こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!今回も、魅力的なウイスキーの解説&レビューを行っていきます!!
アードナムルッカン蒸溜所は、スコットランドのウイスキー業界に新たな風を吹き込んでいます。この蒸溜所は、独立系ボトラーとして名高いアデルフィ・ディスティラリー社が初めて自社製造したシングルモルトウイスキーを生産しています。アデルフィ社は2004年に創業し、アレックス・ブルースの指揮のもと、ウイスキーの個性、上質な味わい、そしてサステナビリティを重視した哲学を掲げて成長してきました。
この記事では、アードナムルッカン蒸溜所の歴史や特徴、製造過程、そしてラインナップについて詳しく紹介します。
アードナムルッカンシングルモルトを簡単にまとめると
ウイスキー属性 | シングルモルト |
産地(エリア) | スコットランド(西ハイランド) |
蒸留所 | アードナムルッカン蒸留所 |
味わい | 余韻でピートが膨らむ |
飲みやすさ | ★★★☆☆☆ |
おすすめの飲み方 | ハイボール |
こんな人に向いている | アイランズ好きの人 |
スコットランドの新たな風:アードナムルッカン
スコットランドの美しい風景と豊かな文化は、世界中のウイスキーファンにとって魅力的な要素です。その中でも、アードナムルッカン蒸溜所は独自の哲学と高品質なウイスキーで際立っています。スコットランド本土の最西部、グレンベッグに位置するこの蒸溜所は、地元産の再生可能な原料を使用し、ウイスキーの製造工程をすべて一貫して行うことで、唯一無二の個性を持つウイスキーを生み出しています。
最新技術と伝統の融合:アードナムルッカン蒸留所
スコットランドの美しい風景と豊かな文化は、世界中のウイスキーファンにとって魅力的な要素です。その中でも、アードナムルッカン蒸溜所は独自の哲学と高品質なウイスキーで注目を集めています。
スコットランド本土の最西部、グレンベッグに位置するこの蒸溜所は、地元産の再生可能な原料を使用し、ウイスキーの製造工程をすべて一貫して行うことで、唯一無二の個性を持つウイスキーを生み出しています。
アデルフィの悲願:自社蒸留所の建設
アードナムルッカン蒸溜所は、2004年に創業したアデルフィ・ディスティラリー社によって設立されました。アデルフィ社はわずか3本の樽と数百本のボトル入りウイスキーからスタートし、現在ではウイスキー業界屈指の名声を誇る独立系ボトラーへと成長しました。社長のアレックス・ブルースは、唯一無二の個性、妥協なき上質な味わい、サステナビリティという3つの原則を掲げ、これらを忠実に守りながら蒸溜所を運営しています。
業界エキスパートが集結した蒸留所
アードナムルッカン蒸溜所の設立には、多くのウイスキー業界のエキスパートたちからの助言や支援がありました。ウイスキーのエキスパートであるチャールズ・マクリーン、ケアンゴーム・ウイスキー・センターの元オーナーであるフランク・クラーク、マッカランの元マーケティング部長ヒュー・メトカルフェなどが、その設立に大きく貢献しました。
また、キルホーマン蒸溜所のアントニー・ウィルズ夫妻からも多大なサポートを受け、蒸溜所建設のノウハウを学びました。
さらに、アレックス・ブルースは、数々の有名蒸留所でマスターディスティラー(蒸留責任者)を務めたジム・スワン博士の影響も受けました。スワン博士の教えがアレックスの資質に大きな影響を与え、現在のアードナムルッカン蒸溜所の運営に生かされています。
近年の新しいウイスキー蒸留所建設に大きな影響を与えたジム・スワン博士の功績は計り知れません!
