こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!
今回は、通好みなモルトで知られる『バルヴェニー12年』をご紹介します。
日本のウイスキー、特にサントリーの「山崎」に魅了されている方も多いのではないでしょうか。近年のジャパニーズウイスキーブームで、手に入りにくかったり、価格が高騰したりすることも増えています。
そこで今回は、ジャパニーズウイスキーファンの方にも飲みやすいと評判の「バルヴェニー12年」をご紹介します。
ウイスキーの名産地であるスペイサイド地方にあるバルヴェニー蒸留所は、マッカランやグレンフィディックと並ぶ名門の一つ。特にバルヴェニー12年は、滑らかな口当たりが特徴で、山崎12年に似ているとの声も多く、スコッチファンに人気です。
この記事では、バルヴェニー12年の香りや味わいを詳しく解説し、さらにオススメの飲み方や山崎12年との違いにも触れながら、初心者の方でも楽しめる内容をお届けします。ぜひ参考にしてください。
バルヴェニー12年はこんなウイスキー
ウイスキー属性 | シングルモルト |
産地(エリア) | スコットランド(スペイサイド) |
蒸留所 | バルヴェニー蒸留所 |
味わい | 華やかでモルティ |
飲みやすさ | ★★★★★☆ |
おすすめの飲み方 | 何でもOK! |
個人的感想 | 山崎12年よりコチラが好み |
バルヴェニーの特徴
スコッチウイスキーの名産地の中でも「聖地」と称される場所はいくつかありますが、その代表格がスペイ川沿いに広がる地域、スペイサイドです。
スペイサイドは、マッカランやグレンリベット、グレンフィディックといった、スコッチウイスキーの中でも高い生産量と知名度を誇る蒸留所が集まる場所として知られています。その理由は、何といっても独特の味わいにあります。スペイサイド産のモルトウイスキーは華やかでエレガントな風味が特徴で、初心者から愛好家まで幅広い層に支持されているのです。
今回紹介するのは、そんなスペイサイドに位置するバルヴェニー蒸留所です。バルヴェニーは、世界最大の生産量を誇るグレンフィディック蒸留所の姉妹蒸留所でもあり、ウイスキー造りに対する職人技が至る所で感じられる名門の蒸留所です。
それでは、まずバルヴェニーの歴史やその製造プロセスについて詳しく見ていきましょう。
バルヴェニー蒸溜所の歴史と背景
創業から現在までの歩み
バルヴェニー蒸留所は、1892年にウィリアム・グラントによって設立された、長い歴史を誇る蒸留所です。現在もグラント家の所有で、設立当初からその伝統が受け継がれています。創業当時、コストを抑えるためにカーデュ蒸留所から中古の蒸留器を導入したというエピソードが知られています。
バルヴェニー蒸留所は、その後も着実に成長し、最初は2基だったポットスチルを4基に増設。さらに、1971年の大規模な改装で、合計9基にまで拡大されました。このような設備の拡充により、生産量は着実に増えていきました。
生産が拡大する中、従来のフロアモルティングではモルトの供給が追いつかなくなり、大手モルトスターからの外部調達も始めましたが、伝統的な製法へのこだわりは変わることなく守られています。
生産量で世界一を誇るグレンフィディックの同じ敷地内にバルヴェニー蒸留所はあります!
バルヴェニー城と地元の歴史
バルヴェニー蒸溜所の名前は、近隣に位置する「バルヴェニー城」に由来し、地域の歴史や伝統を反映しています。「バルヴェニー」という名は、ゲール語で「山の麓の集落」を意味し、蒸溜所がスペイサイドの豊かな自然に根ざしていることを象徴しています。バルヴェニーは伝統と風土を活かし、自然との調和を感じさせるシングルモルトを生み出しています。
他のスペイサイドにある蒸留所よりも更に丁寧に手作り感のあるシングルモルトがバルヴェニーです!
