こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!今回も、魅力的なウイスキーの解説&レビューを行っていきます!!
今までにない新感覚のウイスキーがペルノ・リカール社から発売されました。その名は「ザ・ディーコン」。
このウイスキーは革新的な味わいと伝統の融合、アイラ島とスペイサイドのモルトウイスキーが織りなす、ピートスモークの深みと焚火の温もりを感じるプレミアムブレンデッドウイスキーとして、SNSなどを中心に話題となっています。
「ザ・ディーコン」を購入する前にポイントを抑えておけば、買って後悔といった不安もなくなると思います。
見た目のインパクトで手が出そうになりますが、値段は決して安くはないので、以下のような疑問が湧いてくるかもしれません。
- 話題になっているけど、どんなウイスキー!?
- 安くはないけど美味しいの!?
- ブレンデッドウイスキーだけどクセは強い!?
- ハイボールでも楽しめる!?
この記事では「ザ・ディーコン」について、ウイスキー歴20年以上、バーテンダーと意見交換を交え、ザ・ディーコンの解説とストレート、ロック、ハイボールでの3種類の飲み方で味や香りをレビューしていきます。
画像を見ながらでも「ザ・ディーコン」の概要が分かるようになっていますので、是非参考にして下さい。
ザ・ディーコンを簡単にまとめると
ウイスキー属性 | ブレンデッド |
産地(メーカー) | スコットランド(ペルノ・リカール) |
原料 | モルト・グレーン |
味わい | シトラスとスモーク |
飲みやすさ | ★★★☆☆☆ |
おすすめの飲み方 | ハイボール |
個人的感想 | ちょっと贅沢な気分を味わえる |
ペルノ・リカールの新商品「ザ・ディーコン」
聞き慣れない「ディーコン」とは!?
「ディーコン」という名前は、スコットランド語で「熟達した名匠」を意味します。この名前は、ペルノ・リカール社が新たに発売したブレンデッドウイスキー「ザ・ディーコン」のコンセプトにふさわしいものです。2024年4月に発売されたこのウイスキーは、伝統的なウイスキーの枠を超えた新しい味わいを追求しています。
特徴的なボトル
「ザ・ディーコン」のボトルは、その名の通り、職人技が光るデザインとなっています。銅製ポットスチルを模したコッパーカラーの外観は、ウイスキー作りの伝統への敬意を表しており、その輝きはまさに「熟達した名匠」の技術の象徴です。
ラベルに描かれているのは「ペスト医師」
ボトルの中央に描かれた「ペスト医師の仮面」は、14世紀の医学が未発達だった時代に、病気と闘う医師たちが使用していたマスクをモチーフにしています。この仮面は、困難に立ち向かうディーコンの精神を象徴しており、ラベルデザインにおいても重要な役割を果たしています。
ペスト医師が着用していたペストマスクは、不気味な鳥のくちばし型をしたマスクで、感染源から身を守るために考案されました。この奇妙な形状は、当時の医師たちが感染を防ぐために必要な装備として着用され内部は、香料を入れたワックスが塗られており、呼吸をするのに十分な空間を提供しつつ、感染源から身を守る役割を果たしていました。
世界第2位のワイン&スピリッツメーカー「ペルノリカール」
ペルノ・リカールは、フランス発祥の世界的な酒造メーカーで、ワインやスピリッツの分野で世界をリードしています。1975年にペルノ社とリカール社が合併して誕生したこのグループは、アニスの実で香りを付けた食前酒のメーカーとして知られています。特に、リカールやパスティス51、スーズなどの銘柄は、多くの人々に愛されています。
ペルノ・リカールは、2001年にカナダのシーグラムのワイン・スピリッツ部門を獲得し、その後も多くの有名ブランドを取り込むことで、業界での地位を確固たるものにしました。2008年にはスウェーデン政府からヴィン&スピリトを買収し、ワイン・スピリッツ部門で世界第一位の企業グループになりました。
ペルノ・リカール社は、グレンリヴェットやシーバスリーガル、ジェムソンなど、数々の有名なウイスキーブランドを保有していますが、「ザ・ディーコン」はこれらのブランドの枠を超え、新しい味わいをウイスキーラヴァーに提案しています。
新世代のブレンデッドウイスキー「ザ・ディーコン」
アイラ地方のスモーキーなモルトウイスキーとスペイサイド地方の華やかなモルトウイスキーをブレンドし、ピートスモークと焚火のようなスモーキーさが特徴的な味わいを生み出しています。このウイスキーは、ストレートでもハイボールでも、そしてモダン・クラシックカクテルでも楽しめる、多様な飲み方に仕上げられています。
フルーティーとスモーキーという相反する感覚を融合した”新感覚ウイスキー”それがザ・ディーコンです!
アイラモルトにあるシェリー樽原酒とどういった違いがあるのか、とても気になりますね!
それでは、いつものようにストレート、ロック、ハイボールの3種類に飲み方で味と香りを見ていきましょう!!
