世界的なシェアを誇るウイスキーブランドの一つで名門と言われる「バランタイン」。
今回は、バランタインの中でも最高峰とされる「バランタイン30年」をご紹介致します!!
今回の記事では「バランタイン30年」の味と香りはもちろん、どういった方にオススメか!?が分かると思いますので是非、御覧ください!!
このウイスキーを簡単にまとめると
バランタイン 30年について
「バランタイン30年」は、巷でもよく見かける定番ウイスキー「バランタインファイネスト」を造っている「ジョージ・バランタイン&サン社」が販売するブレンデッドウイスキーです!
バランタインの中でも最高峰のこのボトルは、30年以上にも及ぶ長い熟成期間を費やした原酒だけを使い作り上げられています。
では、まずは「バランタイン」とはどういったブランドなのか!?簡単に見ていきましょう!!
バランタインとは
創業者の足跡と初期の成功
バランタインの創業者「ジョージ・バランタイン」は、スコットランドのローランド地方の農民の出身でした。1822年、わずか13歳の時に、エディンバラの商人アンドリュー・ハンターの店で年季奉公の修行を始めます。18歳になると独立し、エディンバラのカウゲートに小さな店を構え、食料品と酒の販売に着手します。当時は食料品が主力で、ウイスキーやワインは副次的な商品でした。
ウイスキーバブルと時流の変化
1823年、ジョージが奉公修行に出た翌年には酒税法が改正され、政府公認の蒸溜所が次々と誕生。1831年には連続式蒸留機が実用化され、グレーンウイスキーの生産が始まりました。ジョージはこれに乗じて上流階級に向けた高級ウイスキーの販売を開始し、エディンバラのキャンドルメーカーズ・ロウからサウス・ブリッジへと店を移転しながら成功を収めていきました。
ウイスキー革命の火付け役
1853年、同じエディンバラでウイスキー商を営むアンドリュー・アッシャーが、「グレンリベット」の混合ウイスキーを製造。1859年にはモルトウイスキーとグレーンウイスキーを組み合わせた世界初のブレンデッドウイスキーを発明し、ウイスキー界に革命をもたらしました。ジョージ・バランタインとアンドリュー・アッシャーは知り合いであり、友情と刺激しあったことが、バランタインの創業者によるブレンデッドウイスキーの製造へとつながっています。
バランタインの始まり
1869年、感銘を受けたジョージ・バランタインは自ら手を動かし、モルトとグレーンウイスキーを掛け合わせてブレンデッドウイスキーを製造し始めました。この出発が、バランタインの歴史の新たな節を刻むこととなりました。
成功の軌跡と世界的評価
ジョージはブレンデッドウイスキーの製造に情熱を傾け、努力と知識でその腕を磨き上げました。1895年には息子のアーチボルトがエディンバラで専門店を開き、同年にヴィクトリア女王から王室御用達の称号を授与されるなど、バランタインは国内外で高い評価を受け、ブレンデッド・スコッチウイスキーの代表格としての地位を確立していきました。
革新と継続の精神
1910年には「バランタイン・ファイネスト」、1937年には「バランタイン17年」を発表。ブレンデッドウイスキーの分野での先駆的な存在として、バランタインはその名を刻みました。創業者ジョージの息子や孫たちもまた、ブランドを発展・継続させるために努力し、バランタインは世界中で親しまれるウイスキーブランドとして栄えています。
バランタイン30年の製法
「バランタイン30年」は、30年以上というとても長い時間をかけて熟成した原酒のみを使って造られています。
一言で30年といっても、それは人間であれば生まれてから大人になり家庭を築く長い年月。
樽というゆりかごで30年以上も眠り続けた原酒を用い、バランタインが誇るブレンディングによって生まれるとても贅沢な1本!!
では、「バランタイン30年」はどのようにして造られているのか、詳しく見ていきましょう!!
使用されている原酒について
バランタインを語る上で外すことのできないキーモルトと呼ばれる7つの蒸留所があります。そのラインナップには、スキャパ、オールドプルトニー、バルブレア、グレンカダム、グレンバーギ、ミルトンダフ、アードベッグといった各地の蒸留所が名を連ねています。これらの蒸留所が生み出す原酒は、それぞれ異なる特徴を持ち、その多様性がブレンドに深みを与えています。
「バランタイン30年」は、32種類以上のモルト原酒と5種類のグレーン原酒によって形成されています。そして、その中でも味の中核を担っているのが”7つの柱”と呼ばれるキーモルトです。これによって一つのボトルから広がる風味は、単なる混成ではなく、熟練された蔵人たちの手によって絶妙なアートとなっています。しかし、そのアートにおいて重要なのは、長期熟成に耐えられるだけの優れた原酒の選定です。その結果、洗練された味わいが生まれ、銘品と呼ぶにふさわしいボトルになるのです。
バランタインを支える幾多の貴重なモルトとグレーンから、30年以上のものばかりを使用しとても贅沢な1本が「バランタイン30年」です!
バランタインのラインナップの中でも特別な化粧箱に入っている為、特別感は郡を抜いていますね!!
