【レビュー】「グレンアラヒー12年」を3種類の飲み方で味や香りをレビュー!!

※当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

このウイスキーを簡単にまとめると

グレンアラヒー12年とは
  • ウイスキーの属性:シングルモルト
  • 産地:スコットランド(スペイサイド)
  • 蒸溜所:グレンアラヒー蒸溜所
  • 飲みやすさ:★★★★☆☆
  • 味わい:バターのように濃厚、シェリー樽由来のタンニン
  • おすすめの飲み方:ハイボール
  • 総合評価:★★★★☆☆
  • どんな人に向いている?:ワイン好き、シェリー樽熟成モルトを堪能したい人、女性

最近、TwitterやSNSなどで頻繁に投稿されているシングルモルトに「グレンアラヒー」というウイスキーがあります。

個性的なラベルデザインで、「どんな味わい?」と気になっていた方も多いと思います。

ということで、今回はグレンアラヒーのスタンダードボトル「グレンアラヒー12年」のレビューをお届け致します!!購入に向けて少しでもお役に立てれば嬉しいです!

グレンアラヒーについて

まずは、「グレンアラヒー12年」を製造しているグレンアラヒー蒸溜所についてです!

グレンアラヒー蒸溜所

出典:Whisky.com

グレンアラヒー蒸溜所は、スコットランドのウイスキー界の重鎮ビリーウォーカー氏が所有する蒸溜所です。スペイサイド地方で作られるこのシングルモルトウイスキーは、その秘蔵っ子として知られています。

元々はブレンデッドウイスキー用に原酒を供給するために建設された蒸溜所でしたが、ビリーウォーカー氏が2017年に買収して以降、積極的なリリースが行われています。

出典:Whisky.com & MISSON HP

グレンアラヒーは、フルーティな芳香となめらかでキレのある飲み口が特徴的なスペイサイドらしい佳酒として知られていましたが、最近ではヘビーでリッチ、ボディの厚い酒質を楽しめるようになっています。その上質さから、近年最も注目を集めるブランドになりました。特に日本で多くのファンが増えてきている印象があります。

グレンアラヒー蒸溜所は、スペイサイド地方に位置し、隣にはアベラワー蒸溜所もあります。設立は1967年で比較的新しい蒸溜所です。もともとはブレンデッドウイスキー「マッキンレーズ」や「スコッツクラブ」、「キングスランサム」に原酒を提供していました。

出典:Whisky.com

ブレンデッド供給の為の蒸溜所から、シングルモルトのリリースを行うまでにしたビリー・ウォーカー氏の情熱は本当にすごいです!!

蒸溜所の設計は、建築家のウィリアム・デルメ・エヴァンス氏が担当しました。彼は機能と効率を重視した建築で知られ、アイル・オブ・ジュラやタリバーディンなど、多くの蒸溜所の設計を手掛けてきました。最後に手掛けたのがグレンアラヒー蒸溜所になります。

洗練されたモダンな造形のグレンアラヒー蒸溜所は、白塗りの近代的な建物として目を引きます。外観は東洋風のパゴダ屋根の趣を持つグレンバーギーやタリスカーとは異なり、「モーテルみたいだ」と酷評されたこともあるようですが、コンパクトに洗練されており現代的なモダンな造りをしています。

出典:Whisky.com

確かにパッと見はウイスキー蒸溜所には見えませんね!?しかし、その理由は効率化を求めたデザインによるものです。

1985年にはインバーゴードン社に買収されましたが、2年後に操業が停止。その後、1989年にペルノリカール社が買収し、約20年間は主にブレンデッドウイスキー「クランキャンベル」の原酒供給用として操業していました。

しかし、最も大きな変化が訪れたのは2017年です。ビリーウォーカー氏が蒸溜所を買い取り、グレンアラヒー・コンソシアム社を設立しました。現在、彼らは独立系蒸溜所として積極的にシングルモルトウイスキーをリリースし、多くのファンから注目を浴びています。また、シングルモルトの他にもブレンデッドウイスキーのマクネアズやホワイトヘザーへの原酒提供も行っています。

グレンアラヒーの製法

出典:Whisky.com

グレンアラヒー蒸溜所では、クリスプ社のポートゴードンで製麦された麦芽を用いています。ヘビリーピーテッド(フェノール値60〜80ppm)とノンピートの麦芽を組み合わせ、ピーテッドが85%、ノンピートが15%の割合で使われています。

仕込みには9.4tの麦芽を使い、43,000ℓの麦汁が作られます。発酵槽はステンレス製で6基あり、酵母としてケリーのリキッドイーストが1基につき250ℓずつ使用され、発酵時間は160時間を要します。

出典:Whisky.com

蒸留は初溜2基・再溜2基のポットスチルが使用され、水平式のシェル&チューブコンデンサーが併設されています。

樽はブレンデッドウイスキー「クラン・キャンベル」向けに提供していた様々な種類が使用され、樽詰めの度数は63.5%、68%、72%の3種類が揃っています。

蒸溜所の配置は重力に従っており、ポットスチルは最も低く設置され、発酵槽はそれよりも高い位置に配置されています。ウォッシュチャージャーもスチルより高い場所に設けられ、原料が自然に工程を経て流れる仕組みとなっています。

出典:Whisky.com

デルメ・エヴァンスの設計は、グレンアラヒー蒸溜所の効率的な運営に活かされ、リズム感のあるウイスキー作りを実現しています。

グレンアラヒー12年

グレンアラヒーのスタンダードともいえる「グレンアラヒー12年」は、12年以上の熟成を終えたモルト原酒が使われます。

原酒の種類は主にバーボン樽とシェリー樽の原酒が使われ、以前のバッチではバーボンの味わいが強い傾向にありましたが、2020年以降(現在の商品)ではシェリーの風味がより一層際立っている味わいになっています。

日本でも大人気のグレンアラヒーですが、シェリー樽熟成の味わいが秀悦なのかもしれません。

では、実際に3種類の飲み方でその味わいや香りを確かめて見ましょう!!

