【レビュー】ダルモア12年の味と香り、オススメの飲み方を解説!

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こんにちは!ウイスキーの魅力と楽しさを伝えるカエル「sister-ley」です!今回も、魅力的なウイスキーの解説&レビューを行っていきます!!

スコットランド北部に位置するダルモア蒸溜所は、1839年の創業以来、シングルモルトウイスキーの名門として知られています。ボトルに描かれた雄鹿のエンブレムは、その威厳と歴史を象徴し、リッチで複雑な風味が多くのウイスキーファンを魅了してきました。特に「ダルモア12年」は、その伝統と技術が詰まった一本として、ブランドの魅力を語る上で欠かせません。

この記事では、「ダルモア12年」を中心に、蒸溜所の歴史や製法、シェリー樽熟成の特徴、そしてブランドに深く関わるリチャード・パターソン氏について詳しくご紹介します。ダルモアの奥深い世界を、是非、知ってください!

ダルモア12年はこんなウイスキー

ウイスキー属性 シングルモルト
産地(エリア) スコットランド(ハイランド)
蒸留所 ダルモア蒸留所
味わい エレガントでスッキリ
飲みやすさ ★★★★★☆
おすすめの飲み方 ストレート・ハイボール
こんな人にオススメ 飲みやすさに拘る人・シガーのお供に
ダルモア12年の総合評価
イマイチ
良い

スコットランドが誇る伝統と革新のダルモア蒸溜所の歴史

ダルモアは、スコットランド北ハイランド地方で作られるシングルモルトウイスキーで、豊かな風味と芳醇なアロマが特徴です。シェリー樽で熟成された複雑な味わいが魅力で、世界中のウイスキーファンから高い評価を受けています。現在はフィリピンのエンペラドール社が所有し、東南アジア市場でも人気を集めています。

ダルモアのボトルに刻まれた牡鹿のエンブレムは、1263年にスコットランド王アレキサンダー3世を救ったというマッケンジー家の伝説に由来しています。この紋章は、歴史的な逸話と共に、ブランドの象徴となっています。

ダルモア蒸溜所は1839年、アレクサンダー・マセソンによってスコットランド北部のアルネス町郊外で創業されました。マセソンはこの地に広大な蒸溜所を設立し、スコットランドの北海油田に近いこの地から生産を行っていました。ダルモアの名前は、ゲール語で「広い牧草地」を意味しており、クロマティー湾に面した豊かな自然環境がその由来です。

1867年、地元の農家であるマッケンジー兄弟がダルモア蒸溜所を買収し、以降は彼らの管理のもとで発展を遂げました。特にホワイト&マッカイの創始者であるジェームス・ホワイトとチャールズ・マッカイとマッケンジー兄弟が親友であったため、ダルモアはこの有名なブレンデッドウイスキーの主要な原酒として使われることとなり、その名声を一層高めることになりました。

しかし、ダルモアは順風満帆な歴史を歩んだわけではありません。第一次世界大戦中、蒸溜所は連合軍によって接収され、軍事目的に使用されることとなります。特にクロマティー湾に近い立地は、地雷の組立工場として非常に適していたため、1917年にはすべてのウイスキーが蒸溜所から運び出され、生産は停止に追い込まれました。戦後、1920年にマッケンジー家が蒸溜所を取り戻しましたが、アメリカで施行されていた禁酒法や、第二次世界大戦の影響によって経営は困難を極めました。

  • 創業と名称の由来: ダルモア蒸溜所は1839年、アレクサンダー・マセソンによってスコットランド北部アルネス町郊外に創業。名前はゲール語で「広い牧草地」を意味し、クロマティー湾の自然環境に由来。
  • 所有と発展: 1867年にマッケンジー兄弟が買収。ホワイト&マッカイの主要原酒として利用され、その名声を高めた。
  • 戦争と経営困難: 第一次世界大戦で蒸溜所が接収され生産停止。戦後も禁酒法や第二次世界大戦の影響で経営が困難に。

