

こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!

今回は、「カネマラ ピーテッドシングルモルト」の解説&レビューを行っていきます!
「アイリッシュウイスキーでスモーキーなものを探しているけれど、なかなか見つからない」「アイラモルトは好きだけど、あのヨード香がやや苦手で…」という声をよく耳にします。
結論から申し上げると、カネマラはアイラモルトとも、通常のアイリッシュウイスキーとも異なる独自のポジションを持った銘柄です。 甘くアーシー(土っぽい)なスモークと、フルーティーで蜂蜜のような甘さが同居する、不思議な魅力があります。
この記事では実際に飲んだ体験をもとに、なぜカネマラが「アイリッシュなのにスモーキー」であるのか、そしてなぜその独自性が価値を持つのかを解説します。





まずはカネマラ オリジナルの基本スペックから確認していきましょう。価格や特徴をしっかり把握してから深く掘り下げていきます。
カネマラピーテッドシングルモルトの基本情報とスペック
| カテゴリー | アイリッシュ・シングルモルト・ウイスキー・NASピーテッド |
| メーカー | ビームサントリー(クーリー蒸溜所) |
| 蒸溜所設立 | 1987年(クーリー蒸溜所)独立系 |
| 初リリース | 1996年(1992年蒸溜原酒使用) |
| アルコール分 | 40% |
| 内容量 | 700ml |
| 価格帯 | 4,000〜6,000円前後 |
| ピートレベル | 20〜25 ppmミディアム |
| 蒸溜方式 | 2回蒸溜(ポットスチル) |
| 熟成樽 | アメリカンオーク・バーボン樽 |
| 原酒構成 | 4年・6年・8年熟成モルトのヴァッティング |
| 産地 | アイルランド・ラウス州アイリッシュ |
| 品質評価 | 国際受賞歴多数 |
| おすすめの飲み方 | ストレート、ロック、ハイボール |
カネマラ オリジナルピーテッドの長所・短所
【長所】
- ✅ 唯一のポジション:広く流通するアイリッシュ・シングルモルトの中でほぼ唯一のピーテッド製品
- ✅ 独特なスモーク:ヨード香が控えめで、甘く土っぽいアーシーなスモークが心地よい
- ✅ バランスの妙:スモークとフルーティーな甘みが同居する立体的な味わい
- ✅ 2回蒸溜のボディ感:アイリッシュ特有のスムーズさにしっかりとした骨格が加わる
- ✅ コストパフォーマンス:同クラスのスコッチと比べて入手しやすい価格帯
- ✅ 多様な飲み方に対応:ストレートからハイボールまで幅広く楽しめる
- ✅ 国際受賞歴多数:サンフランシスコWSCなど主要コンペティションで高評価
- ✅ ラインナップの幅:12年・カスクストレングス・ディスティラーズエディションなど展開豊富
【短所】
- ❌ アイラ派には物足りない可能性:20〜25ppmはヘビーピートに慣れた方には穏やかに感じられることも
- ❌ NAS製品の透明性:熟成年数が非表示のため、バッチごとの変動もある
- ❌ アルコール感:40%と低めの度数設定が、ストレートでは物足りなさにつながる場合も
- ❌ 国内流通の少なさ:取り扱い店舗が限られ、探すのに手間がかかることがある
- ❌ チルフィルター処理:冷却ろ過による風味のロスを気にする愛好家もいる