唯一無二の個性と上質な味わい
アードナムルッカン蒸溜所では、ウイスキーづくりの全行程が敷地内で行われるため、その地特有の気候や環境がウイスキーの味わいに反映されます。スコットランド本土最西部のグレンベッグという立地も、ウイスキーに独特の風味を与えています。
高品質なウイスキーを生み出すために一切の妥協を許さず、再生可能な地元産の原料のみを使用し、パッケージも100%再生可能な素材を使用しています。これにより、持続可能なウイスキーづくりを実現しつつ、卓越した味わいを提供しています。
サステナビリティへのこだわり
アードナムルッカン蒸溜所のプロジェクト全体の鍵を握るのはサステナビリティです。蒸溜所の全工程において、再生可能な地元産の原料を使用し、パッケージも100%再生可能な素材を採用しています。アレックス・ブルース社長は、「サステナビリティに関しては、一切の妥協をしたくなかった」と語っており、その強い意志が感じられます。
現代の流れを象徴するような取り組みを行っているのもアードナムルッカン蒸留所の大きな特徴です。
アードナムルッカン蒸留所の設備
アードナムルッカン蒸溜所には、全容量5トンのステンレス製マッシュタンがあり、発酵には6基のワッシュバックが使用され、それぞれ容量25,000リットルで、木製とステンレス製が混在しています。
蒸留には2基の銅製ポットスチルが用いられ、初留用ポットスチルの容量は12,000リットル、再留用ポットスチルの容量は8,000リットルです。冷却システムにはウォームタブが使用され、伝統的な方法で冷却を行っています。熟成にはシェリー樽とバーボン樽が主に使用され、これらの樽から得られる特有の風味がウイスキーに深みを与えます。
伝統の技法と最新設備の融合によって、アードナムルッカンらしい完成されたニューメイクが出来上がるんですね!
未来への展望
アードナムルッカン蒸溜所は、そのユニークな経営哲学と高品質なウイスキーで、今後もさらなる発展が期待されています。アレックス・ブルース氏は、「アードナムルッカンが成長するに従って、ますます自前でウイスキーをつくる強みがアデルフィ社を支えてくれるでしょう」と予想しており、ウイスキーブランドとしての「アードナムルッカン」は、まだその長い旅を始めたばかりです。
アードナムルッカン蒸溜所は、これからもその独自の哲学を守りつつ、新しい挑戦を続けていくことでしょう。ウイスキー業界における新しい風を吹き込み、その存在感をますます強めていくことが期待されます。
レビューボトル:アードナムルッカンシングルモルト
アードナムルッカン蒸溜所のシングルモルトウイスキーは、ウイスキー愛好家たちの間で高い評価を受けています。今回レビューを行うアードナムルッカンシングルモルトは、2015年と2016年に蒸留されたピーテッドとノンピートのウイスキーを半々にブレンドし、2022年4月に瓶詰めされたものです。限定25,200本で、熟成には65%がバーボン樽、35%がシェリー樽が使用されています。もちろん、アンチルフィルターおよびナチュラルカラーです。
このウイスキーのラベルには、アードナムルッカン半島の灯台とその所在地の緯度と経度がデザインされています。ラベルのデザインは、地元の風景を取り入れたものであり、その土地特有の特徴を反映しています。
見た目もアデルフィそっくりの佇まいで飲む前から期待が膨らみます!
原酒比率もバーボン樽原酒が多く、ハイボールとの相性も良さそうですね!
それではいつものようにストレート、ロック、ハイボールで味と香りをみていきましょう!
テイスティング(実際に飲んでみた)
アードナムルッカンのフレーバー
アードナムルッカン味わい
アードナムルッカンをストレートで飲んでみる
香り
- グレープフルーツ、潮風、海藻、ハーブ、バニラ、干し草、ピート
味わい
- スパイシー、干し草の風味、タールのニュアンス
感想
まずはストレートで飲んでみます。
香りは、グレープフルーツのような柑橘のジューシーさと海を思わせる潮の香り、牧歌的な干し草やハーブ、奥にはバニラが感じられ、ツンとしたピートのアクセントもあります。熟成年数は非公開ですが、アルコール感はとても少なく、フレッシュで爽やかな印象を持ちます。
口に含むと、グレープフルーツの香りとタールのようなニュアンスが広がり、スパイシーなコショウがじわっと追いかけてきます。そして、グレープフルーツのビター感が強まり、余韻ではピートが膨らみながらゆっくりと消えていきます。
アイランズモルトに近いニュアンスとジューシーな爽やかさのバランスが非常に良く、ニューメイクの段階で既に洗練されていることが分かります。一昔前の若くピリつくモルトとは異なり、高い技術力を示す素晴らしい味わいです。
グレープフルーツと潮の香り、熟成感こそ少なめですがフレッシュで繊細な味わいを楽しめました!
