
このウイスキーの特徴
- ウイスキーの属性:シングルモルト
- 産地:スコットランド(スペイサイド)
- 蒸溜所:マッカラン蒸溜所
- 飲みやすさ:★★★★★★
- 味わい:エレガント、加水で変わるキャラクター
- おすすめの飲み方:ハイボール
- 総合評価:★★★★★☆
- どんな人に向いている?:マッカランをハイボールで楽しみたい人
このウイスキーについて

今回レビューするのは、シングルモルトウイスキー「ザ・マッカラン トリプルカスク12年」です。


「トリプルカスク12年」は、終売となった「マッカラン ファインオーク」シリーズの後継にあたり、『ダブルカスク12年』と合わせて『マッカラン』のチャレンジ精神の詰まったボトルになります。


定番の「シェリーオーク12年」はヨーロピアンオークのシェリー樽で12年以上熟成させたモルト原酒が100%使用されています。

また「ダブルカスク12年」は、ヨーロピアンオークのシェリー樽とアメリカンオークのシェリー樽で熟成させた(12年以上)2つの原酒をブレンドして造られています。


そして、この「トリプルカスク12年」は「ダブルカスク12年」の構成にバーボン樽で熟成した原酒を加えたものになります。


使われているバーボン樽は、アメリカのケンタッキー州にて「プレミアムバーボン」の熟成に使われた樽をマッカランが自ら厳選し調達。

シェリー樽同様、樽への厳しい管理体制があるマッカランだけに異色とも言えるバーボン樽にも並々ならぬこだわりが詰まっています。


2種のシェリー樽原酒、さらにバーボン樽原酒の3つが絶妙のバランスでヴァッティングされ、エレガントさと軽快さを持ち合わせた新しいマッカランの味わいが誕生します。


本来のマッカランのイメージは「ストレート」や「ロック」で飲むのが基本!!
みたいな風潮がありますが、「トリプルカスク12年」は公式でも「ハイボール」を推奨しています!


”バニラの甘い香り”と”華やかさ”が特徴のバーボン樽原酒は、ハイボールにすることでスッキリと爽やかな風味になり、シェリー樽原酒100%のマッカランにはない、スッキリとした飲みやすさがあります。

前進の『ファインオーク12年」と比べて、シェリー感や熟成感はアップしていると言われていますが、実際のところはどうなんでしょうか!?

今回もいつものようにストレート、ロック、ハイボールと3種類の飲み方でレビュー致しますので、最後までご覧ください!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
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フレーバーチャート

味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り
- バニラ、ビスケット、プラム、ぶどう、ライム、シナモン、バタークッキー
味わい
- 甘く華やか、エレガントで芳醇(軽快さもある)
感想
最初は、ストレートで飲んでみます。
香りはバーボン樽の特徴が素直に感じられる、バニラやビスケットといった甘い香りが先行します。そして、プラム、ブドウ、ライムの爽やかさが全体を包んでいるような感じがあります。
口に含むと、ほんのり甘く香ばしい味わいが広がり、飲んでいくうちに樽の香ばしさが際立ってきます。若干、焦げ感とも感じる香味は「マッカラン」では珍しく、バーボン樽の恩恵がこういったところにも垣間見えます。また、クリームやバターのような脂性の菓子を彷彿とさせる滑らかな香りも感じられ、クリーミーな一面も感じられました。
往年のマッカランファンからすれば戸惑うのでは!?と不安視する部分もありましたが、香りや味わいの方向性が少し軽いだけで、とても飲みやすくエレガントな味わいは正真正銘マッカランです。
ストレートで飲んでも十分すぎるくらい美味しい!!
ロックで飲んでみる
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香り
- ライム、青りんご、葡萄の皮、ハチミツ、ゴム、硫黄
味わい
- ハチミツの甘味、柑橘のキリッとした爽やかさ
感想
次は、氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、ライムが強調され、青りんご、ブドウの皮など少しビターが前に出てきます。そして、ハチミツの瓶を開けた時のような香りと、シェリー樽原酒の特徴の一つ”ゴムっぽさ”、と硫黄を感じる様になりました。
口に含むと、ハチミツの甘さ、その後をライムと青りんごが追いかけてきて、アフターにかけて柑橘のビターが膨らみ、ストレートにはないキリッとしたニュアンスに変化しています。
酸味もやや増す傾向にありますが、甘さが軸にあるので、ウイスキーが慣れない方でも抵抗なく飲める味わいだと思います。なんといっても、爽やかな味と香りで氷が溶ける前に飲み干してしまうので、気づくと2,3杯はスッと飲んでしまう危うさもあります・・・
ハイボールで飲んでみる
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香り
- バター、ビスケット、カスタード、葡萄、ハチミツ、ゴム
味わい
- 心地よい酸味、クリーミーな甘さ
感想
最後は、ハイボールで飲んでみます。
香りは、バターやカスタードのクリーミーな香りが再び現れ、ビスケットの香ばしさ、ハチミツが全面に出ていて、ブドウの皮、そして少しゴムっぽさをわずかに感じ、シェリー感は十分にあります。
口に含むと、滑らかでクリーミーな舌触りがとても心地よく、ほんのりハチミツの甘さと甘酸っぱさが口の中に広がります。
常にハチミツの甘さが口の中にあるので、香ばしさと相まって「ケンタッキーのビスケット」のような味わいにも感じました。
余韻にかけて、ハチミツと優しい果実が香り、最後は甘味が静かに消えていきます。
公式でもハイボールが推奨されていますが、マッカランらしいエレガントな風味とバーボン樽原酒の甘く香ばしい風味が一体となり、次々と杯が進んでしまいます。
ロックよりもさらに危険な飲みやすさと相まって、あっという間に飲み干してしまいました。これで価格が安ければ・・・。
まとめ
異色のバーボン樽原酒を使用した「ザ・マッカラン トリプルカスク12年」。
マッカランのイメージを崩すことなく、現代の飲み方にマッチした味わいが非常に好印象なボトルでした。レギュラーラインナップである「シェリーオーク12年」のフルボディタイプ、「ダブルカスク12年」のやや軽めに仕上がったシェリー感、そして飲みやすさを追求した「トリプルカスク12年」と3種類のボトル飲んでみると、一方的であった往年のマッカランにはない柔軟性に富んだシリーズ展開はむしろ飲み手にとって好都合と呼べるかもしれません。
原酒や樽の不足による”マッカランの苦肉の策”とも揶揄されたりもしますが、以前の味わいから変化してもマッカランにしか出せないテイストをしっかりと感じることができます。往年の味わいに固着するより、今飲むべき味をしっかり味わう方で正当性が取れていると改めて考えさせられました。
堅苦しくなりすぎましたが、マッカランというシングルモルトを知って最初に手に取るには最適なボトルだと思います。(シェリーオークよりお求めやすい価格ですし・・・)

最後までお読み頂きありがとうございました。

最初に購入するなら、ハーフサイズもあります!マッカランの中では最も手にしやすいボトル!!

いつも使っているテイスティンググラス。信頼の「グレンケアン」です。

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