第二次世界大戦中、ダルモア蒸溜所は再び休止を余儀なくされましたが、1945年には生産が再開され、ウイスキー市場への復帰を果たします。その後、1960年にホワイト&マッカイの傘下に入ることにより、資金を得たダルモアは1964年に蒸溜器を4基から8基に増設し、生産能力を大幅に向上させました。これにより、ダルモアは大量生産が可能となり、シングルモルトとしての需要も高まりました。

マッケンジー家の支配は2007年に終焉を迎え、インドのUBグループに蒸溜所が売却されました。その後、2014年にはフィリピンのエンペラドール社に所有権が渡り、現在もダルモアの伝統は引き継がれています。エンペラドール社のもとで、ダルモアはアジア市場を中心に世界的な人気を高め続けています。

  • 戦後の復興と生産拡大: 1945年に生産再開。1960年にホワイト&マッカイの傘下に入り、1964年には蒸溜器を4基から8基に増設して生産能力を大幅に向上。
  • 所有権の変遷: 2007年にマッケンジー家の支配が終わり、インドのUBグループへ売却。2014年にはフィリピンのエンペラドール社が所有権を取得。
  • 現在の展開: エンペラドール社のもとで、特にアジア市場を中心に世界的な人気を拡大中。

ダルモア蒸溜所では、24時間365日稼働し、年間の生産量は純アルコール換算で約420万リットルにも及びます。スコッチウイスキーとしてはかなりの生産規模を誇る蒸溜所ですが、その生産過程には高い技術と伝統が融合されています。ここでは、ダルモアのウイスキーがどのようにしてその豊かな風味と品質を生み出しているのか、製造工程を詳しく見ていきましょう。

項目 詳細
蒸留所名 ダルモア蒸留所
設立年 1839年
所在地 スコットランド、ハイランド地方
創業者 アレクサンダー・マシューズ
所有者 エンペラドール社(フィリピン)
仕込み水の源 アルネグ川
使用される麦芽 スコティッシュゴールデンプロミス(特定の品種)
発酵槽の材質 ステンレススチール
蒸留器の種類 ポットスチル(銅製)
蒸留器の数 8基(ウォッシュスチル4基、スピリットスチル4基)
特徴的な熟成方法 シェリー樽(オロロソ、ペドロ・ヒメネスなど)を多用した長期熟成

ダルモアで使用される大麦は、主に「コンチェルト種」と「クロニクル種」というノンピートの品種です。これらの大麦は、特にクリアでリッチな風味を持つスピリッツを作り出すために厳選されています。2011年までは一部でピーテッドモルトも使用されていましたが、現在ではノンピートのモルトのみが使用され、ダルモア特有のスムースで洗練された味わいが引き出されています。

粉砕された大麦は、ダルモアのステンレス製セミロイタータン型のマッシュタンに投入されます。14トンの麦芽が一度に処理され、温水と混ぜられて糖化が行われます。この過程で生成された麦汁は、「ウォート」と呼ばれ、次の発酵工程に送られます。ダルモアのマッシュタンは特別に設計されており、効率的な糖化を可能にすることで、スピリッツに最適なベースを作り出しています。

マッシュタンで得られた麦汁(ウォート)は、4基のオレゴンパイン製の発酵槽(ウォッシュバック)に移されます。オレゴンパインの木材は、伝統的にスコッチウイスキーの発酵槽に使用されており、その特性がスピリッツに微妙な風味を加えることが知られています。ここで、酵母を加えて48~60時間かけて発酵させ、アルコールを含む「ウォッシュ」という液体が生成されます。

発酵槽は木製であるため、細かな温度調整が必要ですが、これはダルモア特有の発酵プロセスを作り出し、フルーティーでリッチな香りを引き出すのに重要な役割を果たしています。

ダルモア蒸溜所には、初溜釜(ウォッシュスチル)4基と再溜釜(スピリットスチル)4基の合計8基のポットスチルが設置されています。ダルモアのポットスチルは、特に再溜釜に特徴があり、独特な形状を持っています。再溜釜の首の部分には「ウォータージャケット」と呼ばれる冷却装置が取り付けられており、これにより蒸溜プロセスでの温度管理が非常に精密に行われます。この装置は、再溜釜内で蒸気が過剰に上昇することを防ぎ、還流を促す役割を果たしています。

