このウイスキーを簡単にまとめると
このウイスキーについて
「ブルージャイアントエクスプローラーラベル シークレットスペイサイド1998」は、世界的なウイスキーコレクターである山岡秀雄氏の鼻と舌で厳選したウイスキーに、漫画やアニメ、名画やアート作品などを使用してオリジナルラベルを纏わせたウイスキーを企画・販売している「WHISKY MEW(ウイスキーミュウ)」がリリースしたボトルになります。
今回レビューするボトルは、「ビッグコミック」にて連載されている「BLUE GIANT」の最新作『BLUE GIANT EXPLORER』のラベルがあしらわれた「シークレットスペイサイド1998」23年熟成のシングルモルトです。
シークレットというだけあり、蒸溜所は非公開ですが、スペイサイドの”エレガントさ”が楽しめるボトルになっているようです。
(総本数325本。700ml。熟成年数23年。アルコール度数50.6%)
物語について
ジャズの魅力に取り憑かれた主人公、宮本大(ミヤモトダイ)が、世界一のジャズプレーヤーを目指す物語が「BLUE GIANT」シリーズです。このシリーズは、現在までに3つのシリーズで構成され、仙台と東京を舞台にした「BLUE GIANT」、ヨーロッパ各地を巡る「BLUE GIANT SUPREME」、ジャズの本場アメリカの大地を舞台に物語が織りなされた「BLUE GIANT EXPLORER」があります。
ジャズとウイスキーの相性は抜群!!バーへ行くと大体のお店はジャズがかかっていますね!!
ボトルの内容について
『BLUE GIANT EXPLORERラベル シークレットスペイサイド1998』では、ウイスキー評論家・山岡秀雄が厳選した特別なウイスキーがボトリングされています。このウイスキーはスコッチの聖地として知られるスペイサイド地域のエレガントなシングルモルトです。
『シークレットスペイサイド1998』と名付けられたこのウイスキーは、シェリー樽での熟成を経て、シェリー樽特有の香りとドライフルーツの甘美な香りが奥深く広がります。さらに、麦芽の豊かな味わいもしっかりと感じ取ることができる贅沢な逸品となっており、ウイスキーとジャズの相性の良さを堪能したい方にはピッタリの仕様となっています。
エレガントで気品あふれるスペイサイドモルトの23年モノが瓶詰めされた贅沢なウイスキー!!
巧みなパッセージを多用するジャズならでの軽快さにピッタリのウイスキーですね!!
今回は、バーでのテイスティングなので周りに迷惑がかからないよう一人黙々とハーフショットを頂いたようです(笑)それではレビューをどうぞ!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- ハチミツ、ドライアプリコット、青リンゴ、杏、ナッツ、ハーヴ、バニラ
味わい
- モルティ、ドライフルーツとビターな余韻
感想
今回はバーのみなので、ストレートのみで飲んでいきます。
23年熟成ということですので期待は膨らむばかりです!注がれたウイスキーはキレイな琥珀色で、グラスの内側にまとわりつく感じが「絶対美味しい!」と思わせてくれます。
香りは、ハチミツにドライアプリコットなど熟した果実の香りと爽やかな青リンゴがあり、杏っぽいニュアンスにナッツの香ばしさ、ハーヴ、そして薄っすらとバニラ感があり、複雑で華やかな印象を受けます。
口に含むと、ややとろみを感じる口あたりでアルコール感はありません。ハチミツとドライフルーツの果実が膨らみ、茹でたピーナッツ、シェリーの淡いタンニンと続きます。そして、モルトの香ばしさとハチミツの香りが絡み、上品なビターが長く続きます。
余韻までの味わいの変化や香りはとても上品で華やかさに包まれていて、スペイサイドらしい味わいを楽しめました。蒸留所は非公開となっていますが、噂によると「バルヴェニー蒸溜所」ではないか!?といった情報もあるようです。
シェリー樽熟成らしい果実香と柔らかな味わい。ナッツの香ばしさなどが複雑に絡み合い超熟モルトならではの複雑な味わいを楽しめました!!
まとめ
「BLUE GIANT EXPLORER」ラベル シークレットスペイサイド 1998のレビューでした!!
