このウイスキーの特徴を簡単にまとめると
このウイスキーについて
今回は、バーテンダーからの支持が高いブレンデッドウイスキー「デュワーズ ホワイトラベル」のご紹介です。
「デュワーズ ホワイトラベル」は安価なブレンデッドウイスキーながら、バランスがとてもよくハイボールやカクテルにしてもスムースで飲みやすい、高品質なスコッチウイスキーとして知られています。
簡単なデュワーズの歴史
では、ここで「デュワーズ」の簡単な歴史についてご紹介いたします。
デュワーズの発祥は1846年、創業者「ジョンデュワー」によって彼が40歳の時に創設されました。
ジョンデュワー氏はウイスキーやワインの販売をする事業で独立し、今となっては当たり前の「ガラスのボトル」にウイスキーを詰めて販売した最初の人物です。
中身が見えて信頼性のあるボトルでのウイスキー販売と、そのブレンディングによる味の良さに人気を獲得、好調な事業は息子である「トミーデュワー」と「ジョンアレクサンダーデュワー」に引き継がれ、彼らの巧みな営業戦略によって世界的なブランドへと成長しました。
現在でも、アメリカで最も親しまれているスコッチウイスキーは「デュワーズ」であることが人気と信頼の証となっています。
デュワーズのこだわりの製法
「デュワーズ」において、ブレンデッドウイスキーを造る工程で特にこだわっているのが、ダブルエイジ製法という造り方です。
これは、それぞれの樽で熟成を終えた原酒(モルト、グレーン)をブレンドし、ブレンドされたウイスキーを再び樽に詰めてなじませ熟成させる工程を意味します。この様なひと手間をかけることによって、「デュワーズ」ならではのマイルドな口当たりが生まれます。
ウイスキー用語で言うところの「フィニッシュ」にあたると思いますが、出荷されるブレンデッドウイスキー全てに、この工程をかけているのは本当に凄いと思います。
デュワーズを支える5つの柱(キーモルト)
デュワーズのスムースで優しくコクのある味わいを支えているのは、すばらしいモルト原酒やグレーン原酒ですが、その中でも味わいの軸となるのはもちろん「キーモルト」になります。
デュワーズを支えるキーモルトには、次の5つの蒸留所のモルト原酒が使われています。
- アバフェルディ蒸留所(ハイランド)
- オルトモア蒸留所(スペイサイド)
- クライゲラキ蒸留所(スペイサイド)
- マクダフ蒸留所(ハイランド)
- ロイヤルブラックラ蒸留所(スペイサイド)
この中でも、特に味わいに影響しているのが、デュワー家によって設立された「アバフェルディ蒸留所」のフルーティーでハチミツの様な味わいのモルト原酒です。シングルモルトとしてもリリースされており、非常に飲みやすくスムースな口当たりが特徴なので、飲み比べてをしてみると故郷を尋ねるようなロマンある感覚を味わえます。
また、マクダフ蒸留所の様に原酒供給だけを主に行っていた蒸留所も、最近はシングルモルトとして「ザ デヴェロン」を2016年にリリースするなど、ウイスキー需要の影響力を感じます。
ハイボールの発祥でもあり最適なデュワーズ
ウイスキーをソーダで割って飲むスタイルの「ハイボール」。諸説ありますが、「ハイボールという名前の発祥がデュワーズである」というのも有名な話です。
もちろん、名前だけでなくデュワーズで作ったハイボールは、先ほどご紹介した「スペイサイド」や「ハイランド」を中心とする華やかな原酒と、力強い原酒をブレンドして造られる為、味わいのバランスも良く、人によってはクセに感じてしまう要素が少ないのが特徴です。
夏やお風呂上がりにキュッと飲みたくなるハイボールや、ゆっくりと安らぐ時間に飲みたいカクテルなど、シチュエーションによって飲み方は様々なウイスキー。
そのベースとしてバーテンダーからも信頼されているということは、「確かな品質で扱いやすい」ということです。
そんな、デュワーズの基本ボトル「ホワイトラベル」を3種類の飲み方でレビューします。
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- ビスケット、バニラ、キャラメル、レーズン、レモン、ハーブ、プラム
味わい
- スッと馴染む口当たり、ややスパイシー、砂糖の様な甘み、余韻で香るモルト感
感想
このホワイトラベルは「クセがなく、ハイボールに最適」といった声がよく聞かれますが、ストレートではどうなんでしょう!?