家族経営の精神と創業者の情熱
バルヴェニー蒸溜所は、創業者ウィリアム・グラントの家族経営の精神を守り続け、その独立した姿勢が高品質なシングルモルトの生産を支えています。年間500万リットル以上の生産量を誇り、スコットランドの蒸溜所の中でもトップ10に入る規模を維持しながら、家族経営の温かみと独自のアイデンティティを大切にしています。
ウィリアム・グラントの情熱は、単にウイスキーを作るだけでなく、最高のシングルモルトを生み出すことを目指していました。この情熱は、現在もバルヴェニーの製造過程に息づき、創業当時の伝統と現代の技術革新を融合させることで、常に高品質なウイスキーを提供しています。
ウィリアム・グラントの情熱を理解し、家族一丸となってウイスキー造りをしてきた歴史が今につながっています!
姉妹蒸溜所グレンフィディックとの関係
バルヴェニー蒸留所は、伝統的な製法と職人技を大切にしながら、独自のウイスキー造りを続けています。その丁寧な工程と情熱は、ウイスキー愛好家たちを魅了し続けています。ここからは、バルヴェニー蒸留所がこだわり抜いた製法の秘密に迫ってみましょう。
姉妹蒸溜所としての特別なつながり
バルヴェニー蒸溜所とグレンフィディック蒸溜所は、どちらもウィリアム・グラントによって設立され、隣接して運営されています。グレンフィディックは1887年、バルヴェニーはその5年後の1892年に誕生し、どちらもスペイサイド地方に位置しながらも異なる個性を持つシングルモルトを造り出しています。
それぞれの特徴と魅力
グレンフィディックは軽快でフルーティな風味が特徴で、世界中で幅広い支持を集める「親しみやすい味わい」として評価されています。一方、バルヴェニーはリッチで奥深い味わいを持ち、特に蜂蜜のような甘みと豊かな麦の風味が際立つウイスキーです。どちらの蒸溜所も、異なるスタイルでウイスキーの多様性を広げつつ、長い伝統を保ちながら現在も高い評価を受けています。
どちらも素晴らしいウイスキーですが、バルヴェニーの方がよりコクがありモルトの旨味が凝縮しています!
バルヴェニーの風味と職人技
職人の技術とスペイサイドの風土
バルヴェニーのウイスキーは、スペイサイド地方の恵まれた環境と職人たちの熟練の技によって、独自の風味を持つシングルモルトとして仕上げられています。特に、その象徴ともいえる蜂蜜のような甘さは、フロアモルティングを用いた伝統的な麦芽作りと厳密な品質管理によって引き出されています。このこだわりのプロセスが、ウイスキーに豊かな甘みと深みを与え、口に含むたびに層のある味わいが広がっていくのです。
バルヴェニーの味わいの変化は、スペイサイドの風景が時間とともに様々な姿を見せるかのようで、その複雑さと奥行きがウイスキー愛好家を何度も惹きつけます。風味の一つ一つがまるで異なる表情を持ち、飲むたびに新しい発見があると言っても過言ではありません。
バルヴェ二ー蒸留所こだわりの製法
バルヴェニー蒸留所は、伝統的な製法と職人技を大切にしながら、独自のウイスキー造りを続けています。その丁寧な工程と情熱は、ウイスキーファンを魅了し続けています。
ここからは、バルヴェニー蒸留所がこだわり抜いた製法の秘密に迫ってみましょう!