「アイリッシュ×スモーキー」という希少な組み合わせに価値を見出せる方には、非常に面白い選択肢です。





では何故、カネマラがここまでユニークな存在なのか、4つの決定的な理由を詳しく解説していきます。
なぜカネマラ オリジナルがおすすめなのか?【4つの理由】


アイリッシュ唯一のピーテッド・シングルモルト
広く流通しているアイリッシュ・シングルモルトの中で、全面的にピーテッド麦芽を使用しているのはカネマラだけです。これ一本でアイリッシュウイスキーの「もう一つの顔」が体験できます。
「甘いスモーク」という独自のテロワール
アイラ島のピートが海洋性で強烈なヨード香をもたらすのに対し、カネマラはアイルランド内陸の陸生植物由来ピートを使用。焚き火のような甘くアーシーなスモークが、ヘビーピートとは一線を画します。
2回蒸溜が生む「飲み応えのある骨格」
アイリッシュの多くが3回蒸溜でライトな酒質を生み出すのに対し、カネマラは2回蒸溜を採用。ピートの風味を保ちながら、しっかりとしたボディ感を実現しています。
NASながら複数原酒のヴァッティングによる完成度
4年・6年・8年という異なる熟成段階のモルト原酒をブレンドすることで、若い原酒のピートの力強さと、熟成原酒の甘みと複雑さを両立。年数表記なしでも高い完成度を誇ります。





「アイリッシュなのにスモーキー」、その背景にはアイルランドの深い歴史があります。カネマラが生まれた物語を辿ってみましょう!
カネマラ オリジナルピーテッドの特徴を簡単にまとめると
- ウイスキーの属性:シングルモルト
- 産地:アイルランド
- 蒸溜所:クーリー蒸溜所
- 飲みやすさ:★★★☆☆☆
- 味わい:ハチミツとピートのハーモニー
- おすすめの飲み方:なんでもOK!!
- 総合評価:★★★★☆☆
- どんな人に向いている?:初めてのピーティーなウイスキーに、ピートの香りを知りたい人
カネマラについて







今回ご紹介するウイスキーは、アイリッシュウイスキーの異端児「カネマラ」の「ピーテッド シングルモルト」です。





「アイリッシュウイスキー」といえば、「アイルランド」で造られる「世界5大ウイスキー」の一つで歴史は古く、スコットランドと発祥を巡り議論を繰り返している地域でもあります。





スムースな味わいは、カクテルのベースとしても重宝され初心者でも馴染みやすいのが特徴。製法は伝統的に”3回蒸留”(スコットランドは2回)と麦芽の乾燥にピート(泥炭)を使いません。







しかし「カネマラ」は”ピートを使い”、”蒸留回数は2回”とスコットランドの製法によって造られている為、「アイリッシュウイスキーの異端児」と呼ばれることもしばしば!!







常識にとらわれない製法で「カネマラ」を造られています。そして、製造をしているのは「クーリー蒸留所」というの現在はサントリーが所有している蒸留所です。
クーリー蒸留所について







「クーリー蒸留所」はアイルランド北東部アイリッシュ海に面したクーリー半島にあります。1987年に創業者ジョン・ティーリングによってジャガイモを原料とした酒のプラントから転換されました。







ブランド名の由来となったカネマラ地方は北西部にあり、入り組んだ海岸線や湖に囲まれ「荒涼の美」や「アイルランドの原風景が残る地」と評される風光明媚な場所を指しています。







この一帯は昔ピートの採掘場(ピートボグ)であったそうで、以前の「アイリッシュウイスキー」はスモーキーな風味だったことが予想されます。





元々、ジャガイモの蒸留酒を造る工場だった所を2基の塔式蒸溜器を持つ蒸溜所に転換され、1989年に稼働が始まります。





これは実にアイルランドで100年ぶりに新設されたウイスキー蒸溜所になりました。





その後、「クーリー蒸溜所」で造られるウイスキーはたちまち話題となり1998年にはIWSCで初となるトロフィーを受賞することになります。
カネマラの製法







カネマラの原料となるのはフェノール値14ppmのピーテッド麦芽を使用し、これをマッシュタン(糖化槽)に入れます。(仕込みの麦芽量は1回約3トン)





ここから16000ℓの麦汁が造られ、2回分(32000ℓ)をウォッシュバック(発酵槽)に投入します。(発酵槽はステンレス製4基を使用)







蒸留に使うポットスチルは初溜1基、再溜1基の計2基。ちなみにこのポットスチルは元々ベンネヴィス蒸留所で使用されていた中古の物だそうです。(ベンネヴィスはニッカウヰスキー所有)





アイリッシュウイスキー特有の軽やかな口当たりは仕込んだもろみを3回蒸溜することにより生まれますが、「カネマラ」の蒸留回数は2回!!





