【レビュー】ボウモア 15年を3種類の飲み方で味と香りを解説!!

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ウイスキーでは熟成年数の順に飲んでいく”縦飲み”という飲み方があります。

今回は「ボウモア12年」の次にオススメするボトル「ボウモア15年」をご紹介いたします。

このウイスキーを簡単にまとめると

ボウモア15年とは
  • ウイスキーの属性:シングルモルト
  • 産地:スコットランド(アイラ島)
  • 蒸溜所:ボウモア蒸留所
  • 飲みやすさ:★★★☆☆☆
  • 味わい:赤い果実とスモーク
  • おすすめの飲み方:ストレート、ハイボール
  • 総合評価:★★★★★☆
  • どんな人に向いている?:ボウモア12年の次に、シェリー熟成の醍醐味を味わいたい人

このウイスキーについて

ボウモアとは

「ボウモア」とはゲール語で「大きな岩礁」をという意味で、ボウモア蒸留所はスコットランドの孤島「アイラ島」にあります。

アイラ島で製造される多くのウイスキーは、麦芽の乾燥過程でピート(泥炭)を燃やし、その煙が麦芽に香りを与えます。これによって独特のスモーキーな味わいが生まれます。さらに、アイラ島のピートには海藻成分が豊富で、独特の海の香りやヨードの香りが加わり、それらが麦芽に染み付くのです。

ボウモア蒸溜所で作られる原酒は、海岸に近い倉庫で保管されるため、潮風を受けながら熟成します。ここでも特有の海の香りが広がると言われています。

ボウモアは独自の甘みと、しっかりとしたスモーキーな味わい、ヨードの風味を備えています。これらはすべてアイラ島の自然から得られるものです。

また、ボウモアはアイラ島で唯一、エリザベス2世女王が訪れた歴史ある蒸溜所であり、その際には特別なウイスキー樽が作られ、今でも倉庫に飾られていると伝えられています。

「アイラの女王」とも称されるエレガントかつ優美な味わい!!それがボウモア!!

歴史ある蒸留所だけに、その優美さは「エリザベス女王」も認めていたんですね!!


ボウモアの歴史

ボウモア蒸溜所はアイラ島で最も古い蒸留所で、創業したのは18世紀の終わり1779年です。しかし、経営運に恵まれず度重なる所有者の入れ替わりがありました。

1837年 Wm & Jas Mutterが蒸溜所を買収

1892年 英国の実業家に買収。ボウモア・ディスティラリー・カンパニーへと改称

1925年 J. B. Sheriff & Company

1929年 DCL(Distillers Company Ltd. / 現在のディアジオ社)

1950年 William Grigor & Sons

1963年 スタンレー・P・モリソン(Stanley P. Morrison)

数々のオーナーを経て落ち着いたのが創業から200年近く経った1989年のこと。

日本の酒類メーカーサントリー(現:サントリーホールディングス)が30%の資本を買い取り、1994年に完全にオーナーとなりました。

ちなみにサントリーの参入前は、経営が悪化し過ぎており蒸溜所はあるもののしっかりと稼働できずにいて、熟成用の樽も古いものを再利用していました。この悪化した状況に資本参入したサントリーが経営の建て直しを実施し、現在の行き届いた設備に改善しました。

サントリーがオーナーになり経営は安定、高品質なモルトを生産し続けています。

しかし、設備の充実化と共に味わいも変化したのも事実。長い歴史あるだけに各年代によって違う味わいそれぞれにファンがいます。


ボウモア蒸留所の製法

ボウモア蒸留所では、未だに昔ながらのフロアモルティングという、床の上で大麦を発芽させる伝統技法を行っています。 その際、大麦がある程度発芽したら芽の成長を止める為に、ピートを焚き、その熱で大麦を乾燥させます。 ピートを焚いて乾燥した麦芽は粉砕されステンレス製のマッシュタンに入れ温められた仕込み水と混ぜ合わせ時間をかけて濾過し、麦汁を絞り出します。 絞り出された麦汁はオレゴンパイン材の発酵槽に入れられ48~62時間かけて発酵。

アルコール7~8%の醪(もろみ)となり、小型のポットスチルで蒸溜してアルコール濃度を高めます。 ボウモアのポットスチルは初留2基、再留2基の計4つ。2回の蒸溜を経てアルコール度数69%のニューメイク(原酒)が出来上がります。

しかし、ボウモアでは出来上がったニューメイクの全てを貯蔵するわけではなく、上質な香味を持った箇所のみを選び、樽に詰めて熟成させます。 使用する主な樽はホワイトオークのバーボン樽、スパニッシュオークのシェリー樽の2種。バーボン樽70%、シェリー樽30%の比率で使用されています。 ボウモアでよく例えられる「蜜のような甘み」にはこちらの使用されている樽の比率が大きく関わっていることが分かります。

その他にもマディラやボルドーのワイン樽、ジャパニーズオークのミズナラ樽も一部使用しています。 多くの原酒をヴァッティングすることでボウモアならではのスモーキーかつ甘みのある、絶妙なバランスの味わいを出すことができるのです。

フロアモルティングというのは非常に手間がかかり非効率、しかし人間の手でしか出しえない味わいを造るため、ボウモアでは今でも行っているんですね。

シェリーやワインの樽、そしてミズナラなど多種多様の熟成を行っているのも魅力的ですね!

