ウイスキー用語

あ行

ヴァッティング

  • ヴァット(バット)は「大きな樽」という意味。複数の蒸留所または樽のモルトウイスキー、グレーンウイスキーを混ぜ合わせる事。

ウイスキー

  • 蒸留酒の一つ。穀物を原料にして麦芽(モルト)の酵素で穀物のでんぷんを糖化。糖化した液体をイースト菌の力によって糖からアルコールを生成し、出来上がった液体を醪(もろみ)といい、醪を蒸溜し樽詰めして熟成させた酒。(醪の過程まではビール製造と類似)

ウェアハウス

  • ウイスキーを貯蔵・熟成させる為の倉庫。(適度な湿度が重要となる為、ウェアハウス内の床は土のままになっている所が多い)

ウォート

  • 麦芽のデンプンを酵素で糖化して出来た液体。

ウォッシュ

  • 糖液(ウォート)にイースト菌を加えて発酵させた醪(もろみ)のこと。発酵液。

ウォッシュスチル

  • ウイスキーの1回目の蒸留で使用するスチル(蒸留釜)のこと。「初溜釜」ともいう。

ウォッシュバック

  • 糖液に酵母を入れて発酵させる為の容器。発酵槽のこと。発酵槽の材質(ステンレス、木材)によって出来上がるウイスキーの性質も変わってくる。

ウッディー

  • 香味の表現方法の一つ。樽由来の香り、森林を連想する香りなどウイスキーの香味としては重要な要素。

ウッドフィニッシュ

  • 熟成が済んだウイスキーを、異なった性質、または意図する性質を持った木材の樽に移し替え新たなフレーバーをつけること。
  • STR樽とは、シェービング(Shaving)、トースティング(Toasting)、リチャーリング(Re-Charring)という3工程の頭文字を取った特別な赤ワイン樽です。ポルトガルから入手されることが多く、2006年に故Jim Swan(ジムスワン)博士とカバランによって開発されました。

エステリー

  • 香味の表現方法の一つ。甘く華やかな香味を表現する際に用いられる。

エレガント

  • 香味の表現方法の一つ。しなやかで気品のある香味を表現する際に用いられる。

エンジェルズシェア

  • 「天使の分け前」の意味。熟成していく過程で蒸発してしまうウイスキーのこと。熟成という神秘的な現象は天使がもたらす恩恵で、「美味しくさせるかわりに、天使が詰められたウイスキーを少しずつ持って行く様」と表現した言葉。

オイリー

  • 香味の表現方法の一つ。脂っぽい感覚の香りや舌触りの表現のこと。

オフィシャルボトル

  • 蒸留所が公式に製造・販売しているボトルのこと。

オーク

  • ウイスキーの樽材でブナ科コナラ属の植物。アメリカ産のホワイトオーク、欧州産のコモンオーク、日本産のミズナラなどがある。

か行

カスク
  • ウイスキーを熟成させる樽の総称。
カスクストレングス
  • 加水調整をせずに瓶詰めをしたウイスキーのこと。アルコール度数は50〜60度。(1つの樽から瓶詰めまで無加水で行った場合はシングルカスクストレングス)
キーモルト
  • ブレンデッドウイスキーを構成するモルト原酒の中で、味の核となるモルト原酒のこと。例:(シーバスリーガルのキーモルトは「ストラスアイラ」で、シーバスリーガルの味わいには「ストラスアイラ」の個性がとても反映されている)つまりは、キーモルトを知ることで味の方向性や好みを探ることが出来る。
キルン
  • 発芽した大麦麦芽を乾燥させる為の施設。煙の排出口の形状がパゴダ状になっている塔が特徴的。
クリーン
  • 香味表現の一つ。雑味が無く透明感のある香味を表現する際に用いられる。
クリーミー
  • 香味表現方法の一つ。クリームのようななめらかで甘い香りを感じたときに用いられる表現。
グレーン
  • 大麦(モルト)以外の穀物のこと。(トウモロコシ、小麦)
グレーンウイスキー
  • モルトのほかに、トウモロコシや小麦などを加えた出来たウイスキー。
後熟(こうじゅく)
  • ブレンドが終了したウイスキーの風味の向上と品質を安定させるために、瓶詰めする前に再度貯蔵して数週間〜数ヶ月間熟成をさせること。「フィニッシュ」ともいう。
酵母
  • アルコール発酵を促す微生物の総称。酒造りには欠かせない存在。

