オクトモア 13.1(スコティッシュバーレイ)

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このウイスキーの特徴

このウイスキーについて

今回、ご紹介するのは「数あるウイスキーの中でも最強のスモーキーさ」を誇るシングルモルト、「オクトモア」から「13.1スコティッシュバーレイ」です。

「オクトモア」を製造しているのは、スコットランドにあるアイラ島の「ブルックラディ蒸溜所」で、他には「クラシックラディ」や「ポートシャーロット」などをリリースしています。

以前に「クラシックラディ」をレビューした際に「ブルックラディ蒸溜所」については解説していおりますので、今回は割愛させて頂きます。詳しく知りたい方は過去記事も是非、御覧ください!

オクトモアについて

「オクトモア」とは蒸溜所から少し南下した所にある村の名前が由来となっています。ゲール語で意味は「偉大なる8番手」という意味になるそうです。

ボトルデザインからして、ほかのウイスキーとは明らかに違う装いですね・・・!?

では、「オクトモア」というウイスキーはどういった経緯で誕生したのでしょう!?

もともと、「ブルックラディ蒸溜所」では”ノンピートタイプ”のウイスキーを製造していました。しかし、2002年に当時の最高責任者である「マーク・レイニア氏」とマスターディスティラーの「ジム・マッキュワン氏」がある事に疑問を抱きました。

その疑問とは「麦芽の燻し具合(フェノール値)をどうやってコントロールしているのだろうか!?」という何気ない事でした。

そして、精麦業者に訪ねたところ「80ppmのピーテッド麦芽に、0ppmのノンピート麦芽を混ぜて40ppmにしている」という答えが返ってきたのです!

ならば、「ノンピート麦芽を混ぜずに80ppmの麦芽でウイスキーを仕込んだらどうなる!?」という好奇心により「オクトモア」は誕生したのです。

周りからは「ピートが強すぎると風味が失われる」など反対意見が多く製造には否定的でしたが、彼らの好奇心を止めることは出来ませんでした。

多数の反対を押し切り、”普段より温度を抑えゆっくりと時間をかけてピートを焚く”という方法を用いることで、過去に類を見ない「スーパーヘヴィピーテッドタイプ」のウイスキーが完成したのです。

オクトモアは”他を圧倒するフェノール値”でありながら、”複雑でエレガントな味わいを実現”しウイスキー造りの常識を見事打ち破ったのです!!

というのも、通常のアイラモルト(アードベッグ、ラフロイグ)でフェノール値は40ppm~55ppmくらいですが、「オクトモアは最初のリリースで80ppmもあったんです!!

リリースされると同時に話題になり、その後にリリースされた「オクトモア8.3 アイラバーレイ」では驚愕の309.1ppmを叩き出しています。

フェノール値が味わいに直接影響があるわけではありませんが、通常では考えられないくらいピートを焚き込んだ麦芽で造るウイスキー「オクトモア」の味わいは、現在もリリースの度に話題となっています。

オクトモアの種類について

「オクトモア」には、今回ご紹介する「オクトモア13.1」の他に「13.2」、「13.3」の3種類がリリースされています。

「オクトモア」には数字で順番にナンバリングする決まりがあり、今回の「オクトモア13.1」は「13回目のリリースのオクトモア」という意味になります。

つまり、昨年にリリースされた「一つ前のオクトモア」は「12シリーズ」となっており、「12.1、12.2、12.3」の3種類がありました。

そして、小数点以下の数字「.1や.2または.3」などの数字は、使われた原料や原酒の種類などオクトモアの仕様を表しています。

「.1」は最もスタンダードな「バーボン樽熟成」で原料の大麦はスコットランド産の物を使っています。

「.2」は主に「ワイン樽熟成」の原酒が使われており、12シリーズから日本でも販売が始まりました。(以前は免税店などの商品)

そして、唯一透明のボトルである「.3」は、アイラ産大麦(オクトモア農場)を使用し、使われる熟成樽はリリース毎で変わるいわば「オクトモアの真骨頂」の仕様になります。

以前は、この他に「新樽熟成(ヴァージンオーク)」である「.4」のオクトモアもリリースされていましたが、直近では「.3」までの3種類が販売されています。

筆者は「アイラモルトの魅力がたっぷり詰まった」シンプルな構成の「バーボン樽熟成」である「.1シリーズ」が好み!!(.3になると高くて買えません・・・

ということで、何かと”年末の風物詩”となっている最強のアイラモルト「オクトモア13.1」を3種類の飲み方でレビューしていきます。

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テイスティング(実際に飲んでみた)

フレーバーチャート
味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り
  • 消毒液、煙、BBQ、倉庫、納屋、干し草、牧場、磯、リンゴ、グレープフルーツ
味わい
  • アルコールや麦の甘み、とろみ、BBQの後味
感想

では、ストレートから飲んでみます。

香りは消毒液や保健室、理科室みたいな薬品臭が第一印象。続けて、煙やBBQの薪を焚いている時の臭いや倉庫の埃っぽさ、納屋や干し草に磯の香りがします。そして、奥まってリンゴ、グレープフルーツの爽やかな果実香があります。

