グレンエルギン12年

このウイスキーの特徴

このウイスキーについて

今回は、筆者が最近人気が出始めて困っている通好みなシングルモルト「グレンエルギン12年」をご紹介いたします。

「グレンエルギン12年」はスコットランドのスペイサイドエリアにある「グレンエルギン蒸留所」で造られるシングルモルトです。

「グレンエルギン蒸留所」ついて馴染みのない方も多いかもしれませんが、日本で一番売れているスコッチウイスキー「ホワイトホース」のキーモルトとして原酒を供給している蒸留所でもあります。

華やかなモルトの産地としても有名なスペイサイドにある「グレンエルギン蒸留所」とはどんな蒸留所なのでしょう!?

グレンエルギン蒸留所

出典:Whisky.com

ここでは、「グレンエルギン蒸留所」について簡単に特徴をご説明いたします。

「グレンエルギン蒸留所」の創設は1898年で、スペイサイドで19世紀の最後に出来た蒸留所になります。創設当時、オーナーの会社はすぐに倒産してしまい操業開始から5ヶ月で操業停止に追い込まれるなど、波乱の蒸留所でもあります。

近年のオーナーはMHD社(モエ・ヘネシー・ディアジオ)で、ブレンデッドウイスキー「ホワイトホース」の原酒供給をはじめ、同社のクラシックモルトシリーズにも選出されるなど、安定した供給を行っており、蒸留所ならではのこだわりが随所に感じる高品質なモルトを生み出しています。

グレンエルギンの特徴1(ポットスチル)

「グレンエルギン蒸留所」のポットスチルは全部で6機、初溜釜が3機と再溜釜が3機で蒸溜を行っています。

使われているポットスチルは「ストレート型」で、蒸気が滞留せずに真っ直ぐ上がる為、「力強い重厚なタイプでコクのあるウイスキーになる」のが特徴です。日本では「余市蒸留所」が同じ種類のポットスチルを使用しているので有名です。

一部ウワサでは、「ホワイトホース」の原酒比率は「グレンエルギン」が「ラガヴーリン」を超えているとの情報もあるくらいなので、良質な原酒を造り続けているのは間違いないですね。

グレンエルギンの特徴2(冷却装置)

「グレンエルギン蒸留所」では、蒸留した蒸気を冷やす工程を行うコンデンサーに昔ながらの「ワームタブ方式」を現在も採用しています。

「ワームタブ方式」は装置自体も非効率で、場所も取るために近年はあまり採用されなくなってきたスコットランド伝統の蒸気冷却システムです。

効率を優先すれば、多くの蒸留所が採用している多管式(シェル&チューブ式)への移行も可能でしょうが、「ワームタブ方式」でしか出せない酒質を求める「こだわり」が「グレンエルギン」ならではの良質な原酒造りに活かされているとも言えます。(ワームタブで冷却されたニューメイクは重厚な酒質になると言われています)

昔ながらの「ワームタブ方式」の冷却を行っている蒸留所はいまだにあり、「ダルウィニー蒸留所」や、日本でもサントリーの「山崎蒸留所」、ニッカウヰスキー「余市蒸留所」などでも一部はいまだに「ワームタブ」の冷却方法を採用しています。

ちょっとした豆知識1

90年代流通の「グレンエルギン」のオフィシャルボトルには、シングルモルトでありながら、ラベルに「ホワイトホース」のロゴと表記がなされていました。原酒供給先であるメーカーのロゴが入っているあたりは非常に面白いです。

また、スペイサイドモルトのはずなのに「HIGHLAND MALT」と表記されています。

これは、現在の様にスコッチウイスキーの産地が明確に細分化されておらず、当時は比較的ザックリとしたエリア分けだった為です。

当時は一部の熱烈なモルトファンの間で飲まれていたシングルモルト「グレンエルギン」。ネットによる情報もない時代ですので、敷居が高いイメージと探究心の旺盛な方々にひっそりと飲まれていたのでしょう。今となっては貴重で実に羨ましい時代です。

ちょっとした豆知識2

現行ボトルのラベルについてちょっとだけウンチクがあります。上部に鳥の絵が描かれていますが、これは「イワツバメ」という鳥です。

この「イワツバメ」が夏になると蒸留所の周辺、特に「ワームタブ」の間をよく飛び回るそうです。夏の訪れを知らせる「イワツバメ」の姿をラベルに使うあたりはとってもおしゃれです!!

大人な雰囲気を醸し出している「グレンエルギン」。スコッチの聖地ともいうべき「スペイサイド」で造られ、通好みのモルトと言われる「グレンエルギン」の12年オフィシャルボトルを3種類の飲み方でレビュー致します。

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テイスティング(実際に飲んでみた)

フレーバーチャート
味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り
  • ハチミツ、紅茶、花、青りんご、ブランデーケーキ、オレンジ、ビスケット、ハーブ
味わい
  • ダークチョコの様なコクのある甘み、柑橘のビターと酸味、スパイシー
感想

まずはストレートで飲んでみます。香り立ちはハチミツの上品な甘い香りと紅茶などの発酵感、さらに生花の様なフローラル感が漂い、フルーティーな青りんごとオレンジ、そして穀物の香ばしいモルト感が感じ取れます。

