

こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!

今回は、「山崎 Story of the Distillery 2024 EDITION 」の解説&レビューを行っていきます!
日本で最初のウイスキー蒸留所として1923年に創業した山崎蒸留所。サントリーの創業者・鳥井信治郎氏が「日本人の繊細な味覚に合う本格ウイスキーを造る」という使命のもと建設したこの蒸留所は、日本ウイスキーの源流として100年以上の歴史を持ちます。
このボトルの最大の特徴は、山崎蒸留所の歴史と伝統を表現するために厳選された複数の原酒をヴァッティング(ブレンド)している点にあります。山崎の特徴である多様な蒸留器と樽を組み合わせることで生まれる複雑な風味を、一本のボトルに凝縮しています。
この記事では、日本ウイスキーの発祥の地を物語る「山崎 Story of the Distillery 2024」について詳しくご紹介します。
山崎 Story of the Distillery 2024 EDITION の基本情報と特徴

京都府の天王山と大阪府の境界付近、豊かな自然と良質な水に恵まれた地に位置する山崎蒸留所は、日本初のウイスキー蒸留所として1923年に創業しました。鳥井信治郎氏が日本人の味覚に合うウイスキーを目指して作った山崎は、現在、世界的に認められるジャパニーズウイスキーのトップブランドです。
シングルモルト山崎ストーリーオブディスティラリーは、この歴史ある蒸留所の多彩な原酒の個性を一本のボトルに凝縮した特別なエディションとなっています。
山崎 Story of the Distillery 2024 EDITION の詳細
| カテゴリー | 日本シングルモルトウイスキー |
| 産地 | 日本・京都府 |
| 蒸留所 | 山崎蒸留所 |
| アルコール分 | 43% |
| 内容量 | 700ml |
| 価格帯 | 16,500円(税込) |
| 発売日 | 2024年5月28日 |
| 飲みやすさ | ★★★★★★☆ |
| 味わいの特徴 | フルーティでエレガント、ミズナラのオリエンタルスパイスが調和 |
| おすすめの飲み方 | ストレート、ロック、ハイボール |

「ストーリーオブディスティラリー」という名称は、山崎蒸留所の歴史と多様性を物語として一本のボトルに表現することを意味しています。

複数の異なる蒸留器と様々な樽を組み合わせることで生まれる山崎の多彩な原酒の個性を堪能できるのが特徴です。
山崎蒸留所の歴史と日本ウイスキーの物語


山崎Story of the Distilleryをより深く理解するために、山崎蒸留所の歴史と日本ウイスキーの発展の物語を知っておきましょう。

創業から現代に至るまで、日本初のモルトウイスキー蒸留所として歩んできた山崎蒸留所の歴史をご紹介します!
蒸留所の誕生と歩み

サントリー山崎蒸溜所は、ウイスキー造りに最適な自然環境に恵まれた地として選ばれました。特に、桂川、宇治川、木津川の三つの川が合流する地点は霧が発生しやすく湿潤な気候であり、これがウイスキーの熟成に良い影響をもたらします。
また、良質な水も重要な要素であり、名水百選にも選ばれている「離宮の水」(天王山水系の別名)は、かの有名な茶人、千利休も愛したと伝えられています。
この地で、1923年(大正12年)、サントリーの創業者である鳥井信治郎氏によって、日本初のモルトウイスキー蒸留所として山崎蒸留所が設立されました。本格的なウイスキー造りは、スコットランドでウイスキー製造を学んだニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝氏を初代工場長に迎え始まったのです。
1929年(昭和4年)には、日本人による本格的なウイスキー製造の第一歩となる「サントリーウイスキー白札」が発売されました。そして、それから約60年後の1984年、ついに本格的なシングルモルトウイスキー「山崎」が誕生したのです。
革新と世界的評価