再溜釜の首にはこのウォータージャケットが設置されており、これにより還流がコントロールされ、重いオイリーな成分が釜に戻されることで、スピリッツにクリアでピュアな風味を持たせます。この特殊な蒸溜技術が、ダルモアのウイスキーに特有の滑らかさと豊かさを与えています。

また、ダルモアの蒸溜所では、蒸溜が非常にゆっくりと行われるため、蒸留されたスピリッツが多くの風味成分を保持しています。蒸溜後のニューメイクスピリッツはすでに大麦の芳醇な香りが強く出ており、後の熟成プロセスでさらに複雑な風味が引き出されます。

ダルモアの熟成プロセスでは、使用する樽の種類に特にこだわりがあります。特にシェリー樽を多く使用することで知られており、スペインの名門シェリーメーカー「ゴンザレス・ビアス社」から供給されるオロロソやマツサレムの樽が使われています。これにより、ダルモアのウイスキーにはレーズンやプラム、オレンジのようなフルーティーな香りが付与され、スパイシーなアクセントが加わります。

また、シェリー樽だけでなく、マディラワイン、マルサラワイン、ポートワインなど、さまざまなワイン樽を使用することで、ダルモアのウイスキーには複雑な風味とリッチなアロマがもたらされます。これらの樽で熟成されることにより、ウイスキーの風味は一層深みを増し、柔らかでまろやかな口当たりを持つようになります。

ダルモアの長期熟成ウイスキーは、オークション市場でも高値で取引されることが多く、例えば62年ものや50年もののウイスキーが数千万円で落札されています。これにより、ダルモアのウイスキーは投資対象としても非常に注目されているのです。

ダルモア蒸溜所では、以上のような製造プロセス全体を通じて非常に緻密な管理が行われています。蒸溜の際の温度や発酵時間の管理はもちろん、使用する樽の品質にも細心の注意が払われており、その結果として非常に高品質なスピリッツが生み出されています。特に、ウォータージャケットを用いた再溜釜での技術や、多様なワイン樽を使った熟成が、ダルモアの独特の風味を生み出す要因となっています。

ダルモアは、シングルモルトウイスキーの中でも特に洗練された味わいを持ち、複雑なフルーツの香りやスパイスのニュアンスが楽しめる、バランスの取れたウイスキーとして高く評価されています。

  • 原料と製造工程:
    • 使用する大麦は「コンチェルト種」「クロニクル種」のノンピート品種で、クリアでリッチな風味を実現。
    • ステンレス製マッシュタンで糖化、オレゴンパインの発酵槽で48~60時間発酵させて「ウォッシュ」を生成。
    • 再溜釜の「ウォータージャケット」による温度管理で、クリアでピュアな風味を実現。
  • 熟成と樽のこだわり:
    • 主にシェリー樽(オロロソやマツサレム)を使用し、レーズンやプラムのようなフルーティーな香りを付加。
    • マディラワインやポートワイン樽も活用し、複雑な風味を創出。
  • 市場評価と特徴:
    • 長期熟成ウイスキーがオークションで高額取引され、投資対象として注目。
    • 蒸溜の工程で風味成分を保持し、豊かな風味を持つニューメイクスピリッツを生成。
出典:cluboenologique.com

ウイスキー業界で「偉大なる鼻」と称されるリチャード・パターソン氏。50年以上にわたる彼のキャリアは、ウイスキー製造に対する深い愛情と革新によって彩られています。ダルモアやホワイト&マッカイなどの名門ブランドに貢献し、現在はウルフクレイグ蒸留所のマスターブレンダーとして新たな挑戦を続けています。彼の功績と情熱がウイスキー業界に与えた影響について見ていきましょう。

リチャード・パターソン氏がウイスキーに対する特別な情熱を持つ理由は、彼の家族の歴史にあります。祖父と父はともにグラスゴーでウイスキー業界に従事しており、パターソン氏もその伝統を受け継ぎました。彼は17歳でウイスキー業界に入り、26歳という若さでホワイト&マッカイのチーフブレンダーに就任。その後、彼は50年以上にわたってブレンディングの技術を磨き、業界をリードし続けています。

