グレンアラヒー 10年 キュヴェカスクフィニッシュ徹底解説!4種のワイン樽が奏でる至福の一滴

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sister-ley
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こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!今回は、「グレンアラヒー10年 キュヴェカスクフィニッシュ」の解説を行っていきます!

スコットランド・スペイサイド地方のグレンアラヒー蒸留所は、2017年に元ベンリアック蒸留所のマネージングディレクターであったビリー・ウォーカー氏率いるグレンアラヒー・ディスティラーズ社に買収されて以来、革新的なウイスキー造りと熟成技術で注目を集めています。

このボトルの最大の特徴は、4種類のプレミアムな赤ワイン樽でフィニッシュされた「キュヴェ」という革新的な手法にあります。フランス・ラングドック、イタリア・ヴァルポリチェッラ、そしてボルドーの二つのプルミエ・クリュ・クラッセという厳選された赤ワイン樽で追加熟成することで、複雑で多層的な香味を実現しています。

この記事では、ビリー・ウォーカー氏の革新的な熟成哲学が生み出した珠玉の一滴について詳しくご紹介します。

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グレンアラヒー10年 キュヴェカスクフィニッシュの基本情報:と価格・特徴・飲み方

スペイサイド地方はスコットランド最大のウイスキー生産地で、マッカラン、グレンフィディック、グレンリベットなど、数々の名門蒸留所が拠点を構えています。

グレンアラヒー蒸留所は1967年に設立された比較的新しい蒸留所ですが、2017年にビリー・ウォーカー氏率いるグレンアラヒー・ディスティラーズ社に買収されて以来、品質重視の生産と革新的な樽熟成によって、急速にその評価を高めてきました。

グレンアラヒー 10年 キュヴェカスクフィニッシュの詳細はこちら
カテゴリーシングルモルトスコッチウイスキー
産地スコットランド・スペイサイド
蒸留所グレンアラヒー蒸溜所
アルコール分48%
内容量700ml
価格帯10,000〜13,000円程度
飲みやすさ★★★★★☆☆
味わいの特徴リッチで複雑な果実味とスパイス、ワイン樽由来の風味
おすすめの飲み方ストレート、ロック
長所・特徴
短所・注意点
  • 4種類の高級赤ワイン樽による複雑な香味
  • ノンチルフィルター、自然な色合い
  • ビリー・ウォーカー氏による熟成技術
  • ロックが旨い
  • 熟成期間は10年とやや若め
  • ワインの影響が強いため万人受けしない可能性
  • 入手難度がやや高い限定品
  • 通常の10年熟成よりも高価格帯
Key(筆者)
Key(筆者)

「キュヴェ(Cuvée)」とは、フランス語で「タンク」を意味し、ワイン製造においては特に上質なブレンドや初回圧搾のものを指します。

Caoli(助手)
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キュヴェカスクフィニッシュ10年は日本市場限定商品で、ワイン樽の風味が活かされたエレガントな味わいが特徴です。

グレンアラヒー蒸留所の歴史と革新:ビリー・ウォーカーによる再構築の軌跡

出典:Whisky.com

グレンアラヒー 10年 キュヴェカスクフィニッシュの魅力をより深く理解するためには、この蒸留所の歴史と、ビリー・ウォーカー氏によるブランド再構築の物語を知ることが不可欠です。

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設立から現代に至るまで、ブレンデッド用原酒の生産からプレミアムシングルモルトへと変貌を遂げたグレンアラヒーの歴史をご紹介しましょう。

スペイサイドに位置するグレンアラヒー蒸留所の誕生と変遷

出典:The GlenAllachie

グレンアラヒー蒸留所は、1967年にスペイサイド地方のアベラワー近郊、ベンリネス山の麓に設立されました。スコティッシュ・アンド・ニューカッスル・ブリュワリーズの子会社であるマッキンレー・マクファーソン社による設立で、著名な蒸留所設計家ウィリアム・デルム・エヴァンス氏(マクダフ、タリバーディン、ジュラなど他の蒸留所の設計も手がけた)によって設計されました。

当初は主にブレンデッドウイスキー用の原酒を生産する役割を担っており、長らくインバーゴードン社、キャンベル・ディスティラーズ社(後のペルノ・リカール社、シーバス・ブラザーズ社)といった所有者の下で運営されていました。

そのため、1990年代までは公式のシングルモルトボトリングが非常に限られていたのです。

Key(筆者)
Key(筆者)

