【レビュー】エドラダワー 10年の味と香りを3種類の飲み方で解説!!

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このウイスキーの特徴を簡単にまとめると

エドラダワー10年とは
  • ウイスキーの属性:シングルモルト
  • 産地:スコットランド(ハイランド)
  • 蒸溜所:エドラダワー蒸溜所
  • 飲みやすさ:★★★☆☆☆
  • 味わい:どっしりとしたシェリー感、乳酸菌とワクシーな芳香
  • おすすめの飲み方:ストレート、ロック
  • 総合評価:★★★★★☆
  • どんな人に向いている?:シェリー樽熟成の味わいを知りたい人、どっしりとしたフルボディが好みの人

このウイスキーについて

今回ご紹介するウイスキーはシェリー系シングルモルトの中でも個性的な「エドラダワー10年」です。

「エドラダワー10年」は、スコットランドにある「エドラダワー蒸留所」が製造しているシングルモルトウイスキーになります。

シェリー系で有名なシングルモルトといえば「ザ・マッカラン」をはじめ「グレンドロナック」や「グレンファークラス」など沢山ありますが、この「エドラダワー」はその中でも超個性的な味わいかもしれません。

ではまず、造っている「エドラダワー蒸留所」について見ていきましょう!!

エドラダワー蒸留所

「エドラダワー蒸溜所」はスコットランドのハイランド地方にある「ピトロッホリー」という町から少し離れた高台に建っています。

「エドラダワー」とはゲール語で、蒸溜所のそばを流れる「エドレッドの小川」という意味や、「2つの小川の間」という意味があり、由来については諸説あると言われています。

蒸留所の始まりは1825年、地元の農夫たちによって共同で作られたのが始まりでした。

創業当時から続く伝統的な製法は変わらず、糖化槽や発酵槽、ポットスチルは創業当時のものが今も使われています!!

しかも、エドラダワーの製造部門のスタッフはなんと3人!!たった3人で蒸留所の製造工程のすべてを回しているんです。

少人数での製造ですので生産量は非常に少なく他のスコットランドの蒸留所が1週間かけて造る量を「エドラダワー」では1年かけて造ることになります。

生産量からみれば貴重なモルトになりますが、逆にそれだけ経営という面では何度もオーナーが変わってきたという歴史もあります。安定した稼働をするには厳しい時代があったんですね・・

しかし、現在はボトラーズメーカーで有名な「シグナトリー社」がオーナーになった事により安定した経営がされているようです。

オーナーのシグナトリーとは

シグナトリー社」はスコットランドで、蒸溜所を持たず瓶詰めのみを行うボトラーズの会社です。

「シグナトリー社」の創業は1988年、首都エジンバラでホテルマンとして働いていた「アンドリュー・サイミトン」が弟のブライアンとともに立ち上げた会社です。

2002年に悲願の小さな蒸溜所「エドラダワー」を手にし、オフィシャルにはない個性的なボトルをリリースし続けています。

エドラダワーの製法

「エドラダワー」では、一回の仕込みに約1トンの麦芽を使用し、糖化槽は鋳物製のオープンタイプのものを今も使っています。この時の麦汁抽出量は6,000リットル。

これを木製の発酵槽に入れ発酵の工程に移りますが、この糖化槽はなんと1900年製で約120

年以上も昔から使われている超年代物です。

そして、蒸溜に使用されるポットスチルは初溜・再溜が各1基ずつの合計2基。どちらもスコットランドで最小の蒸留釜で特に、再溜用の釜のサイズは約1800ℓと当局が認める最少サイズのものを使用しています。

熟成樽についてはオーナーの「シグナトリー社」が取り寄せした様々な樽が使用されます。

一般的なバーボン樽をはじめ、ワイン樽も様々でポート、マルサラ、マディラ、シャルドネ、ボルドー、シェリーなど「シグナトリー」のネットワークを活かした、様々な樽熟成を行っています。

日本においても地方にある家族経営の小さな酒蔵同様に、少量ながらこだわりを持って造っている「エドラダワー」のシングルモルト。今回も3種類の飲み方でレビューしてみたいと思います。

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テイスティング(実際に飲んでみた)

フレーバーチャート

味わいチャート

ストレートで飲んでみる

ストレート導入画像

香り

  • 干しぶどう、プラム、ハチミツ、黒蜜、湿った木、ワックス、押入れ

味わい

  • ブドウの皮、樽の内側、オイリーで粉っぽい、圧倒的なシェリー感

感想

まずはストレートから飲んでみます。

香りは、干しブドウやプラムにハチミツ、黒蜜といった甘い香樽の内側をイメージするような湿った木片のような香りに化粧品っぽいワックスの芳香、そして少し埃っぽさを感じる香りが漂っています。