アードナムルッカンをロックで飲んでみる
香り
- グレープフルーツ、ハーブ、花、海藻、風邪シロップ、ピート、ゴム
味わい
- 華やかなスッキリビター
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、グレープフルーツやハーブ(黄色や白い花を咲かせるイメージ)、フローラルな花の香り、海藻の磯臭さ、子供用風邪シロップのような薬っぽい甘さ、そしてピートにわずかにゴムのニュアンスも感じられます。
口に含むと、ジューシーなグレープフルーツのビター感にフローラルな香りが加わり、スモーキーな香りが広がります。ビターさは続き、ピートの香りが追いかけてきて、余韻ではピートスモークがじわじわと強まりながらゆっくりと消えていきます。
ジューシーさはそのままに、ピートやゴムのニュアンスなどシェリー樽原酒の特性も現れます。味わいはすっきりとしていながらもバラエティに富み、エレガントさも楽しめます。ストレートよりもビター感は強めですが、食前にサッと味わうのにちょうど良い一杯です。
全体の主張はスッキリとジューシーな印象で、食前酒としてはもちろん、食後酒としても口の中をリフレッシュするのにピッタリです!
アードナムルッカンをハイボールで飲んでみる
香り
- ピート、スモーク、グレープフルーツ、ゴム、花、ハーブ
味わい
- シトラスのジューシーさ、ピーティー
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りは、グラスの縁から湧き上がるピートが効いたスモークに、グレープフルーツの爽やかな柑橘感、ゴムのようなニュアンス、そして花やハーブの華やかで薬草的な香りが感じられます。
口に含むと、まずピートの香りが効いたスモーキーさが口いっぱいに広がり、その後にグレープフルーツのほのかな苦味がじんわりと現れます。そして、その苦味が全体を包むと再びピートスモークが支配し、ピールの爽やかさと共にさっと消えていきます。
アイラのようなヨード感はなく、ハイランドほどドライではない絶妙な味わいのピート感は、ハイボールとの相性も良好です。グレープフルーツの爽やかさと相まって、スルスルと飲みやすくなります。追加でライムやレモンピールを加えると、さらに美味しく飲むことができるでしょう。
しっかりとしたピートとスモークのフレーバーにグレープフルーツが合わさり、フレッシュだけど飲みごたえのある美味しいハイボールです!
まとめ
アードナムルッカン蒸溜所は、独立系ボトラーとしての経験と哲学を活かし、唯一無二のウイスキーを生産しています。サステナビリティへの取り組みや地元の風土を活かした製造プロセスが特徴であり、アレックス・ブルース社長のビジョンと共に、今後もウイスキー業界で注目される存在となるでしょう。
今回も3種類の飲み方でテイスティングを行いましたが、バーボン樽原酒の比率が高いためか、ハイボールとの相性が非常に良く感じました。何と言っても爽やかなグレープフルーツの香りと適度なピートスモークが、ロックや炭酸などの割材と非常に相性が良く、ストレートでもトゲトゲしさのないモルトの旨味が感じられるウイスキーに仕上がっています。
普段ウイスキーを飲まない方にはやや抵抗のある味わいかもしれませんが、その際は炭酸で比率をグッと下げ、お好みの濃さのハイボールで飲むと良いでしょう。
現在では入手が少し容易になりつつありますので、アイラモルトやアイランズモルトがお好きな方にはぜひ試していただきたいおすすめの銘柄です。
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!
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