これは創業者のジョン・ティーリング氏のポリシーによるもので、スコッチウイスキーのような独特の個性を生み出しています。







また、「クーリー蒸溜所」ではモルト原酒以外にも、グレーン原酒を造るための連続式蒸溜機も設置されています。





熟成に使われる樽は全てバーボン樽を使用し、樽詰め後に系列の「キルベガン蒸溜所」にある熟成庫に移され熟成されます。







熟成庫内はパラタイズ式と呼ばれるパレット板の上に縦置きに並べる方法で、省スペースで熟成を行え、空気に触れる面積が通常の横置きよりも少なく出来る利点があります。







空気に触れる部分が少ないということは、揮発(天使の分け前)が抑えられますし、樽の安定感も増しますね!!





熟成された原酒は次の3つに分けられます。
1.フレッシュな味わいの4年熟成モルト
2.フルーティーな華やぎのある6年熟成モルト
3.バニラの甘みを抱いた8年熟成モルト





この3つの原酒をそれぞれブレンドしてボトリングされ「カネマラ オリジナル」は完成します。





スコッチに倣った製法など創業者のこだわりが詰まったアイリッシュウイスキー「カネマラ オリジナルピーテッドシングルモルト」をいつものように3種類の飲み方でレビューしていきます!!
カネマラが生まれた背景:密造酒の伝統と独占市場への挑戦


アイルランドにおけるピートと密造酒(ポティーン)の歴史
ブランド名の「カネマラ」は、アイルランド西部ゴールウェイ州の地域名に由来します。荒涼とした美しさを持つこの地は、アイルランド・ゲール語の話者が多く残るエリアで、かつては密造酒「ポティーン(Poitín)」の製造が盛んに行われた土地でもあります。
1556年に蒸溜免許を義務付ける法が制定されて以降、重税から逃れようとする人々はカネマラのような辺境の地で密かに蒸溜を続けました。その際の熱源として使われていたのが、この地に豊富に存在するピート(泥炭)です。当時のアイルランドのウイスキーは、ピートを燃やした煙の香りを帯びた「スモーキーなもの」が自然な姿でした。
19世紀以降、より安価な石炭が普及するとピートの使用は廃れ、アイリッシュウイスキーはノンピートが主流になりました。カネマラというブランド名は、この失われたピートウイスキーの伝統へのオマージュを込めています。





アイリッシュウイスキーが元々スモーキーだったというのは意外ですよね。カネマラは「原点回帰」とも言えるウイスキーです。
クーリー蒸溜所:独占市場を打ち破った独立系の挑戦


カネマラが作られるクーリー蒸溜所の誕生も、波乱に満ちた物語です。1973年にアイリッシュ・ディスティラーズ社(IDL)が国内全蒸溜所を傘下に収め、アイルランドには独占状態が生まれました。
この状況に一石を投じたのが実業家のジョン・ティーリングです。1987年、彼はラウス州クーリー半島の旧工業用アルコール工場を改修し、クーリー蒸溜所を設立。IDLの製品とは正反対のスタイル、すなわちピーテッドで2回蒸溜という「スコッチ的アプローチ」で差別化を図りました。
また同蒸溜所は1757年創業の歴史的なキルベガン(ロック)蒸溜所の再稼働も支援し、現在はビームサントリーの傘下となっています。クーリーは独立系ブランドのパイオニアとして、現在も続くアイリッシュウイスキーの多様化の先鞭をつけた蒸溜所です。





歴史的な背景がわかったところで、カネマラを「スモーキーかつフルーティー」たらしめる製造の仕組みを詳しく見ていきましょう。
製造プロセス:「甘いスモーク」が生まれる仕組み


