このウイスキーを簡単にまとめると
このウイスキーについて
今回ご紹介するウイスキーは、”アイラの巨人”と称されるラガヴーリン蒸溜所の「ラガヴーリン8年」をご紹介いたします。
ラガヴーリンといえば、強烈なピート香、そしてドッシリと重厚な味わいが特徴で長年ウイスキーファンを魅了してきたアイラモルト。
定番ボトルは「ラガヴーリン16年」で、以前にご紹介した記事内では蒸溜所についても詳しくご紹介しています。
今回のボトル「ラガヴーリン8年」は、蒸溜所の200周年を記念し2016年に限定発売された銘柄でしたが、あまりの好評ぶりに2018年からレギュラーラインナップへと加わりました。
「ラガヴーリン8年」の誕生については、世界初のウイスキーライターである「アルフレッド・バーナード」が蒸溜所を訪れ、8年熟成のサンプルをテイスティングした際、その味わいを絶賛したことにちなんでボトリングされたそうです。
使われている原酒は、リフィルシェリー樽やセカンドフィル以上のバーボン樽で熟成した原酒によって構成され、通常の16年に比べてフレッシュに仕上がっていると言われています。
しかし、8年というやや未熟にも感じる熟成年数ですが、アイラモルトに限っては短年熟成のほうが個性が引き立ち良いともいわれています。
つまり、より強烈な個性を感じることが出来るというわけですね!!アイラモルトファンにとっては好都合なのかもしれません!!
では、実際にストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方でレビューをしていきます!!どうぞ、最後まで御覧ください!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- カツオ出汁、プラム、レモン、イチジク、ゴム、硫黄、コールタール、ピート
味わい
- 黄色い果実、磯の風味、心地よいスモーキーな余韻
感想
まずは、ストレートから飲んでます。
香りは、フワッとカツオ節や魚介類の出汁のような風味と、レモン、プラム、イチジクなどフレッシュさを兼ね備えた感じの香りがします。また、ゴム、硫黄といったシェリー樽の要素もあり、ピートのスモーキーな香りが全体を包んでいる印象です。
口に含むと、レモン、未熟なライムなど黄色い果実のフレッシュさ、磯で感じる潮風や臭い、そしてビターテイストで心地よいスモーキーフレーバーが残る余韻へと変化します。
定番商品の「ラガヴーリン16年」とは明らかにキャラクターが違い、重厚さに欠けるものの若々しいフレッシュな印象です。抽象的な言い方をすると、アードベッグ「ウィービースティー5年」の荒くれた感じを、カリラのサッパリとした方へシフトした感じの味わいです。
筆者の友人でも「ラガヴーリン16年」は重くて好みではないという人もいますが、これならすんなりと飲めてしまうのではないでしょうか!?
通常の「16年」と比べると、とてもライトな感じです。しかし、シェリー樽原酒のもう一つの顔「サリファリー」な硫黄やゴムっぽさが、全体をエレガントに、そして危険な風合いを醸し出しています。カリらで物足りないという人にもおすすめ!!
ロックで飲んでみる
香り
- 風邪シロップ、出汁、ゴム、硫黄、灰
味わい
- ビターテイスト、余韻で灰を伴うスモーキー
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、甘い駄菓子のイチゴに薬品の様な香りが混じった”子供用風邪シロップ”と、磯香る出汁、そしてゴム、硫黄、灰を感じるスモーキーさがあります。
口に含むと、煙たいスモーキーさをまとった出汁を一瞬感じて、直ぐにギュッとしたビターが膨らみます。そのまま余韻に向けてビターが継続したまま、再びスモーキーな香りが膨らみ静かに消えていきます。
氷を入れると、ややエグ味にも感じる濃縮したビターを感じます。やはり、熟成年数が短いだけに冷やされるとストレートに若い原酒の特性が露出してしまいました。これはこれで好きな方もいらっしゃるでしょうけど、私にはビター過ぎでした・・・。
ハイボールで飲んでみる
香り
- ゴムタイヤ、いちごシロップ、灰、コールタール
味わい
- ビター、スモーキーな香り
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りは、タイヤショップで感じるまさにゴムタイヤの香り、そしてチープなイチゴシロップ、灰、コールタールと続きます。
口に含むと、乾いた感じのスモーキーな燻製香が口の中に広がり、やや強めなビターが支配します。余韻にかけて薄っすらと出汁っぽさがあり、スモーキーでビターな味わいがスッと消えます。
全体はライトなのに、どこか奥ゆかしい深みがあるのは”ラガヴーリン”ならではですね!!
ハイボールでは、タイヤと思えるくらいのゴム香が強まりましたが、飲んでいる間にどこか出汁っぽさを感じます。個性的なモルトのラガヴーリンだけに、ハイボールでもその個性は消えたりしません!!ただ・・・、アイラモルトが好きな人でないとキビシイかも・・・。
まとめ
個性的かつ重厚な味わいが特徴のラガヴーリンですが、今回の「ラガヴーリン8年」はとてもライトに仕上がっていて、カリラのようなスッキリとした味わいが特徴的です。
ストレートではやや物足りなさがありますが、ハイボールにする事で持ち前のライトな味わいが、炭酸の爽快さにマッチし、今までのラガブーリンにはなかった万能っぽさが顔を出します。
また、アイラの洗礼を受けるにはもってこいの”変態系の味わい”も兼ね備えています(笑)
どう考えても、タイヤとかコールタール、硫黄!?など飲み物として大丈夫!?といった意見がウイスキー初心者の方はあると思いますが、通常の飲み物では感じられないようなアロマが溶け込んでいる”ウイスキーの”面白み”や”奥深さ”を堪能出来るボトルだと思いました。
なかなかハードルは高めですが、ウイスキーの面白さを知るにはうってつけのボトルかもしれません。同じ原料、似たような製法、樽熟成という過程はどのウイスキーも一緒なのに、環境によって変わる味わいや個性を是非、肌で感じてみてください!!
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです。
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