

こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!
今回は、「M&Hクラシック」の解説&レビューを行っていきます!!
イスラエル初のウイスキー蒸留所である「M&H蒸留所」が手掛ける「M&Hクラシック」は、その革新的な製造プロセスと独自の熟成環境により、世界中のウイスキー愛好家から注目を集めています。
このウイスキーは、バーボン樽と特別な赤ワインSTR樽で熟成されており、バニラやキャラメルの甘みを基調としつつ、スパイシーさとフルーティーさが絶妙に調和した、バランスの取れた味わいが特徴です。
本記事では、「M&Hクラシック」の魅力をさらに深掘りし、M&H蒸留所の背景、革新的な製造プロセス、そしてボトルラインナップについても詳しくご紹介します。
M&Hクラシックはこんなウイスキー

カテゴリー | シングルモルトウイスキー |
産地 | イスラエル |
蒸留所 | M&H蒸留所 |
アルコール分 | 46% |
内容量 | 700ml |
価格帯 | 5,000〜7,000円 |
飲みやすさ | ★★★★★☆☆ |
味わいの特徴 | 華やかでミルキーな味わい |
おすすめの飲み方 | ハイボール |
M&Hクラシックは、イスラエルの地で生まれた革新的なウイスキーです。このウイスキーの最大の特徴は、温暖な気候を活かして短期間で熟成されている点にあります。熟成には、バーボン樽とSTR(Shaved, Toasted, and Re-charred)樽が使用されており、それぞれが異なる香味をウイスキーに与えています。バーボン樽からは甘いバニラやキャラメルのニュアンスが、STR樽からはスパイスと深みが加わります。
アルコール度数は46%、無冷却ろ過でボトリングされ、ナチュラルな風味を楽しむことができます。香り、味わい、余韻がバランスよく調和しており、初心者から経験豊富な方まで幅広い層に愛されています。
- バーボン樽とSTR樽による多彩な香味
- アルコール度数46%、無冷却ろ過で自然な仕上がり
- 甘みとスパイシーさが調和した味わい
M&H蒸溜所:イスラエル初のウイスキー革新

イスラエルの地に根付くウイスキー文化の礎を築いたM&H蒸溜所(Milk & Honey Distillery)は、2012年にテルアビブで設立されました。その名は旧約聖書の「乳と蜜の流れる地」に由来し、イスラエルの豊かな自然と文化を象徴しています。創業者ガル・カルクシュタイン氏が中心となり、イスラエル初の本格的なウイスキー蒸溜所としてスタートを切りました。
設立の背景と国際的な支援

ウイスキー生産の伝統がなかったイスラエルで、M&H蒸溜所は革新的な挑戦を始めました。創業当初からスコットランドのウイスキー専門家である故ジム・スワン博士をアドバイザーとして迎え入れ、高温多湿な気候を活かした独自の製造プロセスを確立。彼の指導の下、短期間で品質の高いウイスキーを生産する体制が整えられました。
設立時の主な課題は、イスラエル特有の地中海性気候を最大限に活かしながら、スコットランドの伝統的な製法を融合させることでした。この取り組みにより、M&H蒸溜所は国内初のウイスキー蒸溜所として成功を収め、国際市場にも進出しています。
蒸溜所の立地と熟成環境

M&H蒸溜所はテルアビブに位置し、年間300日以上の晴天を誇る地中海性気候の恩恵を受けています。この気候はウイスキー熟成に特有の影響を与え、熟成が通常よりも早く進むことが特徴です。
さらに、イスラエル国内の5つの異なる地域に熟成庫を設置。それぞれの気候特性を活かして多様な熟成を行っています。
各熟成地域の特徴
- ガリラヤ湖: 湿度の高い環境で、水分よりアルコールが揮発しやすい熟成。
- エルサレム山脈: 標高700–800mの涼しい気候で、ゆっくりとした熟成が進行。
- テルアビブ: 地中海性気候による季節変動が熟成に影響。
- 死海: 摂氏50°Cに達する暑さと乾燥で、濃厚な風味が形成。
設備と製造プロセス
M&H蒸溜所では、スコットランドの伝統と最新技術を融合した設備を採用しています。
蒸留装置
- 初留にはスペイン製の中古ポットスチル(容量9,000リットル)。
- 再留にはドイツ製カール社製ポットスチル(容量3,500リットル)。
- 二回蒸留により、クリアで風味豊かなスピリッツを生産。
発酵
ステンレス製のウォッシュバック6基を使用し、発酵時間を48–96時間に調整。これにより、多様なフレーバーの原酒を生成します。