さ行

シェリー
  • スペインのイベリア半島西南端、アンダルシア地方のへレス・デ・ラ・フロンテラという地域で造られる酒精強化ワインのこと。
シェリーカスク
  • シェリー酒の熟成・搬送に使用された樽のこと。果実味のある色が濃いウイスキーが出来上がる。近年では、スペイン政府によって樽を使っての輸出を行っていない為、”シェリーのようなもの”の熟成を委託してウイスキー用の熟成樽を作っている。(通称:シーズニング樽)
熟成
  • 樽でウイスキーを寝かせること。(元々は無色であったウイスキーは、当時の密造時代に政府からの目を逃れる為、樽に入れて貯蔵。その後、忘れ去られた樽の中には香味溢れる液体出来ており、現在のウイスキーはいわば偶然の産物)
蒸留
  • 醪(もろみ)を加熱してアルコールを気化させ、冷やして度数の高い酒を抽出すること。
ショット
  • 一杯分の酒のこと。(30mlが一般的)
シングルカスク
  • 1つの樽から瓶詰めしたボトルのこと。
シングルモルト
  • 1カ所の蒸留所で造られたモルトウイスキーだけを瓶詰めしたもの。
ストレートウイスキー
  • アメリカンウイスキーで、内側を焦がした新樽を用い2年以上熟成させたウイスキーのこと。ストレートバーボン、ストレートライウイスキーなど。
スモーキー
  • 香味表現の一つ。モルトウイスキー特有の燻したような香り、または表現。
製麦(せいばく)
  • 「モルティング」のこと。大麦を発芽させ麦芽を作ること。

た行

単式蒸留
  • 1つの蒸留器で1回ずつ蒸留する伝統的な蒸留形式。
タンニン
  • 木材由来の成分で樽熟成の過程でウイスキーへ溶け出し、無色透明を琥珀色へと染めていく。
チャー
  • 熟成に使う樽の内側を炎で焦がすこと。焦がすことによってウイスキーが樽の中へ浸透しやすくなると同時に、木材からも色々な香味成分が染み出してくる。
チルフィルタリング
  • 低温にする事で白濁する成分を除去するための濾過工程。(蒸留所によっては行わない所もある。理由は不純物だけでなく香味成分までも少なからず一緒に濾過される為。)
ディスティラリー
  • 蒸留所のこと
ディスティラリーキャット
  • 蒸留所で飼われていた猫のこと。ウイスキーキャットともいう。原料の大麦を食い荒らすネズミや小動物を退治する為に飼われていた。(グレンタレット蒸留所のタウザーが世界一ネズミを捕った猫として有名)
デビルズカット
  • 熟成の過程で樽の木部に染みていった原酒の事。染み込んでいるために取り出せないので、デビルズカット(悪魔の取り分)という。実際は遠心分離などで取り出して使われているウイスキーもある。蒸発していった原酒を「エンジェルズシェア(天使の分け前)」という。
糖化
  • 大麦のデンプンを糖に変化させ、発酵に必要な糖液(ウォート)を抽出させる工程。

な行

ニート
  • ストレートの同義。
ニューポット(ニューメイク)
  • 蒸留されたばかりのニュースピリッツ。無色透明でアルコール度数は67〜72度程度。うっすら甘さなど香味を感じる。

