アードベッグから新しいボトルがコミッティ限定で発売されました!!その名は「アードベッグ ビザーべキュー」です!!
では、「アードベッグ ビザーべキュー」についての解説、そして味と香りについてもご紹介していきます!!
アードベッグ ビザーベキューを簡単にまとめると
このウイスキーについて
アードベッグ ビザーべキューとは
「アードベッグ ビザーベキュー」はアードベッグ蒸溜所が2023年7月にコミッティ限定で販売(日本)を行った限定ボトルです。
「ビザーベキュー」とは、Bizarre(風変りな、型破りな)と、BBQ(バーベキュー)をかけ合わせた造語で、アードベッグ最高蒸留・製造責任者ビル・ラムズデン博士と、バーベキュー界の第一人者であるクリスチャン・スティーブンソン(通称 DJ BBQ」のコラボレーションにより誕生しました。
2人がそれぞれ扱うウイスキーとバーベキューに共通する要素の「火」から発想を得て、この世界初となるバーベキューにフューチャーされたウイスキーは誕生したそうです。
ウイスキーとBBQをかけ合わせるという奇をてらった発想がすごいですね!!
クセの強いアイラモルトの中でもスモーキーさで有名なアードベッグ。BBQとの掛け合わせによりどんな味わいになるのでしょう!?
アードベッグ蒸溜所とは
アードベッグ蒸溜所はスコットランドのアイラ島にあるウイスキー蒸溜所。幾度となく稼働停止やオーナーを転々としながらも、1997年にグレンモ―レンジィによって蒸溜所が買収されてからは、安定して原酒を造り続けている蒸留所です。
アードベッグの特徴は非常にピーティーでスモーキーな味わいにあります。しかし、酒精は軽く意外なほどフルーティーな香味を持っているのも興味深く世界中にファンがいます。
初心者の方などは煙たさ・ヨード香に鼻を背けてしまいがちですが、その奥にあるフルーティーさに魅了されると虜になってしまうことでしょう。
世界にはアードベッグをに熱狂するファンがいて、いつからか「アードベギャン」と呼ばれるようになりました。
スモーキーなのに軽くてフルーティー、他のアイラモルトにはない独特の個性が世界のファンを魅了しています!!
ひと目見ただけで惹かれてしまうボトルとロゴ、アードベッグには人々を引き付ける何かがあるんですね!
アードベッグ ビザーべキューの製法
「アードベッグ ビザーベキュー」はウイスキーとバーベキューに共通する「火」の要素を最大限活かすべく、3種類の樽が使われています。
・1つ目は「ダブルチャーバーボン樽」といって、ウイスキーの熟成樽の内側を焦がす「チャー」を2回行ったバーボン樽。 ・2つ目は「ペドロヒメネス樽(通称PXカスク)」です。ペドロヒメネスはスペインのアンダルシア地方で造られる極甘のシェリーで黒糖にも例えられるくらい甘いワインを詰めていた樽。 ・3つ目は「バーベキュー樽」という謎多き樽で、今回の目玉かもしれません。一節には炭を用いたチャーを行った樽ということらしいですが、詳細は不明です。
いずれにしても、斬新なアイディアでウイスキー界に刺激を与えるラムズデン博士ならではのシングルモルトに仕上がっているようです。
チャーは樽の内側を焦がし浸透しやすくしたり、活性化する方法ですが2回も行ったり、炭で行ったりとやることが斬新!!
ウイスキー界にとっても初の試みはどんなアイラモルトの味わいになるのでしょう!?
では今回も、ストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方でレビューを行っていきましょう!!
