モートラック12年徹底レビュー!ダフタウンの野獣・2.81回蒸留を解説!

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sister-ley
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こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!

Caoli(助手)
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今回は、「モートラック12年 ザ・ウィー・ウィッチー」の解説&レビューを行っていきます!!

「スペイサイドの常識を覆すウイスキーを味わいたい」「技術革新の結晶を体験したい」と思っているウイスキーファンの期待に応えるのが、このモートラックです。

1823年、ダフタウン初の合法蒸留所として誕生したモートラックは、「ダフタウンの野獣」という異名で知られ、他のどの蒸留所とも異なる独特な個性を誇っています。

科学者でもあったドクター・アレクサンダー・コーウィーが設計した謎に満ちた「2.81回蒸留」プロセスと、現代では稀少なワームタブ冷却器が生み出す「ミーティー(肉厚)」な味わいは、ブレンダーたちから「切り札」として絶大な信頼を寄せられてきました。

2018年のリニューアルにより生まれ変わった12年熟成は、43.4%という特異なアルコール度数で瓶詰めされ、複雑でありながらバランスの取れた味わいを実現した傑作として、愛好家たちから高い評価を受けています。

今回は、コーウィー家の技術革新から小さな蒸留器「ウィー・ウィッチー」の秘密、6基の蒸留器が織りなす複雑なハーモニー、そして野獣の名に恥じない個性的な味わいまで詳しくご紹介していきます!

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モートラック12年の基本情報

モートラック12年 詳細
モートラック12年の詳細はこちら
カテゴリーシングルモルトスコッチウイスキースペイサイド
産地スコットランド・スペイサイド
蒸留所モートラック蒸留所
アルコール分43.4%
内容量700ml
価格帯8,000〜12,000円
飲みやすさ★★★★☆☆☆
味わいの特徴肉のようなコクのある重厚な味わい
おすすめの飲み方ストレート、ロック
モートラック12年の長所・特徴
モートラック12年の短所・注意点
  • 唯一無二の2.81回蒸留 – 他のどこにもない独特な蒸留プロセス
  • ワームタブ冷却器 – 現代では稀少な伝統製法によるミーティーな個性
  • 6基の蒸留器構成 – 形状・サイズの異なる蒸留器による複雑な味わい
  • ウィー・ウィッチーの魔法 – 小さな蒸留器が生み出す特別なストリーム
  • ブレンダーの切り札 – ジョニーウォーカー等の重要な構成原酒
  • 43.4%の特異な度数 – 禁酒法廃止後のアメリカへの敬意
  • 技術者の設計思想 – 科学的アプローチによる革新的製法
  • 個性が強い – スペイサイドの一般的なイメージとは大きく異なる
  • 価格帯が高め – エントリーレベルより明らかに高価格
  • ハイボール不向き – 複雑さが薄まり軽すぎる傾向
  • 好みが分かれる – ミーティーな個性に慣れが必要な場合も

野獣誕生の壮大な物語【1823年からの技術革新の歩み】

1823年〜ダフタウン開拓者の誕生

モートラックの物語は、ウイスキー製造が合法化された記念すべき1823年、ジェームズ・フィンドレーターによって始まりました。画期的な物品税法の制定直後、後に「モルトウイスキーの首都」と呼ばれるダフタウンで、最初の合法蒸溜所としての地位を確立したのです。

「モートラック」という名称は、地元の教会に由来し、ゲール語で「椀状のくぼ地」を意味します。しかし創業初期は激動の時代で、所有者が頻繁に変わり、1831年にはわずか270ポンドで売却され、一時期は蒸留器が持ち去られて沈黙を余儀なくされました。

この波乱万丈な黎明期に、後にグレンフィディックを創業するウィリアム・グラントが20年間マネージャーとして働いていたという興味深いエピソードもあります。1887年に彼が独立するまで、モートラックはダフタウンで唯一の合法蒸溜所だったのです。

1853年〜コーウィー家と技術革命の始まり

蒸溜所の運命を変えたのは、1853年のジョージ・コーウィーの参画でした。ヴィクトリア朝時代の偉大な鉄道プロジェクトに従事した土木技術者である彼は、伝統と職人技に依存していた産業に、精密さ、論理性、革新性という技術者の思考を持ち込みました。

