このウイスキーを簡単にまとめると
このウイスキーについて
スモーキーモンキー
モンキーショルダーのスモーキータイプ「モンキーショルダー スモーキーモンキー」は2017年に、マスターブレンダーのブライアン・キンズマンと熟練のバーテンダーチームが、世界最高のバーに相応しい、極上のピーテッド・スコッチウイスキー(スモーキー・テイスト)を生み出すプロジェクトがスタートしました。
クラシックなカクテル「ジンジャーモンキー」にスモーキーなアクセントを加えたり、オリジナルのピーテッドスコッチカクテル「ペニシリン」で全く新しい味わいを提供したり、スコッチのダークサイドで舌を虜にする数々の方法が用意されています。スモーキー・モンキーは、バーテンダーたちから高い評価を得ており、現在では25カ国以上で販売されています。
モンキーショルダーとは
2005年に誕生した「モンキーショルダー」は、スペイサイドというスコッチの一大産地で生まれた比較的新しい銘柄です。このウイスキーは、3種類のモルト原酒だけで造る「トリプルモルト」が特徴であり、それぞれのモルトが見事に調和した、軽やかでありながらもリッチな味わいが評価されています。そのクセが少なく飲みやすい性格から、ストレートはもちろん、カクテルにしても楽しむことができます。
モンキーショルダーの繊細なブレンデッドモルトの味わいを決定づけるのは、製造元であるウィリアム・グラント&サンズ社が所有する3つの蒸溜所から厳選された最高級のモルト原酒と、名モルトマスターの卓越したヴァッティング技術です。1903年創業のウィリアム・グラント&サンズ社は、スペイサイドのグレンフィディック蒸溜所の創業者であるウィリアム・グラント氏の娘婿、チャールズ・ゴードン氏が中心となって設立された、スコットランドの独立系ウイスキーメーカーです。同社は複数の蒸溜所を抱えながらも、家族経営を代々受け継いでいます。
モンキーショルダーに用いられるモルト原酒は、スペイサイドのグレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィの各蒸溜所から厳選されており、これらは全て同社傘下の蒸溜所です。このスコッチウイスキーは、ウィリアム・グラント&サンズ社が長年培ってきた伝統技術と知識のもとに生まれた、質の高い逸品なのです。
ボトルネームの「モンキーショルダー」は直訳で「猿の肩」という意味になりますが、これは蒸留所で働くモルトマンのことを指しています!!
スモーキーモンキーの製法
スモーキー・モンキーは、精巧なブレンディング技術により、ピーテッドとノンピートのシングルモルト・スコッチウイスキーを微妙なバランスで調和させています。「スモーキーモンキー」では、キーモルトとしてが「バルヴェニー」、「キニンヴィ」、「グレンフィディック」が採用されており、特にバルヴェニーの「ピートウィーク」が加わることで、独自のスモーキーな香りが際立っています。
各スコッチは、ほのかな樽香が漂いながらも滑らかなウイスキーを生み出すために厳選されています。その味わいは、ドライなピート香とモンキーショルダー オリジナルのトレードマークであるクリーミーな甘みとスパイスが見事に融合しています。スモーキー・モンキーは、異なるスコッチのエッセンスを組み合わせ、洗練された味わいの調和を楽しませてくれる味わいに仕上げられています。
飲食店限定展開の「スモーキーモンキー」はカクテル用途に造られたウイスキーですが、もちろんそのまま飲んでもOKです!!
フルーティーで飲みやすい「モンキーショルダー」のダーティーな一面を思わせるウイスキーですね!
