

こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!

今回は、「ベンリアック オリジナル・テン」の解説&レビューを行っていきます!
「スペイサイドモルトに興味があるけど、どれを選べばいいか分からない…」「コスパが良くて本格的なシングルモルトを探している」という声をよく聞きます。確かに数多くのスペイサイドモルトの中から選ぶのは迷いますよね。
実際に飲んでみた結論から先にお伝えすると、5,000円台という価格で果樹園のような豊かな香りと複雑さを楽しめる、コストパフォーマンス抜群のウイスキーです!初心者から愛好家まで幅広くおすすめできます。
この記事では実際に飲んだ体験談をもとになぜベンリアック オリジナル・テンがコスパ最高と評価されるのか、その根拠を詳しく解説します!

まずはベンリアック オリジナル・テンの基本スペックから確認していきましょう!価格や特徴をしっかり把握してから深く掘り下げていきます。
ベンリアック オリジナル・テンの基本情報とスペック
カテゴリー | シングルモルト・スコッチウイスキースペイサイド |
生産地 | スコットランド・スペイサイド地方 |
蒸留所 | ベンリアック蒸留所(エルギン地区) |
創業 | 1897年/1898年 |
現行品発売 | 2020年リニューアル |
アルコール分 | 43% |
内容量 | 700ml |
価格帯 | 5,500〜7,000円(税込・2024年現在) |
熟成年数 | 10年10年熟成 |
コンセプト | 果樹園の豊かさとスペイサイドの伝統 |
味わいの特徴 | フルーティー、ハニー、バニラ、微かなスモーキー |
使用樽 | バーボン樽、シェリー樽、バージンオーク樽 |
所有会社 | ブラウン・フォーマン(2016年〜) |
おすすめの飲み方 | ストレート、ロック、ハイボール |
Key(筆者)長所と短所を正直にお伝えしました!コスパを重視する方、スペイサイドの魅力を知りたい方には最高の選択肢です。

さて、なぜベンリアック オリジナル・テンがこれほどコスパが良いのか?4つの決定的な理由を詳しく解説していきます!
なぜベンリアック オリジナル・テンがおすすめなのか?【4つの理由】

圧倒的なコストパフォーマンス 10年熟成で5,000円台という価格設定は驚異的。3種類の樽を使った複雑な味わいが、この価格で楽しめるのは稀有です。
果樹園の豊かさを表現 洋梨、ネクタリン、リンゴなど、まるで果樹園を歩いているような豊かなフルーツ香。蜂蜜とバニラの甘さが加わり、華やかで親しみやすい味わいです。
3つの樽が織りなす複雑さ バーボン樽のバニラとトーストオーク、シェリー樽のドライフルーツの甘み、バージンオークのスパイシーさ。3種類の樽が見事に調和しています。
伝統と革新の融合 1897年創業の歴史ある蒸留所が、2013年にフロアモルティングを復活。伝統製法を守りながら、多彩な樽を使った革新的なウイスキー造りを続けています。
【章のまとめ】
- ✅ 10年熟成で5,000円台という圧倒的コスパ
- ✅ 果樹園のような豊かで親しみやすいフルーツ香
- ✅ 3種類の樽による複雑で奥深い味わい
- ✅ 伝統製法と革新的アプローチの見事な融合

ここでベンリアック蒸留所の波乱万丈な歴史を振り返ってみましょう。2度の閉鎖を乗り越えて復活した、ドラマチックなストーリーです!
ベンリアック蒸留所の波乱万丈な歴史

1897年:創業と即座の試練
スコットランドのスペイサイド地方、エルギン地区にジョン・ダフ&Co社によってベンリアック蒸留所が設立されました。しかし、創業直後の1899年、ブレンダー企業パティソンズ社の倒産により、ウイスキー生産をほとんど行えないまま1度目の閉鎖を経験しました。
創業者の野心と挫折
19世紀末のウイスキーブームの中で華々しくスタートしたベンリアックでしたが、わずか2年で操業停止という厳しい現実に直面。この試練が、後の多様性獲得の礎となります。
1965年:復活と黄金期
1965年にザ・グレンリベット・ディスティラーズ社に買収され、1966年に生産が再開されました。その後、シーグラム社、ペルノリカール社と所有者が変わる中で安定した生産を続けましたが、2002年に2度目の閉鎖という試練に見舞われます。

