このウイスキーを簡単にまとめると
このウイスキーについて
今回は、サクラオディスティラリーのシングルモルト「戸河内」です!!
「シングルモルト戸河内」は、サクラオディスティラリーが製造・販売するウイスキーで、世界でも珍しいトンネル熟成を行ったモルトが使われています。
では、「シングルモルト戸河内」についての製法や特徴などをみていきましょう!!
戸河内とは
サクラオブルワリーアンドディスティラリーがウイスキーの貯蔵を行っている地名で、広島県安芸太田町戸河内に位置します。戸河内貯蔵庫は、古くからその美しい自然と豊かな景観で知られる地域で山々に囲まれたこの地で、静かに熟成を重ね良質なウイスキーを生み出しています。
ボトルネームの「戸河内」とは、広島県にある山間の地名で豊かな自然が残る風光明媚な土地です。
戸河内という自然豊かな環境がウイスキーを風味豊かにしてくれるんですね!!
桜尾ディスティラリーについて
SAKURAO DISTILLERYは、株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリーが創業100周年事業として2015年に始動したプロジェクトの一環として誕生しました。厳島神社のまち、広島県廿日市市に位置し、2018年に操業を開始しました。この蒸留所では、高品質なシングルモルトウイスキーの製造が行われています。
桜尾蒸留所は”安芸の宮島”でも有名な広島県廿日市市の瀬戸内海を望む”桜尾”にあります!!
桜尾ジンでも有名な桜尾蒸留所は、こだわりの広島県産の原料を使うなどクラフトウイスキー蒸留所の中でも非常に高品質な製品を作り出しているんです!!
戸河内の製法
戸河内貯蔵庫では、山奥の冷涼な環境を活かしてウイスキーの熟成が行われます。JR西日本の鉄道用試掘トンネルを利用した貯蔵庫は、一年中一定の温度と湿度を保ち、ウイスキーが豊かな風景と自然の恵みを吸収しながら静かに育まれます。その結果、戸河内で生まれるウイスキーはバニラやリンゴ、マーマレード、ミントなどの爽やかな香りと軽快な口あたりを持つ特徴的な味わいがあります。
廃線となったトンネルを熟成庫に使うという大胆かつユニークな熟成方法!!
しかし、トンネルという環境は温度や湿度の変化が少なく湿潤でウイスキーの熟成には非常に適した環境であると言えますね!!
シングルモルト戸河内について
サクラオブルワリーアンドディスティラリーは、操業100周年事業の一環として高品質のシングルモルトウイスキーの生産を目指しています。2017年に新たな設備を導入し、SAKURAO DISTILLERYを建設。2018年からは、戸河内の貯蔵庫で育まれたウイスキー原酒を使用して、クラフト蒸留所での蒸留が開始されました。その独自の製法と豊かな自然環境が生み出すシングルモルト戸河内は、ウイスキー愛好家の間で高い評価を受けています。
桜尾蒸留所の高品質な原酒を戸河内という自然豊かな環境で熟成したシングルモルトウイスキー、それが「シングルモルト戸河内」です!!
使われている原酒は戸河内熟成庫内で3年以上熟成したバーボン樽原酒のみを使用し、ブレンダーによって丁寧にブレンドされボトリングされています。
では、桜尾蒸留所のもう一つのシングルモルト「シングルモルト戸河内」をストレート、ロック、ハイボールの3種類で味をみていきましょう!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- 梨、リンゴ、オレンジ、柿、バニラ、ハチミツ
味わい
- 和果実の素朴な甘さとドライな余韻
感想
まずはストレートで飲んでみます。
香りは、切りたてのリンゴや梨のジューシーな果実感とバニラ、ハチミツの香りがうっすらと感じられます。また、砂糖やあんこを彷彿とさせる甘い香りとともに、アルコール感もあり、柑橘類やピールの苦みのニュアンスも漂っています。
口に含むと、柿やアケビのような淡い果実感の香りが広がり、香ばしく煎じた麦の甘みとスパイシーさが追いかけてきます。イチジクのニュアンスやあんこや砂糖の甘さが広がり、最後にはピールの効いたスッキリとしたドライな余韻が続きます。
熟成はまだ若い感じが残っていますが、焼酎臭やニューポットのエグみは感じられません。むしろ、「和」を感じられるフレーバーや味わいが特徴的で、割高感はありますが、ウイスキーらしいまろやかさと香りを持っていますので、価格相応で十分な味わいだと思いました。
柿やアケビ、あんこを思わせる甘さなど”和”を感じさせてくれる味わいは飲んでいてとても親しみやすい印象を受けました!熟成が進むとどうなっていくのでしょう!?