1867年に単独オーナーとなった彼の真の遺産を開花させたのは、息子のドクター・アレクサンダー・コーウィーでした。科学的教育を受けた医師である彼は、1896年に香港から帰国し、事業を引き継ぎます。

1897年〜「ザ・ウェイ」の誕生

1897年、アレクサンダー・コーウィーは著名な蒸溜所建築家チャールズ・ドイグと協力し、蒸留器を3基から6基に倍増させました。そして最も重要なことに、自身の分析的思考に基づいて考案した複雑怪奇な「2.81回蒸留」プロセスを導入したのです。

この時期、蒸溜所は鉄道支線に接続され、電力も導入されるなど、近代的で先進的な哲学が明確に示されました。この複雑な蒸留プロセスは「ザ・ウェイ(The Way)」として知られ、受け継がれた伝統ではなく、特定の複雑なスピリッツを生み出すために意図的に設計された工学的解決策でした。

1923年〜ブレンダーの切り札へ

1923年、アレクサンダー・コーウィーは蒸溜所をジョン・ウォーカー&サンズ社に売却しました。これにより、モートラックは世界で最も有名なブレンデッドウイスキーの「トップドレッシング」モルトとして、長く重要な役割を担うことになります。

その力強く「肉厚(ミーティー)」な個性は、軽やかな他のモルトでは提供できない深み、骨格、複雑さを加えるため、ブレンダーたちから非常に高く評価されました。大部分がジョニーウォーカーなどのブレンデッドウイスキー用に確保されていたため、20世紀の大半において、シングルモルトとしてのボトリングは極めて稀でした。

2018年〜復活の成功物語

2014年の高価格NAS戦略は愛好家から厳しい批判を受けましたが、2018年のリニューアルは大成功を収めました。ディアジオ社は以前のラインナップを廃止し、現在の12年、16年、20年熟成を導入。消費者のフィードバックに耳を傾け、モートラックをより本格的で愛好家中心のブランドとして再定義したのです。

Key(筆者)
Key(筆者)

技術者の科学的思考が生み出した「ザ・ウェイ」って、本当にロマンティックですね!伝統じゃなくて革新から生まれたのが素晴らしいです。

謎に満ちた2.81回蒸留【6基の蒸留器が織りなす魔法】

ウィー・ウィッチーを中心とした革新的システム

モートラックの最大の特徴は、形状もサイズも異なる6基の蒸留器(初留器3基、再留器3基)を使った他に類を見ない蒸留プロセスです。一般的な1対1の組み合わせとは全く異なり、「一つの蒸留所に三つの蒸留所があるかのようだ」と表現されるほど複雑です。

この独特なシステムから、3つの異なるストリームが生み出されます。

ストリーム1:伝統的な2回蒸留

第3初留器と第3再留器は標準的なペアとして稼働し、クリーンでモルティなベースを提供します。

ストリーム2:部分的な3回蒸留

第1・第2初留器からのローワイン(初留液)の80%が第2再留器で再蒸留され、よりリッチな第二のストリームとなります。

ストリーム3:ウィー・ウィッチーによる4回蒸留

残り20%のローワインは、最も小さく有名な第1再留器「ウィー・ウィッチー(Wee Witchie)」に送られ、さらに3回蒸留されます。ハート部分のみを採取することで、非常に洗練されつつもスパイシーで個性的な第三のストリームが誕生します。

2.81という数学的な美

この複雑なプロセスの蒸留回数は、ディアジオ社の伝説的マスターブレンダー、ジム・ビバレッジ博士が数学的にマッピングし、正確に2.81回という結論に至りました。これは異なる蒸留経路の加重平均を表しています。

蒸留器とストリームの詳細
蒸留器と生成されるストリーム
蒸留器 役割 生成されるストリーム
第1初留器 初留(20%がウィー・ウィッチーへ) ストリーム2・3の源流
第2初留器 初留(80%が第2再留器へ) ストリーム2・3の源流
第3初留器 伝統的初留 ストリーム1
第1再留器(ウィー・ウィッチー) 4回蒸留の核心 ストリーム3(最も個性的)
第2再留器 部分的3回蒸留 ストリーム2
第3再留器 伝統的再留 ストリーム1

