こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!今回も、魅力的なウイスキーの解説&レビューを行っていきます!!
世界中で愛され続けるジムビームは、アメリカンバーボンの代名詞として、230年近くの歴史を誇るウイスキーブランドです。ケンタッキー州クラーモントで生産されるジムビームは、伝統を守りながらも革新を続け、その一貫した品質と豊かなフレーバーで多くのウイスキー愛好家を魅了してきました。
今回は、ジムビームの深い歴史、蒸留所の詳細、製造工程、そして多彩なラインナップについて詳しく解説します。
ジムビーム ホワイトラベルはこんなウイスキー
ウイスキー属性 | バーボン |
産地(メーカー) | アメリカ合衆国(ビームサントリー) |
原料 | モルト・グレーン |
味わい | ライトでエステリー |
飲みやすさ | ★★☆☆☆☆ |
おすすめの飲み方 | ハイボール一択 |
個人的感想 | 手軽にバーボンを楽しめる |
世界一売れているバーボン「ジムビーム」
「世界一売れているバーボン」として名高いジムビーム。その理由は、200年以上にわたる伝統と品質へのこだわりにあります。では、なぜジムビームがこれほどまでに多くの人々に選ばれているのか、その秘密を解説していきましょう。
ドイツ系移民から始まったジムビーム
ジムビームの歴史は1795年、ドイツからの移民であったヨハネス・ヤーコブ・ベームがケンタッキー州に移り住み、ウイスキーの蒸留を始めたことから始まります。ベームは、その後「ジェイコブ・ビーム」と名前を変え、アメリカ人としての新たな人生を歩み始めました。
彼がウイスキーを生産するためにケンタッキーを選んだ理由は、この地域が豊富な石灰岩層を持ち、ウイスキー製造に適した水が得られるからでした。この「ライムストーンウォーター」は、鉄分を含まず、ウイスキーの発酵を促進するために理想的な成分を持つとされています。
ジムビームの成功の礎を築いたのは、3代目のデイヴィッド・M・ビームでした。彼は、父と祖父の技術を受け継ぎながら、ウイスキーの生産を商業規模に拡大し、「オールドタブ」というバーボンを市場に送り出しました。このバーボンはすぐに大ヒットし、ビーム家はその成功を背景に事業をさらに拡大しました。1892年には、4代目のジェイムズ・ベーカー・ビームが姉の夫ハートと共にクリア・スプリングスに「オールドタブ蒸溜所」を新設し、事業の規模をさらに拡大しました。
しかし、1920年から始まったアメリカの禁酒法時代は、ビーム家にとっても試練の時期となりました。13年間にわたるこの禁酒法時代、多くのウイスキー蒸留所が閉鎖を余儀なくされましたが、ビーム家は農業や石灰事業などで生計を立てつつ、ウイスキー造りの再開を待ち望んでいました。
そして1933年、禁酒法が撤回されると、ジェイムズ・ビームはただちにクレアモントに新たな蒸溜所を建設し、わずか120日間で完成させました。この蒸溜所が、後にジムビームブランドの生産拠点として発展していきます。
1940年、4代目ジェイムズ・ビームの愛称「ジム」にちなんで「ジムビーム」というブランド名が誕生しました。このブランドは、5代目のジュレマイア・ビームの指導のもと、アメリカ国内のみならず、世界市場へと拡大していきました。ジムビームは、アメリカンバーボンの象徴的存在として、その地位を確立し続けています。
血統と伝統のビーム一族
ジムビームがこれほどまでに愛され続ける理由の一つには、その「血統と伝統」があります。ビーム一族は7代にわたってウイスキー造りを続けてきました。6代目のブッカー・ノウは、プレミアムバーボン「スモールバッチバーボンコレクション」をリリースし、ジムビームのブランドに新たな風を吹き込みました。そして現在、7代目のフレッド・ノーがその伝統を受け継ぎ、新たな挑戦を続けています。
また、2014年にジムビームはサントリーホールディングスに買収され、「ビーム・サントリー」という新たな社名のもとで運営されています。サントリーとの協力により、ジムビームは日本を含む世界中の市場でさらに存在感を増しています。ジムビームの未来は、伝統を守りつつも、新しい可能性を追求する姿勢によって輝き続けるでしょう。
年に一度、厳選された貴重な原酒で瓶詰めされる「ブッカーズ」は、6代目「ブッカー・ノウ」から受け継がれてきたプレミアムバーボン!