グレンアラヒーが注目されたのはごく最近で、それまではブレンデッドウイスキー用の原酒供給元でしかありませんでした。

2017年の転機|ビリー・ウォーカー氏による買収と改革

出典:WHISKY Magazine

グレンアラヒー蒸留所にとって2017年7月は大きな転機となりました。元ベンリアック蒸留所のマネージングディレクターであったビリー・ウォーカー氏、グラハム・スティーブンソン氏、トリシャ・サベージ氏が率いるグレンアラヒー・ディスティラーズ社が蒸留所を買収したのです。

ビリー・ウォーカー氏は、それまでにベンリアック、グレンドロナック、グレングラッサウといった蒸留所を再建し、高品質なシングルモルトの製造に注力してきた実績がありました。グレンアラヒーの買収後も、その経験と情熱を活かし、品質重視のウイスキー造りへと大きく舵を切ります。

生産能力を年間400万リットルから50〜70万リットルへと大幅に削減し、より丁寧な製造と熟成に注力。発酵時間を160時間という非常に長い時間に設定し、より複雑でフルーティーなスピリッツを生み出すための改革を行いました。

Caoli(助手)
Caoli(助手)

年間生産量を大幅に削減し、160時間という驚異的な時間をかけて発酵。 これは、品質を極限まで追求するビリー・ウォーカー氏の哲学の表れです。

現代におけるグレンアラヒーの位置づけとブランドイメージ

出典:The GlenAllachie

2024年には、ブランドイメージを一新するリブランディングが行われ、新しいロゴと「ウイスキーは良い手に」というスローガンが導入されました。また、限定版の特別なボトリングは「ウッドコレクション」という名称でまとめられるようになりました。

現在、グレンアラヒーは革新的な樽熟成技術と高品質なシングルモルト生産で知られる蒸留所として、ウイスキー愛好家の間で確固たる地位を築きつつあります。特に樽の選定と熟成管理において、ビリー・ウォーカー氏の卓越した経験と知識が活かされ、個性的で高品質なウイスキーを次々と市場に送り出しています。

Key(筆者)
Key(筆者)

「キュヴェカスクフィニッシュ」シリーズはその代表的な例として、複数の高級ワイン樽を組み合わせるという革新的なアプローチで、新たなシングルモルトの味わいの可能性を探求しています。

グレンアラヒー蒸留所の製造工程:伝統と革新が生み出す独自のスタイル

出典:Whisky.com

原料と水源:スペイサイドの自然が育むウイスキーの基礎

グレンアラヒー蒸留所の水源は、ベンリネス山の北東側にあるスプリングから引かれており、ブラックスタンクダムとヘンズヘッドダムという二つのダムが利用されています。

ブラックスタンクダムは冷却水として、ヘンズヘッドダムはマッシング用のプロセス水として使用され、水は花崗岩とピートの層を通過することで、ミネラル豊かな特性を獲得します。

麦芽は伝統的にノンピートのものが使用され、主にモレー湾沿岸の地元生産者から調達されています。

製麦と仕込みは、1967年に設置されたオリジナルのポーテウスミルが、すべてのマッシュに対して9.4トンの「グリスト(粉砕された麦芽)」を製造するために今でも使用されています。9.4トンのセミラウターマッシュタンで、糖分抽出を最大化するために、通常の3回ではなく4回の給水サイクルでのマッシングが行われるのが特徴です。

160時間の長期発酵がもたらすフルーティーな香味特性

出典:Whisky.com

発酵には8つのステンレス製ウォッシュバックが使用され、ビリー・ウォーカー氏による改革後は発酵時間が160時間という非常に長い時間に設定されています。これは、酵母がエステルやその他の香味化合物を生成するのに十分な時間を与えることで、より複雑でフルーティーなスピリッツを生み出すための重要な工夫です。

この長時間発酵は、多くの蒸留所が採用する48〜72時間の標準的な発酵時間と比較すると、かなり特徴的であり、グレンアラヒー独自のフルーティなキャラクターの形成に大きく寄与しています。

酵母がより長く活動することで、通常の発酵では生成されない複雑なエステル類やアルコール類が生成され、最終的なウイスキーにユニークな香味プロファイルをもたらします。

蒸留と熟成:独自の設備と5万樽を超える貯蔵庫

出典:Whisky.com

蒸留には2対の蒸留器が使用され、2つのランタン型のウォッシュスチルと2つのオニオン型のスピリットスチルの組み合わせとなっています。各ウォッシュスチルの容量は36,300リットル、各スピリットスチルの容量は23,900リットルです。

