

こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!

今回は、花と動物シリーズから「ブレアソール12年」の解説&レビューを行っていきます!
「シングルモルトに興味はあるけれど、どれを選んでいいかわからない」「有名蒸留所以外の隠れた名品を探している」と思っている方におすすめしたいのが、このブレアソール12年です!
ハイランド地方で生まれたこのウイスキーは、伝説的な「花と動物シリーズ」の一員として、1991年にスコッチウイスキー界に革命をもたらした歴史的な一本です。「工業的なブレンド原酒」という認識を覆し、「蒸留所の個性を味わう喜び」を世界中のウイスキーファンに教えてくれた先駆者なのです。
今回は、1798年の創業以来、225年以上にわたってハイランドの大地で熟成を重ねるブレアソールについて、その驚くべき背景から実際のテイスティングをとおして味わいを詳しくご紹介していきます!
ブレアソール12年の基本情報とスペック
| カテゴリー | シングルモルトスコッチウイスキースコッチ |
| 産地 | スコットランド・ハイランド |
| 蒸留所 | ブレアソール蒸留所 |
| アルコール分 | 43% |
| 内容量 | 700ml |
| 価格帯 | 9,000〜11,000円 |
| 飲みやすさ | |
| 味わいの特徴 | 12年以上のエステリーな風味 |
| おすすめの飲み方 | ストレートやロック |
ブレアソール12年は、ウイスキー愛好家の間で高く評価されているスコッチウイスキーです。「花と動物シリーズ」の一つとして知られており、このシリーズの誕生と、225年にわたる蒸留技術がブレアソール12年の特別な評価につながっています。
この「花と動物シリーズ」は、1991年にウイスキー界に大きな影響を与えました。その誕生秘話から、ブレアソール12年がなぜこれほどまでに特別な一本として語り継がれるのか、その理由を探っていきましょう。
「花と動物シリーズ」とブレアソールの歴史

スコッチ史上最重要シリーズの誕生
ブレアソール12年の物語を語る上で欠かせないのが、1991年にディアジオ社(当時ユナイテッド・ディスティラーズ社)によって発表された伝説の「花と動物シリーズ」です。このシリーズは、それまでブレンデッドウイスキーの原酒供給に徹していた「縁の下の力持ち」的な蒸留所から、初めて公式シングルモルトをリリースするという画期的な試みでした。
これらの蒸留所は、ジョニーウォーカーやベルといった世界的ブレンドの生命線でありながら、その個性的な味わいがシングルモルトとして世に出ることは極めて稀でした。そのため、このシリーズは発表と同時に「希少なシングルモルトの宝庫」として世界中のウイスキー愛好家から熱狂的に迎え入れられたのです。

「花と動物(Flora & Fauna)」という名称は、実は故マイケル・ジャクソン氏という伝説的なウイスキー評論家が名付けたニックネームなんです!
カワウソのラベルに込められた意味

ブレアソール12年のラベルに描かれた愛らしいカワウソは、単なるデザインではありません。これは蒸留所の水源である「アルト・ドゥーア」(ゲール語で「カワウソの小川」の意)への直接的なオマージュです。この清らかな小川がベン・ヴラッキー山の斜面から流れ出し、ブレアソールの味わいの礎となっているのです。
各蒸留所のラベルには、その土地にゆかりのある動物や植物がモチーフとして描かれており、これが強力で収集欲をそそるアイデンティティを確立しました。ブレアソールのカワウソは、まさにハイランドの自然と蒸留所の一体感を象徴する美しいデザインなのです。
ブレアソール蒸留所の深い歴史

ブレアソール蒸留所の歴史は、1798年にパースシャーの美しい町ピトロッホリーで始まりました。スコットランドで最も古い合法的な蒸留所の一つとして、その最初の名前は水源にちなんだ「アルドー」でした。現在の「ブレアソール」という名前に改名されたのは、1825年から1826年にかけてのことです。

ちなみに「ブレアソール」と呼ばれていますが、スペルは「BLAIR ATHOL」なので、正確には「ブレア・アソール」が正しい発音なんです!