ザ・ディーコンをテイスティング(実際に飲んでみた)
ザ・ディーコンのフレーバー
ザ・ディーコンの味わい
ザ・ディーコンをストレートで飲んでみる
香り
- オレンジ、樽香、ビターチョコ、スポンジケーキ、バニラ、スモーク、硫黄、ゴム
味わい
- フルーティー、煙と果実がハーモニーを奏でる
感想
まずは、ストレートから飲んでみます。
香りの第一印象は、オレンジの風味とウッディな樽のニュアンスが際立ち、スモーキーフレーバーがしっかりと感じられます。シングルモルトのような雰囲気でアルコール感は非常に少ないです。
少し置いておくと、ビターチョコのほろ苦さや、ふっくらとしたスポンジケーキ、バニラの風味が出てきます。硫黄やゴムの微かなニュアンスも感じられ、複雑さが増します。
口に含むと、オイリーで少しトロみのある質感があり、オレンジの爽やかな酸味とピールの感触が広がります。優しい甘さの背後からスパイシーさが追いかけてきて、余韻ではオレンジとスモークが絡み合いながらゆっくりと消えていきます。
ブレンデッド感は少なく、アイラモルトのシェリー樽熟成を彷彿とさせる果実と煙のハーモニーが心地よいです。その中で、スペイサイドのジューシーなフレーバーとバニラの感覚が織り交ぜられており、「新感覚」というキャッチコピーにふさわしい味わいだと思いました。
とってもフルーティーな味わいですが、スモーキーさも強いので初心者の方にはハードルが高めです。しかし、スモーキーな味わいが好きな方ならこの感覚は面白いと思います。
ザ・ディーコンをロックで飲んでみる
香り
- スモーク、灰、シトラス、ビターチョコ、バニラ、スポンジケーキ
味わい
- オレンジピールとスモーク
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
ストレートで飲んだ時とは一変し、スモークフレーバーが前面に出てきます。灰っぽく乾いたニュアンスも感じられ、まるで焚き火のそばにいるかのようなドライなスモーク感が際立っています。
また、ジューシーなオレンジの印象から、ピールのキリッとした爽やかさへと変化し、背後にはビターチョコ、バニラ、スポンジケーキの香りがほのかに漂います。
口に含むと、サラリとした口当たりから、オレンジピールの強いビター感とスモークが広がります。樽由来の香りと香ばしいナッツの風味が続き、スパイシーな余韻が追いかけてきます。最終的には、オレンジピールとスモークの香りがすっと消えていく、心地よい余韻が続きます。
氷を加えて冷やすことで、スモーキーさが強まり、アイラモルトを思わせる雰囲気が演出されます。飲みにくいと感じるかもしれませんが、実際にはオレンジピールの爽やかなビターが支配的で、甘さが抑えられているため、食事中や暑い日にもぴったりの、汎用性の高い味わいです。
スモークフレーバーが結構ガツンと感じられますが、ピール感と香ばしさのアクセントによって決して飲みにくい印象はありませんでした。柑橘と煙の余韻はクセになります!
ザ・ディーコンをハイボールで飲んでみる
香り
- オレンジ、チョコ、バニラ、スポンジ、スモーク
味わい
- 爽やかなピールと優しいスモーク感
感想
最後は、ハイボールで飲んでみます。
香りは、再びジューシーなオレンジが感じられ、チョコレート、バニラ、スポンジケーキの甘い香りが際立ちます。そして、乾いた灰を思わせるふわっとしたスモーキーな香りが漂います。
口に含むと、オレンジピールの爽やかさと心地よいスモークフレーバーが広がり、穀物由来の自然な甘さが感じられます。フルーティーな香りにスモークが追いかけ、最後にはピールとスモークが調和し、静かに消えていく不思議な感覚に包まれます。
果実と煙の相反する味わいが融合し、まさに新感覚のハイボールを創り出しています。まるで焚き火のそばでオレンジジュースを飲んでいるかのような、非常にユニークな味わいを楽しめました。
ハイボールが一番おすすめの飲み方です!フルーティーでほんのり煙たく、スッキリとしているのでアイラ未経験の人でも美味しくいただけます!
まとめ
いかがでしたでしょうか?今話題の「ザ・ディーコン」を、3種類の飲み方でレビューしてみました。
アイラモルトはシェリー樽熟成のものが多く、似たような味わいかと思いました。しかし、アイラモルトには赤い果実や煙の風味が強く、全体的にヘビーな印象です。
それに対して、ザ・ディーコンは、爽やかなオレンジや柑橘の香りと、バニラやスポンジケーキのような甘さが特徴のスペイサイドモルトの華やかさと、アイラモルトのスモーキーな風味が融合した、新しい味わいのウイスキーです。
ブレンデッドウイスキー特有のバランスの良い味わいと、シングルモルトの個性がしっかりと感じられます。価格は少々高めですが、ウイスキー価格の高騰を考えると、毎日ではなく、週末の特別な楽しみとして十分に楽しめるでしょう。
また、アイラモルトに挑戦する前の「スモーキーなフレーバー」の入門としても、最適なウイスキーです。
ボトルのデザインは目を引くものですが、中身は本格的なスコッチの美味しさと、これまでにない新しい味わいが楽しめます。
興味がある方は、ぜひチェックしてみてください
最後までお読み頂きありがとうございました。
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