特徴的なのは、一般的ではない水平型のコンデンサーが採用されており、これにより温度管理が容易になっています。一部の情報によれば、より重く、オイリーなスピリッツを生み出す伝統的な方法であるワームタブコンデンサーも使用されているようです。

出典:Whisky.com

熟成に関しては、蒸留所内には50,000樽以上もの熟成中のウイスキーが保管されている広大なウェアハウスが16棟あり、その中には1970年代に遡るものも含まれています。

ビリー・ウォーカー氏の最大の強みは高品質な樽の調達と管理にあり、特にシェリー樽に重点が置かれています。彼の半世紀にわたる経験と幅広いネットワークが、最高品質の樽の調達を可能にしているのです。

Key(筆者)
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グレンアラヒーは従来、軽やかでモルティ、繊細なフルーツの香りが特徴でした!

Caoli(助手)
Caoli(助手)

ビリー・ウォーカー氏による改革後は、より長い発酵時間によってフルーティーで力強いスピリッツが特徴となっています。

キュヴェカスクフィニッシュとは?4種の赤ワイン樽が織りなす魅惑の熟成

キュヴェの概念とグレンアラヒーの革新

「キュヴェ」という言葉は、フランス語で「タンク」を意味し、ワイン製造においては特に上質なブレンドや初回圧搾のものを指します。シャンパン製造では、最高の品質を示す最初の圧搾果汁から作られたバッチを意味することもあります。

グレンアラヒーでは、この用語を複数のプレミアムな赤ワイン樽でフィニッシュされたシングルモルトのブレンドを表現するために採用しました。

これは、単一のワイン樽フィニッシュでは達成できない、より複雑で調和のとれた香味プロファイルを目指す、グレンアラヒーの樽フィニッシュに対する革新的なアプローチを示しています。

使用されている4種類の赤ワイン樽

グレンアラヒー 10年 キュヴェカスクフィニッシュ(2012年蒸留、2023年瓶詰)には、4種類の厳選されたヨーロッパ産赤ワイン樽が使用されています。

  • ラングドック(フランス) – フルーティーでハーブの香りが特徴の南フランスワイン
  • レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ(イタリア) – ダークフルーツの香りで知られるイタリアの高級ワイン
  • ボルドーの二つのプルミエ・クリュ・クラッセ(詳細非公開) – エレガントで複雑、カシスと杉の香りが特徴のフランスの格付け一級ワイン

これらの著名なワイン産地からの樽の選定は、ウイスキーに繊細で高品質なワインの特徴を与えることに重点を置いていることを示しています。

フィニッシュの工程とその影響

このウイスキーは、まずアメリカンオークのバーボン樽で初期熟成された後、約20ヶ月間、上記のヨーロッパ産赤ワインバリックに移されて二次熟成(フィニッシュ)が行われました。

ワインバリックは、シェリーバット(約500リットル)よりも小さく(通常約225リットル)、樽材との接触面積が大きいため、フィニッシュ期間中により強い香味と色の抽出が起こります。

各ワイン樽は、ウイスキーに以下のような特徴を与えます。

  • ラングドック樽 – 赤系果実、甘いスパイス、庭のハーブの香り
  • レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ樽 – 熟したチェリー、ココナッツの削りくず、リコリス、ラズベリークーリーの香り
  • プルミエ・クリュ・クラッセ樽 – ブラックカラント、エスプレッソコーヒー、野生のベリーの香り
Key(筆者)
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これらの4種類のワイン樽フィニッシュをブレンドすることで、単一のワイン樽フィニッシュでは達成できない、より複雑でバランスの取れた香味を実現しています。

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では、実際にキュヴェカスクフィニッシュの味と香りを3種類の飲み方で確かめていきましょう!

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グレンアラヒー 10年 キュヴェカスクフィニッシュを実際に飲んでみた

香りの特徴チャート

味わいの特徴チャート

エレガントさが際立つストレート

香り

  • ハチミツ、フルーツゼリー、ブドウ、ドライフルーツ、桃、イチジク、カカオ

味わい

  • 果実とウッディな甘さが広がる、上品なスパイシーさ

感想

ストレートで口に含むと、甘く華やかな香りが広がります。ハチミツの華やかさとブルーベリーのような芳醇な香り、ブドウとドライフルーツのエレガントさ、桃やイチジクのジューシーな果実の香り、カカオのほろ苦いニュアンスに果実の甘みが合わさり、とてもエレガントです。

口当たりは、アメのような甘さとブドウの酸味、イチゴのようなジューシーなフレーバーが特徴的。カラメルやカカオのほろ苦さとスパイシーさが膨らみ、シェリー樽熟成の特徴がよく表れています。スパイシーさは続き、ハチミツの甘さとブドウのタンニンが混じり合い、ゆっくりと消えていきます。

Key(筆者)
Key(筆者)

甘いウイスキーが好きな人に特におすすめの味です。ストレートでじっくりと時間をかけて香りと味わいの変化を楽しんでみてください!

果実味と甘さが絶妙なロック

香り

  •  白桃、ハチミツ、イチゴ、シロップ、ブドウ、カカオ、赤い果実、グレープフルーツ

味わい

  • ブドウのジューシーなタンニン、ケーキシロップの甘さ

感想

オンザロックにすると、白桃のようなジューシーな甘さにハチミツの華やかな甘い香りが絡み合い、より甘い香りが際立ちます。イチゴシロップ(カゼシロップ)とブドウや赤い果実の酸味も感じられます。

口当たりは、グレープフルーツのようなシトラスフレーバー、カカオのほろ苦く香ばしい香りが奥に感じられます。ブドウのタンニンとビターがメインにあるものの、シロップの甘さも同様に主張し、余韻はブドウとシトラスのタンニンとビターが残り、ややスパイシーさが残ります。

Key(筆者)
Key(筆者)

ロックにするとフルーティーさがよりジューシーに感じられるようになります!ビター感も程よくてロックとの相性バツグン!

エレガントな大人のハイボール

香り

  • ドライフルーツ、ハチミツ、ブドウ、カカオ、カラメル

味わい

  • 果実の甘みとほろ苦さ

感想

ハイボールにすると、ドライフルーツのような濃縮した果実の甘さが特徴的です。華やかなハチミツの香りにブドウの酸味がアクセントとなり、カカオのほろ苦さとカラメルっぽいニュアンスが重なります。

口に含むと、ブドウのタンニンと果実味のあるフルーティーな甘さが広がり、エレガントな香りと樽がもたらすタンニン、華やかでハチミツのような甘さ、複雑な果実の風味と樽由来のタンニン、エレガントで大人っぽいハイボールになります。適度なビターさが心地良く、シェリー樽モルトとしてはハイボールにも合う一本です。

Key(筆者)
Key(筆者)

ブドウからくるタンニンと砂糖のような甘さが絶妙に絡み合い、エレガントで飲みやすい味わいのハイボールでした!

まとめ:グレンアラヒー10年 キュヴェカスクフィニッシュ:ワインとウイスキーの交響曲

キュヴェカスクフィニッシュ10年の総合評価
イマイチ
良い

グレンアラヒー10年 キュヴェカスクフィニッシュは、日本限定で販売されている特別なシングルモルトウイスキーです。

このウイスキーは、4種類の高級赤ワイン樽で約20ヶ月熟成されており、複雑で奥深い香味が特徴です。口に含むと、蜂蜜のような甘さ、白桃やイチジクのフルーティーさ、そしてカカオのほろ苦さが絶妙に調和した、重層的な味わいが広がります。

グレンアラヒー蒸留所は、160時間という長い時間をかけて発酵を行い、ノンチルフィルター製法を採用することで、ウイスキー本来の自然な風味を大切にしています。2017年にビリー・ウォーカー氏が蒸留所を買収して以来、伝統的な製法を守りながらも、革新的な試みを続けている姿勢が、このボトルにも表れています。

このウイスキーの魅力を最大限に楽しむには、ストレートでそのエレガントな甘さを堪能するのがおすすめです。ロックにすると、ジューシーな果実味が際立ち、違った表情を見せてくれます。ハイボールにすれば、ドライフルーツのような凝縮された深みが加わり、食事との相性も抜群です。特に、ロックでじっくりと時間をかけて味わうのがおすすめです。

価格帯は10,000円から13,000円とやや高めですが、多彩な味わいを考えれば、その価値を十分に感じていただけるはずです。甘いウイスキーがお好きな方には、ロックが特におすすめです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!

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