フロアモルティングの維持
バルヴェニーのシングルモルトウイスキーは、伝統的な製法にこだわり続けていることが大きな魅力の一つです。特に「フロアモルティング」を現代でも実施している点が特徴的です。この手法は、麦芽を発芽させる際に手作業で撹拌する工程で、手間がかかるため多くの蒸溜所が効率化のために放棄しているものです。しかし、バルヴェニーはこの伝統を守り、品質を最優先に考えています。
フロアモルティングによって生まれる風味は、バルヴェニーのウイスキーに独特の奥行きと豊かなキャラクターをもたらし、他のシングルモルトと一線を画しています。この工程は非常に重労働でありながら、熟練した職人たちの経験と技術が欠かせません。彼らの献身的な努力こそが、バルヴェニーの卓越した品質を支える基盤となっており、その風味の深みや複雑さに大きく寄与しています。
かなり過酷な重労働であるフロアモルティングですが、近年は再び行う蒸留所が出てきました。(サントリーも取り組んでいます)
独特なポットスチル
バルヴェニーの蒸溜に使用されるポットスチルは、「バルヴェニーボール」と呼ばれる独特な形状が特徴です。この特殊なデザインが、スピリッツに独自の風味を与える鍵となっています。かつては他の蒸溜所から譲り受けた中古のポットスチルを使用していましたが、現在では新たに導入された設備を使用し、バルヴェニーならではの質の高いスピリッツを生産しています。
ポットスチルの形状やサイズは、蒸溜プロセスにおいて風味に大きく影響を与えるため、バルヴェニーではその管理に細心の注意が払われています。この「バルヴェニーボール」がもたらす蒸溜の特性が、バルヴェニーのウイスキーに特有の滑らかでリッチな味わいを生み出す重要な要素となっているのです。この形状のスチルがスピリッツに与える複雑さと豊かさは、バルヴェニーの個性を際立たせる要因の一つです。
多彩な樽の使用
バルヴェニーは、樽選びにも強いこだわりを持っており、バーボン樽やシェリー樽に加え、ラム樽やワイン樽など多彩な樽を使用しています。この幅広い樽のバリエーションが、他のウイスキーにはないユニークなフレーバーを生み出す要因となっています。こうした多様な樽での熟成によって、バルヴェニーのシングルモルトは豊かな香りと深みのある味わいを持ち、多くのウイスキー愛好者を魅了しています。
特に、マスターブレンダーのデビッド・スチュワート氏が手掛けた「TUN」シリーズは、異なる樽で熟成された原酒をブレンドすることで、複雑でリッチな味わいを実現しています。この「TUN」シリーズは、バルヴェニーの多彩な風味をさらに際立たせるものであり、ブレンド技術の高さと独創性が多くのファンから高く評価されています。樽の使い分けによって生まれる独自の風味は、バルヴェニーのウイスキーを特別な存在にしています。
水源の違いによる風味の独自性
バルヴェニーのウイスキーは、独自の水源であるコンヴァル丘陵からの泉水を使用している点でも際立っています。この水源は、隣接するグレンフィディックの水源とは異なり、バルヴェニーに特有の清涼感とミネラル豊かな風味をウイスキーに与えています。水の質はウイスキーの仕上がりに直接影響する重要な要素であるため、バルヴェニーではこの水源を長年大切に保護しています。
コンヴァル丘陵の泉水を使うことで、バルヴェニーのウイスキーは爽やかさと奥行きを持ち合わせた独特の味わいが生まれ、他のブランドと一線を画すことができているのです。この水の選定と管理が、バルヴェニーのウイスキーの洗練された味わいを支える重要な要因の一つとなっています。
職人技の重視
バルヴェニーは製造工程のすべてにおいて、手作業と職人技を大切にしています。特にフロアモルティングでは、職人たちが麦芽を手作業で撹拌しながら、温度や湿度を細かく管理することで、理想的な発芽を実現しています。この徹底した管理が、麦芽の品質を高め、最終的な風味に大きく寄与しています。
さらに、発酵工程ではオレゴンパイン製とステンレス製の発酵槽を併用しており、それぞれの特性を活かして発酵を行います。オレゴンパイン製の槽は木材特有の微妙な風味をもたらし、ステンレス製の槽は安定した発酵環境を提供します。
これにより、バルヴェニーのもろみには複雑な風味が加わり、蒸溜の際にはさらに豊かなフレーバーが引き出され、バルヴェニー特有の味わいが完成します。
バルヴェニー12年
商品名 | バルヴェニー12年 ダブルウッド |
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熟成方法 | バーボン樽での熟成後、シェリー樽で追加熟成 |
特徴 | 2つの樽を使用して熟成させたシングルモルトウイスキー |
販売状況 | 限定販売、近年休売経験あり、終売の噂多数 |
参考価格 | 6,700円(税込) |
価格比較 | 同じ12年物のスコッチのシングルモルトと比較して割高 |
入手難易度 | 1万円程度の予算であれば、入手が難しくない |
プレミアム価格 | 控えめ |
バルヴェニー12年<ダブルウッド>は、まずアメリカンオークの元バーボン樽で熟成させた原酒を使用し、その後オロロソシェリー樽で9か月間後熟させるという丁寧な工程を経て作られています。
さらに、異なる樽で熟成されたウイスキーは「Tuns(タン)」と呼ばれる大きなオーク容器で3〜4か月間マリッジ(再貯蔵)され、風味が絶妙に調和していきます。
このバルヴェニー12年は、バーボン樽からのバニラやキャラメルの繊細な甘みと、シェリー樽からの深みあるリッチな果実味が融合し、バルヴェニーならではの蜂蜜のような甘さと豊かな香りを持つ複雑で奥行きのある味わいを実現しています。
山崎12年に味が似ている!?
