日本のウイスキーと言えば、サントリーの名が真っ先に挙がるでしょう。その中でも、シングルグレーンウイスキーとして注目を集めているのが「知多」です。サントリー知多は、その名の通り愛知県の知多半島に位置する知多蒸溜所で生産されており、独特の風味と滑らかな口当たりで多くのウイスキー愛好者に愛されています。
本記事では、サントリー知多の魅力に迫り、その製造方法や特徴について詳しく解説します。
「シングルグレーンウイスキーって何?」、「知多の味わいはどのような特徴があるのか?」、「サントリー知多は他のウイスキーとどう違うのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事を読むことで、これらの疑問が解決し、サントリー知多の魅力を存分に理解していただけるでしょう。
サントリー知多を簡単にまとめると
ウイスキー属性 | シングルグレーンウイスキー |
産地(メーカー) | 日本(サントリー) |
蒸留所 | 知多蒸溜所 |
味わい | 柔らかくさっぱりとした甘さ |
飲みやすさ | ★★★★★☆ |
おすすめの飲み方 | ハイボール |
個人的感想 | もう少し安ければ★6 |
知多蒸留所について
知多蒸留所
知多蒸溜所は、1972年に設立されました。愛知県の知多半島は、海に囲まれた温暖な気候と豊富な水資源が特徴で、ウイスキーの製造に適した環境です。サントリーは、この地で高品質なグレーンウイスキーを生産することを目指し、知多蒸溜所を建設しました。蒸溜所は近代的な設備を備え、最新の技術を駆使してウイスキーの製造が行われています。
普通のウイスキー蒸留所とは違い、グレーン(原料がトウモロコシやライ麦)、その他のスピリッツを製造する専門の工場となっており、一般的な蒸留所見学などもありません。
建っているのは自然豊かな場所ではなく、完全に工業地帯。
港にあるのは、船で送られてくる大量の原料(トウモロコシなど)を搬送するのに適した場所であるからです。
また、知多蒸留所には貯蔵する為のウェアハウスがありません。
作られた原酒(グレーン)は山崎、近江エージングセラー、白州に送られ熟成を行います。
知多蒸留所の特徴
サントリー知多の製造過程では、トウモロコシを主原料とし、連続式蒸溜機を使用しています。この方法により、軽やかでスムーズなウイスキーが生まれます。さらに、サントリー知多はバーボン樽やワイン樽など複数の樽で熟成されるため、複雑で豊かな香りと味わいが特徴です。熟成期間もさまざまで、各樽から得られる風味のバランスを考慮し、最適なタイミングでブレンドされます。
知多蒸溜所では、異なる特徴を持つ3種類のグレーンウイスキーが製造されています。それぞれのグレーンウイスキーは異なる風味を持ち、ブレンドすることで知多特有の複雑で豊かな味わいを生み出しています。
知多蒸溜所は、サントリーのブレンデッドウイスキー専用のグレーン原酒を製造するために設立された特別な蒸溜所です。1972年にサントリーと全国農業協同組合連合会(全農)の共同出資により建設されました。
この蒸溜所は、日本では非常に珍しい、グレーンのみを蒸溜する工場です。そのため、グレーン専用の蒸溜所として、細部にまでこだわり抜いた高品質なグレーン原酒が製造されています。
具体的には、知多蒸溜所では以下の3種類のグレーン原酒が製造されています。
ヘビータイプ原酒
穀物の香り立ちが強く、味わい豊か
・ミディアムタイプ原酒
マイルドな口当たりで、穀物由来の旨み
・クリーンタイプ原酒
ピュアでクリーン、ほのかな甘さ
さらに樽も様々な種類の物を使用して熟成を行い、
多種多様のグレーン原酒の製造を行っています。
・ホワイトオーク樽原酒
バニラの様な甘い香味
・スパニッシュオーク樽原酒
甘くてフルーティ、濃厚で複雑な味わい
・ワイン樽原酒
苺のように甘い香りと、滑らかな口当たり
それぞれの樽がもたらす独自の風味が原酒に深みと複雑さを加えます。これにより、知多蒸留所のグレーン原酒は、多彩な香りと味わいを持つ、個性豊かなものとなっています。
これらのグレーン原酒は、サントリーの多くのブレンデッドウイスキーの基盤を支える重要な要素となっており、国内外で高い評価を受けています。
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- バニラ、かすかな樽香、接着剤
味わい
- 軽い口当たり、ハチミツの様な甘さ、アルコールの刺激
感想
サイレントスピリッツと言われるグレーンウイスキーだけあり、
ストレートでは全体的に印象が薄いです。
口に含むと柔らかい舌触りで、微妙にオイリーを感じながら、
少し奥まった感じで甘さが後から続いてきます。
余韻は短く、アルコールの刺激と苦みがあっさりと消えて無くなります。
やはりストレートで飲むには物足りなく、
アルコールの刺激もそこそこ、後に残る苦みも気になりました。
ロックスタイルで飲んでみる
香り
- バニラ、ハチミツ、樽香
味わい
- 冷やしても口当たりはソフト、バーボン感
感想
ストレートの時よりもアルコールのカドが減り、
飲みやすくなりました。
氷を入れて最も感じたのが、サントリー臭さ(笑)
『はい、出ました』と言わんばかりに、
角瓶、オールド、リザーブなどの晩酌ウイスキーの後味、
サントリー独自の残香が感じ取れます。
正に同社のブレンデッドウイスキーに使われていると
確信した味わいに変化しました。
ハイボールで飲んでみる(お勧め)
香り
- バニラ、微かな樽香
味わい
- 軽やか、良い意味でウイスキー感が無い
感想
炭酸で割っているので香りは控えめながら甘く、口当たりはソフト。
とても軽くて飲むのに何の抵抗もいりません!!
炭酸にウイスキーの味が付いた様な感覚を持ち、
マグロの漬けに合わせましたが、
主張が少ない分、どんな食事にも合わせやすい印象です。
ほのかな甘みが口当たりを優しく誘導し、炭酸の爽快さが
後味をキリッとさせてくれるので、
メーカー推奨の飲み方なのもうなずけました。
それにしても・・・
『風香るハイボール』というキャッチコピーは、
相変わらず上手い事言うなぁ〜と改めて思います。
まとめ
世界でも珍しいシングルグレーンウイスキー。
この手のジャンルで有名なのは、ニッカの『カフェグレーン』や
フェイマスグラウスの『スノーグラウス』がありますが、
どちらも『凍らせて、または冷やして』飲むのをお勧めされます。
この知多もハイボールという流行の飲み方を推奨しており、
ウイスキー初心者やクセの少ない方が好みの方にはピッタリ!!
アイラモルトが好みの筆者には物足りないですが、
和食など繊細な味わいにも邪魔をする事がないので、
どんな食事にも合わせやすいでしょう。
ただ、山崎や白州と違って手に入りやすいですが、
個人的に価格が割高なのが気になります。
それでも、ハーフサイズもラインナップにはあるので
ちょっと贅沢なハイボールを飲みたい時や、
個性豊かなシングルモルトの後に、
サッパリとしたシメの一杯には丁度良い味わいだと思いました。
最後までお読み頂きありがとうございます。
- 知多フルボトル
- 知多ハーフボトル
- 使用グラス(グレンケアン)
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