ピートのテロワール:アイラとの決定的な違い
カネマラのピートレベルは20〜25ppm(フェノール値)で、ミディアムピートに分類されます。アードベッグやラフロイグなどアイラのヘビーピートが40〜50ppm超であることを考えると、その半分程度です。
しかし重要なのはレベルだけではなく、ピートの「産地と性質」です。
- アイラ島のピート:海に囲まれた環境で、海藻や海洋性植生が豊富。燃やすと強いヨード香・塩味・薬品臭をもたらします。
- アイルランド内陸のピート:ヘザー(ヒースの低木)・シダ・コケなど陸生植物由来。燃やすと「甘い焚き火」「落ち葉」「土っぽさ」のようなアーシーなスモークになります。





カネマラの煙が「甘く」「草っぽく」「フローラル」なのは、まさにこのテロワールの違いによるものです。
2回蒸溜:ピートを「逃がさない」ための選択


アイリッシュウイスキーの多くは3回蒸溜でクリーンでライトな酒質を生み出します。しかし、3回蒸溜を行うとピート由来のフェノール化合物が精製・除去されすぎてしまいます。
カネマラが2回蒸溜(スコッチ・シングルモルトと同じ方式)を採用しているのは、ピートの芳醇なアロマとウイスキーの骨格をしっかりと維持するためです。アイリッシュの滑らかさを持ちながら、スモーキーなキャラクターを前面に出せるのは、この技術的な選択あってこそです。
ヴァッティング戦略:3つの熟成年数が担う役割


カネマラ オリジナルはNAS(年数非表示)ですが、アメリカンオーク・バーボン樽で熟成された4年・6年・8年のモルト原酒をブレンドしています。
| 構成原酒 | 風味への役割 |
|---|---|
| 4年熟成ピートの核 | フレッシュで若々しいピートのパンチ。明確なスモーキーさの源。熟成が長くなるほどピート香が樽の風味に溶け込むため、若い原酒ならではの爆発的なスモークが全体を引き締める。 |
| 6年熟成橋渡し | ほのかなフルーティーさとバニラ香の基盤を形成。若さと熟成のあいだを繋ぎ、全体のバランスを整える中継ぎ役。 |
| 8年熟成甘みの核 | バーボン樽の長期熟成が抽出した蜂蜜・チョコレートの深い甘みと、全体を包み込む滑らかな口当たり。複雑さと熟成感をヴァッティング全体に与える。 |
💡 ポイント:3種類の熟成原酒を組み合わせることで、「若い原酒が持つピートの力強さ」と「長期熟成が生む甘みと複雑さ」を同時に実現。単一ヴィンテージでは達成し難い立体的なバランスが、カネマラ オリジナルの完成度の高さを支えています。





この組み合わせにより、単一ヴィンテージでは実現し難い「ピートの力強さ×熟成の甘さ」の立体感が生まれています。





製造の仕組みがわかると、カネマラのスモークがアイラとは質的に異なることが理解できますね。いよいよ実際のテイスティングレビューです。
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カネマラピーテッドを実際に飲んでみた


フレーバーチャート


味わいチャート


ストレートで飲んでみる


香り
ハチミツ、杏、ナッツ、ハーブ、ピート、スモーク、泥
味わい
はちみつの甘さ、ナッツ感、スパイシーなアフター
感想
まずはストレートで飲んでみます。
香りは、ハチミツと杏のような果実香が漂い、ナッツの香ばしさとアイリッシュ独特のハーブ感、そしてピーティーなスモークが重なってきます。
口に含むと、ハチミツの優しい甘さとナッツの香ばしさが広がり、中盤からスパイシーさが顔を出して、余韻はスモーキーに締まります。
アイリッシュウイスキーらしい滑らかでハービーな特徴を感じながらも、フェノール値14ppmとは思えないしっかりとしたスモーキーさが共存しています。アイラモルトを愛飲している方でも満足できるスモーキーさがありながら、複雑で繊細な側面も兼ね備えており、”異端児”と呼ばれる所以を納得させる一杯です。