バルヴェニーを味わうことは、一口ごとに異なる風味の層を発見するような体験であり、その変化に富んだ風味が飲むたびに新しい驚きを与えます。さらに、一部のウイスキーファンの間では、バルヴェニーの風味が入手困難なサントリーの山崎12年に似ているとされることがあります。両者ともに、深い甘さと風味のバランスが優れている点で共通しており、その点が特にウイスキーファンに高く評価される理由となっています。
入手が難しい山崎12年に味が似ているとも言われ、ジャパニーズウイスキーのファンからも”飲みやすい”といった声も聞かれます!
山崎の代替えとして”ジェネリック山崎”なんて呼ばれたりもしますが、バルヴェニーは由緒正しいスペイサイドのシングルモルト!
ウイスキーファンの間ではお馴染みの「バルヴェニー12年」
今回も3種類のの飲み方+せっかくなので山崎12年とも比べていきましょう!
バルヴェニー12年をテイスティング
バルヴェニー12年の香り
バルヴェニー12年の味わい
ストレートで飲んでみる
香り
- 洋梨、ラズベリー、オレンジピール、干し草、樽香、バニラ、石鹸
味わい
- 甘酸っぱくモルティ
感想
まずは、ストレートから飲んでみます。
香りは、洋梨や青リンゴのフレッシュな果実感に、ラズベリーなどベリー系の酸味が広がり、オレンジピールのビターなアクセントも感じられます。さらに、干し草にバニラの甘さと樽由来のウッディな香りが絡み合い、少し時間が経つと、奥から石鹸のようなフレグランスがほのかに現れます。
口に含むと、洋梨や青リンゴのフルーティーな風味が広がり、バニラやハチミツのふんわりとした甘さが顔を出します。その後、スパイシーな味わいが追いかけてきて、ハチミツと絡み合いながら、余韻はスパイスと共に甘酸っぱい果実の香りがゆっくりと消えていきます。
同じ敷地内にあるグレンフィディックと共通する青々としたフルーティーさや、クラフト感の漂う干し草の香り、そして独特な甘酸っぱい果実感がバランスよく調和しており、質の高さと「こだわり」を感じさせる一味違った味わいでした。
スペイサイドらしい柔らかさと、クラフト蒸留所ならではの手造り感が感じられる味わいです!とても美味しい!
ロックで飲んでみる
香り
- 樽香、洋梨、青リンゴ、ハチミツ、バニラ、ビターチョコ、オレンジピール
味わい
- 豊かな樽香、ビターな味わい
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、全体に広がるウッディな樽香を背景に、洋梨や青リンゴのフルーティーな香りが中心にあります。さらに、オレンジピールのアクセントが加わり、バニラやハチミツの甘い香りも感じられます。慣れてくると、ビターチョコのようなほろ苦いニュアンスも徐々に現れてきます。
口に含むと、豊かな樽香が広がり、モルトの香ばしい麦の風味がしっかりと感じられます。冷やされている影響もあって、ビターさと木の渋みが混ざり合いながら味わいが広がり、余韻もそのまま同じ風味が続き、ゆっくりと消えていきます。
氷を入れると、樽の香りがさらに全面に引き立ち、味わいはビターな傾向が強まります。それでも、良質なモルトウイスキーならではのバランスの良さがあり、ビターさが強すぎることなく、氷が溶けて薄まってもコクのあるしっかりとした味わいを楽しむことができます。
オンザロックのお手本のような味わいで、キリッと冷えていても香り高くコクのある味わいが長く楽しめました!