リチャード・パターソン氏が特に評価されているのが、彼の独自のブレンディング技法「ダブル・マリッジ」です。この手法は、まずモルトウイスキーを樽で熟成させた後、グレーンウイスキーを加えて再度熟成させるものです。これにより、ウイスキーに豊かな味わいと複雑さが加わり、多くの愛好家に高く評価されています。

パターソン氏は「偉大なる鼻」という異名を持つほど、ウイスキーの香りを嗅ぎ分ける才能に長けています。彼のノージング技術は、ウイスキーの微細なニュアンスまで引き出し、その魅力を最大限に高めます。最近では彼のテイスティング動画がTikTokで話題となり、若い世代にもウイスキーの魅力を広めています。再生回数はなんと3000万回以上に達し、ウイスキー文化の新たなファン層を開拓しています。

リチャード・パターソン氏は、ウイスキーの魅力を伝えるショーマンシップにも定評があります。彼は世界中のウイスキーショーやセミナーで、自身の豊富な知識と情熱を活かし、参加者にウイスキーを楽しむ方法を教えています。彼の教育的なアプローチは、ウイスキーをより深く理解し、その背景にある歴史や文化を感じることの大切さを説いており、世代を超えて支持されています。

現在、リチャード・パターソン氏はスコットランド・スターリングにあるウルフクレイグ蒸留所で、マスターブレンダーとして新たなウイスキーを生み出しています。彼が手掛ける3種類の長期熟成ウイスキーは、パターソン氏の長年の経験と革新が詰まった逸品です。これからも彼の技術が新しい時代のウイスキーを作り出すことは間違いありません。

リチャード・パターソン氏のウイスキーに対する情熱と革新は、ウイスキー愛好家だけでなく、これからウイスキーを楽しもうとするすべての人に影響を与え続けることでしょう。彼の存在は、まさに「ウイスキー界の守護神」として今後も輝き続けます。ー業界に新たな風を吹き込み続けることでしょう。ウイスキーを愛するすべての人々にとって、彼の存在はまさに「ウイスキー界の守護神」と言えるのではないでしょうか。

  • キャリアと功績:
    • 17歳でウイスキー業界に入り、26歳でホワイト&マッカイのチーフブレンダーに就任。
    • 「ダブル・マリッジ」手法を開発し、ウイスキーの味わいと複雑さを高める技術を確立。
  • 影響力と普及活動:
    • 「偉大なる鼻」の異名を持つ卓越したノージング技術で業界を牽引。
    • TikTokでのテイスティング動画が3000万再生を超え、若い世代にウイスキー文化を普及。
  • 現在と未来:
    • ウルフクレイグ蒸溜所で3種類の長期熟成ウイスキーを手掛け、新たな挑戦を続行。
    • 世界中でショーやセミナーを通じ、ウイスキーの魅力と文化を教育的に広める活動を展開中。

こちらのボトルは、ダルモア蒸留所の代表作とも言える12年もののシングルモルトです。使用する熟成樽には、バーボン樽とシェリー樽を組み合わせ、12年以上熟成させた原酒をヴァッティングしています。バーボン樽由来のバニラの甘さに加え、シェリー樽からは柑橘系のフルーティーな風味が引き立ち、豊かな味わいを提供しています。

さらに、シナモンやナツメグといったスパイシーなニュアンスも感じられ、甘味やコク、香りのバランスが非常に整っているため、飲みやすさも抜群です。リフィルバーボン樽が全体の85%、甘口のシェリー樽が15%という絶妙な比率でヴァッティングされており、その後さらにシェリー樽で後熟を行います。

香りはオレンジマーマレードやレーズンチョコのような豊潤さが特徴で、スパイスと柑橘のフレッシュな要素が重なり合い、複雑で奥深い仕上がりです。1839年創業のダルモア蒸留所は、長年にわたり高品質なシングルモルトを提供しており、このボトルもシガーとの相性が良い食後酒として評価されています。

