このウイスキーの特徴
このウイスキーについて
今回ご紹介するウイスキーは、インドの「モンキャッスル」です!!
インドのウイスキーについて
「モンキャッスル」は、大手酒販店である「やまや」が輸入・販売をしているブレンデッドウイスキーです。このウイスキーの特徴は、何といっても生産国がインドである点でしょう。
「インドでウイスキーが生産されている!?」と、驚かれるかもしれませんが・・・実はインドというのは、ウイスキーの消費量が世界一!!つまり、ウイスキー大国なんです。
インドでウイスキーが飲まれ始めたのは19世紀。イギリスによる植民地支配の頃と言われています。1820年には既に蒸留所があり、ウイスキー造りを行っていました。
といっても、インドで消費されているウイスキーは、サトウキビを原料とする廃糖蜜(モラセス)を原料としたウイスキーですので、どちらかというと「ラム酒」に近い感じかもしれません。
日本やスコットランドで認知されている「ウイスキー」は穀物を原料とし、蒸溜した後に樽熟成を行ったものになりますが、インドではウイスキーの定義が曖昧なんです。
しかし近年、世界的なウイスキーブームによってインドでも徐々にモルトウイスキーやブレンデッドウイスキーの生産がされるようになってきました。
モルトウイスキーに馴染めなかったインドの人々も、元来飲まれていた廃糖蜜のウイスキーにモルトやグレーンをブレンドすることにより、いわゆる普通のウイスキーが徐々に定着しはじめます。
近年では、モルト(大麦麦芽)を使用したモルトウイスキー造りも本格化。世界的な品評会で賞を獲得するなど、インディアンウイスキーの国際的な評価も高まっています。
モンキャッスルについて
さて、今回のボトル「モンキャッスル」についてですが、情報が少ないので分かる範囲で内容を解説したいと思います。
「モンキャッスル」の原材料名にはグレーン、モルトと表示があるので「ブレンデッドウイスキー」であることがわかります。
そして製造しているのは「ジョン蒸留所」というインディアン・シングルモルトウイスキー「ポール・ジョン」を製造している会社になります。
「ポール・ジョン」といえば、有名なジム・マーレーの著書「ウイスキー・バイブル」にて96.5点を獲得したウイスキーですね!!
そうです!ただ、こちらのボトルは価格からすると自社の原酒と、海外のバルク原酒をブレンドして製造されている可能性もありますね!!
ということは、「監修:ジョン蒸留所」くらいに考えていたほうが良さそうですね!
いずれにしても、求めやすい価格!!そして珍しいインドのウイスキーということで期待も膨らみます。では、いつものように3種類の飲み方でレビューを行っていきましょう!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- ハチミツ、麦、食パン、ピート、アルコール、梅、青臭さ
味わい
- アルコール、スパイシー、ビターな余韻
感想
まずは、ストレートから飲んでみます。
香りは、甘いハチミツっぽさがあり直ぐに麦や食パンといった穀物の香りに切り替わります。そして、うっすらピートのアクセントにアルコールの刺激が乗ってきて、梅やメスカルで感じる様な青臭い香りがします。
口に含むと、まずはアルコールの少し甘味を感じる刺激が広がり、スパイシーな味わいに変化。余韻は青っぽいビター感が膨らみすぐに消えていきます。
価格帯からすれば打倒かもしれませんが、全体的に薄い印象でストレートには向かないかもしれません。
イオンのウイスキー「トップバリュー」にあった梅っぽさとアルコール感がとても似ています。飲めなくはないですが、さらに値段の安い「ティーチャーズ」はストレートでも十分美味しい事を考えると、もう少し頑張って欲しいです。
ロックで飲んでみる
香り
- ハチミツ、食パン、ピート、ゴム、スモーク
味わい
- かすかに樽感、ビター
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます、
香りは変わらずハチミツの甘い香りに、穀物っぽい香ばしさ、食パンがメインです。ピートのツンっとしたアクセントにゴムのようなケミカルっぽさ、そしてスモーキーさも僅かにあります。
口に含むと、わずかに感じられる樽香と刺激的なビターが膨らみます。ややひっかかりを感じる喉ごしですが、アルコールのカドは無くなっているのでストレートの時よりも飲みやすくなりましたが、味や香りは格段に薄くなってしまいました。
冷やすことでアルコール感はかなり和らぎましたが、味はビターが強くなり、香りは硬くのっぺりと薄まってしまいました。ストレートよりは飲みやすいですが、ウイスキー初心者の方はイガイガする感じが強く印象に残ってしまうかもしれません。
ハイボールで飲んでみる
香り
- ビスケット、トースト、ピート
味わい
- シリアル、ビター、ミーティー、ビター
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りは香ばしいビスケットやトーストがいて、ピートのスモーキーフレーバーがやんわりとあります。
口に含むと、香ばしい穀物(麦やパン)とビターが後から追いかけてきて、ややミーティーな感じとスモーキーな香りが余韻に残ります。
中盤から感じるスモーキーな香りによって、サラミやベーコンっぽいミーティーな味わいが出てくるのはとても面白いと思いますし、ネガティブな要素が薄まっているのでハイボールとして飲むには十分な味わいだと思います。
ミーティー(肉っぽい)感じがウイスキーに!?と思われるかもしれませんが、サラミの脂を連想する味や香りがするウイスキーがあるんです。少し慣れが必要かもしれませんが、ハイボールほど薄まるとアルコールの刺激に邪魔されずに、気づかなかった香りを感じられるようになったりできます。
まとめ
自身初となるインディアンウイスキー「モンキャッスル」のレビューでした。
酒販店やまや限定の展開ボトルだと思いますが、値段を考えると割高感が否めません。同じ価格帯であれば「ホワイトホース」や「ティーチャーズ」の方が味や香りも良くストレートでも美味しく飲めます。
しかし、メスカルのような青臭さや独特のスモーク感など、面白みもありました。グレーンが主体となっているだけに、モルトのみを味わってみたくなります。同社のホームページにもコチラのボトルは掲載が無く、謎が多いウイスキーですがハイボールやカクテルベースといった用途であればクセも少なくアリなのではないでしょうか。
スコッチは安物でもそれなりの味わいの物があります。しかし同時に個性もあるのでカクテルでは逆に邪魔になってしまう場面も・・・。ということで、「モンキャッスル」を我が家ではハイボール、カクテルに使いあっという間に飲み切ってしまいました(笑)
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
コメント