飲むたびに新たな香りや味わいの発見がある、奥行きのある一本です。アイラモルトやピート香が苦手な方にとっては、スモーキーウイスキーへの入口としても適した味わいといえます。
ロックで飲んでみる


香り
ハチミツ、チェリー(マラスキーノ)、ナッツ、いちごシロップ、ハーブ、ピート
味わい
パワフルなピート感、ハーブ、スパイシー
感想
香りは、ハチミツにマラスキーノチェリーやイチゴシロップのような砂糖を煮詰めた甘さ、ナッツの香ばしさ、そしてハーブとピートのニュアンスが色濃く出ています。
口に含むと、ハチミツの甘さが広がると同時にスモーキーな香りがパワフルに膨らみます。中盤にはハーブや草っぽいニュアンスが漂い、余韻にかけてビターとキリッとしたスモークが残ります。
ストレートと比べてシャープな印象に変わり、ピーティーなスモークとキレのあるビターが前に出てきます。少しハードな飲み口には、ミルクチョコレートのような優しい甘さのペアリングも試してみる価値がありそうです。





ハイボールで飲んでみる


香り
ハチミツ、ピート、スモーク
味わい
ハチミツの甘み、モルトの香ばしさ、スモーキーでハーヴィーな香り
感想
香りは、ハチミツにピートのツンとした燻製香がふんわりと広がります。
口に含むと、滑らかな舌触りとともにハチミツの甘さ、ハーブや草の清々しさ、スモーキーなアクセントが重なり、単体で十分に満足できる味わいです。単純にスモーキーなハイボールというだけでなく、アイリッシュならではの複雑な香味、麦の甘さ、コクといった様々な要素がバランスよく溶け込んでいます。
ハイボールというと脂っこい料理との相性が語られがちですが、このボトルは少し趣が異なります。滑らかでコクがあり、複雑な香味が楽しめるため、食事よりもグラスそのものをじっくり味わいたくなる一杯です。





料理と合わせるのも良いですが、最初はぜひ単品でじっくりと味わってみてください。モルトとアロマのコクがしみじみと感じられ、気づけばグラスが空いてしまう、そんな飲みやすさがあります。





カネマラとアイラモルトは何が同じで、何が違うのか。具体的な比較を見ていきましょう!
アイラモルトとの比較:テロワールと哲学の違い


カネマラは「ピーテッドのアイリッシュ」ということでアイラモルトと比較されがちです。製法(2回蒸溜・ピーテッド麦芽)は確かに近いものの、テロワールとブレンド哲学には明確な違いがあります。
| 項目 | カネマラ オリジナルアイリッシュ | ボウモア 12年アイラ | ラフロイグ 10年アイラ | アードモア レガシーハイランド |
|---|---|---|---|---|
| ピートレベル | ミディアム 20〜25ppm | ミディアム 約25ppm | ヘビー 40〜50ppm+ | ライト〜ミディアム |
| ピートの性質 | 内陸・陸生植物(土・ヘザー) | 海洋性(軽い海藻・潮風) | 海洋性(海藻・ヨード) | 内陸(土・スパイシー) |
| スモークの傾向 | 甘い焚き火・アーシー・草 | ピートとシェリーの甘み・微かな潮 | 強烈な薬品・海藻・BBQ | ドライなスモーク・バニラ |
| 蒸溜回数 | 2回蒸溜 | 2回蒸溜 | 2回蒸溜 | 2回蒸溜 |
| 主な熟成樽 | バーボン樽 | バーボン樽+シェリー樽 | バーボン樽 | バーボン樽 |
| 価格帯の目安 | 手頃(5,000円前後) | 中価格帯(6,000〜8,000円) | 中〜高価格帯(7,000〜9,000円) | 手頃(5,000〜6,000円) |
💡 ポイント:カネマラはアイラモルト特有のヨード香・海藻香がなく、「甘くアーシーなスモーク」が特徴。ヘビーピートが苦手な方や、アイリッシュウイスキーのフルーティーさも同時に楽しみたい方に適した一本です。
ボウモア 12年との比較
同じくミディアムピート(約25ppm)でも、ボウモアにはシェリー樽由来のダークフルーツの甘みと、穏やかながら確かな「潮の香り」があります。カネマラはよりフレッシュで草のような甘さが際立ちます。
ラフロイグ 10年・アードベッグとの比較
強烈な薬品臭やバーベキューのような煙は、カネマラには存在しません。ヘビーピートに慣れた方にはカネマラは「穏やか」と感じるでしょう。一方で「あの強度は苦手だけどスモーキーなウイスキーを楽しみたい」という方には非常に親しみやすい入口となります。
ある評論家は「ヘビーピートには太刀打ちできない」と評する一方、別の専門家は「驚くほど親しみやすいスモーキーウイスキー」と評価しており、評価が二極化するのもこのバランスゆえです。どちらも正しい指摘です。





