グランツトリプルウッドを簡単にまとめると
このウイスキーについて
スーパーでも見かけるブレンデッドウイスキー「グランツトリプルウッド」!!
今回は、グランツトリプルウッドのレビューをお送りいたします!!
グランツとは
グランツとは、「ウィリアム・グラント&サンズ社」が販売するウイスキーのブランドです。
「ウィリアム・グラント&サンズ社」は1887年にウィリアム・グラントにより創設されました。
同社は世界で最も売れているシングルモルト「グレンフィディック」のオーナーであり、他にもハンドクラウトの蒸溜所「バルヴェニー」のオーナーでもあります。
名だたる蒸溜所のオーナーというだけでなく、近年は大人気のブレンデッドモルト「モンキーショルダー」や「ヘンドリックスジン」の販売も手掛けています。
その中でも、ブレンデッドウイスキーにおいて世界第3位の売上を誇るのが今回、レビューする「グランツ」です!!
グランツの特徴的な三角形のボトルデザインは、ウイスキー造りに欠かせない3つの要素を表しています。
一つは「火」、これは当時石炭直火蒸溜によってウイスキーは蒸留されていました。
2つ目は「水」、お酒造りに欠かせない良質な水を表しています。
最後の3つ目は「土」、これは原料となる大麦とピートの事を指します。
3つの要素をボトルデザインに盛り込んだ「グランツ」、このデザインはシングルモルトの「グレンフィディック」にも採用されているんですよ!!
グランツトリプルウッドの製法
グランツはモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして出来る「ブレンデッドウイスキー」!!
ブレンドされる原酒は何種類にも及びますが、主に「ウィリアム・グラント&サンズ社」が所有する蒸溜所「グレンフィディック」、「バルヴェニー」、「キンヴィ」、「アイルサベイ」の4つの原酒をキーモルトに使用しています。
キーモルトとは、ブレンデッドウイスキーを造るうえで、味の要となる重要なモルト原酒の事を指します!!
この4つのキーモルトを主軸に、25種類のハイランドモルト、そしてエアシャー蒸溜所で造られるグレーン原酒をブレンドします。
次に、ボトルネームにもなっている「トリプルウッド」ついてですが、これは熟成に使われている樽が3種類という意味です!!
1つはファーストフィルのバーボンバレル(一度バーボンの熟成に使った空き樽で熟成をかけた樽)で、濃厚でスムースなまろやかさを原酒に加えます。
次に、新樽のアメリカンオーク樽。この樽で熟成したウイスキーにはスパイシーな風味が加えられます。
最後は、リフィルのアメリカンオーク樽。この樽は、一度ウイスキーの熟成に使われた樽でウイスキーが仕込まれるのは2回目の樽です。特徴はバニラの風味と口当たりを滑らかにしてくれます。
3種類の樽と豊富な原酒によって、「グランツ トリプルウッド」のスムースで滑らかな味わいが出来上がります。
世界売上第3位を誇る「グランツ」の味わいを、ストレート、ロック、ハイボールの3種類でレビュー致します!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- リンゴ、ハチミツ、未熟の果実、白ワイン、焙煎したコーヒー豆
味わい
- 果実香が香りスムースでライト
感想
まずはストレートから飲んでみます。
香りはハチミツをかけたリンゴと未熟なフルーツ、白ワイン、奥まって焙煎したコーヒー豆のような香りがします。
口に含むと、とても滑らかで軽い口当たり。フレッシュな果実香が口の中に広がり途中からスパイシーな風味が出てきます。シングルモルトのグレンフィディック12年には及びませんが、果実味のある味わいは同系統の証です。余韻はあまり長くなくスパイシーとビターが舌の上に残り消えていきました。
千円半ばでこの味わいはなかなかコスパに優れています。グレーン色は強めですが、引っかかりもなくスムースで果実の酸味が心地よい味わいで、ストレートでも飲んでもイヤなアルコール感はありません。
リンゴや洋ナシを感じるのはグレンフィディックの原酒によるものでしょう。同系統のボトルデザイン、そしてキーモルトとなればブレンデッドであっても似た味わいにまとめているのは非常に好印象です!!この値段でストレートでも美味しく飲めるのは凄い!!
ロックで飲んでみる
香り
- リンゴ、ハチミツ、柑橘の皮
味わい
- ビターテイスト、余韻で香るリンゴ
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは弱まってしまったものの、リンゴ、ハチミツは相変わらず感じられ、柑橘の皮(白い部分)のようなビターがいます。
口に含むと、ヌメリっぽくも思えるくらいスムースで滑らかな舌触りで、最初はウエハースのような淡い香ばしさが漂います。そしてすぐにビターが膨らみ、スパイシーと共にアッサリとした後味の余韻が残ります。
拍子抜けするくらいにスムースな味わいで、全体の印象は薄いものの飲みやすさには非常に長けている味わいだと思います。
元々が軽い味わいだけに加水や冷却されると味の芯が崩れてしまっている印象を持ちました。しかし、ウイスキーのネガティブな部分がなく、初心者の方でも安心して飲める味わいだと思います。
ハイボールで飲んでみる
香り
- ハチミツ、焦げ感、ビスケット、スモーク
味わい
- ほどよい酸味と穀物の香ばしさ
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りは、ハチミツにローストしたような香ばしさとビスケット、そして少しスモーキーなニュアンスが漂います。
口に含むと、サラサラとした清涼感で穀物の香ばしい甘さが広がります。そして果実のフルーティーな酸味と柑橘のビターが膨らみ、青々とした未熟感を感じるビターの余韻に変わります。
全体的にはフルーティーで爽やかな酸味が心地よいハイボールです。所々で焦げ感やスモークっぽさもあり、ウイスキーの比率を上げるとスモーキーでピートっぽいニュアンスも出てくるのが非常に面白いと思います。
ノンピートのウイスキーですが、焦げ感や白ワインにもにたフレーバーが合わさり、ピートっぽいニュアンスに感じるのだと思います。ウイスキーは水や炭酸で割ると色々と表情が変わる飲み物。非常に興味深く、楽しめると思います。
(ハイボールにして楽しむなら濃いめがオススメです)
まとめ
シングルモルト売り上げ世界一のグレンフィディックに通じるボトルと味わいのグランツトリプルウッド。ブレンデッドでは世界第3位の実績は伊達ではありませんでした。
スコッチというと、ジョニーウォーカーやバランタインを思い浮かべると思いますが、次いで売上を誇るグランツは全く別系統のブレンデッドスコッチです。熟成感のある重厚でスモーキーな風味がスコッチの醍醐味でもありますが、ライトで軽い味わいのスコッチも存在します。
ウイスキーを飲み始めて、ピートやスモーキーな風味を克服出来ずに諦めてしまった人、一風変わった軽い味わいの気楽なスコッチを飲んでみたい日人、ハイボールまっしぐらのアナタ、グランツトリプルウッドを是非、一度試してみてください。
気楽にウイスキーの果実感が味わえるコストパフォーマンスに優れたスコッチウイスキーです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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