それではいつものように、ストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方で味と香りをみていきましょう!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- ピート、スモーク、すもも、バニラ、ハチミツ、リンゴ、ゴム
味わい
- ナッツの香ばしさとスパイシーな味わい
感想
まずは、ストレートから飲んでみます。
香りは、グラスからピートの香りとスモーキーさが溢れ、僅かに薬品っぽいニュアンスも感じられます。また、落ち着いてくると(時間が経つと)バニラの風味にまぎれ、スモモやリンゴのフルーティーさも感じられ、ゴムチューブのニュアンスを感じるのは、シェリー樽原酒が使われている影響かもしれません。
口に含むと、ナッツの香ばしい香りとスモーキーな香味が広がります。そして、追いかけるようにスパイシーさが膨らんでくると、リンゴのニュアンスがスモークと混じりながら重なり、余韻はフルーティーな印象がありながらスモーキーさもあり、サッと消えていきました。
カクテルベースのウイスキーではありますが、スモーキーさもしっかりと感じられます。アイラモルトのような強烈なものではありませんが、モンキーショルダーのフルーティーさとスモークのバランスが絶妙な味わいだと思いました。
初心者には少し飲みにくいかもしれませんが、モンキショルダーと飲み比べをしてみると色々な発見が出来る面白い味わいだと思います。
ロックで飲んでみる
香り
- ピート、スモーク、ゴム、硫黄、バニラ、ハチミツ
味わい
- スモーク&ビター
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、ウイスキーの冷え具合もそこそこの時からピートのツンとする香りとスモークの煙たさが十分に感じられます。また、ゴムチューブのニュアンスも強くなり、硫黄っぽさも出てきました。
口に含むと、スモーキーな香りが混じってシトラスのフレッシュな柑橘感が口の中に広がります。そして、スパイシーさが膨らんでくると柑橘の皮のようなビターが追いかけてきます。そして、余韻にかけてはシトラスのフレッシュさが続き、スモークとピートのニュアンスが混じりながら、サッと消えてなくなります。
しっかりとしたスモーキーフレーバーが楽しめ、さらに「モンキショルダー」らしい”明るくて陽気”な印象の味わいは、氷が溶けていく度にシトラスなどの柑橘感が増していき、時間をかけて気楽に楽しむのに重宝する味わいです。
スモーキーな香りとシトラスのビター感が絶妙な味わいでした!チョイ足しでオレンジやレモンを入れても良いかもしれません!!
ハイボールで飲んでみる
香り
- ゴム、スモーク、ピート、赤い果実、ハチミツ
味わい
- フルーティー、余韻で香るスモーキー
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りは大分弱まりましたが、スモーキーなニュアンスと同じくらいにゴムっぽさが全面に出ています。また、奥まってクランベリーなどの赤くて酸っぱい果実の香りがあり、僅かながらハチミツの甘さも感じられます。
口に含むと、フルーティーな香味と味わいが広がり、奥からナッツの香ばしい香りが膨らんできます。そして、炭酸の刺激が通り過ぎると穀物のふっくらとした香ばしい甘さを感じて、余韻では心地よいスモーキーフレーバーがふわっと香って消えていきます。
レギュラーのモンキーショルダーのハイボールは非常に定評がありますが、スモーキーモンキーのハイボールでは、香りはスモーキーなのに対して味わいはフルーティーな印象があり、なんとなくチグハグな印象を持ちました。完成度の点ではレギュラーの方が上に思います。(十分美味しいですが)
香りはスモーキーなスコッチなのに、味わいは軽やかでフルーティー!!すこし戸惑いを覚える味わいでした。面白みはとてもあると思います!!
まとめ
「モンキーショルダー」の派生ボトル「スモーキーモンキー」のレビューでした。
個人的に愛飲している「ティーチャーズ」のようなハイランドスモーキーの味わいを想像していましたが、スペイサイドで造られているだけあって、フレッシュな果実のニュアンスを感じつつ、スモーキーな味わいが広がるとてもユニークな味わいでした。
カクテルベースとして開発されたようですが、このボトル自体がカクテル!?といっても良いくらいに二分する対象的な香りと味わいが一気に楽しめる仕様となっています。
個人的にはバランスや完成度でいえばレギュラーの「モンキーショルダー」には及ばないと思いますが、思考を変えてコーヒーリキュールをチョイ足ししたり、フルーツのニュアンスが少しボヤケている印象もあるので、フレッシュフルーツを添えたりなど、このボトル単品で楽しむというよりは、やはりカクテルベースとして楽しんだほうが可能性は広がるかもしれません。
どちらにしても、今回のレビューボトルは”バッチ9”ですので、仕様変更等の際には再びレビューしたいと思います!!
煙と果実のハーモニーを気楽に楽しんでみたい、また少し変わったウイスキーの味わいを求める方には手頃で丁度良いボトルだと思います。気になる方は、是非チェックしてみてください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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