【レビュー】カティサーク オリジナルの味と香りを3種類の飲み方で解説!!

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このウイスキーを簡単に説明

カティサークオリジナルについて

今回は、定番のブレンデッドスコッチウイスキー『カティサーク オリジナル』をレビューします。

カティサークは元々、ワイン商で有名な『ベリー・ブロス・アンド・ラッド社』という会社が製造していましたが、現在は『ラ・マルティニケーズ・バーディネ社』が製造を行い、販売はバカルディ・ジャパン社が行っています。

そもそも『カティサーク』とは船の名前で、実在するイギリスの快速帆船の名前です。かつてのイギリスではインドから紅茶を運ぶために船でアフリカ大陸をぐるっと周り(スエズ運河が無い)いかに早く新茶を運ぶかを競っていた時代がありました。

ティーレース 航路

通称『ティーレース』とも呼ばれ、出来たばかりの紅茶は『初物』として高値で取引されます。産地のインドからいち早く本国(イギリス)に持ち帰る事は、船にとっても、船長にとっても名誉なことでした。

その『ティーレース』において一番早く帰港し世界記録さえも樹立した名船こそが『カティサーク号です。このカティサーク号は1895年にポルトガルに売却されますが、ポルトガル在籍中には石炭や羊毛を船で運ぶレースで世界記録を樹立、帆船として輝かしい功績を残し続けます。

その後、カティサーク号は1922年にイギリス人船長によって買い戻され、船としての役目を終えます。現在は世界標準時で有名な『グリニッジ天文台』のあるグリニッジにて公開保管されています。

カティサーク号が本国に戻った1922年の翌年、注目される帆船の人気に便乗して発売されたのが今回ご紹介する『カティサーク』というわけです。

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テイスティング(実際に飲んでみた)

フレーバーチャート
味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り
  • ピート、レモン、ナッツ、草、レーズン、オイル
味わい
  • ライトな口当たり、ビターでモルティな余韻
感想

最初はストレートで飲んでみます。香りはピートや草、ナッツっぽい香ばしさがありレーズンの熟した果実のフルーティーさがあります。また、クリーミーというかどこかオイルっぽいヌルっとした感触のある香り立ちを感じます。

口に含むと、軽やかで非常に滑らかな舌触り、オイリーな感触もありますがすぐにビターが追いかけてきて香ばしさのある穀物感と混ざりサッと消えるライトな印象です。

アメリカ向けに造られたブレンドが発祥ということもあり、ライトな味わいですが『独特のクセ』を感じます。価格からすれば非常にまろやかで美味しいですし、コスパもかなり良いです。ですが、初心者向けの味ではないと個人的には思います。どことなく薬っぽさや、牧草、木、などの自然っぽさと、ヌルっとしたオイリーでクリーミーな感じ、ピートのツンとした香りはウイスキーを少し飲み慣れてからの方が、このボトルを美味しいと思えるのではないかと思います。(もちろん、好みなので一概には言えません)

ロックで飲んでみる

香り
  • ストレートと変わらない(ややピーティーに)
味わい
  • ストレートよりも甘さとシリアル感が増す
感想

次は氷を入れてオンザロックです。香りはストレートの時と大差はないですが、ピートの香りが少しだけ強くなった感じがします。

口に含むと、オイリーな感じなど大きな差は感じないように思いましたが、キャラメルの様な甘さと、穀物感が膨らんできます。アフターにかけては加水が進むとビターが増してエグみに変わるので、あまり長い時間を置かずにサッと飲んでしまうのが良いかもしれません。

ハイボールで飲んでみる

香り
  • ピート、レモン、ナッツ、草、オイル
味わい
  • モルトの甘味、クリーミー(オイリー)な滑らかさ。
感想

最後はハイボールで飲んでみます。香りはピーティーな印象が強く、ナッツの香ばしさと柑橘の爽やかさを感じます。また、湿地に生える草や倒木の様な自然の香りとオイリーな重たさがどことなく漂います。

口に含むと、モルトの香ばしくも甘い味わいがあり、舌触りはストレートから変わらずにクリーミーな滑らかさがあります。そして、ピーティーなアクセントを感じるも、レモンの爽やかなビターが終始味わいを引き締めています。

個人的にはストレートでも十分に美味しいと思いますが、軽やかな酒質が特徴のカティサークを活かすなら『ハイボール』が一番良いかもしれません。

まとめ

『カティサーク オリジナル』をレビューしてみました。価格的に安スコッチと言われる事もしばしばありますが、そんじょそこらの安ウイスキーとは違う、本場スコッチの個性がギュッと詰まった感がとても魅力的なボトルでした。

財布に優しいスコッチの中でも、ホワイトホースティーチャーズと並んで『初心者には取っ付きづらい個性的な味わい』のブレンデッドだと個人的には思います。ウイスキーの中ではやや飲みにくい部類かもしれませんが、ブレンドされているモルトには、スコッチの中でも銘品と呼ばれる強い個性を持った蒸留所の原酒使用率が高く、この味わいが世界中で親しまれている味わいですので、最初は躊躇っても・・・、他のボトルを飲み進めていくうちにいつの間にか飲めるように変化しているかもしれません。

その時、このカティサークのコスパの良さに改めて納得してしまう日が来るかもしれませんよ(笑)

追記(雑記):筆者がカティーサークのヌルっとしたクリーミーな感じや、独特の香りから連想したものが、二本松市の老舗酒蔵『大七酒造』の純米生酛です。独特のヨードを思わせる香りや、オイリーを感じる味わいは今回の『カティーサーク』に通じる素人お断り的な、まさに通が好む味わいかなと思いました。


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