香りはシリアル感が多く香ばしさを感じるビスケットの様な香りに、バニラやキャラメルの甘い香り、そして熟した果実(レーズン)が感じ取れます。「フェイマスグラウス」や「ホワイト&マッカイ」などと同系統の香りで、モルト感、樽香といった具合の芳醇で優しく香ばしい香りが印象的です。
しかし、少し違ってくるのがレモンやプラムなどのフレッシュでビター感のある香りがほんのりと感じることと、ややハーブやミントといった薬草感も僅かながら感じます。
口に含むと、まず最初に舌にスッと馴染みライトでありながらモルティーな香りと味わいが広がります。途中で軽いスパイスの刺激と、若干のアルコール感はありますが口当たりもよく滑らかでとても飲みやすい印象があります。時折、砂糖やシロップの様な甘みも感じながら、モルト感のある樽香が香り優しいビターと共に消えていきます。全体的に突出した感じもなく穏やかで、バランスが良くストレートで飲んでも十分に美味しい味わいだと思います。不思議と物足りなさを感じないのは、穏やかではあるけど、上品なモルト感を感じれる為だと思います。
ロックで飲んでみる
香り
- キャラメル、バニラ、ビスケット、ハチミツ、レーズン、ピート
味わい
- キリッとしたビター、優しいピート感
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。香りはストレートの時よりも甘さが強くなり、キャラメルやバニラのウッディな香りとハチミツの様な艶のある甘さがして、ビスケットやレーズンと続きます。そして、ストレートの時にはあまり感じなかったピート感が顔を出してやや重厚なスコッチ感が出てきました。
口に含むと、ビターが主体のキリッとした味わいで口当たりは良くもシャープな感じになり、余韻にかけてハチミツの様な香りと甘さ、ピート感のあるややスモーキーさが現れてきます。甘やかで飲みやすかったストレートから、キリッとした美味しいオンザロックの味わいに振り幅があるのも、高品質なブレンデッドならではだと思います。
ハイボールで飲んでみる
香り
- シリアル感のある甘い香り、僅かに感じる青っぽさ
味わい
- 穀物のほんのりとした甘さ
感想
次はデュワーズの真骨頂「ハイボール」で飲んでみます。香りはビスケットや全粒粉の香ばしいシリアル感にほんのり優しい甘さがあり、ミントっぽい爽やかさも感じます。
口に含むと、モルトやグレーンの優しい甘さに樽のウッディ感、香ばしくて優しい口当たりで、とてもバランスが良く飲みやすい、お手本の様なハイボールの味がします。
少し濃いめで作ると、ストレートの時のようにレーズンなどの熟したフルーティーな香りが加わり、モルティーな香ばしさと甘さが引き立ってきますが、このデュワーズは何かが秀でる事なく、スッと飲めてしまうところにデュワーズらしさを感じるので、比率は公式の4:1がお勧めだと思います。
まとめ
ハイボールの元祖とも言われるデュワーズ。バーテンダーからの信頼も高く、ストレートはもちろん、ハイボールやカクテルベースとして様々な飲み方で親しまれています。
今回も、3種類の飲み方でのレビューでしたが、冬であればホットで飲んでも美味しいですしチョット大人な雰囲気のハーフロックやウイスキーフロートなどで召し上がっても良いと思います。過度に主張が強くないので、どんな飲み方をしても美味しく飲めてしまう、これって実はなかなか出来ない事だと個人的に思います。
どうしても、個性を強調したり飲み方によってはバランスが崩れてしまったりしてしまうものですが、デュワーズホワイトラベルに至っては、良い意味で全てが平均値を超えてきますし、物足りなさも無いので、飲み初めのスターターとしてピッタリの名柄だと思います。
どんな飲み方をしても美味しく飲めてしまう万能スコッチ「デュワーズ ホワイトラベル」、家に1本あると色々と重宝するボトルだと思いますし、ハイボール以外の飲み方を試すにも最適な銘柄だと思いました。
我が家には必ず1本常備しているお勧めスコッチです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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