カスクストレングス仕様でしたが、アルコールのカドは無く気品ある滑らかな味わいでした。これが23年熟成ならではのまろやかさというわけですが、スペイサイドらしいエレガントな香味も重要な要素だと思います。
熟成樽はシェリー樽を使っているようですが、シェリー樽熟成の”硫黄臭い”や”ゴムっぽい”感じは一切なく、爽やかなブドウ感と気品のある果実香が印象的で、樽から滲み出たであろうモルティな香味と合わさりなんとも気品あふれる深い味わいのモルトです。
実際に購入となると躊躇してしまう値段にはなってしまいますが、23年間の熟成による変化、23年間の時の流れを加味すれば、決して高くはないと思いました。もちろん、ラベルの原作のファンであればいっそうに美味しく召し上がれると思います。
見かけた際には、是非チェックしてみてください!!
【長期熟成モルトを飲んでみたいと思う方へ自身の経験から伝えたいこと】
いつも当サイトをご覧いただきありがとうございます。
今回は、スペイサイドの蒸溜所非公開23年熟成モルトのレビューでしたが、私自身が初めて長期熟成モルトを試した際の印象をお伝えしたく、追記させていただきます。
私は20代前半からウイスキーを楽しんでおり、今では考えられないような価格でさまざまなウイスキーを試飲してきました。その中で初めての長期熟成ウイスキーは「ポートエレン オフィシャル4thリリース」でした。当時は、アイラモルトに魅了され、「どれほど個性的か!?」、「どれだけスモーキーなのか!?」など、知識も経験もないウイスキー愛好家でした。
さて、初めての長期熟成モルトである「ポートエレン 4thリリース」を試飲した際ですが、正直なところ「えっ!?」と驚くほどあっけない印象だった事を思い出します。今振り返ってみれば、上品で優しいシェリーの香りと、スモーキーな要素が見事に調和していて素晴らしい味わいでしたが、当時の私の舌と鼻は、力強い風味にしか反応しない状態であったことを理解しています。
もちろん、アイラモルトは特有のクセが魅力の一つであり、少し挑戦的な風味を楽しめるものです。ですが、その後も長期熟成モルトを何度か試飲した際、予想していたほどのインパクトはないな、と感じることもしばしばありました。
何を言いたいのかと言いますと、「ウイスキーには熟成のピークがある」ということ、「人にはそれぞれ最も美味しいと感じる熟成年数があり、それは経験や年齢とともに変わる」ということです。
ウイスキーのピークは、樽の種類や詰められるニューメイクによって異なり、一概には言えませんが、私個人としては18年前後が最もウイスキーらしい味わいを楽しめると考えています。アルコールのカドがなくなり、ウイスキーとしての特性が保たれたまま、樽の影響を最大限に引き出し、力強さも感じられるのが18年あたりの熟成だと思います。
また、個人によって異なりますが、キックのある刺激的なウイスキーを好む年齢と、穏やかで調和の取れたウイスキーを好む年齢に分かれる傾向があります。これは個人のウイスキーへの経験や好み、また慣れなども関係するでしょう。
若い時は活力にあふれ、刺激を求める時期です。個性を探求し、満足感を見つける過程は、多くの人にとって共通するものでしょう。しかし、歳を重ねて経験を積むにつれて、より洗練され調和のとれたウイスキーに惹かれていくのだと思います。個性が強すぎるウイスキーは、心身的にも重く感じられるかもしれません。経験や年齢によって好みや受け入れられる風味は変わっていくと考えています。
つまり、背伸びをして飲んでも気づけない物がありそれは個人差によるものもあれば、経験と時間が解決していく場合もあります。
ウイスキーは嗜好品です。当サイトを通じて味や香りを追求していただいたり、メーカーが公表するテイスティングノートや他のサイトの情報を参考にすることも良いと思います。もしくは、自分自身の感覚だけを頼りにすることも一つの方法です。正解は存在しません。
ただ、確かなのは、ウイスキーの味わいと香りは体験することであり、「これを飲んだ!」という満足感を味わうことも、ウイスキーの魅力の一つだということです。興味を持ったウイスキーとの体験を大切にし、飲んで「違ったかな?」と思ってもそれは無駄ではなく、その時の味や香りを大切に記憶しておくと良いと思います。
その経験は、後々のウイスキーライフをより充実したものに変えてくれますし、思い切って飲んでみたという、行動と経験を誇れるようになると思います。(年々値上がりしていますし・・・)
長々となってしまいましたが、読者様の少しでもお役に立てるよう、駄文にて想いを綴らせて頂きました。今後もサイト運営を続けてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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