口に含むと、ウイスキーであることを忘れてしまうくらいの圧倒的なブドウ感があり、ドッシリとした酒質で10年熟成とは思えない重厚感があります。干しブドウやレーズンといった熟したベリー系の甘さと酸味に、ハチミツや黒蜜が絡んできて化粧品のような芳香がエレガントに香り、スパイシーなアフター、余韻はブドウのタンニンとハチミツが程よく香って消えていきます。

例えていうなら、清酒ではなく「どぶろく」を飲んでいるような濃縮したシェリー感だとおもいます。

有名なシェリー系のウイスキーにあるようなエレガントなフルーティーさではなく、素材の味を大切にじっくり仕上げた感が伝わってきます。シェリーを添加しているのでは!?と思えるほど濃密な味わいは是非、試していただきたいと思います。

ロックで飲んでみる

ロック導入画像

香り

  • 干しブドウ、ハチミツ、ワックス、黒蜜

味わい

  • オイリー、クリーミー、ブドウの甘さとタンニン

感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。こういった濃い味のモルトは氷を入れることで飲みやすく、ロックスタイルとの相性も良い傾向にあります。

香りは、干しブドウ(レーズン)の熟した果実に、ハチミツ、ワックスの芳香と黒蜜が感じ取れます。冷えた分、香り成分が少し閉じた印象がありますが、このくらいのほうが好みという方も多いと思います。

口に含むと、オイリーでクリーミーな舌触りがブドウの香りと共に広がります。どこか化粧品のような芳香と、ややビター感が増した味わいは全体が引き締まって感じられ、ストレートの時よりもツヤっぽくも感じます。

樽の内側のようなオーキーさと粉っぽい感じは和らぎ、ブドウ本来の酸味、甘み、タンニンが口の中をスルスルっと流れていく感じがあり、オンザロックにとても相性の良いモルトウイスキーだと思いました。

ストレートの時に感じた「松ヤニ」や「木片」のような粉っぽさは薄れ、瑞々しく滑らかな味わいはブドウ本来の果実味溢れる味に変化しました。人によっては「濃すぎる」と感じるくらいのドッシリタイプですので、オンザロックはオススメです!!

ハイボールで飲んでみる

ハイボール導入画像

香り

  • 干しブドウ、オーク、ハチミツ、ワックス

味わい

  • 乳酸菌飲料、シェリー、オーキー

感想

最後はハイボールで飲んでみます。香りはレーズンなどの干しブドウ感に、オーク樽の香り、ハチミツと化粧品の芳香があります。

口に含むと、乳酸菌飲料(ヤ○ルト、カ○ピス)のような酸味が広がり、シェリーの熟成したワインっぽさ、オークの樽香などハイボールにしても崩れないフルボディ感は健在です。

以前の「エドラダワー」ほどではありませんが、パフューミーな感じも若干あり、独特の味わいは好きになったら最後(笑)リピーター率が高い味わいだと思います。

人によってはストレートから感じる”乳酸菌飲料”ですが、筆者はハイボールで強く感じました。「エドラダワー」ならではのクセがやみつきになる味わいのハイボールです。

まとめ

まとめ導入画像

少量生産で昔ながらの技法により造られるシングルモルト「エドラダワー10年」。

ウイスキーにおいての”シェリー感”、”シェリー樽熟成の味わい”を知るために頻繁に出てくる銘柄は「マッカラン シェリーオーク12年」や「グレンファークラス12年」、「グレンドロナック12年」などがありますが、個人的にはどの銘柄も「シェリー感をキレイに演出している」感じがします。本来のシェリーが持つタンニンの渋みなど、余すことなく抽出されている感じがするのはこの「エドラダワー」一択だと個人的に思っています。

悪い言い方をすれば、田舎臭さかったり、野暮ったくもとれる味わいですが、シェリー樽で熟成したモルトウイスキーの特徴が余すことなく味わいに出ているので、「シェリー樽熟成の味わいとは!?」を知る為には避けては通れない銘柄でしょう。

独特の芳香や、ドッシリとした味わいにクセを感じてしまうかもしれませんが、古き良き時代のウイスキーを肌で感じるにはオススメの銘柄です。是非、お試しください!!

最後までお読み頂きありがとうございました。

テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。

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