ワームタブ冷却器:ミーティーな個性の源

全6基の蒸留器は、現代では非常に稀少なワームタブ冷却器に接続されています。現代的なシェル&チューブ式冷却器と異なり、ワームタブは銅との接触を著しく減少させ、特定の重い硫黄化合物を最終スピリッツに保持します。

これらの化合物こそが「ダフタウンの野獣」を定義する「ミーティー」「セイボリー」「旨味」といった香味の源なのです。これは欠点ではなく、特定のテクスチャーとフレーバープロファイルを生み出すための意図的な選択です。

Caoli(助手)
Caoli(助手)

2.81回蒸留って、まさに科学と芸術の融合ですね!ウィー・ウィッチーという可愛い名前の蒸留器が、こんなに重要な役割を担っているなんて驚きです。

原酒から樽まで【モートラック12年を支える製造基盤】

スペイサイドの恵み〜厳選された原材料

モートラック12年の個性的な味わいは、蒸留プロセスだけでなく、厳選された原材料と伝統的な製造工程によって支えられています。〜純粋な水源:コンバル丘陵の恵み

蒸留所は、コンバル丘陵にあるダイクヘッドとキャッツクレイグの泉から水を得ています。この水源はスペイサイド地方の特徴的な軟水で、蒸留プロセスにおいて重要な役割を果たし、最終的なスピリッツに優雅さと滑らかさを与えています。

ノンピート麦芽〜クリーンなベース

モートラックは外部の専門業者から供給されるピートを焚いていないノンピート麦芽を使用しています(自家製麦は1968年に終了)。これにより、ピートの影響を受けないクリーンで純粋なモルト由来の香味が確保され、2.81回蒸留の複雑さが際立つベースとなります。

麦芽は伝統的なポーティアス社製のミルで粉砕されますが、その挽き方は他の蒸留所に比べて粗いとされています。この粗挽きは麦汁の透明度や糖の抽出に影響を与え、より力強く穀物由来の香味を持つもろみを生み出します。

木製発酵槽〜50-60時間の発酵

麦汁は、ダグラスファー(米松)またはラーチ(唐松)製の6基の伝統的な木製発酵槽(ウォッシュバック)で発酵されます。発酵時間は50〜60時間と、比較的短〜中程度に設定されています。

この発酵時間により、過度に軽くエステリー(フルーティー)ではなく、力強くスパイシーで穀物由来の香味を持つもろみ(ウォッシュ)が生成されます。これが、その後の複雑な蒸留プロセスの強固な土台となるのです。

樽熟成の芸術〜二つの世界の融合

モートラック12年は、ヨーロピアンオークとアメリカンオークの樽を組み合わせて熟成されており、これらの樽は以前にバーボンとシェリーを貯蔵していたものです。一部の情報源では、特にオロロソシェリー樽が使用されていると特定されています。

モートラック12年 樽の種類と影響
モートラック12年 樽の種類と影響

樽の種類とモートラック12年への影響

樽の種類 木材 前の用途 モートラック12年への影響
アメリカンオーク ホワイトオーク バーボン樽 バニラ、蜂蜜、トフィー、軽やかなスパイス
ヨーロピアンオーク ヨーロピアンオーク オロロソシェリー樽 ドライフルーツ、チェリージャム、ダークチョコレート、深いスパイス

戦略的な樽選択の意図

この二元的な樽熟成は意図的な選択です。力強く肉厚なニューメイクスピリッツは、シェリー樽の豊かさに負けることなく対峙でき、同時にバーボン樽が甘さとバランスの層を加えます。

アメリカンオーク由来のバニラと蜂蜜の甘さが、ヨーロピアンオーク由来のリッチなドライフルーツとダークチョコレートの深みと調和し、複雑なスピリッツと木材との間の対話を生み出しています。これにより、多層的で満足感のある最終製品が創造されるのです。

12年熟成の絶妙なタイミング

12年という熟成期間は、モートラックの強い個性を保ちつつ、樽の影響を適度に取り入れる絶妙なバランスポイントです。これより短いと樽の恩恵を十分に受けられず、これより長いと樽が支配的になりすぎる可能性があります。

Key(筆者)
Key(筆者)

粗挽きの麦芽と木製発酵槽が、力強いベースを作り出しているんですね!それが複雑な蒸留プロセスの土台になるなんて、すべてが計算され尽くしています。

sister-ley
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では、ダフタウンの野獣と称される味わいをストレート、ロック、ハイボールで味と香りをみていきましょう!

