このウイスキーの特徴を簡単にまとめると
このウイスキーについて
今回は、ニッカウヰスキーより限定発売された「ニッカ ザ・グレーン」をバーにてテイスティングした際のレビュー記事です。
「ニッカ ザ・グレーン」は、2023年3月28日よりアサヒビールより限定発売された「NIKKA DISCOVERYシリーズ」の第3弾商品になります。
NIKKA DISCOVERYシリーズとは
「NIKKA DISCOVERYシリーズ」とは、ニッカウヰスキーが持つさまざまな原酒や、原料、発酵などの製造工程によるウイスキーのつくり分けの歴史に焦点を当てたシリーズです。
第1弾は「シングルモルト余市 ノンピーテッド」、「シングルモルト宮城峡 ピーテッド」が2021年にリリースしました。
第2弾はイースト菌(発酵工程)に焦点をあてた「アロマティックイースト」シリーズを2022年にリリース!
そして、今回の第3弾は1963年にカフェ式連続式蒸溜機を導入して60周年を迎え、グレーンウイスキーの多様性に着目して開発された「ニッカ ザ・グレーン」になります。
ニッカ ザ・グレーンの内容
「ニッカ ザ・グレーン」は、ニッカウヰスキーのグレーンに対するこだわりと挑戦が詰まっています。
使われている原酒は、ニッカウヰスキーが所有する世界でも稀な連続式蒸留器「カフェスチル」で造られた原酒をはじめ、国内4拠点からなる”7つの原酒”で構成されています。
まずは、宮城峡蒸留所で現在稼働中のカフェ式連続蒸留器で造られた「カフェグレーン」と「カフェモルト」!!
※カフェモルトは原料こそモルト(大麦)ですが、連続式蒸留器で蒸留されているため、グレーンに分類されます。
2つ目は、主に焼酎の製造を行っている「ニッカウヰスキー門司工場」で製造された大麦を原料とするグレーン原酒。
3つ目は、ニッカウヰスキーが所有する焼酎蔵「さつま司蒸溜蔵」で造られた大麦、コーン、ライ麦のグレーン原酒。
そして最後は、宮城峡蒸留所にある「カフェ式連続蒸留器」が以前あった場所、「ニッカ西宮工場」時代の長熟カフェグレーン!!
※現在の宮城峡蒸留所にあるカフェ式連続蒸留器は、元々西宮工場にあったものを移設した経緯があり、蒸留器は同じで造られる環境が違うグレーンということになります。
以上、4拠点の7種類のグレーン原酒をブレンドして「ニッカ ザ・グレーン」は造られています。
注目すべきは、やはりかつて存在した「西宮工場」時代のカフェグレーンではないでしょうか!?同じものは二度と造れないという所にロマンを感じますね。
ニッカウヰスキーのグレーンへのこだわり、そして歴史を集約した究極の「ブレンデッドグレーンウイスキー」ということですね!!
では、実際にどんな味わいだったのか!?をレビューにて綴っていますので、最後までご覧ください!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみた
香り
- バナナ、キャラメル、バニラ
味わい
- 軽やか、香ばしい甘さ、ビターな余韻
感想
ストレートで飲んだ感想です。今回は、運良くも未開栓の状態からでしたので、いつものレビューと同じく開栓したての味わいをレビューすることが出来ました。
まず香りは、圧倒的に南国フルーツの香りが強いです。特にバナナの香り立ちが目立ち、グレーンのバニラやキャラメルといった軽やかで香ばしい甘い香りがグラスいっぱいに広がっています。
口に含むと、非常に軽やかにスッと馴染みます。すると、穀物の香ばしいウエハースのような甘さが広がり、甘い香りを追いかけるようにスパイシーが膨らんできます。余韻はスパイシーな風味とほろ苦く香ばしい香りが、モルトウイスキーのように徐々に消えていきます。
アタックや香りはグレーンウイスキーそのものではありますが、何といってもスパイシーな風味と、長い余韻は「西宮時代」の長期熟成グレーンによる賜だと思います。ブラインドでテイスティングした場合に、グレーンと言われたら驚いてしまうくらい、まろやかで長い余韻は特筆すべき味わいです。
ラッキーにも、開栓したばかりを味わう事ができました!!軽やかで優しく甘い味わいは良質なグレーンの証拠です。しかし、長く残る余韻はモルトウイスキーのような複雑さもあって、グレーンウイスキーの可能性を感じることが出来ました。
まとめ
ニッカウヰスキーのグレーンに対する挑戦と集大成が詰まった「ニッカ ザ・グレーン」、今回でディスカバリーシリーズは第3弾ですが、毎回新しい試みがあって楽しいのも魅力の一つです。
古き良き製法の継承も大切ですが、技術の進化の恩恵を受け入れながら発展させていくのも同じくらい大切なことですね。
今回の主役はグレーンウイスキーということで、あまり期待はしていなかったところもありましたが、実際に飲んでみると、芳香こそグレーンの要素が強い感じでしたが、余韻にかけての複雑味はモルトに匹敵するくらいの主張があり、驚きました。
限定品ですので、数に限りがありますがニッカウヰスキー西宮工場時代のカフェグレーンを今、味わえるということが出来るのも、ウイスキーならではの楽しみ方です。
竹鶴政孝氏が生きていたならば、どのようなウイスキーが世に出ていたのか!?そんな妄想を膨らませながら、ゆっくりとニッカのグレーン歴史を味わってみてはいかがでしょうか!?
ご馳走さまでした!!
最後までお読み頂きありがとうございました。
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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