1989年に登場した「山崎」は、日本のシングルモルトウイスキーとして広く認知されるきっかけとなりました。その後、2003年に「山崎12年」がISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で金賞を受賞し、世界的な評価の基盤を築きます。
2013年には「山崎25年」がWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)で「世界最高のシングルモルト」を受賞。そして2015年、「山崎シェリーカスク 2013」が世界最高権威の酒評価誌「ジム・マレー’s・ウイスキー・バイブル」で「世界最高のウイスキー」に選ばれ、世界中で日本ウイスキーブームが巻き起こる契機となりました。
山崎蒸溜所は2023年に創業100周年を迎え、その記念すべき年に、特別なリリースとして「山崎リミテッドエディション2023」が発売されました。さらに、レギュラーラインナップも100周年記念ラベルで彩られました。
そして、次の100年に向けた新たな物語を紡ぐ第一弾として「ストーリーオブディスティラリー」シリーズは、山崎蒸溜所の歴史と技術の粋を集めた特別なボトルとして、その価値を高めています。

山崎蒸留所の特徴は、その多様性にあります。異なる形状の蒸留器と多様な樽を組み合わせることで、単一の蒸留所でありながら様々な風味の原酒を生み出すことが可能になっています。
山崎蒸留所は日本的技法と西洋伝統の融合した製造方法

水源は千利休も愛した名水

山崎蒸留所で使用される水は、天王山の伏流水です。この水は、古くから「茶の湯」の水として名高く、ミネラル分が適度に含まれ、軟水でありながらも、ウイスキー造りに必要な硬度を持っています。
原料の大麦は、主にスコットランド産の二条大麦が使用されています。山崎のウイスキーはノンピーテッド(ピート香のない)タイプが基本ですが、一部の特別な原酒ではピーテッドモルトも使用されています。
スペーシー雰囲気を持つ糖化槽(仕込み)

山崎蒸留所では、輸入された麦芽を使用しています。製麦工程は蒸留所内では行われていませんが、品質管理は厳密に行われ、一回の仕込み工程では、4~16トンもの麦芽が使用されています。
山崎蒸留所独自の酵母を使った発酵

発酵には山崎蒸留所独自のディスティラリー酵母とブリュワーズ酵母が使用され、温度管理を厳密に行いながら、65~75時間という比較的短い発酵時間で行われます。これにより、フルーティーかつクリーンな香味特性のウォッシュ(もろみ)が作られます。
形状の異なったを蒸留器を使い分ける

2013年には4基のスチルが新たに導入され、現在、山崎蒸溜所では初留釜と再留釜がそれぞれ8基ずつ、計16基が稼働しています。スチルの形状はストレート型とバルジ型が混在しており、加熱方式もガス直火とスチームコイルによる間接加熱が用いられています。また、熟成には多種多様な樽が使用され、実に多くの原酒が丁寧に造り分けられています。
これらの形状が異なる蒸留器によって、それぞれ個性豊かな風味を持つ原酒が生まれるのです。例えば、ストレートヘッド型からは、軽快でフルーティーな原酒が、一方、バルジ型からは、より重厚で芳醇な原酒が得られると言われています。
最適な環境下で進む熟成

山崎蒸溜所では、日本ならではの四季の変化に富んだ気候を活かした熟成庫で、多種多様な樽を用いて原酒が育まれます。熟成に使用される主な樽は以下の通りです。
- ミズナラ樽: 日本固有のオーク樽であり、独特のオリエンタルスパイス感と甘い香りを原酒に与えます。
- スパニッシュオーク(シェリー)樽: 重厚で複雑な風味と、深みのある色合いをもたらします。
- アメリカンホワイトオーク樽: バニラやココナッツのような甘く心地よい香りを付与します。
- ワイン樽: 赤ワイン樽やポート樽などが使用され、フルーティーな風味を原酒にもたらします。
山崎蒸溜所の熟成庫は、四季の変化が明確な日本の気候を最大限に活かした設計となっています。湿度や温度の大きな変化が、短期間での効率的な熟成と、他に類を見ない独特の風味形成に貢献しています。
熟成庫は、ダンネージ式とラック式のものが蒸溜所内に4棟ありますが、多くの原酒は滋賀県近江市に位置する広大なエージングセラーで貯蔵されています。
また、サントリーウイスキーが100周年を迎えた2023年には、ウイスキー造りの原点であるフロアモルティング施設の新設と、より革新的なウイスキー造りを目指したパイロット蒸溜所の改修が実施されました。日本の風土と多様な樽の個性が織りなすことで、山崎蒸溜所ならではの深く豊かな味わいが生まれるのです。
山崎蒸留所の特徴的な味わいは、複数の蒸留器と樽の組み合わせによる「多様性の調和」にあります。フルーティな香りとハチミツのような甘み、ミズナラ樽由来の独特のスパイス感が絶妙に調和した「山崎スタイル」は、日本的な繊細さとスコットランドの伝統が融合した唯一無二の味わいと言えるでしょう。
山崎の物語を表現するブレンド哲学「Story of the Distillery」