熟成と樽の多様性
M&H蒸溜所は、多彩な樽を駆使して独自の風味を創り出しています。
- バーボン樽: ケンタッキー州ケルビン・クーパレッジ製が中心。
- STR樽: ジム・スワン博士が開発。削り直し、焼き直し、トースト加工を施した樽で、スパイシーかつ複雑な香りを付加。
- ジャマイカ産ラム樽や赤・白ワイン樽: 幅広い風味を追加。
- アイラモルトの空樽: スモーキーなニュアンスを加える。
地中海式熟成
温暖な気候下で熟成が加速するため、わずか3–5年でスコッチウイスキーに匹敵する深みのある風味が得られます。このプロセスは、M&H蒸溜所の大きな特徴であり、国際市場で高く評価されています。
M&Hクラシック:特徴と味わい

製造プロセス
バーボン樽と赤ワインSTR樽を組み合わせ、イスラエル特有の気候条件で熟成。わずか3〜4年の熟成期間でもリッチで濃厚な味わいを実現しています。
- バーボン樽
バニラやキャラメル、蜂蜜のような甘さを引き出します。 - 赤ワインSTR樽
赤い果実のフルーティーさとブラックペッパーのスパイシーさがアクセントを加えます。
公式テイスティングノート
フィニッシュ
ミディアムからやや短めで、フルーティーさとスパイシーな余韻が心地よく続きます。
香り
バニラ、キャラメル、リンゴや柑橘類、オーク樽由来のスパイシーさ。
味わい
蜂蜜やトーストの甘さに加え、ブラックペッパーやシナモンのスパイシー感、赤ワイン樽の果実感が融合。


M&Hの入門にはふさわしい基本ボトルそれが「M&Hクラシック」です!

では、いつものようにストレート、ロック、ハイボールの3種類で味と香りをみていきましょう!
M&Hクラシックをテイスティング
M&Hクラシックのフレーバー
M&Hクラシックの味わい
ストレートで飲んでみる

香り
- 花、若草、ハチミツ、バニラ、キャラメル、トースト、ブドウの皮
味わい
- ハチミツの華やかな甘み、スパイシーな余韻
感想
まずは、ストレートで飲んでみます。
香りは華やかなフローラルな印象を基調に、花々や若草のニュアンスが繊細に漂います。さらに、蒸留所の名を象徴するようなハチミツの甘い香りが広がり、その後にバニラやキャラメルが続きます。わずかに感じられるブドウの皮の渋みが全体に奥行きを与えています。
口に含むと、若々しさを感じさせながらも非常に滑らかで、ハチミツの甘さとフローラルな華やかさが一気に広がります。そこから徐々にスパイシーさが顔を出し、トーストの香ばしさやシェリー樽由来の渋みが調和しながら、余韻にはスパイシーさと切れの良さが心地よく残ります。
熟成年数の表記はありませんが、地中海性気候の恩恵を受けた早い熟成の影響なのか、ピリつくこともなく、非常に滑らかで華やかな印象を受けました。

ミルク&ハニーという蒸留所の名前通りの滑らかさと甘やかさが感じられました!余韻にかけてのスパイシーさが全体の印象を引き締めています!
ロックで飲んでみる

香り
- ハチミツ、バニラ、キャラメル、ブドウ、花、トースト
味わい
- ハニートーストの香ばしさ、アフターはビター
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、甘さが先行し、ハチミツやバニラ、キャラメルのミルキーで華やかな香りが広がります。その中に、ブドウの渋みやフローラルな花の香りが繊細に溶け込み、トーストの香ばしさとふっくらとした穀物感が感じられる複雑な印象です。
口に含むと、ハチミツの華やかな香りが広がり、徐々にビターなニュアンスが際立ってきます。時折、ハニートーストを思わせる甘く香ばしいニュアンスが漂いながら、余韻にかけてビターな味わいが続きます。そして最後に、ブドウや樽由来のタンニン感がビターとともに残り、スッと消えていきます。
氷を加えるとビターさが強調され、やや飲みにくく感じることもありますが、時折感じられるハチミツの甘さやトーストの香ばしさがビターを和らげてくれます。氷を入れるタイミングや量を調整しながら、お好みのバランスで楽しむのが良いでしょう。

氷が溶けて加水が進むとビターが強まってくるので、お好みのタイミングで氷を抜いた方が最後まで美味しく楽しめると思います!
ハイボールで飲んでみる

香り
- 花、若草、ハチミツ、綿あめ、バニラ、カラメル
味わい
- スッキリと華やか、香るハニー感
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りは、フローラルな花の香りが際立ち、非常に華やかな印象を与えます。さらに、綿あめのような砂糖菓子を思わせる甘い香りと、焦がしたカラメルソースのニュアンスが重なり、甘さと華やかさが絶妙に調和しています。
口に含むと、ハチミツの甘さと華やかな香りが広がり、清々しいビター感がすっきりと感じられます。飲み進めるうちに、サラミを思わせるようなミーティーなニュアンスも現れ、甘さと華やかさの調和がさらに際立つ、バランスの良い味わいが続きます。
全体的に、ビターな要素が味わいを引き締めており、甘さがありながらも食事との相性が良く、完成度の高いハイボールを楽しむことができました!