ロックで飲んでみる
香り
- イチジク、ハチミツ、リンゴ、バニラ、カカオ、オレンジ、ナッツ
味わい
- ほろ苦く香ばしい、ピールの効いたビター感
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、イチジクの酸味とハチミツの甘さが混じったようなニュアンスが最初に来て、リンゴとバニラが続きます。そして、カカオのほろ苦い感じにオレンジまたはピールの爽やかさがあり、香ばしいナッツの香りも感じ取れます。慣れてくると、カカオっぽさが強調され、香りも果実からほろ苦い印象が強くなっていく感覚がありました。
口に含むと、香ばしくほろ苦いカカオのニュアンスが広がり、かすかにあんこのような砂糖感の甘みを感じます。そして、ピールのキリッとした爽やかなビターが膨らんでくると、イチジクの香りがして、余韻ではオレンジなどのシトラスが香るビターがゆっくりと消えていきます。
懐かしさを感じさせるような味わいと、ピートっぽいニュアンスがあるピールのビター感が特徴的です。氷が溶けるにつれて様々な表情を見せてくれる新感覚の味わいだと思います。
ふわっと香るカカオに和菓子のようなニュアンスの甘さがあって、ビターな味わいが苦手な方でもどこか懐かしく思えるような味わいでした!
ハイボールで飲んでみる
香り
- リンゴ、ハチミツ、バニラ、カカオ、オレンジ
味わい
- キリッとピールの効いた味わい
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りは、リンゴの蜜っぽいニュアンスにハチミツやバニラの甘い香り、そしてカカオのほろ苦さがあり、オレンジの爽やかなピール感が絡んできます。
口に含むと、レモンやオレンジなどシトラスの爽やかな香りが広がり、ピールの効いたビターが追いかけてきます。そして、カカオのほろ苦さと香ばしい麦芽の甘さを感じ、最後には爽やかなシトラスの余韻がスーッと消えていきます。
カカオの香ばしくほろ苦い香りとシトラスの効いたビターな味わいは、食事との相性も良く、ロックほどビターは強くないので飲み疲れすることもありません。冷涼で湿潤な環境下で育った原酒をハイボールで楽しむのは、非常に贅沢な時間といえるかもしれません。
ロックほどビターは強くないので、ウイスキーを飲みはじめの人でも十分に楽しめます!!初めてのクラフトウイスキーハイボールにもオススメです!!
まとめ
広島県の大自然が育んだシングルモルトウイスキー戸河内のレビューでした。
姉妹品の「シングルモルト桜尾」は海風の恩恵を受けシトラスに潮っぽさを感じる陽気な味わいが印象的でしたが、今回の戸河内は山の自然による熟成の為、しっとりとした奥深い味わいが特徴的でした。
元は同じ「桜尾蒸留所」の原酒ですが、熟成される環境によって根幹は同じでも表情が驚くほどに違う味わいのウイスキーになっていました。
戸河内は同じ名前のブレンデッドウイスキーが4種類(プレミアム、サクカスク、ビアカスク、ピーテッド)がありますが、戸河内の環境下で熟成されたモルト原酒を使ったウイスキーはこの「シングルモルト戸河内」だけで、あとは限定品がたまにリリースされるだけとなっています。
3年熟成とウイスキーの中では若い部類ですが、熟成感がありストレート、ロック、ハイボールとどの飲み方でもしっかりとした個性と味わいを楽しむことが出来ました。
トンネル熟成という類を見ない熟成方法だけに、新たに掘削することでもしない限り熟成庫の容量は変わらないので、原酒の数に限りはあるでしょうから今後リリースされるヴィンテージの付くボトルは少量かもしれませんので、手軽に味わえる桜尾蒸留所のトンネル熟成モルト「戸河内」、見かけたら是非、チェックしてみてください!!
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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