2度も閉鎖されるなんて、まるでドラマのようですね!でもここからが本当のストーリーの始まりなんです。
2003年:独立系蒸留所として完全復活

2003年、ウイスキー業界の伝説的人物ビリー・ウォーカー氏らによるベンリアック・ディスティラーズ社が蒸留所を買収。独立系蒸留所として完全復活を果たしました。
ビリー・ウォーカーの革新
ウォーカー氏は、2013年にフロアモルティング(伝統的な製麦法)を復活させ、多彩な樽を使った革新的なウイスキー造りを展開。ベンリアックを「クリエイティブで多様な原酒を作り分ける蒸留所」として再定義しました。
2016年:ブラウン・フォーマン傘下へ
アメリカのブラウン・フォーマン社(ジャックダニエル、ウッドフォードリザーブなどを所有)に買収され、グローバル企業の一員となりました。この買収により、世界市場での販売網が強化されました。
2020年:コアレンジのリニューアル
現代的なパッケージデザインと味わいで「オリジナル・テン」を含む新しいコアレンジをリリース。伝統を守りながら、新しい世代のウイスキー愛好家にもアピールする製品ラインへと進化しました。
【歴史まとめ】
- ✅ 1897年創業も1899年に1度目の閉鎖
- ✅ 1966年に復活するも2002年に2度目の閉鎖
- ✅ 2003年ビリー・ウォーカー氏により独立系として完全復活
- ✅ 2度の閉鎖が多様性獲得の秘訣に
- ✅ 2020年リニューアルで現代的な魅力を獲得

2度の閉鎖を経験したからこそ、時代ごとのニーズに合わせたウイスキー作りができるようになったんですね。では、その製法の秘密を詳しく見ていきましょう!
ベンリアックの独創的な製法 – 3つの原酒スタイル

伝統のフロアモルティング復活
ウイスキー造りの重要な工程であるフロアモルティング(床に麦芽を広げて手作業で発芽させる伝統製法)を、1998年に一度廃止したものの、2013年に復活させました。現在は少量ながら自社製麦を行い、伝統を守り続けています。
フロアモルティングの魅力 手作業による丁寧な製麦は、機械製麦では得られない繊細な風味を生み出します。効率は悪いですが、品質への妥協なき姿勢の表れです。
3つの原酒スタイル

ベンリアックでは、1つの蒸留所で3つの異なる原酒スタイルを製造しています。
1. クラシックなアンピーテッド(ノンピート)原酒
- スペイサイドの伝統的なスタイル
- フルーティーで華やかな香り
- オリジナル・テンの主体となる原酒
2. ハイランドピーテッド原酒
- 年に4週間程度、フェノール値55ppmのヘビリーピーテッド麦芽を仕込み
- スペイサイドでは稀有なピーテッド原酒
- ハイランド産ピート使用で、アイラとは異なる焚き火のような甘くスモーキーな香り
3. 3回蒸留
- 年に1週間だけ実施される特別な製法
- 非常に滑らかでスムーズ
- フルーティーさが強調された原酒

1つの蒸留所で3つのスタイルを作り分けるなんて、本当にクリエイティブですね!この多様性がベンリアックの魅力です。
ストレート型ポットスチルと遅い蒸留
ストレート型のポットスチルを使用し、蒸留スピードを遅めにすることで、軽やかな香味を呈する低沸点成分(高純度のエステル)が多く確保されます。この製法が、ベンリアック特有のフルーティーさを生み出しています。
多彩な樽使用 – ベンリアックの最大の特徴

バーボン樽やシェリー樽はもちろん、マルサラワイン樽、ポート樽、ラム樽、フレンチワイン樽など、非常に多彩な樽を使用することが最大の特徴です。
オリジナル・テンに使用される3つの樽
- バーボン樽:バニラ、トーストオーク、甘いモルト風味
- シェリー樽:ドライフルーツ、ナッツ、リッチな甘み
- バージンオーク樽:スパイシーさ、木の香り、構造感
【製法まとめ】
- ✅ フロアモルティングの伝統製法を復活
- ✅ 3つの原酒スタイル(ノンピート、ピーテッド、3回蒸留)
- ✅ 遅い蒸留による高純度エステルの確保
- ✅ 多彩な樽使用による複雑な味わい

お待たせしました!実際にベンリアック オリジナル・テンをテイスティングした感想を詳しくお伝えします。香り、味わい、余韻まで徹底レビュー!
ベンリアック10年を実際に飲んでみた

ベンリアック10年のフレーバー
ベンリアック10年の味わい
果実とオークが香るストレート

香り
果樹園(リンゴ、洋ナシ)、ハチミツ、干し草、オーク
味わい
梨、香ばしくオーキー、スパイシーな刺激
感想
グラスに注ぐと、リンゴ、洋ナシといった熟した果実など、たくさんの果実が混じったフルーティーな香りがふわっと広がります。華やかで甘いハチミツのニュアンスに干し草の香りも感じられる印象。フルーティーで華やかな香りを、樽のオーキーさが優しく包み込んでいる感じです。
口に含むと、熟した梨のニュアンスに皮の渋さもじんわり感じられます。ジューシーな果実感の奥からビターとスパイシーさがやってきて、酸っぱい果実と香ばしくオーキーな味わいが広がります。余韻はオーキーな香りとスパイシーさがゆっくりと消えていき、とても美味しいです。

果樹園を思わせるフルーティーな香りが満ち溢れています。味わいは梨のニュアンスに程よい甘さとビターがあって、スッキリとした味わいです!
果実味とビターのバランスが秀逸なロック

香り
洋ナシ、リンゴ、ハチミツ、カスタード、オーク
味わい
オーキー、スッキリビターな果実感
感想
氷を加えると、甘さが引き立ってきて、洋ナシ、リンゴのフルーティーな香りが際立つ印象。ハチミツの華やかさにカスタードのしっとりとした甘いニュアンスが加わります。甘い香りが主体ですが、オーキーさがコク深さを与えています。
口に含むと、樽のオーキーな香りが口の中にじんわり広がり、果実の皮っぽいビターさが際立ってくるでしょう。ビターさが主体となって、樽の木の渋みとスパイシーさが混じります。果実のフルーティーさと華やかさが香り、すっきりとしたビターが消えていく感じです。

氷を入れるとフルーティーさはそのままに甘さが引き立ち、味わいはビターが下支えしているようなしっかりとしたコクが感じられ、様々な変化を楽しめます!
果樹園を思わせるハイボール

香り
熟した梨、リンゴ、カスタード、ハチミツ
味わい
果樹園のようなフルーティーハイボール
感想
ハイボールにすると、完熟の梨やリンゴを思わせるフルーティーな香りが際立ってきます。カスタード、アップルパイ、フロランタンを思わせる果実と焼き菓子の香りがふわっと広がる印象。ハチミツの華やかさと、かすかに香るオーキーさも感じられます。
口に含むと、優しいビターさがベースにあって、果実のフルーティーさがじんわり香ります。果汁のようなジューシーな甘さと酸味が広がり、オーキーさと果実が優しく香る余韻が楽しめるでしょう。とても美味しいハイボールです。

フルーティーな果実香と程よいビターの下支えがあって、これぞスペイサイドと思わせるようなハイボールです!

ベンリアックには他にもたくさんの銘柄がありますね。コアレンジを簡単に比較してみましょう!
ベンリアック コアレンジの位置づけ

オリジナル・テン vs スモーキー・テン
項目 | オリジナル・テン定番 | スモーキー・テンピート |
---|---|---|
原酒 | ノンピート主流 | ピーテッド原酒併用 |
使用樽 | バーボン、シェリー、バージンオーク | バーボン、ラム、バージンオーク |
香味 | フルーティー・ハニー | フルーティー&スモーキー |
特徴 | 親しみやすく華やか 初心者にも最適 |
ハイランドピートの甘いスモーク ピート初心者向け |
スモーキー・テンは、果樹園のフルーツ感をベースに、香ばしいハイランド系ピートスモークがほのかに漂う、バランスの良い1本です。
上位レンジとの比較
銘柄 | 熟成年数 | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|---|
オリジナル・テン定番 | 10年 | フラッグシップ、バランス重視 | 5,500〜7,000円 |
トゥエルブ | 12年 | シェリー・ポート樽使用、濃密 | 7,000〜9,000円 |
トウェンティ・ワン | 21年 | 4種の樽、エレガント | 20,000円〜 |
トウェンティ・ファイブ | 25年 | 最長熟、多層的余韻 | 50,000円〜 |

オリジナル・テンは、ベンリアックの個性を知る入門編として最適です。

ここで初心者の方が混同しやすい重要なポイント!「ベンリアック」と「ベンロマック」は名前が似ていますが、全く別の蒸留所なんです。詳しく解説します!
ベンリアックとベンロマック – 名前が似ているけど全く違う蒸留所!

ウイスキー初心者の方からよく「ベンリアックとベンロマックって同じですか?」という質問をいただきます。名前は似ていますが、これらは全く別の蒸留所で、味わいも個性も大きく異なります!
ベンリアック vs ベンロマック 比較表
項目 | ベンリアックBenRiach | ベンロマックBenromach |
---|---|---|
所在地 | スペイサイド・エルギン地区 | スペイサイド・フォレス |
創業 | 1897年 | 1898年 |
所有会社 | ブラウン・フォーマン | インターナショナル・ディスティラーズ&ヴィントナーズ |
特徴 | 果樹園のようなフルーティーさ 華やかで親しみやすい |
モルティーでオイリーな重厚感 伝統的なスペイサイド |
樽の特徴 | 多彩な樽使用 (ラム、ワイン樽など) |
主にシェリー樽とバーボン樽 (伝統的な組み合わせ) |
ピート | ハイランドピート (甘いスモーク) |
穏やかなピート使用 (控えめな香り) |
価格帯 (10年) |
5,500〜7,000円 | 6,000〜8,000円 |
どう見分ける?
ラベルを確認!
- ベンリアック:「BenRiach」と表記、カラフルで現代的なデザイン
- ベンロマック:「Benromach」と表記、クラシックで落ち着いたデザイン
味わいで判断!
- ベンリアック:洋梨やネクタリンのような明るいフルーツ香
- ベンロマック:ビスケットやナッツのようなモルティーな香り