スポンサーリンク

テイスティング(実際に飲んでみた)

テイスティング ウイスキー ストレート ロック ハイボール グレンケアン

フレーバーチャート

味わいチャート

ストレートで飲んでみる

香り

  • 干しブドウ、黒糖、黒蜜、ハチミツ、樽の内側、バニラ

味わい

  • レーズン、バターのような濃厚さ

感想

まずは、ストレートから飲んでみます。

香りは、干しブドウ(レーズン)の熟した果実の香りがグラスいっぱいに広がっています。さらに、黒糖、黒蜜、ハチミツのほろ苦くも濃厚な甘い香りに、樽の内側を感じるウッディさ、そしてかすかにバニラを感じます。

口に含むと、濃厚でドッシリとした口あたりでシェリーの果実香が口いっぱいに広がります。黒糖のような甘さもあり、中盤からはハチミツやブドウの皮、余韻にかけてもタンニン感は膨らみ、エドラダワーに通じるような重厚感のある味わいです。

昨今、グレンアラヒーは流行りのシングルモルトの為、入手も少し難しい傾向にありますがこれだけ個性的な味わいだとは思いもしませんでした。若干、飲み疲れてしまうくらいの濃厚さで場合によっては飲み手を選ぶともいえそうです。

甘くフルーティーなので飲みやすいとは思いますが、とにかく濃いです。特濃シェリー樽モルトとも思える濃厚さはチャレンジし甲斐があるかもしれません。

ロックで飲んでみる

香り

  • レーズン、ハチミツ、ダークチョコ、黒糖、黒蜜、バニラ

味わい

  • ビター、ブドウの皮

感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。

香りは、レーズン、ハチミツ、ダークチョコレート、黒糖、黒蜜、そしてバニラの香りが漂っています。ストレートの時よりもややフレッシュで、活気のあるフルーティーさが感じられます。

口に含むと、レーズンとほろ苦い黒糖が広がり、ブドウの皮のタンニンとビターな味わいが膨らんできます。余韻にかけて、タンニン感が続き、ビターな要素と調和して、果実のような風味が調和しています。

氷を入れても酒質はドッシリとして重く、華やかさよりも重厚さが際立つ印象で、何杯も飲めるような軽快さはありません。これがグレンアラヒーと付き合っていく上での個性的なモルトの味わいです。

氷を入れて冷えても重厚さは揺るぎません!加水が進んでいくとビターが強まってくる傾向にあるので、クラッシュアイスではなくロックアイスがオススメです!!

ハイボールで飲んでみる

香り

  • 黒糖、ハチミツ、ダークチョコ、レーズン、ナッツ

味わい

  • ナッツの香ばしさとしっかりとしたシェリー感

感想

最後にはハイボールで飲んでみます。

香りは、黒糖やハチミツの甘い香りがダークチョコレートと絡み合い、レーズンとナッツの香ばしさも感じられました。

口に含むと、ほろ苦く甘い黒糖にシェリーの風味が絡み、ナッツの香ばしさと果実の風味が後を追います。そして、ハチミツの味わいと共に香ばしいナッツの風味がスッと消えていきます。

なるほど、グレンアラヒーが人気の理由は「ハイボール」にあるかもしれません。ストレートやロックの場合のシェリー感は重厚でフルボディなのに対し、ハイボールでは爽やかな果実の酸味とナッツの香ばしさが調和して、華やかな風味を感じられます。初心者の方やウイスキーに馴染みのない方でも飲みやすく、美味しく感じられる味わいだと思います。

甘口シェリー(PX)の良い部分だけが抽出された華やかなハイボールです!これなら、食中酒にもピッタリで、女性にもおすすめです!!

まとめ

スペイサイドの異端児!? グレンアラヒー12年のレビューでした。

シェリー樽熟成で真っ先に浮かぶ「ザ・マッカラン」や「グレンファークラス」などの著名なモルトはたくさんありますが、同じスペイサイドでこんなにもドッシリとしたモルトを思い浮かべることはありませんでした。

ラベルはモダンなデザインで、色使いなども凝っています。てっきり今風の飲みやすさがあるのかな!? と思っていましたが、完全に裏切られました(笑)

酒質はヘビーで、シェリーの香りも華やかというよりも”葡萄”をしっかりと感じる濃厚なものです。ストレートでは黒糖と濃厚な果実。ロックではややフレッシュさを感じつつも強いタンニン感があり、ハイボールでようやく華やかなスペイサイドモルトの魅力が現れます。

流行っているからといって軽率に手を出すと驚くかもしれません。しかし、シェリーの一種であるPX(ペドロヒメネス)の黒糖のような甘さなど、謙虚に味わいに反映されています。これはグレンアラヒーの樽熟成に対する強いこだわりの表れなのでしょう。

万人受けする感じではないかもしれませんが、ハイボールを中心に、時折フルーティーなモルトをストレートで楽しむ方には非常にマッチしたシングルモルトだと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。

テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました