このウイスキーの特徴
このウイスキーについて
今回レビューするウイスキーは「ラフロイグ セレクト」です!!
ラフロイグとは
「ラフロイグ セレクト」は、スコットランドのアイラ島にある「ラフロイグ蒸留所」が製造しているシングルモルトウイスキーです。
「ラフロイグ」といえば、アイラの王と称される銘柄で英国王「チャールズ三世」のお気に入りとして、ロイヤルワラントの称号を持つ蒸留所。
その味わいは、正露丸や薬品臭と例えられるなど、ウイスキーの中でもハードルの高い通好みなモルトウイスキー!!
しかし、この「ラフロイグ セレクト」はラフロイグの中ではクセが抑えられていて、リーズナブルな価格のボトルになっています!!
つまり、ラフロイグが初めてという人にはピッタリのボトルということですね!!
ちなみに、以前にレビューした「ラフロイグ10年」では、蒸留所についても詳しく解説していますので、そちらの記事も是非、御覧ください!!
ラフロイグセレクトの仕様
では、「ラフロイグ セレクト」についてですが、コチラのボトルはレギュラーの「ラフロイグ10年」と違う所が大きく分けて2つあります!!
一つは、近年の原酒不足により年数表記の無い「ノンエイジ」仕様ということ!!
もう一つは、使われている原酒が通常の”10年はバーボン樽のみ”なのに対し、コチラは3つの原酒が使われています。
使われている原酒は、一般的なバーボン樽原酒に加え、ヨーロピアンオークのシェリー樽、ペドロヒメネスのシェリー樽の3種類です。
この3種類の原酒をブレンド、その後ファーストフィルのバーボン樽で一定期間後熟を行いボトリングされています。
ノンエイジ仕様ながら、セレクトされた原酒を巧みにブレンドし若さを感じないまろやかな味わいに仕上げているんですね!!
近年、アイラモルトはシェリー+ピートのボトルが多くあります。原酒不足の影響もあり多彩で飲みやすさにシフトした傾向がありますが、このセレクトはどうなんでしょう!?
では、実際に3種類の飲み方(ストレート、ロック、ハイボール)で飲んでいきましょう!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- ゴム、硫黄、ピート、ハチミツ、いちじく、バニラ、コルク
味わい
- ワインのような酸味とタンニン、ピーティーでスパイシーな余韻
感想
まずは、ストレートから飲んでみます。
香りは、真っ先に感じるのはゴムホース、そして硫黄っぽさです。そしてピーティーな煙たさに少しの果実味(イチジク)があり、時間が経つとバーボン樽のハチミツやバニラ感を感じるようになります。「ラフロイグ10年」にある薬品やヨード感は薄く、シェリー樽の要素と湿ったコルクのようなウッディさが上手く溶け込んでいる印象です。
口に含むと、シェリーの上品な酸味とタンニンがありピーティーなスモーキーな香りが湧いてきます。ややオイリーさのある舌触りで、途中スパイシーな方向に傾きながらビターで少し煙たい余韻になります。
他の短年熟成でシェリー樽を用いたアイラモルト(アードベッグ5年、ラガヴーリン8年)よりも、上品でエレガント、そして少しポップな印象を持ちました。
シェリー樽特有のゴム感や硫黄っぽさが香り、味わいは滑らかでエレガント。でも、どこか元気で気楽な感じがする味わいはラフロイグ10年よりも遥かにライトな印象です。ただ、シェリー樽のゴムっぽいニュアンスが色濃く出ているので、好き嫌いはハッキリと分かれてしまうと思います。
ロックで飲んでみる
香り
- ゴム、硫黄、ピート、湿った木片、イチジク
味わい
- 華やかさの中にある薬品臭、ビターテイスト
感想
次は氷を入れてオンザロックです。
香りは、ゴムや硫黄といったサリファリーな感じが強く、追いかける感じのピーティーなスモーク感、そして湿った木片などがあり、イチジクがほのかに香ります。
口に含むと、少しオイリーな舌触りでオークの香りが口に広がります。そして、ライチを思わせる様な瑞々しさと一緒にスモーキーなフレーバーが膨らみ、アフターにかけてウッディな樽香とビターが静かに消えていきます。
個人的にロックはあまり飲みませんが、このオンザロックは癖になります。はじめはゴム感が強調され飲みにくさを感じましたが、慣れてくるとオークやシェリー樽の華やかさが感じられるようになり、瑞々しくエレガントにも思えてくるのが不思議です。
短熟のアイラモルトの中では、一番のエレガントさを感じました。ゴムや硫黄のとっつきにくい香りがしますが、慣れてしまうとスイスイと飲めてしまいます。しかも、馴染みのないロックで美味しいと思えたので、とても意外です!!
ハイボールで飲んでみる
香り
- ゴムチューブ、硫黄、コールタール、ビスケット、ピート
味わい
- スモーキーで余韻はエレガント
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りは、ゴムチューブや硫黄、そしてコールタールっぽい感じもします。また、ビスケットや麦といった穀物の香ばしい香りに、ツンっとしたピートのアクセントがあります。
口に含むと、柔らかなスモーキーフレーバーが広がり、香ばしくほんのり甘いビスケットを感じます。アフターにかけてスモーク感が弱まると、イチジクなどの果実っぽさが顔を出し、ビターな余韻へと続きます。
飲みやすさ、エレガントな雰囲気とラフロイグの上位ボトルを思わせるようなニュアンスが僅かにあって、独特のヨード香や薬品臭はほとんどありません。個人的には物足りなさはありますが、ウイスキーの見始めの感覚を思い出すと、これでもヘヴィーかもしれないですねwww
クセが最も少なく飲みやすい!!ラフロイグに慣れるには丁度いいかもしれません(笑)シリアルな香ばしさも手伝って、食事に合わせても良いと思います!!
まとめ
ラフロイグの入門ボトル!?セレクトのレビューでした。
一通り飲んで思うのは、レギュラーの「ラフロイグ10年」の癖の強さです。とてつもない薬品感やヨードの香りは知らない人ならば顔をしかめてしまう強烈な個性があります。
しかし、この「ラフロイグ セレクト」はエレガントな香りがアイラっぽさを上手くかき消している要素もあるので、「アイラモルトを知りたい」、「ラフロイグってどんな味?」といった疑問に一応優しく答えてくれるはずです(笑)
ただ、やはりアイラはアイラですので、それなりのピート感やスモーキーさはありますから、甘くて飲みやすいモノを求める方には決してオススメできません!!ウイスキー沼へ片足突っ込んでいるくらいの自覚のある方は、是非お試しください!!ウイスキーの幅は間違いなく広がります!!
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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