それでは、カネマラを最大限に楽しむための飲み方をご紹介します!
スモークを味方に使うカネマラの飲み方を提案


ストレート:コントラストを味わう【最もおすすめ】
推奨グラス:チューリップ型テイスティンググラス 温度:常温(18〜20度)
ストレートが最も「スモークと甘さのコントラスト」を体感できる飲み方です。数滴の加水(トワイスアップ)を加えると香りが大きく開き、フローラルな要素と果実の甘みがより顕著になります。加水量の調整で表情が変わるため、ゆっくりと時間をかけて楽しんでほしい飲み方です。
ロック:スモークを穏やかに、フルーティーさを前面に
冷却されることでスモークが穏やかになり、青リンゴや柑橘系のフルーティーな側面が浮かび上がります。「スモーキーなウイスキーは初めて」という方には、ロックが最も入りやすい飲み方かもしれません。
ハイボール:草原の爽快感
ウイスキー1:炭酸水4の比率で割ると、カネマラの「フレッシュな草の香り」と「涼やかなスパイシーさ」が弾けます。ピート香は炭酸を突き抜けて残るため、スモーキーなハイボールとして成立します。ライムやミントを添えると爽快感がさらに際立ちます。
ハイボールのコツ:トールグラスに大きめの氷を入れ、カネマラを注いで30秒ほど静かにステア。その後冷えた炭酸水を氷に当てないよう注ぎ、底から一度だけマドラーを引き上げます。





ストレートで本質を掴んでから、ロックやハイボールで違う顔を楽しむのが個人的なおすすめルートです。





カネマラにはオリジナル以外にもいくつかの展開がありますよね。ラインナップ全体を把握しておくと、次の一本選びの参考になります。
カネマラのラインナップ:ブランドの広がり


| 項目 | オリジナル入門 | 12年プレミアム | ディスティラーズ エディション特別仕様 |
|---|---|---|---|
| 熟成年数 | NAS(4・6・8年ヴァッティング) | 12年 | NAS |
| アルコール度数 | 40% | 40% | 43% |
| 使用樽 | バーボン樽 | バーボン樽(長期熟成) | バーボン樽+オロロソシェリー樽フィニッシュ |
| スモークの印象 | 若々しく爽快なピート | エレガントに溶け込むスモーク | ピートとシェリーの融合 |
| 価格帯の目安 | 5,000円前後 | 9,000〜11,000円前後 | 8,000〜12,000円前後 |
| おすすめの方 | ピーテッド入門者・コスパ重視 | 熟成感・複雑さを求める方 | フルーティーさ+スモーク好みの方 |
💡 ポイント:まずオリジナルで「アイリッシュ・ピーテッドの世界観」を掴んでから、12年やディスティラーズ エディションで深みを探るのがおすすめの楽しみ方です。
カネマラ 12年:長期熟成が生む洗練
12年の長期バーボン樽熟成により、若い原酒にあった荒々しいピートの角が取れ、スモーキーさがウッディな樽香の中にエレガントに溶け込んでいます。クレーム・ブリュレ、プロヴァンスのハーブ、アーモンドのような複雑さが特徴で、熟成感を求める方に最適です。
ディスティラーズ エディション:シェリー樽フィニッシュの融合
バーボン樽熟成原酒をオロロソ・シェリー樽でフィニッシュ(後熟)した特別シリーズ。ダークベリーの甘みとスパイスがアーシーなピートと調和し、より豊かで複雑な味わいになっています。