ボウモア15年

ボウモア15年はボウモア蒸留所が公式にリリースするオフィシャルボトルです。15年といっても、最低熟成年数が15年であってそれ以上の原酒も使われ、風味豊かでエレガントな味わいに仕上げられています。

使われる原酒はバーボン樽で12年以上熟成を行った原酒を、オロロソシェリー樽で再び3年以上熟成させたものが使われます。

バーボン樽によってバニラの香りに包まれた原酒が、追加熟成のシェリー樽によって気品あふれるフルーティーでエレガントな風味を身に着けるのです。

こうして、手間のかかる工程を幾度も重ねて出来上がる原酒をボウモア15年のレシピに合わせてブレンドを行い「ボウモア15年」は完成します。

レギュラーラインアップの中で最も有名な「ボウモア12年」と熟成年数だけをみれば”たった3年”ですが、味わいの違いは非常に大きいのが特徴です。

ボウモア12年にプラス3年のシェリー樽熟成を行ったボウモア15年。

シェリー樽によるエレガントでフルーティーな味わいは12年では味わえない優雅な芳香が楽しめます。

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それでは「ボウモア15年」をストレート、ロック、ハイボールの3種類で味と香りをみていきましょう!!

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テイスティング(実際に飲んでみた)

テイスティング ウイスキー ストレート ロック ハイボール グレンケアン

フレーバーチャート

味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り

  • カシス、クランベリー、ハチミツ、バニラ、ゴム、スモーク

味わい

  • 赤い果実とスモーク

感想

まずは、ストレートで飲んでみます。

香りは赤い果実を思わせるフレッシュな香り立ちで、クランベリーやカシスの上品な果実香にハチミツの甘さが漂い、奥にはバニラの風味も感じられます。また、シェリー樽らしい少しゴムっぽいニュアンスに、しっかりとしたスモーキーな香りが印象的です。

口に含むと、ややオイリーな感触があり、スモーキーな香りとヨード感が一気に広がります。そして、カシスやクランベリーの甘酸っぱさが膨らんでくると、スパイシーさが追いかけてきて、余韻では甘酸っぱさと煙たさが見事に馴染みながらゆっくりと消えていきます。

アイラモルトのシェリー樽熟成は個人的に苦手な部類なのですが、ボウモアに関して言えばとてもエレガントで果実の風味も上品で、ネガティブな硫黄っぽさやゴム臭さも少なく品のある味わいを楽しむことができました。さすが”アイラの女王”といった感じです。

”果実と煙”という組み合わせに難色を示すのが普通かもしれませんが、ウイスキーではそのようなセオリーは通じません。特にこのアイラモルトでは(笑)とても美味しいです!!

ロックで飲んでみる

香り

  • レーズン、ドライフルーツ、ハチミツ、バニラ、ゴム、硫黄、スモーク

味わい

  • ビターが強くドライな味わい

感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。

香りは、ストレートよりもグッと紫色の熟した果実感があり、レーズンやドライフルーツのニュアンスが漂っています。そしてハチミツやバニラに混じり、ゴムや硫黄といったシェリー樽特有の香りにスモークが絡んでいます。また、少し時間が経つと僅かにですがオランジェットのようなチョコとシトラスの混じったニュアンスも出てきました。

口に含むと、灰の混じった乾いたスモークが広がり、柑橘の皮(白い部分)のような強いビター感が膨らみます。そのままビターは続き、余韻にかけてスモーキーな香りとともに一貫した味わいが続いてゆっくりと消えていきます。

ストレートのエレガントで甘酸っぱい味わいからビターな傾向に変化し、個人的には固くて飲みにくい印象を持ちました。

香りはレーズンなど熟した果実感がありますが、味わいはとてもビターな傾向に。甘酸っぱさやモルトの香ばしさよりもビターが目立ってしまいました。

ハイボールで飲んでみる

香り

  • スモーク、ハチミツ、ベリー系の香り

味わい

  • ハチミツと果実に絡むスモーキーな香味

感想

最後はハイボールで飲んでみます。

香りは、弱まりながらも心地よいスモークと穀物の香ばしい甘さにベリー系の甘酸っぱさを感じます。口に含むと、炭酸の刺激とともに果実の甘酸っぱさとスモークが広がります。そして、麦の香ばしい甘さと紅茶のようなニュアンスが広がり、果実とスモークの共演は余韻にかけても続き、飲み干すと同時にすっと消えてなくなります。

ロックの時の強いビター感はなくなり、心地よいスモークと果実の甘酸っぱさが上品に香る味わいです。エレガントさもありますが、どちらかというとフレッシュで元気な印象のハイボールで、バーボン樽ならではの炭酸との相性の良さと、シェリー樽らしいフルーティーさの両方を楽しめます。

ロックの時のようなビターはなく、スッキリとした果実感と心地よいスモークは何杯でも飲めてしまいます。

まとめ

ボウモア15年を3種類の飲み方でご紹介致しました。

上位ボトルの「ボウモア18年」も以前にレビューしましたが、どちらもエレガントで果実味溢れる香り立ちは本当に素晴らしい味わいです。

味の方向性はどちらも似通っていますが、幾分15年の方がフレッシュに感じられ、ハイボールとの相性はこちらの方が良いと思います。

スタンダードな「ボウモア12年」や「ボウモアNo.1」の求めやすい価格帯からは一段上がる価格帯ですが、12年では味わえない熟成感のあるエレガントな香りや味わいは是非、一度試して頂きたいです。

15年と18年、どちらを買えば良い!?という疑問を聞かれますが、ハイボールや色々な飲み方をするなら15年、ストレートやロックでじっくりと楽しみたいという場合は18年が良いと思います。そのくらい味の方向は近く、シェリー樽の味わいと上品なスモーキーさを楽しむことが出来ます。

いずれにしても、アイラモルトの中では比較的飲みやすい「ボウモア」。入門であり基本の「ボウモア12年」を試された方は、是非「ボウモア15年」をお試しください。12年ではバーボン樽の傾向が強く感じられますが、15年ではそこから数段階シェリー樽のニュアンスを多く楽しむことが出来ます。

最後までお読み頂きありがとうございました。

テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。

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