口に含むと、ダークチョコの様なしっとりとしながらビターな甘さが広がり、ピリッとしたスパイシーさも感じられます。余韻にかけては、口の中で馴染みながらハーブっぽい感じがして、柑橘の酸味とビターさが徐々に膨らみ、粉っぽさ(発酵感)がわずかに残ります。

一般的なスペイサイドモルトの華やかさはそこまで強くなく、どこか重厚なニュアンスが漂っている味わいです。もちろん華やかな部分もありますが、なんというか「飲み手を選ぶ」といったニュアンスを感じます。重厚感、焦げた感じの風味、ハーブっぽさなど、バランス良くまとまっていますし、飲みやすくもありながら、何か・・・静かな圧を感じる不思議なモルトです。

注意:あくまで個人的感想です・・・

(飲み比べてざっくりと似ているなと思ったのはニッカウヰスキーから発売している「ブラックニッカスペシャル」です。独特のハービィーな感じと焦げ感が重厚なニュアンスを演出し、ニッカらしいリンゴの香りでエレガントさも感じるあたりは往年のモルトファンから怒られそうですが、個人的に似ていると思いました。)

ロックで飲んでみる

香り
  • ハチミツ、バニラ、キャラメル、リンゴ、チェリー
味わい
  • 滑らかでフラット、果実香とスパイス、ビターな余韻
感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。基本的に繊細な感じのウイスキーや、シングルモルトなどはストレートが基本と言われますが飲み方は自由なので好きなように飲みましょう(笑)本場スコットランドではストレートで完成形になりますが、日本においては様々な飲み方をするので、ブレンダーの仕事もあらゆる飲み方を想定していると思うので大変だと思います。

まずは香りですが、少し苦味を感じるハチミツと甘いバニラ、そして同じく焦げ感のあるキャラメルと続きます。ほんのりとですが、リンゴやチェリーなどの甘酸っぱいフルーティーな香りも感じ取れます。

口に含むと、冷えている分香味成分などは落ち着き、ややオイルっぽくも粉っぽさがあり味わいは平坦な感じで口に馴染みます。途中から果実の甘酸っぱさとスパイスが効いてきて、ストレートの時よりも濃縮感のあるビターが余韻へと続きます。

2口目を飲んだ頃から、ほろ苦さが出てきて鼻をフローラルな雰囲気が抜けていきます。アフターにかけては穀物の香ばしさと、ほんのりとした甘さが漂いビターと共に消えていきます。

ストレートよりは飲みやすい気もしますが、冷えた分色々な要素が引っ込んだ印象です。アフターにかけてのビターだけは強調され、キリッとした冴える感じがしますが粉っぽい甘さがほんのり香るのでチョコ菓子などデザートなどに合わせたくなる味わいです。

ハイボールで飲んでみる

香り
  • 青りんご、バニラ、ワックス、オレンジピール、ミント
味わい
  • ビスケットやクッキーのシリアル感、フローラルな香味
感想

次はハイボールです。やや薄めで試しましたが、香りは青りんごのフレッシュな感じにバニラの甘さ、そしてワックスっぽい少しケミカルさも感じます。ビターなニュアンスの果実香(オレンジピール)とミントの様な清涼感が混じり、コクのある感じに少し遊び心があるように思います。

口に含むと、ビスケットやクッキーのシリアル感が豊富に感じる甘さがあり、フローラルな香りが鼻を抜けていき、2口目からはうっすらと酸味があり若干ですが、ワインぽさを感じながら、ほろ苦い香ばしさと微かなミント感のアフターへ心地よく消えていきます。

樽由来の香りと、ハーブっぽい香味が混ざり合ったコクのあるハイボールで、コチラもデザートに合わせたくなる味わいですが、上品さがあるのでビーフシチューなどの少し苦味のある濃いソースの物と合わせるとシリアル感やミント感が引き立ってより一層に美味しく飲めると思います。

まとめ

スペイサイドの隠れた銘酒「グレンエルギン12年」をレビューしてみました。地域柄、「マッカラン」や「グレンリベット」、「グレンフィディック」といった有名ドコロの影に隠れがちですが・・・コクがあって、フローラル感と果実香のバランスがとても良い素晴らしいモルトです。

オフィシャルボトルの他にボトラーズでもリリースはありますが、数が少ないのが欠点で「エルギンファン」の悩みどころでもあります。昔から「通」に親しまれてきたモルトに注目が集まってしまい買えなくなってしまったら申し訳ない気もしますが、美味いものは美味い。

バーなどで「グレンエルギン」の名を言うだけで、「お、コイツちょっと知ってるな!?」とハッタリを効かせることも出来る銘柄なので(笑)ウイスキー道を邁進する初心者の方は是非、一度チェックしてみてください。

追記:今回のレビュー後、数日経った状態(開栓5日くらい)では、ウッディさが増してバニラやキャラメルなどの甘い香りが一層に際立っていました。開栓仕立てのレビューを基本に投稿しておりますが、銘柄によっては香りが開いてくるまでに少し放置した方がカドが取れて優しい味わいになる場合も沢山有るので、「ちょっと好みじゃないな・・・」と、思っても良い意味での変化を楽しんでみてください(^^)

最後までお読み頂き、ありがとうございました!!


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