  • 熟成と風味:
    • バーボン樽(85%)とシェリー樽(15%)を使用し、12年以上熟成後、さらにシェリー樽で後熟。
    • バニラの甘さ、柑橘系のフルーティーさ、シナモンやナツメグのスパイシーさが調和した豊かな味わい。
  • 香りの特徴:
    • オレンジマーマレードやレーズンチョコの香りにスパイスと柑橘のフレッシュさが加わり、奥深い仕上がり。
  • 用途と評価:
    • 飲みやすく、特にシガーとの相性が良い食後酒として高く評価されている。
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それでは、ダルモア12年をストレート、ロック、ハイボールの3種類の飲み方で味と香りをみていきましょう!

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テイスティング(実際に飲んでみた)

ダルモア12年のフレーバー

ダルモア12年の味わい

ダルモア12年をストレートで飲んでみる

香り

  • オレンジピール、ラムレーズン、チョコ、ミルクセーキ、パウンドケーキ、シナモン、葡萄の皮

味わい

  • 濃厚な果実感とシトラス

感想

まずは、ストレートで飲んでみます。

香りは、爽やかなオレンジピールに加え、ラムレーズンや葡萄の皮、熟した果実のエレガントな香りが漂い、ラムやブランデーのような果実香が印象的です。さらに、果実の香りだけでなく、チョコやミルクセーキ、ふっくらとしたパウンドケーキのニュアンスも感じられ、シナモンのスパイシーな香りもほのかに伺えます。

口に含むと、マーマレードやオランジェットの甘酸っぱさと、シェリー由来のエレガントな果実香が広がり、ピールの効いたビターな風味が膨らんできます。次第にスパイシーさが追いかけてきて、余韻にはワインのようなタンニン感、スパイシーさ、そしてビターが混ざり合い、爽やかさが長く続きます。

香りはエレガントで重厚な印象を与えますが、口に含んでみると、最初のうちはその印象が残るものの、中盤からは爽やかなピールの香りとスパイシーさが際立ち、とても爽やかな印象が最後まで残ります。一概に甘いわけではなく、エレガントさを保ちながらも、すっきりとした飲みやすい味わいに仕上がっています。

Key(筆者)
Key(筆者)

香りからはドッシリとした印象を持ちますが、飲んでみると意外にスッキリとしていて飲み疲れない初心者にもおすすめの味わいです!

ダルモア12年をロックで飲んでみる

香り

  • オレンジピール、チョコ、ゴム、硫黄、ラムレーズン、なめした革、パウンドケーキ

味わい

  • スパイシーでビター

感想

次は氷を入れてオンザロックで飲んでみます。

香りは、オレンジピールの爽やかな柑橘感とレーズンのエレガントさに加え、ゴムや硫黄を感じさせるシェリー樽特有のサリファリーな香りが漂います。さらに、加水が進むと、なめし革のニュアンスも現れてきます。奥の方に控えめではありますが、チョコのほろ苦さやパウンドケーキの穀物や洋菓子らしいふっくらとしたニュアンスも感じ取れます。

口に含むと、ほろ苦く少しオイリーなダークチョコとオレンジピールのビター感が広がり、徐々にタンニンとスパイシーさが膨らんできます。次に、甘酸っぱい葡萄の風味が顔を出し、再びビターとタンニンが主張し始めます。余韻には、樽の内側を思わせる木の渋みが感じられ、それがゆっくりと消えていきます。

ストレートで飲むと、ビター感が一層強くなり、同時にシェリー樽由来の葡萄のタンニン感(渋み)も強調される味わいです。加水が進むと、苦味や渋みが増しすぎる傾向があり、そうした要素が苦手な方にとっては飲みにくさを感じるかもしれません。

Key(筆者)
Key(筆者)

加水が進みすぎると渋くて飲みにくくなるので、好みに合わせて氷を途中で抜いて味わいのをオススメします!

