このウイスキーを簡単にまとめる
サントリーローヤルについて
サントリーローヤルの誕生
ローヤルは、サントリーの創業者であり、初代マスターブレンダーである鳥井信治郎の最後にして最高の名作です。日本人が本当においしいと感じる味わいを求め続け、彼が完成させたブレンド比率はまさに「黄金比」と呼ぶにふさわしい極み。人間が美しいと感じる造型が黄金の比率からできているよう に、ローヤルもまた「黄金比」のブレンドから生まれます。
サントリーHPより
サントリーローヤルは現在の「響」が出るまでフラグシップとして君臨したサントリー最高峰のブレンデッドウイスキーです。
手掛けたのはサントリーの創業者:鳥井信治郎氏。このローヤルは信治郎氏が目指した「日本人の口に合うウイスキー」という理念のまさに集大成。開発には膨大な原酒のテイスティングとそこから生まれるブレンドによって究極ともいえる味わいを造り上げました。
信治郎氏の想いは受け継がれ、時代が移り変わっても支持される味わい、それはシングルモルトブームの中で合っても確かな地位を確立しています。
独特なボトルデザイン
ローヤルといえば独特のボトルデザインが印象的です。
左側の角張ったボトルは昔からあるローヤルのボトル。そして、右側のボトルはバーなどで取り回しがしやすいように細く持ちやすいスリムボトル(内容量も660mlと少し少なく値段も安い)
でもやはり目を引くのは、角張った独特のキャップデザインで昔からある左側ボトルではないでしょうか!?このデザインの元になっているのは「酒」という漢字の旁(つくり)の部分と言われています。
そして特徴的なボトルキャップデザイン。これは山崎蒸留所のある天王山に鎮座する椎尾神社の鳥居の形、そして創業者の鳥井信治郎の名字「とりい」をかけているデザインと言われています。
味わいはもちろん、ボトルデザインの隅々にまでこだわり抜いた「ローヤル」というブランドは時代が移り変わっても揺るぎない確かなステータスがあります。現在ではなくなってしまいましたが、以前のローヤルには帯で封がしてあり、カットしないとボトルを開けられないキャップデザインでした。それは「特別」という存在感を放つプレミアムなお酒で、今でもその風格に変わりありません。
今回レビューするのは「ローヤル」の中でもバーや飲食店などで取り回しがしやすい「スリムボトル」。中身は同じで飾っておいてもカッコいい「プロ仕様」のローヤルを3種類の飲み方でレビューします。
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- レーズン、リンゴ、シナモン、カラメル、バニラ、杏
味わい
- 華やかな香り、甘さと程よい酸味、終始ほのかなビター
感想
まずはストレートで飲んでみます。グラスからはレーズンなどのドライフルーツの香り、そしてリンゴなどの酸味を伴った果実香が漂い、焦がしたカラメルの様な甘い香りがします。常温の水を数滴ほど加水するとシナモンなどのスパイス、そして杏の様なフルーティーながらも粉っぽい要素も感じ取れます。口に含むと、ノンエイジ感は否めないアルコール感が若干ありますが、滑らかさと甘い香りがきれいに包みこみ、ほろ苦いビターが漂ってスッと消えていきます。味わいはどこか「山崎NA」や「響」に通じるものがあり、豊富な原酒を持つサントリーならでは複雑な味の移り変わりが楽しめます。
ロックで飲んでみる
香り
- レーズン、リンゴ、白檀、カラメル、バニラ、
味わい
- 瑞々しい果実、甘さの中に白檀のアクセント
感想
続いて氷を入れたオンザロックで飲んでみます。氷を入れたことで加水が更に進み、香りも一層華やかになりました。フルーティーな要素はみずみずしくなり、幾分か濃い印象のあったカラメルのような甘い香りが程よく調和された印象です。そして、サントリーならではの白檀を思わせるスパイシーさも顔を出し、柑橘の皮を思わせるビターが心地よく効いてなくなります。昭和という時代のバーや晩酌スタイルではロックか水割りが定番だったように思いますが、自分の父もお金に余裕があるときはローヤルをロックで飲んでいました。なんで、あんな物が美味いのか!?と思いましたが、ここへ来て、なるほど!!と思わせる品のある素晴らしい味わいです。
ハイボールで飲んでみる
香り
- リンゴ、ライム、白檀、ナッツ
味わい
- 爽やかな果実感と心地よいビター
感想
最後はハイボールで飲んでみます。昭和の高級ウイスキーはハイボールでも甘やかな香りとほのかなビターが効いてとても美味しいです。飲み進めるうちに和を感じるミズナラ由来の白檀の香りがし、サントリーでしか出せない独特の余韻が上品かつ繊細に香って消えていきます。口当たりは滑らかで飲み疲れることのないバランスのとれた味わい。以前まではフラッグシップであった懐の深さがハイボールでも存分に味わえます。これはブレンダーの技術と豊富な原酒を持つサントリーならではの技といったところではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか!?鳥井信治郎が残したウイスキー造りへの情熱が形となって残る名品「サントリーローヤル」。今ではおなじみの「響」という世界的なブレンデッドウイスキーに注目が集まっていますが、昭和から平成、そして令和に至るまでの様々なシチュエーションに用いられ、時にはお祝いや感謝の形として、また時には贅沢な夜を演出したりと日本人の生活を彩ってきた歴史があります。ジャパニーズウイスキーブームの今では、なかなかお目にかかれないボトルも多い中、ローヤルだけはただ静かにその地位と味わいを保ち、日本のウイスキー文化を見守っています。「響」、「山崎」、「白州」など確かに素晴らしいウイスキーです。しかし、日本のウイスキーが世界的に認められるずっと前からある「ローヤル」こそ、日本人の為の味わいを追求してきた真のジャパニーズプレミアムウイスキーと言えるかもしれません。
昭和のオヤジが飲む「いいウイスキー」といった固定概念を捨てて、是非一度飲んでみて下さい!定番ウイスキーの値段にちょっと贅沢しただけでこんな良いウイスキーが飲めるのか!?と驚くと思います。筆者も久しぶりに飲んで驚きました。ショーケースに願いを込めて頻繁にや○やに通わなくても、美味しいウイスキーが身近にあったと改めて思い知らされるレビューでした。
最後までお読み頂き、有難うございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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