食事やおつまみとのペアリングも、カネマラの楽しみ方の一つです!スモークと甘みを活かした組み合わせを紹介します。
カネマラ ピーテッドとのペアリング提案


スモークとの「同調」ペアリング
- スモークサーモン:スモーキーさ同士が共鳴し、ウイスキーのアルコールが脂の旨味を洗い流す
- 燻製チーズ:アーシーなスモークと穀物の甘みが調和する
- ローストポテト:土っぽい甘さとカネマラのアーシーな特性がマッチ
「対比」ペアリング
- アイルランド産ブルーチーズ:塩味と脂肪分がスモークに対抗し、ウイスキーの甘みを際立たせる
- ダークチョコレート:カカオの苦みとオーク樽の渋みが共鳴し、甘さが引き出される
- ソーダブレッドと有塩バター:麦の風味が共鳴し、バターの油分にスモークが心地よく溶け込む
ハイボールと合わせるなら
- 唐揚げや揚げ物全般:炭酸の爽快感がコクを洗い流す
- スパイシーな料理:スモークがスパイスのアクセントと調和する





よくある質問にお答えします!
よくある質問(FAQ)
「アイラモルトが苦手でも楽しめる?」
試してみる価値はあります。カネマラのスモークはアイラより穏やかで、ヨード香・薬品臭が少ないためです。ただし、スモーク自体が完全に苦手な方にはやはり難しいかもしれません。まずロックかハイボールで試すのがおすすめです。
「5,000円前後という価格は妥当?」
同クラスのスコッチ・ピーテッド・シングルモルトと比較すると、コストパフォーマンスは高い方です。「アイリッシュ唯一のポジション」と「独自のテロワール」を考慮すれば、試す価値は十分にあります。
「NASって品質が安定しないのでは?」
バッチごとのわずかな違いはありますが、複数年熟成のヴァッティングにより一定の味わいの骨格は保たれています。大きく外れることは少ないカテゴリーです。
「ハイボールにするのはもったいない?」
スモーキーなウイスキーはハイボールでの楽しみ方も十分に成立します。カネマラはむしろハイボールでの爽快感も魅力の一つです。
まとめ
スコットランドの伝統を反映した個性豊かなアイリッシュウイスキー「カネマラ」。中でもこのピーテッドシングルモルトは、アイラともハイランドスモーキーとも異なる独特の個性を放っています。
味わいはアイリッシュならではの滑らかさにハーブのニュアンスが重なり、繊細さの中にピートの効いたパンチのある香りが共存しています。個々の個性は骨太ながらも丁寧にまとまっており、非常に飲みやすい仕上がりです。ボトルのデザインから感じられる自然の豊かさと女性的な柔らかさ、そしてスモーキーでハードな力強さがきれいに融合した、アイラやハイランドとも違う新鮮な個性が魅力の銘柄といえます。
アイリッシュのイメージを超えたスコッチのような独自の個性があり、どんな飲み方でも楽しめます。スコッチやジャパニーズでピートの風味に親しんできた方には特におすすめで、ハーブを伴った独特のピート感は新鮮な発見をもたらしてくれるかもしれません。こちらはスタンダードタイプですが、12年以上のモルト原酒を使用した「カネマラ ピーテッドシングルモルト12年」もラインナップされており、スモーキーさをさらに深く追求したい方にも選択肢が広がります。





最後までお読み頂きありがとうございました。



こちらが今回レビューした「カネマラ ピーテッドシングルモルト」です。


そして、こちらは上位ボトルの「カネマラ ピーテッドシングルモルト12年」になります。


テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。





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