ビターが基本にあるので、食事にも合わせやすくフレーバーも豊かでそのままでも十分に楽しめる完成度の高いハイボールです!
まとめ
イスラエル発の革新的なウイスキー「M&Hクラシック」は、バーボン樽と赤ワインSTR樽の融合から生まれるリッチでフルーティーな味わいが魅力。地中海性気候を活かした独自の熟成プロセスにより、短期間でも深みのある風味を実現しています。
初心者にも経験者にもおすすめの「M&Hクラシック」は、そのバランスの取れた味わいで幅広い飲み方を楽しむことができます。ストレートやロックでじっくり味わうも良し、ハイボールで華やかさを引き出すも良し。ぜひ、イスラエルならではのウイスキーの魅力を体験してみてください!

最後までお読み頂きありがとうございました。
M&Hボトルラインナップの紹介

M&H蒸留所は、地中海の気候を最大限に活かし、革新性と伝統を融合させたウイスキーは、ワールドワイドウイスキー・アワードなどで高く評価されています。ここでは、M&H蒸留所がリリースする代表的なラインナップをご紹介します。
M&H ELEMENTS SHERRY
M&H ELEMENTS SHERRYは、スペイン産のオロロソシェリー樽およびペドロ・ヒメネスシェリー樽を使用して熟成されたウイスキーです。香りはレーズンやドライフルーツ、ナッツのニュアンスがあり、味わいにはシェリー由来の深い甘さとスパイスのアクセントが広がります。滑らかな口当たりと長い余韻が楽しめる贅沢な一品です。
M&H ELEMENTS PEATED
このウイスキーは、スコットランドのアイラ島で使用されたピート樽とバーボン樽で熟成されています。香りはピートのスモーキーさが際立ちながらも、レモンやバニラの柔らかな甘さが調和しています。味わいにはジンジャーやハチミツのニュアンスも感じられ、複雑ながら飲みやすい仕上がりです。
M&H ELEMENTS RED WINE CASK
イスラエル国内のワイナリーで使用された赤ワイン樽で熟成されたこのウイスキーは、赤い果実やスパイス、フローラルな香りが特徴です。味わいはベリー系のフルーツ感とウッディな風味が調和し、独特の個性を放っています。食事との相性も良く、幅広いシーンで楽しめるボトルです。
M&H APEX DEAD SEA
M&H APEX(エイペックス)は、革新と創造性を追求し、ブランドの頂点を極めたスモールバッチシリーズです。蒸留責任者のトメル・ゴレン氏が、各バッチごとに厳選した樽と熟成場所を活かして特別な1本を作り上げています。
「APEX DEAD SEA」は、世界で最も低い海抜マイナス430メートルの死海という特異な熟成環境に焦点を当てたウイスキーです。この特殊な環境で、塩分濃度約30%という極度に乾燥した土地がもたらす影響で、1年目のエンジェルズシェアが25%に達するほどの驚くべき熟成スピードを実現。塩気を感じさせる唯一無二の深い味わいを生み出しています。
さらに、特定の樽の特徴に偏らないよう、STR樽やバーボン樽、赤ワイン樽などさまざまな種類の原酒をヴァッティングし、バランスの取れた複雑な風味に仕上げられています。
M&H ART & CRAFT TOKAJI
M&Hの「ART&CRAFT」シリーズは、イスラエルのアートシーンで活躍するクリエイターの作品をラベルデザインに採用したクラフトウイスキーの限定コレクションです。第2弾となる今回は、世界のデザートワインをテーマに、蒸留責任者トメル・ゴレン氏が選んだ4種類の樽が使用されています。
ラベルデザインには、イスラエルの著名なストリートアーティスト、エレズ氏のポップで感情豊かな作品が採用され、視覚的にも楽しめる仕上がりとなっています。本作は、世界三大貴腐ワインのひとつとして知られるハンガリーの「トカイワイン」の樽で熟成されました。フランス国王ルイ14世が「王のワインにしてワインの王」と称賛した逸話を持つこのワインの樽が、ウイスキーに深くリッチな甘さとトロピカルなアロマ、そして独特のコクを与えています。

テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!
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