチミツの甘み

感想

まずはストレートで飲んでみます。

香りはリンゴをメインにしながら、ハチミツの甘い香りにハーブのニュアンスが混ざり、カンロ飴やべっこう飴、そしてアーモンドの香ばしさに、しっとりとしたトロピカルフルーツやバナナが僅かに感じられます。

口に含むと、オイリーとは異なる独特の滑らかさがあり、不思議なほど艶っぽい感触が広がります。ハチミツの香りと甘さが広がって、シトラスやピールのビターな要素が膨らんできます。そして、スパイシーなニュアンスが広がり、ピールのキリッとした苦味と共に、ドライな印象の味わいがゆっくりと消えていきます。

香りからは甘い印象を受けましたが、実際に飲んでみるとハチミツの甘さはあるものの、全体的にはドライでスパイシーな味わいが広がり、何よりも艶のある滑らかな口当たりが印象的でした。突出した個性よりも、”縁の下の力持ち”といった印象で、淡白ながらキレイな味わいがします。

スペイサイドらしいノンピートの柔らかさ、麦芽の素朴な味わい、そして樽からの香味がじんわり伝わってくるさっぱりとした味わいです。

ロックで飲んでみる

香り

  • ハチミツ、リンゴ、べっこう飴、重曹、オレンジ、蒸しパン

味わい

  • ハチミツの優しい甘さとビター

感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。

香りはリンゴにハチミツをかけたような芳香が広がり、オレンジピールのアクセント、べっこう飴の甘い香り、重曹に似た香りと蒸しパンを連想させるふっくらとした湿っぽい感じが漂います。

口に含むと、ハチミツの優しい甘さにシトラスとピールのビターが徐々に膨らんできます。そしてスパイシーさが現れ、再び主役はピールの苦味とほのかに感じるハチミツが混じりながらゆっくりと消えていきます。

氷を入れてもドライな味わいに変わりはありませんが、時間が経つと少しスモーキー、またはピーティーにも感じる香りが漂います。これは、仕込み水の「フォギーモスの泉」の水質によるものだと思います。ノンピート仕様ですが、水源にピート層があるため、加水によってにじみ出てきたのでしょう。不思議です。

ハチミツとシトラスがメインのドライな味わいは飽きずにゆっくりと楽しめます。加水が進むとピートっぽいニュアンスが感じられるので是非、体感してみてください!!

ハイボールで飲んでみる

香り

  • リンゴ、濁ったリンゴジュース、ハチミツ、オレンジピール、石鹸

味わい

  • ビターテイスト、さっぱりとしていてややハーヴィー

感想

最後はハイボールで飲んでみます。

香りは、リンゴの蜜とフレッシュに絞ったばかりのリンゴジュース、ハチミツ、そして僅かに石鹸のようなパフューミーな香りが感じられます。

口に含むと、爽やかなリンゴの香りと共にピールのアクセントがあり、ハチミツとシトラスが膨らんできます。そして、シトラスやピールの爽やかなビターが、華やかな石鹸や香水のような香りと共にすっと消えてなくなります。

ストレートから一貫して味わいはドライな傾向にあり、ハイボールではスッキリとしたピールと華やかさが垣間見える味わいでした。決して派手ではありませんが、こういったタイプのモルトは良質なブレンデッドを作るには必要不可欠なのでしょう!!

心地よいビターがスッキリとした味わいに良いアクセントを与えてくれます。アテがなくてもスッと飲めて、飽きのこない味わいはどんな場面でも楽しめますね!!

まとめ

「オルトモア12年」のレビューでした。

デュワーズをはじめ、様々なブレンデッドウイスキーのキーモルトに使用されているだけあり、清々しい香りと味わいが魅力的なシングルモルトでした。

ブレンデッドウイスキーを作る際には味の根幹を担う個性が重要ですが、すべてのキーモルトが主張の強い味わいではお互いが打ち消し合うか、方向性が定まらない味になってしまいます。そういった意味では、オルトモアのように控えめだけど他と融合することでお互いが引き立って味のエッセンス的なモルト原酒は重要だと思います。

このオフィシャルリリースボトルも、決して派手ではありませんが、香りや味わいからは内に秘めた力強さを感じずにはいられません。一見華やかで飲みやすいスペイサイドモルトですが、飲み方一つでまだ感じていない香りや味わいが隠れているかもしれません。

そのような意味で、何種類かの飲み方を試しながら新しい発見があるかもしれませんので、1本で長く付き合っていけるモルトウイスキーかもしれません。

最後までお読み頂きありがとうございました。

テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。

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