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モートラック12年を実際に飲んでみた

モートラック12年のフレーバー

モートラック12年の味わい

甘くスパイシーなスペイサイドを感じるストレート

香り

リンゴ、ハチミツ、イチジク、イチゴジャム、タール、ダークチョコ

味わい

甘く、余韻はスパイシーが続く

感想

グラスに注ぐと、まず熟したリンゴと濃厚なハチミツの甘く華やかな香りが広がり、イチジクやイチゴジャムの赤い果実と砂糖を煮詰めたようなニュアンスが続きます。かすかにタバコやタール、そしてほろ苦いダークチョコの香りが混じり合い、複雑で奥行きのあるアロマを形成しています。ジャムを思わせる砂糖の甘さとスパイシーさが膨らみます。

口に含むと、スパイシーさが膨らむと共にビターさが顔を出し、ドライな印象を受けます。余韻はダークチョコとタールのニュアンス、そしてミーティーな香りが感じられ、甘さとスパイシーさがバランス良く調和しています。

ダーティーさが垣間見えるロック

香り

リンゴ、ハチミツ、イチジク、タール、シュガー、ベーコン

味わい

力強く、ダーティーなビター感

感想

オンザロックにすると、さわやかなリンゴとハチミツが混じった甘くフルーティーな香りが際立ちます。イチジクのニュアンスに、タールやタバコの香りが絡み合い、砂糖やシロップのような甘さと、ベーコンを思わせる独特の香ばしさが混じり合い、複雑なアロマを形成します。

口に含むと、リンゴとハチミツの甘くフルーティーなフレーバーが広がり、ビターさが強まり、ミーティーでスモーキーなニュアンスが混じります。非常にダーティーなビター感があり、独特の肉っぽいミーティーさとビターが混じり合ってゆっくりと消えていく余韻が続きます。

優しさの中に秘めた野生を感じるハイボール

香り

リンゴ、ハチミツ、タール、シュガー、イチジク

味わい

甘く、ミーティーな余韻

感想

ハイボールにすると、リンゴの青臭さとハチミツの華やかな甘い香りが心地よく立ち上ります。タール、タバコのニュアンスとスモークベーコンのような香りが混じり合い、イチジクやブドウっぽい、緑の細いフルーティーな香りが加わります。

口に含むと、ハチミツの甘さと肉を思わせるミーティーな香りが広がり、リンゴやイチジクのフルーティーさ、タバコやタールのニュアンスが続きます。フルーティーな甘さとタバコ、ミーティーなニュアンスが絡んでゆっくりと消えていく、甘く飲みやすいハイボールです。

まとめ

モートラック12年の総合評価
イマイチ
良い

今回の記事では、「ダフタウンの野獣」ことモートラック12年 ザ・ウィー・ウィッチーの魅力をお伝えしました。1823年からの革新の歴史、科学者アレクサンダー・コーウィーが編み出した唯一無二の「2.81回蒸留」、そして小さな蒸留器「ウィー・ウィッチー」が生み出す独特の味わいを深掘りしました。

このウイスキーは、その名の通り「ミーティー(肉厚)」な風味が特徴で、スペイサイドの常識を覆します。ストレート、ロック、ハイボールと、どの飲み方でもリンゴやハチミツのようなフルーティーさ、イチジクやイチゴジャムの甘さ、そしてタールやダークチョコレート、ベーコンのような複雑でスパイシーな香味が楽しめます。特にロックでは、その「ダーティーなビター感」と肉厚な個性が際立ちます。

価格は高めですが、モートラック12年はまさに「技術革新の結晶」。ジョニーウォーカーのブレンダーたちの「切り札」として愛されてきた理由がこの一本には凝縮されています。

残念ながら、このボトルは現在終売となっています。もしあなたが、単なる飲みやすさだけでなく、挑戦的でありながらも特別な一杯を求めているなら、在庫がなくなる前にぜひ一度、モートラック12年を試してみてください。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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