「ストーリーオブディスティラリー」(SOD)は、山崎蒸留所の100年近い歴史と多彩な製造工程から生まれる個性豊かな原酒を一本のボトルに物語として表現した製品です。2024年5月28日発売のこのエディションは、従来の限定品とは異なる新たなアプローチを採用しています。
これまでの「リミテッドエディション」(2021〜2023年)がミズナラ新樽で12年以上熟成した原酒を主体としていたのに対し、SODはミズナラやシェリー樽原酒など山崎らしい多様なモルト原酒をバランス良くブレンド。価格は税込16,500円と、山崎12年と同じ価格帯に設定されています。
日本のウイスキーづくりはスコットランドの伝統を基盤としながらも、日本の風土や文化に合わせて独自の進化を遂げてきました。山崎蒸留所は多様な蒸留器と樽を駆使し、様々な個性のモルト原酒を生み出すことが強み。SODはこれらの多彩な原酒を巧みに組み合わせ、山崎蒸留所の全体像を一本で体験できる魅力的な一品です。
使用されている原酒と樽の種類

シングルモルト山崎ストーリーオブディスティラリーには、異なる蒸留器で蒸留された原酒が使用されています。また、複数の樽種で熟成された原酒がブレンドされています。
- ミズナラ樽熟成原酒 – 日本固有のオーク材で、サンダルウッドのようなオリエンタルなスパイシーさと独特の甘さを与える
- スパニッシュオーク(シェリー)樽熟成原酒 – 深みのある果実感と複雑さをもたらす
- アメリカンホワイトオーク樽熟成原酒 – バニラやココナッツの甘い風味をベースとして提供
これらの異なる原酒が、チーフブレンダーである福與伸二氏の指揮のもと、絶妙なバランスでブレンドされています。詳細な配合比率や使用された原酒の熟成年数は公表されていませんが、若い原酒から長期熟成された原酒まで、様々な年代のものが使用されていると考えられています。
ブレンド哲学とその表現

サントリーのブレンド哲学は「響き合う」というコンセプトに基づいています。これは単に原酒を混ぜるのではなく、それぞれの個性が互いを引き立て、全体として調和のとれた新たな価値を創造するという考え方です。
「ストーリーオブディスティラリー」においては、山崎蒸留所が生み出す様々な原酒の個性を、一つの物語として表現することを目指しています。フルーティーさ、甘さ、スパイシーさ、深み、複雑さなど、山崎の持つ多様な魅力を余すところなく伝えることが、このボトルの使命と言えるでしょう。
また、パッケージデザインにも山崎蒸留所の物語が表現されています。ボトルには山崎蒸留所の風景が描かれ、蒸留器のシルエットをモチーフにしたデザイン要素が取り入れられています。これにより、見た目からも山崎の歴史と伝統を感じ取ることができるようになっています。

日本のウイスキーづくりの特徴的な哲学のひとつに「和魂洋才」があります。西洋の技術(洋才)を、日本の精神性や感性(和魂)で昇華させるという考え方です。

「ストーリーオブディスティラリー」は、まさにこの哲学を体現した製品と言えるでしょう。スコットランドの伝統的な製法を基盤としながらも、日本の四季や水、そして繊細な感覚を活かした独自のウイスキーに仕上げられています。

では、実際に「山崎Story of the Distillery 2024」の味と香りをみていきましょう!
山崎Story of the Distillery 2024をテイスティング