お店で注文するときは、しっかり確認してから注文しましょう!「ベンリアックの10年をください」と具体的に伝えると間違いがありませんね。

どちらも素晴らしいスペイサイドモルトですが、個性は全く違います!両方飲み比べてみるのも面白いですよ。
【見分けポイントまとめ】
- ✅ スペルが違う:BenRiach vs Benromach
- ✅ 所有会社が違う:ブラウン・フォーマン vs インターナショナル社
- ✅ 味わいの方向性が違う:フルーティー vs モルティー
- ✅ どちらもスペイサイドの優れた蒸留所

せっかくのベンリアック、おつまみや料理との組み合わせも楽しみたいですよね!おすすめのペアリングをご紹介します。
食とのペアリング提案

チーズとの相性
- ブリーやカマンベールなど白カビチーズ
- ゴーダやチェダーなどハードチーズ
- フルーツとナッツを添えたチーズプレート
スイーツとの組み合わせ
- アップルパイやタルトタタン
- バニラアイスクリーム
- ドライフルーツとナッツ
- ミルクチョコレート
食事との相性
- グリルチキンや豚肉のソテー
- 燻製サーモン
- ナッツを使った料理
- フルーツを使ったデザート
リラックスタイムに
- 読書のお供に
- 音楽を聴きながら
- 映画鑑賞のお供に
- 一人の贅沢な時間に
ベンリアック オリジナル・テンは、様々なシーンで楽しめる懐の深いウイスキーです。

ベンリアックについて気になる疑問にお答えします!初心者向けか、保存方法、他のスペイサイドとの違いなど、よくある質問をまとめました。
よくある質問(FAQ)
「ウイスキー初心者でも楽しめる?」
はい、非常におすすめです。43%のアルコール度数で飲みやすく、フルーティーで親しみやすい味わいは初心者の方に最適。それでいて深みもあるので、長く楽しめます。
「他のスペイサイドモルトと比べてどう?」
グレンフィディック12年やグレンリベット12年と比べて、より果実感が豊かで複雑。3種類の樽使用による奥深さが特徴です。価格帯も同程度でコスパに優れています。
「なぜこの価格でこの品質が実現できるの?」
独立系蒸留所時代に確立した効率的な生産体制と、現在のブラウン・フォーマン社のグローバルな販売網により、適正価格での提供が可能になっています。
「開封後の保存方法は?」
直射日光を避け、涼しい場所に立てて保存。キャップをしっかり閉めれば、開封後1〜2年は品質を維持できます。
「ピート好きには物足りない?」
オリジナル・テンは微かなスモーキーさのみ。本格的なピート感を求めるなら、同じベンリアックの「スモーキー・テン」や「キュオリアシタス」がおすすめです。
まとめ
ベンリアック オリジナル・テンは、5,000円台という手頃な価格で本格的な10年熟成のシングルモルトが楽しめる、コストパフォーマンス抜群のウイスキーです。
果樹園を思わせる洋梨やリンゴの豊かな香り、蜂蜜とバニラの甘やかな風味、そして3種類の樽が生み出す複雑で奥深い味わい。ストレートで飲めば繊細なニュアンスを、ロックなら甘さとビターのバランスを、ハイボールにすればフルーティーな爽やかさを存分に楽しめます。
2度の閉鎖を乗り越えて復活したベンリアック蒸留所の波乱万丈な歴史と、伝統のフロアモルティング製法、そして多彩な樽使用による革新的なアプローチ。その全てが詰まった一本が、この価格で手に入ることに驚きを感じずにはいられません。
スペイサイドモルトの入門編としても、日常に寄り添う特別な一本としても、ベンリアック オリジナル・テンは間違いのない選択です。週末の夜、一日の終わりに、あるいは大切な人との時間に。グラスに注いだ瞬間から広がる果実の香りが、あなたのウイスキーライフに新しい彩りを加えてくれるでしょう。
気になった方は、ぜひ一度手に取ってみてください。きっとこの価格で手に入る幸せに驚くはずです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!
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