プレミアムバーボンの頂点に立つ「ブッカーズ」は毎年リリースされていますが、製造年によって度数や香味に微妙な違いがあるのが特長です。
ジムビームを作り出す2拠点の蒸溜所
ジムビームの蒸溜所は、ケンタッキー州クラーモントとボストンタウンの2カ所に設置されています。特にクラーモント蒸溜所は、ジムビームブランドの中心地として、その名を馳せています。この地は、バーボンの生産に理想的な環境を提供しており、ライムストーンウォーターを含む豊富な水資源、適度な気候、そしてウイスキー熟成に適した温度変化が揃っています。
クラーモント蒸溜所は、ビーム家が代々受け継いできた伝統的な技術と、最新の設備を融合させた施設です。蒸溜所の中心には巨大な銅製のポットスチルが設置されており、これによりジムビーム特有の風味と品質が確保されています。また、蒸溜所には広大な熟成庫があり、ここで数百万バレルのウイスキーが静かに熟成されています。熟成には新しいアメリカンオーク樽が使用され、その内側は「アリゲーターチャー」と呼ばれる焼き入れが施されています。この焼き入れは、樽の内面をワニの皮のように焦がすことで、ウイスキーにバニラやキャラメルの豊かな風味を与えます。
スコッチとは違い連続式蒸留器を用いることでクリアな蒸留液が抽出されます。
熟成樽も新樽を使うことが法律で定められています!
クラーモント蒸溜所は、ジムビームの生産の中心地であるだけでなく、バーボン愛好家にとっての観光スポットでもあります。蒸溜所内には「ジムビーム・アメリカン・スティルハウス」というビジターセンターが設置されており、ここでは見学ツアーが行われています。訪問者は、ジムビームの歴史や製造工程を学びながら、実際にバーボンのテイスティングも楽しむことができます。このように、クラーモント蒸溜所はジムビームの伝統と革新が交錯する場所として、多くの人々に親しまれています。
デントコーンが生み出すバーボン「ジムビーム」
ジムビームのバーボンは、伝統的な製法を守りつつ、現代の技術を駆使して生産されています。原料には、高品質な「デントコーン」という大粒のトウモロコシが使用されており、全体の51%以上がトウモロコシで構成されています。これにライ麦や大麦が加わり、ジムビーム特有のバランスの取れた豊かな味わいを生み出しています。
まず、トウモロコシ、ライ麦、大麦を粉砕し、ライムストーンウォーターと混ぜて「マッシュ」を作ります。このマッシュは、1万ガロン(約37.85キロリットル)の巨大な糖化槽で時間をかけて糖化されます。糖化されたマッシュは発酵槽に移され、ここで「ジャグ・イースト」と呼ばれる酵母を使って発酵が行われます。この酵母は、ビーム家に代々受け継がれてきたもので、禁酒法終了以来75年以上にわたり同じ株が使用され続けています。この酵母の使用により、ジムビームの全シリーズにおいて同じ高品質を保証することができます。
発酵が完了したマッシュは、高さ約20メートルのコラムスチルと呼ばれる蒸溜器に移され、低温で加熱されます。この段階で得られる原酒は「ホワイトドッグ」と呼ばれ、アルコール度数が高く、まだ色や風味がほとんどありません。このホワイトドッグが、新しいオーク樽に詰められ、最低4年間の熟成を経てバーボンウイスキーに生まれ変わります。
ジムビームの熟成プロセスでは、樽に詰められた原酒が季節の温度変化により膨張・収縮を繰り返しながら、樽材から風味や色を吸収します。このプロセスが、バーボン特有の深みと複雑なフレーバーを生み出す鍵となっています。熟成が完了したウイスキーは、冷却濾過され、最終的にボトリングされて市場に出荷されます。
ジムビームは高品質なとうもろこし「デントコーン」と仕込み水である「ライムストーンウォーター」によって造られています。
伝統的な製法と徹底した品質管理によって世界を魅了するバーボンウイスキーが誕生しているんですね!
それでは、ジムビームホワイトラベルの味と香りをストレート、ロック、ハイボールで味をみていきましょう!