ダルモア12年をハイボールで飲んでみる

香り

  • レーズン、オレンジピール、チョコ、シナモン、葡萄の皮、ラテ

味わい

  • 甘くエレガント

感想

最後はハイボールで飲んでみます。

香りは、レーズンや熟した葡萄の果実感に、爽やかなオレンジピールが加わり、ブランデーケーキやシナモン、ほろ苦いチョコレートまたはカカオの香りが広がります。香りに注目すると、フルーティで甘やかなデザートのような印象を与えます。

口に含むと、ラムレーズンとチョコレートの風味がまるでケーキを食べているかのように広がり、甘やかでフルーティな味わいが感じられます。中盤からはオレンジピールの香りとスパイシーさが少し顔を出し、全体を通して葡萄やレーズンの甘酸っぱさも続きます。余韻は短めですが、ほろ苦いチョコレートの甘さや、果実を思わせるエレガントな香りが漂いながら静かに消えていきます。

このハイボールは、マッカランやフレンチハイボールのようにエレガントで果実感あふれる贅沢な味わいを持ち、食事と合わせるよりも食後の一杯にふさわしい、デザート感覚の楽しみ方ができる一杯でした。

Key(筆者)
Key(筆者)

ブランデーハイボールのような果実感タップリの贅沢な味わいが特徴です。ケーキっぽい甘さも感じるので食後にオススメ!

まとめ

ダルモア蒸溜所は、長い伝統を守りながらも革新を追求する姿勢で、多くのウイスキーファンを惹きつけてきました。リチャード・パターソン氏の手腕が光るダルモア12年は、豊かで複雑な風味が特徴です。

特に、葉巻に似合う「シガーモルト」としても知られ、そのしっかりとしたボディが印象的ですが、飲んでみると意外にもフルーティーさやシトラスの爽やかさが広がります。ストレートでじっくり楽しむのも良いですが、時間をかけるとより深いモルトの重厚さが感じられ、ハイボールスタイルでは軽やかな果実の風味も引き立ちます。

シェリー樽熟成で有名なザ・マッカラングレンファークラスグレンドロナックが好きな方には特におすすめですが、ウイスキー初心者や、あまりウイスキーに馴染みのない方、さらには女性にも手に取りやすいボトルです。ぜひ一度、ダルモアのシングルモルトを味わい、その奥深い魅力を体験してみてください。

ダルモアは、多彩なラインナップを展開しており、それぞれのボトルが異なる特徴と魅力を持っています。ここでは、代表的なボトルをご紹介します。

ダルモアのエントリーモデルとして知られる12年もので今回のレビューボトル!内容は85%がバーボン樽で熟成された原酒、残り15%がシェリー樽で熟成され、その後シェリー樽でさらに後熟されます。オレンジマーマレードやレーズンチョコ、シナモンの香りが楽しめ、バランスの取れたフルーティーでスパイシーな味わいが特徴です。

12年ものよりも熟成年数が長く、15年ものはより濃厚でリッチな風味が楽しめます。香りはレーズン、黒蜜、シトラスに加え、シナモンやナツメグのスパイスが効いており、ビターチョコレートやミントの風味が口の中に広がります。ドライでスパイシーな余韻が心地よく、豊かな味わいを楽しむことができます。

シガーと相性が良いウイスキーとしてブレンドされたシガーモルトリザーブは、バニラやプラム、オークの香りが豊かで、ややビターな味わいが特徴です。シガーに寄り添うようなリッチな風味で、シガー無しでも楽しめる仕上がりになっています。

6種類の異なる樽で熟成された原酒をヴァッティングしたキング・アレキサンダー3世は、赤ワイン樽、マディラ樽、ポートワイン樽、オロロソシェリー樽、マルサラ樽、バーボン樽という多彩な樽を使用しており、複雑でフルーティーな香りと味わいが楽しめます。チョコレートやカラメル、プラムの香りが特徴で、しっとりとした口当たりが魅力です。

最後までお読み頂きありがとうございました。

テイスティングに使用しているグラス「グレンケアン」、クリスタル製なのに丈夫で倒れにくく洗いやすい!!しかも、安価という素晴らしいウイスキーグラスです!!

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コメント

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