ハイボールで飲んでみる
香り
- 青リンゴ、オレンジピール、干し草、ハチミツ、バニラ
味わい
- モルティ&フルーティー
感想
最後にハイボールで試してみます。バーボン樽由来のモルトはハイボールとの相性が非常に良いとされており、飲む前から期待が高まります!
香りはやや弱まっていますが、青リンゴのフルーティーな香りが感じられ、干し草の素朴なニュアンスと樽のウッディな香りがバランスよく広がります。ハチミツやバニラの甘さは控えめで、ほどよく香ってきます。
口に含むと、モルトの香ばしさと樽のウッディな風味が口いっぱいに広がり、ハチミツのほのかな甘みが感じられます。モルティな香りの中を青リンゴの爽やかな果実感がゆっくりと浮かび上がり、最後には麦芽、樽、果実の3つの要素がバランスよく溶け合いながら、ビターな余韻を残してスッと消えていきます。
スペイサイドモルト特有の甘み、爽やかな果実の香り、そしてモルトや樽由来のウイスキーならではの風味が絶妙に調和し、素朴さの中にも気品を感じさせる、味わい深いハイボールに仕上がっています!
モルトの旨味がタップリと感じられ、熟成香からくる華やかさとバランスよく調和していてとても贅沢な味わいでした!
山崎12年とバルヴェニー12年を比べてみた
では、巷で噂されている「バルヴェニー12年は山崎12年に似ているのか?」という疑問を検証してみたいと思います。
まず、バルヴェニー12年ですが、レビューを通しても感じられるように、バーボン樽をベースとした基本的なアロマが中心にあり、シェリー樽による果実香が素直に反映されている印象を受けます。ウッディでフルーティーな香りが特徴的で、樽の個性がしっかりと出ています。
一方、山崎12年は多様な原酒が使用されていますが、特に印象的なのはミズナラ樽から生まれるオリエンタルな香り。香木を思わせるこのアロマは、サントリーのウイスキーらしさを象徴しており、ブラインドテイスティングでもすぐに分かる特徴となっています。
香りの比較では、バルヴェニー12年は樽香が素直で、木材のナチュラルな要素が強く感じられます。それに対して、山崎12年は華やかで甘く、よりふくよかな印象を与えます。派手さがあり、特にミズナラ樽由来の複雑な香りが際立っています。
実際に飲み比べてみると、順番によっても印象が異なります。バルヴェニー12年を先に飲んでから山崎12年を飲むと、山崎のビターさやスパイシーさが強調されます。逆に、山崎12年を先に飲んでからバルヴェニー12年を飲むと、バルヴェニーの果実感や酸味が際立ち、爽やかな印象を受けます。
両者を比較して思うのは、どちらも12年熟成のシングルモルトとして非常に完成度が高く、それぞれの熟成樽の特徴がしっかりと表現されています。似ているかどうかという点では、ウッディさや熟成感の面で共通点が感じられるものの、味わいや香りの個性は大きく異なります。
バルヴェニー12年は、素直で心地よい木の香りと優しい果実味が特徴で、穏やかさの中にも深みがあります。一方、山崎12年は複雑さと華やかさが際立ち、特にミズナラ樽由来のアロマが他のシングルモルトにはない独特の個性を引き出しています。それぞれが持つ異なる魅力を感じながら、どちらも一流のシングルモルトとして楽しむことができます。
両者を比べた総評
両者を飲み比べてみた結果、どちらも12年熟成のシングルモルトとして素晴らしいウイスキーであることは間違いありません。ただし、価格の面で考えると、山崎12年はその高額さがややネックに感じます。
確かにミズナラ樽の独特なアロマは他に代えがたい魅力があり、一度は味わってみる価値がありますが、個人的には山崎12年の甘さが少し強すぎる印象を受けました。