は行

バーボンカスク
  • アメリカンホワイトオークで作られたバーボン樽のこと。
麦芽(ばくが)
  • モルトのこと。発芽した大麦のことを表し、ウイスキー造りにおいて最も重要な原料。
発酵(はっこう)
  • 糖化した麦汁に酵母を加えることで、アルコール度数7〜9%程度の醪(もろみ)を造る。
パテントスチル
  • 連続式蒸留器のこと。
バレル
  • ウイスキー熟成用の樽の種類の1つ。容量は200リットル。
ピーティー
  • 香味表現の一つ。燻製の様な香りのことで、ウイスキーにおける重要な要素の一つ。
ピート
  • 泥炭のこと。シダやコケ類などの野草や水生植物が、炭化した泥炭(炭化のあまりすすんでいない石炭)。製麦の工程時、発芽させた麦芽を乾燥させる為の燃料として使用される。(燃焼するピートから煙があがり、上層階に敷いてある麦芽が燻されて乾燥と香味の着色が施される。)
ピュアモルト
  • モルトウイスキーのみで構成されたウイスキーを強調するときに用いられる言葉。ジャパニーズウイスキーではニッカウヰスキーの「竹鶴」が有名。
ブリニー
  • 香味表現の一つ。海水や塩味を感じられるときに用いられる表現。ブリニーを最も感じられるウイスキーとしては「スプリングバンク」が有名。
ブレンダー
  • ウイスキーをブレンドする職人のこと。(ブレンドの意義は既存の製品の品質管理や、新しい商品の開発など)
ブレンディング
  • 原酒同士を混ぜ合わせること。
フロアモルティング
  • 水に浸した大麦を床に広げて発芽を進行させる伝統的な製麦方法のこと。
ポットスチル
  • 主にモルトウイスキーの製造に使用される、銅製の単式蒸留器。
ボトラーズ(ボトラー)
  • 蒸留所から樽ごと買い付けて、自社の倉庫で熟成を行い瓶詰めから販売までする瓶詰め専門の業者のこと。蒸留所が公式に自社で販売しているボトルをオフィシャルと呼び、ボトラーズではオフィシャルにない年数表記やフィニッシュを施した物がリリースされ、マニアックな世界を創りあげている。
ボトリング
  • 瓶詰めのこと。アルコール度数を調整した後、ボトルに詰める作業行程のこと。

ま行

マイルド
  • 香味表現の一つ。優しく柔らかい香味を表現する際に用いられる。
マスターディスティラー
  • 蒸留所の最高責任者のこと。
マッシュタン
  • 糖化作業の際、マッシュ(粉砕した穀物と温水を融合したもの)から糖液を取り出す為の容器。
マリッジ
  • 日本では、後熟、再貯蔵という。ウイスキーやブランデーなどの原酒を混ぜ合わせ風味を安定させる為に眠らせること。
ミズナラ
  • 日本の東北地方や北海道に生息しているナラの木。海外ではジャパニーズオークと呼ばれ、独特なオリエンタルなフレーバーが造られることで注目を浴びている。
ミズナラ樽
  • ミズナラで作られた樽のこと。世界中の蒸留所が独特のフレーバーを求めて注目している。いわゆるドングリの木。
モルティー
  • 香味表現の一つ。麦汁の甘みに満ちた香味を表現するときに用いられる表現。
モルトウイスキー
  • 大麦麦芽(モルト)のみを原料として造られたウイスキーのこと。

ら行

リフィルカスク
  • 1回以上使われたことのある樽のこと。反対に”ファーストフィル”とは初めてウイスキーの熟成に使われる樽のことで、ウイスキーを詰める前はバーボンやシェリー、ブランデーなど様々。何も熟成に用いられた経歴がない樽は”新樽”と呼ぶ。
連続式蒸留器
  • 醪(もろみ)を連続的に投入して、連続して蒸留を行うこと。単式に比べ大量に製造出来る点とクリアでピュアなスピリッツが出来上がる。
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