テイスティング(実際に飲んでみた)
フレーバーチャート
味わいチャート
ストレートで飲んでみる
香り
- パイナップル、ペッパー、ベーコン、シナモン、コーヒー、スモーク、ヨード
味わい
- BBQソースの甘酸っぱさ、強いスモーク香
感想
「まずは、ストレートで飲んでみます。
香りは強いスモーク香にヨードの磯っぽさが混じり、意外なほどフルーティーなニュアンスがあります。パイナップルなどの南国を感じさせる果実香があり、スパイシーなペッパーにベーコンの肉っぽさ、シナモンやコーヒーの香りも感じられます。
口に含むと、甘酸っぱいパイナップルやケチャップに濃いスモークが絡んで、ピートの香りが膨らんできます。続けてビターが徐々に存在感を増してきて、灰っぽさのある乾いたスモーキーな余韻が長く続きます。
想像以上にスモーキーで、そしてミーティーな味わい、まさにBBQです!近年のアードベッグの中でも異色の味わいで、発想を具現化するアードベッグの技術力は本当にすごいなと思いました。
加水すると
次は、少し加水して飲んでみます。
香りはストレートの時よりもフルーティーさが増して、BBQソースや酢豚!?っぽい甘酸っぱさがあります。そして奥にはカカオのようなほろ苦さもあり、表情が豊かになりました。
口に含むと、ビターが強まりますが爽やかなトロピカルフルーツの香りにスモーキーが絡んで、本来持つアードベッグの軽い感じに近づきました。余韻でもスモーキーは続き、最近のアードベッグの中でも最もスモーキーに感じる味わいです。
味わいや香りからBBQを連想させてくれる非常に面白いウイスキー!!ミーティーとスモーキーの2つの要素を上手く味に反映させています!
ロックで飲んでみる
香り
- パイナップル、ケチャップ、ペッパー、灰、スモーク、ゴム
味わい
- ビター、乾いたスモーキーフレーバー
感想
次は氷を入れて飲んでみます。
香りはパイナップルにケチャップが絡んで酢豚に近いニュアンスが目立ちます。他にはペッパーや灰を感じるスモーク感、そして奥まってゴムっぽさもあります。
口に含むと、スモーキーな香りが口いっぱいに広がり、ビターが膨らんできます。そして、ほんのり甘さが出てくると再びビターが追いかけてきて、煙たい余韻が続きます。
氷も溶けて加水が進んでくると、脂っぽさを感じるようになります。ミーティーなニュアンスが感じられ、ロックで飲んでも煙たくBBQ感を楽しめます。
氷を入れるとビターな傾向になり、香りも煙たさが目立ってきます。濃い目の肉料理に合わせても負けないパンチのある味わいでした!!
ハイボールで飲んでみる
香り
- スモーク、灰、焼き網、ゴム、ダークチョコ、トロピカルフルーツ
味わい
- 香ばしくトロピカル、スモーキーな余韻
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りはとても煙たく、スモーキーさで溢れています。灰やBBQ後の焼き網にも思えてくるほどで、このビザーベキューは加水すればするほど「スモーキー」になっていきます。他には、PX樽由来でしょうか、ゴムとダークチョコがあり、奥まってトロピカルフルーツも感じられます。
口に含むと、甘酢っぱい味わいにピートとスモークがしつこく絡んできます。そして、ビターが追いかけてくると、モルトや穀物っぽい香ばしさを感じ、飲み込んでからも鼻に抜けていくのは「スモーキー」で余韻まで一貫してとてもスモーキーな味わいです。
フェノール値だけが煙たさではない!!改めてそう思いました。オクトモアよりも不思議と煙たく感じ、煙たいハイボールを求める人は大満足な味わいです。
まとめ
「アードベッグ ビザーベキュー」のレビューでした。
毎回、斬新なアイディアでファンを楽しませてくれるアードベッグですが、今回のビザーベキューもかなりのインパクトがあるボトルでした。
煙たいだけのモルトであれば、ブルックラディの「オクトモア」をはじめ何種類かありますが、そこにBBQの要素が絡んでくると、煙たさに拍車がかかります。理由はわかりませんが、人間の感覚とは曖昧で、拾う香りや組み合わせによって何倍にも感じてしまうのかもしれません。
もし「煙たさ」だけであれば感じられる限界がありますが、甘酸っぱい味や香り、肉っぽさなど「煙たさ」を強調する要因の組み合わせによって、値以上に感じてしまうのかもしれません。
コミッティー限定での販売が惜しまれますが、これだけクセのある味わいならば仕方ないかもしれません。何故なら、とても煙たいからです・・・
最後までお読み頂きありがとうございました。
アードベッグのレギュラーボトルといえば「アードベッグTEN」アードベギャンの必須アイテムです!!
テイスティングに使用しているグラス「ゲレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラス。
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