山崎SODの香り
山崎SODの味わい
和の要素がしっかり感じられるストレート

香り
桃、ラムレーズン、ハチミツ、スモモ、もなか、ベリー、ミズナラ樽のベース
味わい
桃の甘味、スパイシーで複雑な余韻
感想
ストレートで口に含むと、桃のジューシーさにラムレーズンの豊潤な熟成感が加わった香りが広がります。華やかなハチミツの香りにスモモの酸味、最中を思わせる砂糖のニュアンスが重なり、複雑な香りのハーモニーを奏でています。
味わいは、イチゴやベリーの赤いフルーツが前面に出てきて、全体にミズナラ樽の香木のような香りが漂うのが特徴的です。フルーツジャムやあんこのような砂糖の甘さが広がり、熟した果実の酸味が出てくるのが印象的です。
さらに、スパイシーさが出てきて、小豆の皮のような渋み、かすかにスモーキーな風味が加わります。余韻は複雑で、スパイシーさの中に砂糖の甘み、甘納豆のニュアンスが残る、変化に富んだ味わいです。

山崎NAのようなベリー系要素もありますが、和菓子を思わせる甘さが”和”を感じさせてくれ、とても奥ゆかしい味わいがしました。
ジューシーな果実香が楽しめるロック

香り
桃、ハチミツ、ベリー、もなか、香木
味わい
スパイシーでビターが際立つ
感想
オンザロックにすると、熟成感よりもフレッシュでジューシーな印象に変わります。白桃や桃缶のようなフルーティーで甘い香りに、華やかなハチミツのニュアンスが加わり、より軽快な印象を受けます。
赤いフルーツ(ベリー)の酸味にもなかなどの和菓子の要素、ミズナラ特有の香木っぽいオリエンタルな香りが立ち、ストレートとは異なる香り立ちが楽しめます。
味わいは、フルーティーな桃の香りが広がる一方で、スパイシーさが奥から出てくるのが特徴的です。シナモンなどのスパイスに混じってビターが膨らみ、シトラスの爽やかな酸味、ビターさが目立つも複雑な香味がある味わいです。

ロックにするとスッキリとしたビターが下支えしてくれて、甘みは減りますがとても飲みやすく、フルーティーさが際立ちます!
ラグジュアリーで和のテイストが香るハイボール

香り
桃、ラムレーズン、ハチミツ、ベリー、香木
味わい
サントリーらしいミズナラの余韻、熟した果実のフルーティーさ
感想
ハイボールにすると、白桃を思わせるフルーティーさと熟した果実の複雑な果実香が広がります。華やかなハチミツとラムレーズンのエレガントな香りにベリーの甘酸っぱさがあるのが特徴的です。
サントリーらしい、ミズナラ樽の香木を思わせるエキゾチックな香りが立ち、白桃のジューシーな香りにオリエンタルな香木のニュアンスが広がります。
味わいは、樽の渋みをやや感じつつも、フルーティーな白桃と複雑に絡み合うのが特徴的です。ミズナラの複雑でオリエンタルな余韻がゆっくりと消えていくのが印象的。3種類の飲み方の中では最もラグジュアリーな印象を受けます。

芳醇な白桃とミズナラ樽由来のオリエンタルな香りが複雑に絡み合いとてもラグジュアリーな気分になるハイボールです!
まとめ
山崎蒸留所の約100年にわたる歴史と技術を一本に凝縮した「ストーリーオブディスティラリー」は、日本ウイスキーの源流が紡ぐ珠玉の一品です。形状の異なった複数の個性豊かな蒸留器と多彩な樽で育まれた原酒を巧みにブレンドし、山崎の多様な表情を見事に表現しています。
熟したフルーツの香りと花蜜の優雅さ、ミズナラ樽由来の東洋的なスパイス感が織りなすハーモニーは、日本の繊細な感性とスコットランドの伝統技術が融合した証と言えるでしょう。43%というアルコール度数は複雑な風味を引き立てながらも飲みやすさを保ち、ストレート、ロック、ハイボールと様々な楽しみ方ができます。
山崎蒸留所の景観を描いた美しいパッケージは贈答品としても最適。熟成年数よりも「蒸留所の物語」という明確なコンセプトを大切にしたこの一本は、初心者からエキスパートまで幅広いウイスキーファンを魅了します。バランスと飲みやすさを重視しながらも複雑さを併せ持つ味わいは、日本ウイスキーの歴史と文化に興味を持つ方々に特別な満足感をもたらすことでしょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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