ジムビーム ホワイトラベルをテイスティング(実際に飲んでみた)
ジムビーム ホワイトラベルのフレーバー
ジムビーム ホワイトラベルの味わい
ジムビーム ホワイトラベルをストレートで飲んでみる
香り
- バニラ、ハチミツ、花、セメダイン、オガクズ、(ミント)
味わい
- フローラル、溶剤感が鼻を抜ける
感想
まずは、ストレートで飲んでみます。
香りには、バニラやハチミツの甘さに加えて、花のようなフローラルな要素が広がり、バーボン特有の溶剤のニュアンスもはっきりと感じ取れます。さらに、ウッディな樽香がオガクズを思わせる香りを伴い、わずかにミントのような清涼感も漂っています。
口に含むと、非常に軽やかな口当たりが広がり、アルコールのピリッとした刺激とともにフローラルな香りが広がります。その後、エステル系の溶剤感が顔を出し、ビターで香ばしい穀物の甘みがバニラの風味と重なりながら、スッと消えていきます。
バーボン特有の個性を手軽に楽しめる価格帯ではありますが、熟成感が物足りず、アルコールの刺激も強いため、全体的には少し軽い印象を受けました。
いかにもバーボンらしいエステリーな香りが特徴的です。エントリーボトルの為か、アルコール感があって少し飲みにくい印象を持ちました。
ジムビーム ホワイトラベルをロックで飲んでみる
香り
- オガクズ、セメダイン、バニラ、シトラス、花
味わい
- 穀物らしい甘み、ビター
感想
次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。
香りは、オガクズや木の渋みを帯びたウッディさが一気に広がり、溶剤を思わせるエステリーさも感じられます。また、シトラスを思わせるほのかなビター感とバニラの甘い香りがあり、わずかに花のようなフローラルさや、ベタッとした砂糖を思わせる甘さも漂います。
口に含むと、穀物の香ばしさと渋みを帯びた強いビターが広がります。そのビター感は徐々に増し、木の渋いニュアンスとともにエステリーな香りがふくらんでいきます。アフターテイストでは、穀物の香ばしさとビターが混ざり合い、スッと消えていきます。
ストレートで飲んだ時よりもアルコール感が和らぎ、少し飲みやすくなったものの、ビター感や木の渋みが一層強く感じられました。
香りや味わいともにキリッとした印象になり、アルコール感が減って飲みやすくなりますがバーボンらしさは失われてしまっていました。
ジムビーム ホワイトラベルをハイボールで飲んでみる
香り
- オガクズ、ピーナッツの皮、セメダイン、シトラス、花
味わい
- 香ばしくビター
感想
最後はハイボールで飲んでみます。
香りは、削りたての木片のようなウッディなアロマに加え、香ばしさの中にわずかな渋みを感じるピーナッツの皮、エステル系の接着剤のような香り、そしてレモンピールや花のようなフローラルなノートが広がります。
口に含むと、まずウッディな香りと渋みが広がり、その後に香ばしさと穏やかな甘味が感じられます。渋みとともにビターな風味が次第に増していき、やがてバニラの香りがふわりと広がった後、すっと消えていきます。
アルコール感はほとんど感じられず、ストレートやロックよりも甘さとビターが見事に調和し、とても飲みやすくなっています。穀物のほのかな甘さと柑橘の爽やかなビターが絶妙に組み合わさり、全体として複雑ながらもバランスの取れた味わいが印象的です。余韻には、ウッディな渋みとバニラのかすかな甘さが残り、3つの飲み方の中で最も心地よい印象を持ちました。
さすがに缶ハイボールも発売されているだけあって爽やかで飲みやすい味わいでした。レモンを絞るとさらに飲みやすくなります!
まとめ
世界で最も売れているバーボンウイスキー「ジムビーム ホワイトラベル」を3種類の飲み方でレビューしてみました。
どの飲み方を試しても、バーボンウイスキーのエステリーでフローラルな香りが際立って感じられました。しかし、特におすすめしたいのはハイボールです。バーボンには溶剤のような独特の香りがあり、これを好まないウイスキーファンも少なくないと思います。しかし、炭酸で割り、レモンを加えると、その香りが和らぎ、レモンの爽やかな酸味とバーボンの穀物由来の甘みがバランスよく楽しめます。
炭酸によってバーボンの香りが穏やかになり、レモンのフレッシュさが一層際立つため、ジムビームの持つ甘みとスパイシーさがバランス良く感じられます。バーボンが苦手な方でも、このハイボールを通じてスコッチやジャパニーズとは違う新しいウイスキーの魅力を発見することが出来るでしょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。
ジムビームのラインナップ
ジムビームは、その多彩なラインナップでも知られています。代表的な製品には以下のようなものがあります。
ジムビーム ブラック
ホワイトラベルよりも長い6年間の熟成を経たバーボンで、より深い味わいと複雑なフレーバーが特徴です。メロンやバニラアイスのような甘みがあり、どんな飲み方でも楽しめる多様性に富んだボトルです。
ジムビーム ダブルオーク
4年間熟成した後、さらに新しいオーク樽で3~6ヶ月の後熟を行ったバーボンです。バニラやカラメルの風味に加え、樽香の余韻がしっかりと感じられます。チャーリングからくるカラメル感や心地よいビター感が強調された一本です。
ジムビーム デビルズカット
「悪魔の取り分」と呼ばれる、樽に染み込んだウイスキーを抽出し、6年熟成の原酒にブレンドしたバーボンです。バーボン特有の強い風味が特徴で、個性の強いバーボンが好きな方に特におすすめです。
ジムビーム ライ
ライ麦を主原料としたバーボンで、通常のジムビームとは異なるスパイシーでドライな風味が楽しめます。クラシックなカクテル「マンハッタン」によく使われるバーボンとしても知られています。
テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!
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