一方で、バルヴェニー12年は、価格と味わいのバランスが非常に優れており、そのコストパフォーマンスの良さが際立ちます。素直な樽香と果実味の調和が絶妙で、日常的に楽しむウイスキーとしても最適です。
総合的に見ると、個人の好みによりますが、私にとってはバルヴェニー12年の方がコスパが良く、満足度の高い選択肢だと感じました。
まとめ
バルヴェニー12年は、スペイサイドのウイスキーらしい優雅さと深みが絶妙に調和した一杯です。フルーティーな香りとバニラの甘さ、そして樽由来のウッディな要素がバランスよく絡み合い、どの飲み方でもその魅力がしっかりと感じられます。
ストレートでは果実感とスパイスが豊かに広がり、オンザロックではビターさが引き立ち、ハイボールでは爽やかな果実の香りが際立ちます。
価格と品質のバランスも優れており、日常的に楽しむにも特別なシーンにも適したウイスキーです。山崎12年と比べても、それぞれに異なる魅力があり、ウイスキーファンにとってはどちらも楽しむ価値がありますが、バルヴェニー12年は特にコストパフォーマンスの面で優れた選択肢といえるでしょう。
バルヴェニーの一杯は、その歴史と伝統が生んだリッチな味わいをじっくり堪能できるウイスキーです。気になる方は是非、お試し下さい!
最後までお読み頂きありがとうございました。
バルヴェニーのラインナップ
バルヴェニーには、様々な年数や異なる樽の影響を受けたバリエーション豊かなラインナップがあります。以下は代表的なボトルです。
バルヴェニー12年 ダブルウッド
バーボン樽とシェリー樽の二種類の樽で熟成されたスタンダードなボトルです。バーボン樽からくるフレッシュな果実味とシェリー樽由来のリッチな甘さがバランス良く調和しており、初心者から通まで楽しめる一本です。12年の熟成期間により、滑らかで飲みやすく、それでいて十分に複雑な風味を持つこのウイスキーは、バルヴェニーの真髄を味わうのに最適です。
今回のレビューボトルです!
バルヴェニー14年 カリビアンカスク
バーボン樽で熟成された後、さらにカリビアンラムの樽で追熟されたボトルで、トロピカルフルーツのような甘さとラム由来のスパイシーさが特徴です。南国の香りを感じさせる独特のフレーバーが人気です。このウイスキーは、ラム樽での追熟によって甘さとスパイスの絶妙なバランスが生まれ、特に夏の夜に楽しむのにぴったりです。ラムの影響が強く出たトロピカルな香りと味わいは、他のバルヴェニーにはない軽やかさと楽しさを持っています。
バルヴェニー17年 ダブルウッド
12年ダブルウッドと同じ手法で熟成されますが、長期熟成により、さらに厚みのある味わいとスパイシーな風味が際立ちます。複雑さが増した味わいが特徴で、熟成による深みを堪能できる一本です。17年の熟成によって、ウイスキーに深いオークの風味が加わり、特に食後のリラックスしたひとときに最適です。長い熟成により、ドライフルーツやキャラメル、シナモンのニュアンスが現れ、より大人の味わいとなっています。
バルヴェニー21年 ポートウッド
長期熟成された原酒をポートワイン樽でフィニッシュすることで、バルヴェニーの中でも特にリッチで複雑な味わいを楽しめる一本です。ポートワイン樽由来のフルーティーさと甘みが、長い余韻とともに口の中に広がります。このウイスキーは、贅沢な食事の締めくくりにぴったりであり、その深みのある甘さとフルーティーな香りが、特別な瞬間を彩ります。21年という長い時間を経て熟成されたこのウイスキーは、まさにバルヴェニーの集大成とも言える存在であり、その贅沢な風味は一度味わえば忘れられないものとなるでしょう。
テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!
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