でも、日本では「ブレアソール」で親しまれていますね!
蒸留所の運命を決定づけたのは、1933年のアーサー・ベル&サンズ社による買収でした。興味深いことに、ブレアソールの原酒は1896年の時点で既にベル社のブレンドの重要な構成要素となっており、この買収によって原酒の安定供給ラインが確固たるものとなりました。

225年以上の歴史を持つブレアソールは、まさにスコッチウイスキーの生きた歴史なんですね。
ハイランドの「姿なき巨人」
今日に至るまで、ブレアソールの生産量の実に95%から99%という大部分が、主にベル、そしてジョニーウォーカーといったブレンド用に出荷され続けています。年間250万から280万リットルという相当な生産能力を誇る大規模な生産拠点でありながら、一般消費者には「姿なき巨人」として存在していたのです。
だからこそ、「花と動物シリーズ」でのシングルモルトリリースは、この隠れた巨人の真の個性を初めて世界に示す、歴史的瞬間だったのです。
ブレアソール蒸留所の製造工程と技術を詳細解説

カワウソの小川から生まれる清らかな水
ブレアソール蒸留所は、ベン・ヴラッキー山の斜面から流れ出る「アルト・ドゥーア(カワウソの小川)」から仕込み水を得ています。この水は、その清らかさで知られ、ブレアソールの味わいの根幹を成しています。
山の恵みを受けたこの水は、ミネラル分が適度にバランスされており、発酵や蒸留の各工程で理想的な役割を果たしています。
革新的な短時間発酵技術

ブレアソールでは、6基のステンレス製ウォッシュバック(発酵槽)で、スコットランドの蒸留所の中でも特に短い、わずか46時間という発酵時間を採用しています。この短時間発酵は、最終的なスピリッツに特徴的なナッティ(ナッツ様)でシリアル(穀物様)な香りを生み出すことが知られており、これがブレアソールの個性の核となっています。
この技術的選択は偶然ではありません。ベルのブレンドの「心臓部」となるための、一貫性があり、モルティで力強い「核」となるモルトを造り出すための意図的な設計なのです。
洋梨型ポットスチルの秘密

蒸留所は、2対、合計4基の大きな洋梨型ポットスチルを使用しています。これらのスチルには、還流を促すためのリフラックスボウルやくびれがなく、スピリッツと銅の接触が比較的少なくなる設計です。
この設計により、より重く、力強く、ボリューム感のあるスピリッツが生まれます。これはしばしば「荒々しいハイランドの個性」と表現され、ベルのようなブレンドにしっかりとした骨格を与えるのに理想的な性質です。

この力強いスピリッツこそが、シェリー樽との絶妙なマリアージュを生み出す秘密なんです!
二つの熟成の道〜樽戦略の物語

ブレアソールで生み出されたスピリッツは、その最終的な用途に応じて、明確に異なる二つの熟成の道を辿ります。
ブレンド用のバーボン樽熟成
生産されるスピリッツの大部分、つまりベルのブレンド用となる原酒は、主にバーボン樽で熟成されます。これにより、ブレンドのプロファイルに求められる、甘く、バニラの効いた、モルティな基盤が提供されます。
シングルモルト用のシェリー樽熟成
対照的に、生産量の5%にも満たない、シングルモルトとして瓶詰めされるごく僅かなスピリッツ、すなわち「花と動物シリーズ」の12年は、主にシェリー樽で熟成されるという、意図的かつ決定的な差別化が図られています。

この樽の使い分けが、公式ボトリングを特徴づける、リッチで甘く、スパイシーでフルーティーな個性を授けるんですね。

バーボン樽熟成のブレアソールも少量ですがボトラーズからリリースされています!