口に含むと、ややオイリーでとろみを感じる口当たり。アルコール度数が約60度と高めなので色味は薄くても、グラスの縁にひっかかる粘性があります。味わいは度数が高い割に穏やかで、アルコールや麦の香ばしい甘みを感じます。

カスクストレングスなので、口に運ぶ量を間違えると咽返ってしまいますが、気をつけてながら味わう分には想像よりも遥かに優しく、まろやかな味わいが広がります。

もちろん、通常のモルトでは考えられないようなフェノール値ですので、口に中は煙臭くスモーキーな風味がずっと残ります。アフターに不思議と感じるグレープフルーツやリンゴの果実、麦芽などスモークに隠れて垣間見える複雑さを探しながら飲むのがこの「オクトモア」の楽しみ方かもしれません。

それにしても、何もかも(味、香り、スモーク感)が濃く、ウイスキーの原液!?を飲んでいるかのようなパワフルさ、スモーキーな残り香、全てが桁外れです。

クセという意味では「ラフロイグ10年」に軍配が上がる気がしますが、煙たさといったらこの「オクトモア」の”口の中で燻製”みたいな強烈な感覚を味わう事が出来ます。

ロックで飲んでみる

香り
  • チョコレート、マシュマロ、ビスケット、プラム、キャラメル、ピート、煙
味わい
  • 麦の甘み、クリーミー、グレープフルーツ、BBQ
感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。

香りは、ストレートの時とは変わり、チョコレートやマシュマロ、キャラメル、ビスケットなど甘く香ばしい香りが漂います。もちろん、ピーティーでとても煙臭いのですが、甘い香りの主張が強く、梅やプラムの香りに焼きたての砂糖菓子のような香ばしさもあります。

口に含むと、麦汁の甘さとスモークが一気に広がります。滑らかでクリーミーな味わいと、グレープフルーツの”しずる感”があり、ただ煙たいだけの単調な味わいではなく、溶け込んでいる複雑さが次から次へと出てくる感覚があります。

余韻にかけては、「オクトモア」らしいスモーキーフレーバーがずっと残り、口の中はBBQ。100ppmを超えてくるスーパーヘビーピーテッドウイスキーの洗礼に、しばらく浸ることになりました。

氷を入れると一気に甘さが出てきます。そして、グレープフルーツの酸味やフレッシュさが感じられるようになりました。煙たいだけじゃないのが「オクトモア」の奥深さですね!!

ハイボールで飲んでみる

香り
  • 薬箱、煙、キャンプファイアー、オイル、柑橘
味わい
  • オイリー、淡い果実感、ピートの渋み
感想

最後はハイボールで飲んでみます。

香りは、炭酸の泡立ちから湧き上がるスモーキーな香り、薬箱を開けた時のような薬品臭にキャンプファイヤーの灰が混じったような乾いたスモーク感、そして自動車工場のオイル臭に薄っすら柑橘の皮のような香りが感じ取れます。

口に含むと、強いスモーク香と粘性あるオイリーさが広がります。そして同時に薬品のような香りにグレープフルーツの爽やかさが一体となり、アフターにかけてチョコレートや焼き菓子の香ばしさ膨らみ、スモーク香と共に静かに消えていきました。

度数が約60度とあるので、ハイボールにしてもしっかりとしたコクが感じられ、何より特徴的な強いスモークフレーバーがダイレクトに感じられるのはハイボールならではかもしれません。

炭酸の泡立ちは「オクトモア」の煙たさを演出してくれます。少し乾いた印象から、オイリーな舌触りなど通常のウイスキーでは味わえない「色々と濃いハイボール」が完成するんです!

まとめ

季節物として、現在は毎年発売される「オクトモア」。その始まりは”好奇心”からくる挑戦でもありました。

現在の「オクトモア」は年々とバランス重視に変わってきているため、口にするのを躊躇うほどではありませんが、それでも通常のウイスキーやアイラモルトに比べればとてつもなくスモーキーなシングルモルトに変わりありません。

今回、ご紹介した「オクトモア13.1 スコティッシュバーレイ」の他に、”13.2″や”13.3”などバリエーションがありますが、発売当初から大きな仕様変更がなく最も”オクトモアの基本”ともいうべき「.1」シリーズから試してみるのがオススメです。バーボン樽熟成というシンプルな構成で、怒涛のフェノール値を与えられた麦芽の旨味をしっかり味わいうことが出来ますよ!

最後までお読み頂きありがとうございました。

コチラが今回レビューした「オクトモア13.1スコティッシュバーレイ」になります。

そして、コチラはオロロソカスク樽で熟成を行った「オクトモア13.2」

今回のシリーズ中最も高価で、アイラ産大麦を仕様したブルックラディの提唱するテロワールの真髄「オクトモア13.3アイラバーレイ」がコチラになります。

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