では、実際にバランタイン30年をストレート、ロック、ハイボールの3種類で味と香りをみていきましょう!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- ハチミツ、ドライフルーツ、アプリコット、青りんご、パウンドケーキ、(ピート)
味わい
- しっかりとしたウッディ感、青リンゴや洋梨の果実感
感想
まずは、ストレートで飲んでみます。
香りは、ハチミツの甘さが全面に広がり、30年以上も熟成した原酒が使用されているとは想像できないほど軽やかです。青リンゴや洋梨の爽やかな果実香も後からじわりと漂い出ます。果実の香りも複雑で、時間がたつとドライフルーツやアプリコットなど、熟したフルーツの香りが現れ、一度嗅ぐだけでは捉えきれない空気感が広がります。
さらに、加水を試してみると、ハチミツの香りにシュガーっぽいベタつきや、ふんわりとしたパウンドケーキ、アニスのようなニュアンスが絡み合い、奥深くピートの香りも感じられるようになりました。
口に含むと、アルコール感は全く感じられず非常にスムーズで、軽快な舌触りにハチミツの甘さ、青リンゴのジューシーな果実感が広がり、スパイシーな要素が追いかけてきます。その後、古い樽のウッディな香りが広がり、熟した果実の爽やかな甘味が余韻として長く続きます。
長期熟成の原酒が使われていることから、フルボディのコクのある味わいを勝手に期待していましたが、どこまでもスムーズで、樽の内側に触れていたであろう原酒のウッディな優しい味わいが印象的でした。
”究極の普通”とも言われるバランタイン30年、その味わいはどこまでも優しく軽やかながら、香りと味が七変化する奥深さがありました。
一度飲んだだけでは全ての魅力を拾うことは出来ない、長熟ウイスキーならではの奥深さがあるんですね!!
ロックで飲んでみる
香り
- ハチミツ、アプリコット、洋梨、キャラメル、バニラ、干し草、ピート
味わい
- フルーティーで優しいビター感
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、ハチミツ、バニラ、キャラメルの甘い香りにアプリコットなど小さな果実の優しい香りが広がり、また洋梨や青りんごなどのフレッシュな香りも感じられます。加水を加えると、古い樽のウッディなニュアンスとピートのツンッとした香りが顔を出し、ブレンデッドならではの複雑な香味が魅力的に感じられます。
口に含むと、樽の古い木片のような香りとハチミツの甘さが広がり、ブラウンシュガーのほろ苦い感触やオリエンタルな香りが広がってきます。そして、香木のオリエンタルな要素に引っ張られるようにピートのニュアンスが現れ、アプリコットや杏のような果実香も顔を出します。余韻はフルーティーな香味とピートのニュアンスが優しく香り、静かに消えていく感覚が印象的でした。
樽のニュアンスがしっかりと感じられ、フルーティーな香りと相まって優しいビターテイストが飲み飽きることなく、ゆっくりと時間を楽しむには最適な味わいでした!!
氷が溶けて加水が進むに連れて変化する香り、ゆっくりと時間をかけて楽しめそうですね!!
ハイボールで飲んでみる
香り
- 洋梨、りんご、ハチミツ、バニラ、パウンドケーキ、ピート(スモーク)
味わい
- 果実とスモークのハーモニー、ほろ苦くウッディな樽香
感想
最後は贅沢にハイボールで飲んでみます。
香りは、洋梨の爽やかな果実香とリンゴが感じられ、全体をハチミツが包み込んでいます。さらに、奥深くにはバニラやパウンドケーキのような洋菓子の甘い香りが広がり、時間がたつとピートのニュアンスやスモーキーさも感じられるようになりました。
口に含むと、洋梨のジューシーな果実感と樽のウッディなニュアンスが絶妙に混ざり合い、ほんのりとハチミツの甘さが広がります。そして、ピートのニュアンスとウッディな香り、ほろ苦い味わいが融合すると、果実、樽、ピートなどが複雑に絡み合いながらゆっくりと消えていきます。
ハイボールまで加水が進んでも、複雑な香味と味わいは様々な表情で楽しませてくれます。もちろん、30年熟成というバイアスがかかっているせいもあるかもしれませんが、ここまで薄まっても崩れないのはしっかりとした熟成年数と原酒の力強さ、ブレンディング技術の賜物のおかげかもしれません。
フルーティーでウッディな香りが主体ですが、飲んでいくうちに様々な香りが出てきます。ただ、わずかにピーティーさもあるので苦手な人もいるかもしれませんが、とても贅沢な味わいのハイボールでした。
まとめ
バランタインが造る最高峰のボトル「バランタイン30年」のレビューでした。
ウイスキーを飲んでいくと、必ず気になるのが「長熟ウイスキー」ですが、その味わいは非常に落ち着いており、その複雑さは一口では計り知れない奥深さがあります。
しかし、見方によっては「穏やかすぎる」や「枯れている」といった意見もありますが、30年以上という長い年月を樽の中で過ごした原酒をこうして飲んでいるというところに重きを置くのが、こういった類のウイスキーとの向き合い方かもしれません。
香りや味わいについては「複雑」といった表現をしましたが、決して個性が豊かといった印象はなく、多くの要素が薄く幾重にも折り重なっている印象を持ちました。もちろん、ブレンデッドというジャンルならではの飲みやすさも加味されますが、拾いきれないフレーバーや味わいは時間が経って思い出したときに再び確認したいと思います。
人に代わって味をお伝えするレビューブログとして、このボトルの結論は… 無理して飲まなくても大丈夫!! です。個人的には同じバランタインの「17年」の方がキックもあり、クリーミーな飲み心地が好みでした。正規品のお値段で「17年」が何本買えるのやら…。
バランタインの最高峰の味わいを知ることができたという優越感はありますが、現実的には「17年」、もしくは「7年」。なんなら「ファイネスト」の完成度の高さを知ることができたという逆算的な成果報酬があったことは確かです。しかし、いくら文章で語っても味の好みや受け取り方は千差万別、機会があった際は是非、お試し下さい!!
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
コメント