では、花と動物シリーズから「ブレアソール12年」をストレート、ロック、ハイボールの3種類で味と香りをみていきましょう!
テイスティング(実際に飲んでみた)

ブレアソール12年のフレーバー
ブレアソール12年の味わい
エステリーさが際立つストレート

香り
洋梨、マスカット、リンゴ、黄桃、ハチミツ、紅茶、オーク
味わい
フルーティー、焦がしたオーク香
感想
グラスに注ぐと、まず洋梨やマスカットのような青いフルーティーな香りが広がり、黄桃のジューシーな果実香が続きます。華やかで甘いハチミツの香りに、深みのある紅茶のニュアンスが混じり合い、軽やかで奥深いオークのウッディな香りが全体を包み込みます。
口に含むと、黄桃のジューシーさと洋梨のフレッシュさが混じったフルーティーな甘さが口いっぱいに広がります。ハチミツの甘さと香りが溶け合い、フルーティーでありながらも非常にエステリーな味わいです。余韻は果実感を追いかけるようなスパイシーさがゆっくりと消えていきます。全体的に甘くフルーティーでありながら、オークの香ばしさと紅茶のニュアンスが奥行きを与えています。

とてもフルーティーで長熟モルトのようなエステリーな香りがします!しかし、飲んでみると意外とスッキリとしていてエステリーな余韻が長く続きます!
ビターとエステリーさがたまらないロック

香り
黄桃、リンゴ、石鹸、ハチミツ、紅茶、オーク
味わい
ビター、エステリーな余韻
感想
オンザロックにすると、黄桃とリンゴのフルーティーな香りが主体になり、加水が進むにつれて変化します。氷が溶けてくると石鹸を思わせる香りが強まり、シャボン玉のような泡立ちが感じられます。かすかなハチミツの甘さと紅茶のニュアンス、そしてオーキーな香りも感じられます。
口に含むと、黄桃やリンゴのフルーティーな甘さと石鹸の香りが口の中に広がり、途中からビターが顔を出し、エステリーな香りが膨らみます。複雑ながらもすっきりとした味わいです。余韻はビターとエステリーさが混じり合い、舌の上にビターな感覚が長く残ります。

氷が溶けて加水が進むと石鹸を思わせる香りが前面に出てきます!慣れてない方が嗅ぐとすすぎが出来てない!と、思うかもしれません(笑)
ハイボールで飲んでみる

香り
石鹸、オーク、ハチミツ、黄桃、リンゴ
味わい
華やかでミネラルを感じる余韻
感想
ハイボールにすると、石鹸を思わせる香りが前面に出てきて、オークのウッディさが散りばめられています。ハチミツの甘さがかすかにあり、所々にエステリーなニュアンスが感じられます。黄桃やリンゴのフルーティーな香りが弱まって、香りの端に感じられる程度になります。
口に含むと、石鹸の香りと黄桃を思わせるエステリーさが混じり合い、口の中に広がります。砂糖を思わせる甘さを感じると共に、ミネラルのニュアンスが顔を出します。甘さとミネラルは余韻まで続き、かすかにエステリーな香りが残ります。全体的にすっきりとして飲みやすいハイボールです。

独特のミネラル感と石鹸の香りが華やか!スッキリとした後味で飲みやすいですが、食中酒としては合わせるのが難しそう・・・。
まとめ
今回は、ハイランド地方が誇る隠れた名酒「ブレアソール12年」を深掘りしました。1798年創業という225年以上の歴史を持つこの蒸留所は、伝説的な「花と動物シリーズ」の一員として、スコッチウイスキー界に大きな変革をもたらしました。
ブレンド用原酒という役割を越え、シングルモルトとしての個性を世界に知らしめたブレアソール。その魅力は、蒸留所の水源である「カワウソの小川(アルト・ドゥーア)」から得られる清らかな仕込み水、特徴的な短時間発酵技術、そして主にシェリー樽で丁寧に熟成されることによって生まれる力強いスピリッツにあります。
ブレアソール12年は、その複雑な個性から人によって評価が分かれることもある一本ですが、だからこそ、ウイスキーの奥深さを知るには格好のボトルと言えるでしょう。有名蒸留所以外の隠れた名品を探している方や、シングルモルトの多様な世界に触れたい方に、ぜひ一度お試しいただきたいウイスキーです。
是非、この「姿なき巨人」の真の魅力に触れてみて下さい!

最後までお読み頂きありがとうございました。

テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!





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